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アンジェラ・アキ 『手紙~拝啓 十五の君へ~』 インタビュー

アンジェラ・アキ 『手紙~拝啓 十五の君へ~』 インタビュー

今回のインタビューも「ぶっちゃけトークばかりなので、そのぶっちゃけな感じをこれを読む人にはストレートに受け取ってもらいたいです」(byアンジー)な内容となった。約1年ぶりの新曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』の話を中心にいろいろと語ってもらったのだが、興味深いのは、新曲がそうメッセージしているように、人はいつのときも逃げ出したい感情に襲われながらも、それでも生きているということだ。15才の頃のアンジェラの苦悩、そしてつい最近まで抱えていたアンジェラの苦悩、そしてその苦悩たちから立ち直らせてくれた、ありのままの自分。Billboard JAPANに綴られた、アンジーからのもう一枚の手紙、ぜひご覧頂きたい。

音楽をなんでずっとやり続けてきたのか

--アルバム『TODAY』以来、約1年ぶりのインタビューです。まさか1年近くもリリースがないとは思いませんでしたが(笑)。

アンジェラ:こっちもね、6ヶ月もツアーすると思ってなかった(笑)。

--(笑)。『TODAY』リリースからの1年は、自分にとってどんな期間になりましたか?

アンジェラ:自分で作った曲たちを噛み締める時間にはなったかな。バタバタとリリースすると、1曲を歌い込んだり噛み砕いたりする時間が少なかったりして、勿体ないんですよ。せっかく生み出すものだから、ちゃんとそれを自分の中で昇華できてから次の曲を出したい。海外のアーティストとかだったら3年ぶりのアルバムとかあるじゃないですか。「そういうのがいいなぁ」ってすごく思ったりして。でもそれは日本のマーケットでは無理で。ずっと続けていきたいんだったら、なかなかね。ドリカムさんとか見てても、あれだけ長いこと活動されてるのに、ずっと新曲はきちっと出していってるじゃないですか。でもそういうペースに対する疲れみたいなのはどうしてもあって。曲作って、プロデュースして、録音して、歌って、演奏して、ライブもやって・・・そういう一人芝居の部分がすごくあるから、だから私は噛み砕く時間がもっと必要なんですよね。そういう意味では、この1年間はそれがちゃんと出来て良かったなぁって。全国41本ライブやって、プラス武道館もやって、ちゃんと『TODAY』という作品を噛み締めてから、今回の『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』に辿り着けたので。

--フェス参戦もありましたしね。

アンジェラ:フェスはね、「ピアノ一本でも全然ロックなんだよ」ってことをすごくみんなに知ってもらいたくて参戦しました。多くの人が私の音楽に対して「おとなしい」っていうイメージを持ってると思うんです。でも本当はおとなしく聴く曲もあるけど「決してそれはおとなしいところから生まれてるわけじゃないから!」みたいな(笑)。あとMCに関しても、未だに私が関西の人だって知らない人がいるから、そういうところも知ってもらうキッカケになったらなって。「あんな喋る人なの?」って(笑)。それで「おもろいやん、今度ライブ行ってみよ」ってなったら良いなと思うんですよね。

--アンジェラ・アキはめちゃくちゃロックですからね。

アンジェラ:ありがとうございます。まぁでも最初はね、春のアラバキ(【ARABAKI ROCK FEST.08】)で、髭(HiGE)さんの後だったんですけど、そこで巻き起こってるモッシュビートを見て「ちょっと怖いな」と思いました(笑)。でも出てみたら全然そんなことなくて。この前も【HIGHER GROUND】で、私、マキシマム ザ ホルモンが大好きで、CDとかDVDとかも持ってるんですけれど、本当に会えるのを楽しみにしてたんですよ。で、実際に会ってみたら、年齢が近いのもあってすごく意気投合して、私のステージを観に来てくれたんですよ。物凄く近くで見てくれて。しかも4人とも号泣してて!ホルモンと私の音楽の資質はちょっと違うかもしれないけど、書き出して放つエモーションっていうのは一緒なんだなと思って、すごく嬉しかった。「私も八王子に行きたい!」って思った。

--(笑)。また、いくつか大きなトピックを上げていきたいんですが、昨年のクリスマスに2度目の武道館公演がありました。1度目の武道館と比べて、いかがでした?

アンジェラ:もうちょっと肝っ玉座って演奏できるかなと思ってたら、やっぱり緊張して。まだまだ武道館という大舞台がしっくり来るようなアーティストではないなという、良い意味で謙虚な体験でした。とは言いつつも、武道館でやる意味っていうのはやっぱりあるなというか「この場所で歌い続けたいな」っていう気持ちにすごくなりました。自分の歌い続けたい場所、原点でもあり目標でもある場所ですね。

--あの日の大きなハイライトと言えば、14,000本の光の中で披露した『ONE』という新曲。なぜあの曲を歌おうと?

アンジェラ:「音楽をなんでずっとやり続けてきたのか」っていうことを思ったら“ONE”っていう言葉が思い浮かんで、『ONE』っていうアルバムはあったけど『ONE』っていう曲はなかったなと。で、1回目の武道館は桜色に染まったけど、2回目はクリスマスだったし、1人の小さな灯りでもみんなが灯せばめちゃくちゃ明るくなる世界っていうのを演出できたらなと思って。そうしたことも考えた中で『ONE』は生み出したんですよ。

--で、僕はてっきり今年の春ぐらいには、あの『ONE』がニューシングルとしてリリースされると思っていたんですが・・・どういうことなんでしょう(笑)?

アンジェラ:どういうことなんでしょうね!?これはレーベルに一言言わないと(笑)。ただ、1回目の武道館で披露した『サクラ色』もそうだったんですけど、「次のシングル曲です」っていう意味じゃなくて、本当にあれは武道館で歌うために作った曲なんですよ。あの場所にあの夜に来てくれた人だけが感じられる特別なものというか。『サクラ色』も武道館で披露したときはリリースなんて決まってなかったですから。だから『ONE』も出るか出ないかは分からないけど、いろいろレコード会社の都合があるでしょうし(笑)。でも自分の気持ちとしては、そこにフォーカスは当ててない。一夜限りの何かスペシャルなものを持って帰ってもらいたい。それだけのために作った曲なので。

--そして年を跨いで行われた、全41公演の全国ツアー【CONCERT TOUR 2007-2008“TODAY”】。自分にとってどんなツアーになりましたか?

アンジェラ:あれだけの規模でツアーをやるときはどうすればいいのか?いろんな方からそのアドバイスを受けたときに「10本やるんだったら全力でやってもいいけど、30本、40本、50本っていうレベルになってきたら、本当のプロっていうのは8割でキープしつつ、燃え尽きないようにやる」って言われて。「なるほど」と思って、最初の1回、2回、3回と「頑張って8割にしよう」と思って臨んだんですが、120%出してしまって。

--(笑)。

アンジェラ:「8割ってどのぐらいか分かんないな。でもまだ馴れてないからかな?」と思って。で、10本目ぐらい。まだ120%。で、20本目ぐらいで120%出してるときに気付いたんですよ。「私、8割って無理だ」って(笑)。でもまだ若いからなのか知らないですけど、120%で最後まで行けたんですよね。全然大丈夫で。毎日ガンガン飲んでるし(笑)。それで「私は8割っていうタイプじゃなくて、12割っていう人なのかな」って自分を知りました。だって初めて行く場所でずっと待ってくれていた人もいるわけですよ。例えば、秋田の人たちに「明日、仙台あるから、私は8割しか出さんわ」って言わなくても、そういう気持ちで接するっていうことが、あり得ないと思って。CDの倍はするお金払って、わざわざ来てくれている人たちに対して「8割はアカンわ」って思ってしまったんです。だから120%でもできる自分でいようと。100本とかだったらどうなるか分かんないですけど、とりあえず40本台だったら行けることはもう判明したので。

--8割でやってたら逆に具合悪くなりそうだもんね。

アンジェラ:本当にそう!そういうタイプ。

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通らなきゃいけない道

--僕は、東京国際フォーラムの最終公演を観させて頂いたんですが、あの日の『モラルの葬式』が未だに衝撃的で忘れられません。

アンジェラ:『モラルの葬式』も私の中の一部で、すべてが『サクラ色』のイメージだと思って観に来てる人はポカンとして聴いていたと思うんですけど(笑)。でも私はやっぱり『モラルの葬式』とかが自分の中で大好きな部分で、すごく大事にしてるんですよ。ツアーでも『モラルの葬式』を1回目のピークに持っていこうと思ってやっていたぐらいで。で、やっぱりあの4人でCDの深い音をちゃんと再現したくて。だから結構1人1人の役割が大事になってくる中での演出とか、かなり考えてやりましたね。結果、4人のモチベーションがすごく高いものに。

--4人が4人「俺が主役だ」ぐらいの勢いでしたもんね。

アンジェラ:そうそう!あの感じが良かったなって。で、ダークである部分をもっと出したいというか、陰と陽の陰の部分っていうのはすごく大事だなと思うし、人間の中でも暗い部分がないと「明るくなろう」っていう気持ちもないから、そこのバランスっていう意味でもダークネスな部分を出したいなと思ったんですよね。で、その暗さからまた必死に「生きる」っていう叫びみたいなものを感じてもらえたらなと思って。

--そこはビシバシ感じましたし、他の曲も含め、みんなが一緒になってすげぇ突き抜けようとしてるパワーを感じました。そういう意味でも、あのツアーでまた改めてファンとの絆を深めることができた実感があるんじゃないですか?

アンジェラ:そうですね。歌えば歌うほど繋がってる実感っていうのがやっぱりあるから。私はどちらかと言うと「伝える」っていうことより「繋がる」っていうことの方が大事なんです。きっと伝えたいから歌ってる方はいっぱいいると思うし、私ももちろん伝えたいけど、でも私は外に発信するより、まず曲が自分に向けたものだから、すごく内側に入っちゃうんですよ。なんか、引きこもる感覚で曲って出来てるから、「発信」っていうことよりも、その引きこもってる中で同じように繋がりたいというか。あんまり上手く表現できないんですけど、それが自分の音楽の大切な部分だから。で、あのツアーはそれを感じる良い機会になりましたね。言葉には出来ないけど、繋がってる感じはすごく分かったというか。

--そんだけのツアーをすべて終えた後のアンジェラはどんなモードだったの?

アンジェラ:2年半ぶりにスケジュールが空いて。手帳に明日の予定がない、解放された感じでした。ようやくすべてが終わって1回リセットしたというか、初心にかえろうと思って。もう1回曲をたくさん作って、ピアノと向き合って、ちょっとした自宅用スタジオみたいなものも作って、パソコンでデモとか録れるようにしたりとか、自分と1人で過ごす時間が結構多かった。

--それまでは一切休みなかったの?

アンジェラ:本当に2年半、休みはなかったから。だから「リフレッシュできたでしょ?」とか言われるんだけど、逆だった。なんかね、考える時間があればあるほどネガティブな方に行っちゃって、結構具合とか悪くなったりして。ストレスを感じて家を出れなくなったりとか。何もないのにおかしなことになってましたね。まぁ「これもこれで通らなきゃいけない道なんだろうな」とか思いつつ。

--さっきの話じゃないけど、常に吐き出してないと健康体でいられないっていう。

アンジェラ:そうなんだろうね。

--でもその間に詞や曲はどんどん生まれていったんだよね?

アンジェラ:いっぱい作った。15曲ぐらいの新曲はできた。デモで全部録ってあります。でもね、本当はもっともっと作りたかったんですよ。だけど途中で本当に具合悪くなったりして、曲も作れなくなっちゃって、何にもしない時期がちょっとあって。今は『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』を引っ提げてプロモーション活動もしてるし、夏フェスとかも出てたし、少しそっちにエネルギーを流していくことが出来るから元気にはなっていったんですけど。

--『TODAY』ってアルバムと、それを引っ提げたあのツアーって、ある意味、それまでアンジェラが言いたかったことを「これでもか!」ってぐらい伝えきったものだったと思うんですよ。故にそこからまた新たに何かを作り出すって、結構大変なことなんじゃないかなと。故に具合悪くなったり、苦しい状態に入ったのかなと。

アンジェラ:頭ではそれを解釈できなかったけど、確かにハートは付いていけなくて。多分「何が言いたいんだろう?」っていうことをもう1回考え直す時間だったんでしょうね。で、それはメッセージ性があるものとかじゃなくていいと思ったんですよ。とにかくその瞬間の気持ちを出すっていうか。曲って絵と一緒で、ピカソの絵とか観ても、別にストーリーがあるわけじゃないんですよね。感情なんですよ。その感情が出てるからこそ、ハッピーな気持ちになったり暗い気持ちになったり、人はグッと来ると思うんですよね。歌も同じで、例えば『モラルの葬式』ってストーリーがあるんだけど、実はストーリーを描いたわけではなくて。私の感情の表現なの。だからこれからもその感情表現をしていこうと。いろいろ考えた末にそこまで辿り着くことができたから、今はまた新たな気持ちで「これだ!」って思えるものを発信していくベクトルに向かえてるのかなって。

--そんな時期を経て、『TODAY』後に初めてリリースされるのが、今作『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』になるわけですが、この作品が生まれ、こうしてリリースされることになった経緯を教えて頂けますか?

アンジェラ:これは、去年のツアーが始まるぐらいに「アンジェラ、曲をNHKの合唱コンクール用に作って。中学生の部の課題曲になるから」って言われて、「そんなみんなが歌うような曲を作らせてもらっていいの?プレッシャーだな」と思って最初迷って。しかもテーマが「そして未来へ」で、正直「超書きづらいなぁ」と思ったんです(笑)。で、その話を聞いた次の週ぐらいに30才になったんですよ。そしたら母から一通の手紙が届いて「誕生日覚えてくれてる!お母さん、最高」と思って封を開いてみたら、お母さんからの手紙じゃなくて、私が10代のときに「30才の自分へ」って書いた、未来の自分に宛てた手紙で。その手紙を書いた記憶はもうないんだけど「きっと素敵なことが書いてあるんだろうなぁ」って思って、読んでみたら「30才の自分へ、元気ですか?ちょっと聞いて、今日学校でこんなことがあったの。○○くんにこんなこと言われたの!」って。

--愚痴(笑)。

アンジェラ:そう!愚痴。「○○先生はこんなこと言って、私のことをバカにしてる。先生は何も分かってない!」「そして私は何なの!?私はどこへ向かっているの?」って。それが1枚だったらいいんだけど、7枚も書いてあるの!音楽の事なんてどこにも書いてなくて。今や顔も思い出せないような人に振り回されたという、どうでもいいエピソードが延々と書いてあって。それにちょっとショックを受けたんです。でも、もしこの時期にね、「いろんなことあるけどさ、辛いことなんて、すべて時間が解決してくれるから大丈夫よ」って自分に対して言えたらどんなに楽だっただろうかって思って。その手紙を見ながらそんなことをボーッと思ってたら、「あ、これかも」って。

私が今、中学校の子たちに言えることっていうのは、同じように悩みを抱えてるってこと。大人になった、30才になった私も同じように悩みを抱えてるけど、あれから15年生きてきて、ひとつ言えることがあるとすれば、もしあのときの自分に掛けてあげられる言葉があるならば、それを手紙の返事として送ってやろうって。だからテーマは「そして未来へ」なんだけど、「未来へ」ってひとつの方向を示すだけじゃなくて、私は過去も現在も全部引っくるめて「そして未来へ」を書きたいと思って。それで歌詞を手紙にしようと思ったら、素直に出来たんですよ。

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だから私は弾き語りに拘るんです

--奇跡的な偶然があって生まれた曲だったんですね。

アンジェラ:本当にそう。で、どれだけ奇跡的なことかって言ったら、母親が手紙を大事に取っているような人じゃないんですよ。絶対、偶然に出てきてるだけなんですよ。だからそれが出てきてるってことが奇跡だし、10代にその手紙を書いていたことも奇跡だし。

--10代のアンジェラはなぜ30才の自分に手紙を書こうと思ったんですかね?

アンジェラ:20才の自分宛てだと近すぎると思ったんじゃないですかね。タイムカプセル的な発想だったんじゃないかな。当時の自分からすると30才なんて、私たちが今見る60才みたいな感じだし。それぐらいの感覚でしょうね。で、それを30才になった自分がこのタイミングで読むっていう。「あの頃からこの流れが出来てる」って思うと、ちょっとゾッとしますけど(笑)。

--ちなみに15才のアンジェラってどんな女の子だったの?

アンジェラ:15才は、一番不安定な時期でしたね。ちょうど日本からアメリカに引っ越してきたときなんですけど、それまでハーフで田舎で過ごして嫌なことがいっぱいあったんですよ。で、自分の人種を否定する部分がすごくあって、変えられないものを変えたいと思っていたんです。これが東京のインターナショナルスクールに通うとかだったら全然違ったんだろうけど、私が居たのはド田舎で、先生とかに「混血者って初めて見た」とか言われて!だからどこに行っても「自分は違う」と感じて。どこへ行っても嫌な目でジロジロ見られて。例えばランチをファミレスで食べてても、みんなじーっと見てたり。それがすっごい嫌なんですよ。

で、15才でハワイに行ったとき、マクドかどこかに入ったんです。それで母と妹と3人でレジに並んでたときにふと気付いたんですよ。「誰もウチらのこと見てない」って。徳島とかのマクドに3人でいたら、みんな「うわ!」って感じになってたのに(笑)。で、それに気が付いたときに泣けてきて。その場で「誰もウチらのこと見てない」って号泣して。それに妹と母ももらい泣きしちゃって、ハンバーガーどころじゃなくって、3人で「もう大丈夫よ」みたいな。それが15才のときの印象的な出来事ですね。

「自分って何なんだろう?」って本当に思ってて。日本人なんだけど、日本にいても日本人扱いされないし、アメリカ人なんだけど、アメリカ来たら英語喋れないし。「やっぱり私は日本人なんだ」と思いながら、でもアメリカの居心地の良さはあって。そういう矛盾してることがいっぱいあって。

--そうしたコンプレックスから脱却するための光っていうのは、アンジェラにとっては、もうそのときは歌だったの?

アンジェラ:いや、歌じゃなかった。歌う喜びを知ったのは後からで、ピアノですね。だからピアノは日本でも自分のアイデンティティとして手放したくなくて。「ハーフのアキちゃん」じゃなくて「ピアノのアキちゃん」ってみんなが集まってきたときに「自分がみんなと同じになれるのはピアノなんだ」って思ったんですよ。で、アメリカ来ても、言葉が喋れなくて友達が出来なかったりとか、学校の勉強に付いていけなかったりしたんだけど、ピアノだけは言葉が変わらなかった。どこに居ても鍵盤に触ると「帰ってきた」と思えるんです。私にとっての変わらぬ“HOME”っていうのは、鍵盤だったんですよね。

--ピアノを弾いてると、人が集まって普通にコミュニケーションが取れるというか。

アンジェラ:ピアノを学校で弾いてると「ピアノ弾けるんだ?」みたいな感じで、友達になれたり。日本でも合唱とかあると「伴奏お願い」とか言われて、嬉しくなったり。なんかそういうのがアイデンティティとしてずっとあって、それはずーっとそうだね。最初の結婚をしたときも離婚をしたときも、ずっとそばにいる存在。だから私は弾き語りに拘るんですけどね。

--そんなアンジェラの、10代のときの手紙を、今の15才ぐらいの子供たちが一生懸命に歌ってるのってどんな気分?

アンジェラ:NHKのドキュメンタリー番組を通して、学校に行って15才の子たちと接する機会があって。平賀さんも同じ歳だから分かると思うけど、それがなかったら15才の子となんて接する機会ないでしょ?友達の子でも15才はいないし。だから中学生と久しぶりに接した感じで、最初はあんまり気にしてなかったんだけど、後から「私、歳が倍だ」って気付いてショック受けて(笑)。でもなんかね、リアルにいろんなものを抱えてみんな生きてるんだけど、すごくピュアであったことに胸を打たれて。それで「私、純粋さがない」と思ったんです。いろんなことを経験したりとか、破れたりすると、やっぱり深読みするし、裏を読んでしまうし、優しさを感じても「裏になんかあるんちゃうん?」みたいな(笑)。でも彼らは裏とか読まないのよね。だからより傷付くし、今日優しくしてくれた友達が家に帰ってブログとかで「死ね」とか書くなんて信じられないんだよね。だから壊れちゃうんですよ。ウチらだったら「こいつがこんなに優しくしてくれる裏にはなんかある」って警戒するじゃないですか。でもそれが無いから本当に傷付いて「もう死にたい」とか口にしてしまうんですよね。で、私は「あ~、この感じ、覚えてる」と思って。その客観性が全くないピュアネス、一生懸命さに心打たれて。

その子たちがお手紙とかくれるんですけど、何人もの子に言われたことなんですけど「アンジェラさんの曲って、今まで『たしかに』とかは好きだったけど、後は難しすぎて分からなくて」って。「そりゃ不倫の歌とか書いてるから、分からんやろ。どっちかって言ったらママ向けかもしれへんけど」みたいな感じだったんだけど(笑)、でも「初めて歌詞が自分にピッタリだと思った。心の代弁者だと思います」とか言ってくれて。別にね、作ってるときに中学生に向けてトーンダウンしたわけじゃないんですよ。もちろん自分の中では他の曲と同じように作ったんだけど、でもなんかこの曲は彼らに響いてるみたいで、それが嬉しいなって。で、確かにこれまで10代の人に自分の曲を聴いてもらっている印象はなくて。聴いてる子っていうのはきっとお母さんが好きで一緒にライブに来てる子とかだったと思うんです。実際、10代に向けてメッセージを発信してないから。自分の中で言いたいことっていうのが、テーマ的に10代には不向きかもしれなくて。別に媚びようとも思ってなかったし(笑)。だからこそ今回、10代の子に響いたのがすごく嬉しかった。

--その子たちが自分の作った曲を懸命に歌ってるって、なんかもうそれだけで泣けそうですね。

アンジェラ:泣ける。実際に歌ってくれたんですけど、そしたらもう本当に涙が抑えられなくて。一生懸命歌ってる姿とか、伴奏してる子が一生懸命弾いてる姿とか見ると、もうたまらなくて。あとファンレターとかで、中学校の子たちがどんな状況で練習してるかとか教えてくれるんですよ。それを読むとまた「わぁ~」って来るんですよね。なんか、自分の手紙を読んで書いた曲がそういう風に広がっているのが、有り難いなと思って。

--その『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』がリリースされて、今度はその中学生たちだけじゃなく、あらゆる老若男女が耳にしていくわけですけど、どんな風に響いたらいいなって思いますか?

アンジェラ:やっぱり作る人からしたら曲って「ずっと歌ってほしいな」とか「残る曲にしたいな」ってみんな欲深く思うはずなんですよね。もっと言うと「ヒットしてほしいな」って気持ちでサビを作ったりとか。でもそういう意味で言うと、これはギミックとかは何も考えずにすごくピュアなところから出てきていて。どっちかって言うと無防備な感じの歌なんですよ。でもそういう曲だからこそ、自分で客観的に聴いても、初めて普遍的なメロディであったりとか、古くも新しくも感じられる部分とか、今までにない感じのものが出来たなと思っていて。それは嬉しく思う。まぁその結果ね、例えば1,000枚しか売れなかったとしても、全国の中学校の歌ってくれた子たちの思い出の一部になれるっていうのは今までなかったことだから、それは有り難いと思うし。もうそれだけの人が歌ってくれた、口にしてくれたってだけで、満足いってる感じ。

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別に結果としてダサくなってもいい

--この時期に練習して歌った曲とかって絶対忘れないですからね。

アンジェラ:本当にそう。私たちにとっての『翼をください』とかね、その域だったとしたら、すごく嬉しいと思うし。あとね、15才の子たちの親とかが「私にも響く」とか言ってくれるのがすごく嬉しくて。どっちかって言ったら、私は親の方の歳に近いからね(笑)。それを感じてもらえるのが嬉しかったり。

--僕もこの曲の、大人になった自分が15才の自分へ言葉を綴るくだりを聴いて、逆にね、15才の自分を励ましてるようで今の自分も励まされてる感じがすごくして。おかしな話ですけど「お互い頑張ろうぜ」みたいな(笑)。

アンジェラ:それがリアルに私が手紙を読んだときに感じた感情だったから。それをそうやって感じてもらえてるってことは、正に自分がしたかったことだから、すごく嬉しいです。

--まぁ僕も30才ですから。

アンジェラ:ね!同じ歳だから!仲間としてすごく好いてるんですけど(笑)。

--(笑)。2分の1しか生きてない子の歌なんですけど、それをすごく感じて。で、このシングル、すごく良いなって思ったのが、カップリングにベン・フォールズ『Still Fighting It』の日本語訳カバーが入ってて。大人の目線でいろいろ言ったけど、でも今の自分もこんなだぜって歌ってるところで。

アンジェラ:そうなの!ありがとうございます。『Still Fighting It』は隠れ名曲だから、ずーっとやりたいと思ってたんだけど、『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』がシングルになるって決定したときに「今しかない」と思って、ベンに手紙を書いたの。で、「訳させてください!」みたいな感じで手紙を送ったらOKをくださって。もう絶対このシングルに入れたかったんだよね。『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』のアンサーソングじゃないけど、大人になっても答えは分からないし、正しい答えがあるとすれば、それは「答えはない」っていうこと、それだけ曖昧なんだけど、ありのままで良いんだっていうことが言えたらなと思って。原曲はベンが自分の子供に向けて作った曲で、私は子供がいるわけじゃないんだけど、でも中学生と接する機会を通して、また思春期に帰って、あの辛い時期を思い出して「これは辛い時期だよな」って感じて。でも「大丈夫だぜ」っていうか、肩を組んで「一緒に行こう」みたいなことを歌いたかったんだよね。上から目線じゃなくて対等な目線で。

--あとね、僕は今回の作品も結局は「今を生きていこう」っていうね、『TODAY』と最終的に言ってることが一緒なのがすごく良いなと思って。

アンジェラ:すごく自然とそうなったの。「一緒にしちゃった」っていう感じは全くなくて。私は「常に新しいメッセージを発信しよう」っていう気持ちは全くないんですよ。だから反戦ソングとか作ったりするのが嫌なんですよね。作っている人たちに対して「ん?」って思っちゃうっていうか。特に日本とかって、アメリカと違って友達が戦争に行くなんてことないじゃないですか。でも友達の親友が戦争に行って死にかけたりとか、弟が行って死にかけてるリアリティを見てると、責任を持って「反戦ソング」とかって言えない。メッセージってきちっと責任を持って出さないといけないものだから、私はそこまで強いものに責任を取る自信がない。

だからそういうものを考えずに、さっきの話じゃないけど、感情に戻って、自分をリピートすることを怖れないようにする。たまに矛盾することもあるんですよ。アルバムとか出して「こっちではこう言ってるけど、これはこう言ってる。どういうこと?」って聞かれたりね。「私もわからん。作ったときの感覚よ」みたいな感じだけど、やっぱりリピートすることを怖れないって一番強いなって。これが20才とか25才だったら「それはダサイからダメ」とか思って、自分を戒めるかもしれないけど、今は「別に結果としてダサくなってもいいやん」って思う。ラブソングだってそう。いろんな表現があるけど、結局は「あんたが好き」ってことが言いたいだけで。で、私は「生きる」とか「今」がテーマだったりするから、それを怖れずにリピートしていくっていう。それがあればこの先もやっていけるのかなって思える。

--そこがなくなっちゃったら「自分が歌う意味ってなんだ?」っていう話になっちゃいますからね。

アンジェラ:だから今後「ちょっと違うな」と思ったら言ってください。「ちょっと自分に嘘付いてない?」って。

--「どうした?アンジェラ」と(笑)。

アンジェラ:そこはぜひぶっちゃけて。

--「ちょっとモテたくなった?」みたいな(笑)。

アンジェラ:「だってまだ女の子なんやもん、私!」って答えると思いますから、「媚びるな」と言ってください(笑)。

--で、この『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』以降はどんな曲のリリースが待っていたりするんですかね?

アンジェラ:今年はこの曲だけだと思う。だからこの曲をちゃんと噛み締めて、ちゃんとみんなに聴いてもらいたいと思いますね。もちろん合唱コンクールに関わってる人たちは聴くけど、それ以外の人たちにも、コンクールに出ない子たちにも歌ってもらいたいし。カラオケで歌ってもらってもいいし。いろんな人に聴いたり歌ったりしてもらいたいなと思うから、地道にコツコツと広げていきたいなって。

--なんか、子供だけじゃなくて、大人と子供が歌い合える場を作れたりしたらすごく良いですよね。まぁちょっと実の母と子が1対1で歌い合うのはアレですけど(笑)、なんか合唱し合えたりしたらね。

アンジェラ:そうですね。そうやって大人と子供の境界線を少しでも無くすことができたら良いですね。多分そういう境界線があるから繋がってないと思うんです。親、子供、先生、生徒がね。私もちょっとグレ気味の子供だったから、大人がすごく嫌いだったんですよ。上から目線が嫌で。でもその境界線がちょっとでも薄く、消しゴムでうっすらさせるぐらいにできたら良いですよね。結局、大人も子供も一緒なんだから。

--本当にそれはこの曲を聴いて思いましたね。

アンジェラ:本当にそういう風に思って大人が接してあげられたら、きっと子供も抵抗せずにいろんなことコミュニケーションできるだろうし。そのための、ほんのカケラでもキッカケでもなれたら良いなって。

--では、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

アンジェラ:前回もそうだけど、平賀さんとのインタビューはぶっちゃけトークばかりなので、そのぶっちゃけな感じをこれを読む人にはストレートに受け取ってもらいたいです。あと、本当にいろんな意味で『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』がみんなに響いてほしい。素の自分で聴いてほしい。ひねくれた自分でも全然いいから。大体私がひねくれた人間として曲を書いてるから(笑)。あとは、やっぱりライブに絶対来てほしい。きっと「繋がってる」っていう風に感じてもらえるから、それを一緒に体験したいです。

アンジェラ・アキ「手紙~拝啓 十五の君へ~」

手紙~拝啓 十五の君へ~

2008/09/17 RELEASE
ESCL-3120 ¥ 1,282(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.手紙~拝啓 十五の君へ~
  2. 02.Final Destination
  3. 03.Still Fighting It
  4. 04.手紙~拝啓 十五の君へ~ (strings version) (bonus track)

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¥1,572(税込)

SONGBOOK
アンジェラ・アキ「SONGBOOK」

2012/01/11

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SONGBOOK
アンジェラ・アキ「SONGBOOK」

2012/01/11

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WHITE
アンジェラ・アキ「WHITE」

2011/09/28

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WHITE
アンジェラ・アキ「WHITE」

2011/09/28

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始まりのバラード
アンジェラ・アキ「始まりのバラード」

2011/06/08

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始まりのバラード
アンジェラ・アキ「始まりのバラード」

2011/06/08

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LIFE
アンジェラ・アキ「LIFE」

2010/09/08

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輝く人
アンジェラ・アキ「輝く人」

2010/04/14

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輝く人
アンジェラ・アキ「輝く人」

2010/04/14

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ANSWER
アンジェラ・アキ「ANSWER」

2009/02/25

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ANSWER
アンジェラ・アキ「ANSWER」

2009/02/25

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TODAY
アンジェラ・アキ「TODAY」

2007/09/19

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TODAY
アンジェラ・アキ「TODAY」

2007/09/19

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たしかに
アンジェラ・アキ「たしかに」

2007/07/11

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サクラ色
アンジェラ・アキ「サクラ色」

2007/03/07

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サクラ色
アンジェラ・アキ「サクラ色」

2007/03/07

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Home
アンジェラ・アキ「Home」

2006/06/14

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Home
アンジェラ・アキ「Home」

2006/06/14

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This Love
アンジェラ・アキ「This Love」

2006/05/31

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This Love
アンジェラ・アキ「This Love」

2006/05/31

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Kiss Me Good-Bye
アンジェラ・アキ「Kiss Me Good-Bye」

2006/03/15

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Kiss Me Good-Bye
アンジェラ・アキ「Kiss Me Good-Bye」

2006/03/15

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¥1,282(税込)

心の戦士
アンジェラ・アキ「心の戦士」

2006/01/18

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¥1,282(税込)

心の戦士
アンジェラ・アキ「心の戦士」

2006/01/18

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HOME
アンジェラ・アキ「HOME」

2005/09/14

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ONE
アンジェラ・アキ「ONE」

2005/06/20

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¥1,500(税込)