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新山詩織×佐藤タイジ(シアターブルック)対談

新山詩織 『Don’t Cry』 インタビュー

新山詩織×佐藤タイジ(シアターブルック)対談インタビュー

 音楽を通して“不自由さ”を訴えている新山詩織。2ndシングル『Don't Cry』でもそのスタンスが変わることはないが、今作の2曲目にはシアターブルック「ありったけの愛」のカバーが収録された。しかもシアターブルックとのセッションという形で。
 Billboard JAPAN.comでは、新山詩織の“今のリアル”についてインタビューしつつ、長年にわたって“自由”をメッセージし続ける佐藤タイジ(vo,g)との対談を実現。キャリアもスタイルも違う、性質も相反する2人が出逢ってしまったその意味を記録する。

新山詩織『Don't Cry』ソロインタビュー
「友達の前とかでも堂々としていられるようになった」

--4月17日に1stシングル『ゆれるユレル』をリリース。実際にメジャーデビューしてみて、どんなことを感じたりしていますか?

新山詩織:デビュー前、何もかもが初めてのことだったので、ひとつひとつ何とかやりこなしていこうと必死だったんですけど、初めて人の前で演奏することになってから、音楽を新鮮に楽しめるようになっていって。

--翌18日 渋谷WWWでのデビューイベントには、どんな印象や感想を?

新山詩織:音楽やってる自分をずっと見せたかった友達とか、あんまり喋ったことのない友達とか、たくさん来るって事前に聞いていて。今までその子たちの前でギター持って歌ってる姿を一度も見せたことがなかったので、遂に、やっと、今までずっと出したかった自分を見せられる日が来たんだ……っていうのが、何よりも強い気持ちとしてあって。ライブ本番前、口では「緊張する」って言ってるけど、すごく興奮している自分もいて、いざステージに立って、最初の「だからさ」のときには手が微かに震えてはいたんですけど……でも、2曲目3曲目あたりにはそんなのもどっかに消えて、完全に振り切って思いっきりできたので、何かずっとあったものが飛んでいったような。

--飛んでいった?

新山詩織:抑えていたものが。気持ち良かったのを覚えてます。恥ずかしさは全くなくて、心配とか不安とかもライブやってる最中は一切なくて。フタをひとつ開けたような……今までよりちょっと、友達の前とかでも堂々としていられるようになった。

--新山さんのライブを観た、友達の反応はどんなものだったの?

新山詩織:学校に行くのが……その一瞬だけはちょっと怖かったんですけど。

--そのライブ終わった後に学校へ行くのが?

新山詩織:はい。でも普通だった。

--(笑)

新山詩織:「ちゃんと分かってくれたんだ」って思いました。だから私も普通にしていようって。

--普通にできるって、ただそれだけでも意味深いですよね。前回のインタビューで話してくれた時期から考えると。ちなみにデビューして“とうとう始まってしまった感”はある?

新山詩織:4月17日を過ぎてからいろんなことが一気に進んでいって「私はこの先どうなっていくんだろう?」っていう不安もあって。今は夏フェスも決まってて、ずっと自分が本当に憧れていた場所へ行けることになったり、すごく楽しみはあるんですけど……本音を言うと、難しい心境でもある。

--そっか。デビュー前、新山さんは「自分の曲が全国に届けられると思うと……どんな風に聴かれるんだろうと思うんですけど、でもちょっと安心してる部分もあって。やっぱり自分の音楽に共感してくれる人はいると思うから、しっかり耳に届くといいな」と語っていたんですが、そこの共感とは、デビューしたことによって出逢えた?

新山詩織:ラジオとかでメッセージをたくさん頂いて、「私の話を聞いてほしいんですけど」って書いてくる人もいて、その内容を読んでいると、中学のときの自分同様に友達と些細なことで上手くいかなくて悩んでいたりして。そういうメッセージを読ませてもらったら、ハッキリ言葉にするのは難しいんですけど……共通点というか、同じようなことにみんな引っ掛かっていたりしてるのかなって。だから共感の声がすごく届いてます。

--その声を聞いて、自分と同じ境遇の人がいると知って、自分の中で変化している部分って何かあったりしますか?

新山詩織:前はひとりだけで考えて、自分の中だけで何でも解決して。だけど今は自分の歌をうたうことで、直接会ったことのない人たちが「同じ気持ちだ」ってメッセージをくれて、最初はすごく不思議な気持ちにもなったんですけど、やっとそうなれたんだなって。ずっとそうしたかったように、いろんな人と少しでも繋がることができたのかなと思って、すごく嬉しかったです。

--そんな新山詩織の2ndシングルがリリースされます。映画『絶叫学級』の主題歌となっている「Don't Cry」、この曲はそもそもどんな想いや背景があって生まれた曲なんでしょう?

新山詩織:元々は親友に対して書いていた曲だったんですけど、制作過程で映画『絶叫学級』のお話を頂いて、台本と完成前の映像を見させてもらったら、その中の世界が自分と似たような環境で。学校というものに通っていて、人間関係に翻弄されて……そういう面では自分とすごくリンクしていたんです。誰かと話しているときに、本当にポロッとなんとなく言ったことが、次の日の教室の雰囲気を悪くしていたり、自分の立場や位置、世界を一変してしまったりする。それをこの曲のテーマにしようと思って。

--そのテーマって、昔の新山詩織そのものだったりする?

新山詩織:…………今でもある。Bメロの「日常茶飯事 嫌になる」というのは、今でも入り交じってくる気持ちですし、表には出していないけど、どうしようもなく存在する気持ち。

--そうした曲を発信することで、聴き手にどう響けばいいなと思ってます?

新山詩織:歌詞だけ読んでると、あんまり明るくなれないと思うんですけど、タイトルは「Don't Cry」って言ってて、音はすごく爽やかで明るいから、聴いてくれた人の中にスゥーッと入っていってくれたらなって。そこで何を感じるかはその人次第。でも完全にこういう気持ちの人がいて「こんな生活から今すぐ抜け出したい」って動き出すきっかけになれたら、すごく嬉しい。

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新山詩織「Don’t Cry」

Don’t Cry

2013/07/10 RELEASE
JBCZ-6002 ¥ 1,100(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Don’t Cry
  2. 02.ありったけの愛
  3. 03.Don’t Cry -instrumental-

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