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<コラム>SixTONES 最新シングル『BOYZ』で示す、6人の深まる個性と熱量
Text:森朋之
SixTONESから15作目のシングル『BOYZ』が届けられた。
表題曲「BOYZ」(TVアニメ『WIND BREAKER Season 2』オープニング・テーマ)をはじめ、初回盤Aには松村北斗、髙地優吾、ジェシーのソロ曲、初回盤Bには京本大我、森本慎太郎、田中樹のソロ曲をそれぞれ収録。さらに通常盤には新曲「怪進撃」「So What」に加え、前作シングル「バリア」のリミックスバージョンも収められ、現在のSixTONESの魅力と勢いを多方面から体感できるシングルとなっている。
本稿では、シングル『BOYZ』初回盤A、初回盤B、通常盤の全収録曲をレビュー。楽曲を再生しながら、彼らの多彩にして刺激的な音楽世界をじっくりと堪能してほしい。
BOYZ
(作詞・作曲:Ryo"tono"Nakamura)
TVアニメ『WIND BREAKER Season 2』オープニング・テーマとしても話題を集めているタイトル曲「BOYZ」は、鋭利なギターリフとともに疾走しはじめるアッパーチューン。一気にトップスピードに達し、凄まじい勢いで突き進むバンドサウンドのなかで描かれるのは、〈今、扉を開けるんだ/起死回生 望んだFuture〉という超アグレッシブな歌詞。メンバー個々の個性をぶつけ合いながら、サビでは一体となってシンガロングする構成もこの曲の大きなポイントだ。間奏パートにおける速弾きギターソロも熱い!
BOYZ / SixTONES
憧憬のアーチ / Hokuto Matsumura
(作詞・作曲:Masaki Suda, Shuta Nishida)
シューゲイザー的なギターサウンドからはじまる「憧憬のアーチ」は、菅田将暉と、ギタリストの西田修大による提供曲。歪みを効かせたギター、シーンごとにリズムや音像が変化するアレンジのなかで――儚さと壮大さが共存した――松村北斗は、憂いや悲哀、そして、未来に向けた想いをエモーショナルに歌い上げている。特に突如としてアカペラで歌われる〈遥か彼方へ 消えていく日まで〉というフレーズには強く心を揺さぶられてしまった。
にたものどうし / Yugo Kochi
(作詞・作曲:invisible manners)
ヒプノシスマイク、ももいろクローバーZなどへの楽曲提供で知られるinvisible mannersが手がけた髙地優吾のソロ曲のテーマは、アイドルとファンの関係。応援する/してもらうだけではなく、作品やライブを通して数多くの時間や場所をともにしながら喜怒哀楽をシェアし、そのすべてが大切な思い出になる――そんなかけがえのない絆を髙地は、朗らかで開放的なボーカルによって映し出してみせる。ソウルミュージックのエッセンスを感じさせるサウンドも気持ちいい。
虹、僕 / Jesse
(作詞:Jesse 作曲:Koji Tamaki)
ジェシーが敬愛してやまない玉置浩二が作曲、ジェシー自身が作詞を手がけたミディアムバラード。アコースティックギター、弦楽器、ジェシーの声。有機的な音を中心に構成されたサウンドメイクのなかで、切なさと力強さをたっぷりと込めたボーカルが広がっていく。“これぞ玉置浩二”と称すべき旋律をジェシーはしっかりと身体に取り入れ、細部まで心を配りながら歌い上げている。そして虹をモチーフにした壮大にして生々しい歌詞は、リスナーそれぞれの体験と重なり、美しい色彩を与えてくれそうだ。
Night rider / Taiga Kyomoto
(作詞:ONIGASHIMA 作曲:Maria Marcus, Samuel Waermo, Rasmus Viberg, Atsushi Shimada)
“とある映画をモチーフに。”という京本のアイデア(ヒントは〈Taxi Driver〉)を、日本とスウェーデンのソングライティング・チームが具現化したダンストラック。バウンシーなビート、異国情緒が漂う音像、そして、セクシーな香りを振りまきながら、聴く者の心と身体を揺らしまくる歌。“京本大我”名義でリリースしたアルバム『PROT.30』ではソングライターとしての側面を打ち出した京本だが、この曲ではあえてシンガーに徹することで、新たな音楽の表現を創出することに成功している。ライブでの魅せ方も楽しみ。
Life is... / Shintaro Morimoto
(作詞:EIGO(ONEly Inc.) and Dai Hirai 作曲:Dai Hirai)
「Love is...」(シングル『CREAK』初回盤B収録)に続き、平井 大が提供した森本慎太郎のソロ楽曲。心地よく飛び跳ねるビート、華やかなシンセ、心地よいギターカッティングが響き合い、明るくてチアフルな歌声がまっすぐに伝わってくる。歌詞のテーマはずばり“人生”。思いもよらないことが起き、こんなはずじゃなかったと思いがちなそれぞれの人生に対し、〈きっと全部正解だ〉と正面から肯定する――そのポジティブな姿勢は、森本自身のイメージと強く結びついている。
No Cap / Juri Tanaka
(作詞:D&H(PURPLE NIGHT), JUNE, Juri Tanaka 作曲 : T.Kura, D&H(PURPLE NIGHT), JUNE, Juri Tanaka)
新しい自分の引き出しや強みを増やしたい。そんな思いからスタートしたという田中樹のソロ楽曲のプロデュースは、安室奈美恵やEXILEなどの楽曲を手がけ、日本のR&Bシーンを牽引してきたT.Kura。ドープで分厚いベースライン、重厚にしてしなやかなビートを軸にしたトラックのなかで、強靭なグルーヴをまとったラップを響かせる田中。そのパフォーマンスには、これまでに培ってきたスキルとセンス、そして、T.Kuraとのコラボによって引き出された新たな表現がたっぷりと刻まれている。
怪進撃
(作詞:MiNE, Kota Sahara 作曲:MiNE)
きらびやかなシンセの音色がビュンビュン飛び交い、心地よく飛び跳ねるビートがリスナーのテンションを一気に引き上げる。ボカロ的な要素、エレクトロのテイストなどを織り交ぜた「怪進撃」はJ-POPの最新モードとつながる楽曲。高速のトラック&緻密なメロディを乗りこなすメンバーのボーカル/ラップ/ハーモニーも絶品だ。〈恋怪獣の怪進撃〉をテーマにしたリリックを含め、SixTONESの表現の幅広さを改めて実感できる楽曲だと思う。
So What
(作詞:ONIGASHIMA 作曲:Josef Melin)
「So What」とは“それがどうした”という意味。ハイパーポップの進化型と称すべきこの曲のサウンドメイクは、J-POPやアイドルの概念を超え、“それがどうした”というアグレッシブな姿勢を貫き続けるSixTONESのスタイルと直結している。特に〈気にしてらんないFake〉からはじまるバース、メンバー全員の気合いが刻まれたボーカルは強烈。最新鋭のダンスミュージックとしても機能するこの曲は、今後のライブでも大事な役割を担いそうだ。
バリア -Sweet Retro Soul Remix-
(リミックスプロデュース:Takashi Yamaguchi 作詞・作曲:Zembnal)
14thシングル『バリア』のタイトル曲のリミックスバージョン。ソウルミュージックとエレクトロ、さらにラテンのフレーバーを融合させながら、刺激的かつ爽快なダンストラックに仕上げている。軽快なギターカッティングと絡み合う6人の歌声の化学反応を心ゆくまで味わってほしい。
15th Single「BOYZ」nonSTop digeST / SixTONES
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