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<インタビュー>えい(bokula.)×内山ショート(シンガーズハイ) “孤独な者同士”が明かす「magatama」制作秘話
Text:天野史彬
Photo:Chiaki Machida
4月30日にメジャー1stフルアルバム『MELT』をリリースする広島出身の4ピースバンド、bokula.。『MELT』は、アニメ『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』のオープニングテーマである「ライトメイカー」や、えい(Vo. / Gt.)が敬愛するTRICERATOPSへのオマージュソング「トラッシュミー」をはじめ、見事な完成度とオリジナリティを持つ、粒ぞろいの楽曲が揃ったアルバムに仕上がっている。その中でもひときわ異彩を放つのが、シンガーズハイのフロントマン、内山ショート(Gt. / Vo.)を客演に迎えた「magatama feat. 内山ショート」だ。そこで今回はbokula.のフロントマン・えい(Vo. / Gt.)とシンガーズハイ内山による対談が実現した。楽曲の制作秘話はもちろん、お互いのバンドの前史時代から旧交を深めている両者の、明け透けな思いと音楽論が交わされる貴重な対談となった。
広島では孤独な者同士だった
――おふたりの関係は、きっともう長いですよね。
内山:そうですね、バンド友達の中では一番長いかもしれないです。僕は今26歳なんですけど、僕が二十歳で、えいが17歳、まだ高校生だった頃からの付き合いなので。
――ふたりは、普段会うとどんな話をするんですか?
えい:しょうもない会話ばっかりですよ。基本的には音楽の話ばっかりだよね?
内山:そうだね。その時自分にとって最先端だと思う音楽を見つけたら、教え合ったり。
えい:今日は出会いから話した方がいいんですかね?
内山:ボーイ・ミーツ・ボーイの瞬間から。

――おふたりの出会いは広島時代まで遡りますよね。ぜひ、その辺のお話も聞けたらなと思ってます。
えい:広島でバンドをやっていて、お互い孤独な者同士って感じだったんですよね。僕はバンドに対しての志が高すぎて、遊びでバンドをやっている人たちからは「なに本気になっちゃってんの?」って冷たい目で見られていたんですよ。周りからは「イタいやつ」と思われていて、まだ高校生だったけど、頼れる人がいなくて。そんなときにうっちーと出会って、自分と同じものを感じたんです。それで話しかけたんです。
内山:その頃、僕も話し相手がいなかったし(笑)、後輩みたいな存在がいたこともなかったので、えいから話しかけられて嬉しくて。それで喜んじゃって、当時は偉そうにしてましたね。
えい:偉そうだったねえ、とても(笑)。
――bokula.とシンガーズハイ、それぞれのバンドの前史時代からつながっていて、そこで生まれた関係が今も続いている感じなんですね。
えい:そうですね、関係は本当に変わらないです。
内山:そうは言っても、bokula.の方が軌道に乗るのは早かったんですよ。シンガーズハイがまだライブを一回もやっていない状態の頃に、bokula.の作品は全国流通することになって、その挨拶回りでえいたちが東京に来た時があって。既に東京に出てきていた僕が迎えに行って遊びに行ったの覚えてる?
えい:覚えてる覚えてる。渋谷でね。
内山:あの時、道玄坂のロッテリアで「渋谷のタワレコに音源並んでんの、いいなあ! すげえなあ!」って盛り上がったし、「いつか、こういうハコで2マンをやれたら面白いよね」って夢見がちな話もしたけど、それが今、実際に可能になるような状況になっているのは……時の流れを感じるよ。あの時名前を出していたライブハウスでお互いワンマンをできるようになっているし、僕らは去年アニメのタイアップをやらせてもらったけど、今年はbokula.もアニメのタイアップをやるし。「こういうことって本当にありえるんだ」とも思う。
えい:マジで奇跡みたいなことだと思うよ。同じ広島にいた、なにもなかった人間ふたりが東京に出てきてこういうことになるなんて、すごい確率だよね。
内山:高校生の頃に「将来、結婚しようね」と言って、本当に結婚するカップルなんて稀じゃん。そのくらいの気持ちで当時は喋っていたことが、今本当になっちゃっているのは嬉しいよね。

――最初は頼れる人や話し相手がいない孤独な者同士だったということですけど、ここまで関係が続いているのは、おふたりはどんな部分でシンパシーを感じ合っているのだと思いますか?
えい:そんなに綺麗なもんじゃないような気はしますけどね(笑)。これは本人にも言ったことはなかったけど、(内山は)表情とか喋り方が、めっちゃ僕の兄貴にそっくりなんですよ。僕の兄貴はここまで男前じゃないけど、趣味とかナードなところが兄貴にそっくりで。なんなら顔のパーツもちょっと似てる(笑)。僕からすると、兄貴に話しかけている感覚に近いんですよね。
内山:そうなんだ(笑)。まあでも、最初はそれこそ似た境遇の人間同士でつるんでいる感じだと思うんですけど、時間の流れと共に変わっていくものもあるし、お互いの道の歩き方は今となっては全然違うと言ってもいいくらいだと思うんです。でも、それは「違っちゃったね」という悲しい話じゃなくて。元々同じスタート地点に立っていた人間が違う方向に歩んでいくのを見て、「彼らが違うやり方を見せてくれるから、僕らも僕らのやり方で頑張ろう」と思えている。そうやって刺激をもらっている感じはしますね。
リリース情報
公演情報
【bokula.『MELT』Release Tour「ジョーショーツアー」】
2025年7月24(木)
新潟・OLDEN PIGS BLACK w/Sunny Girl
2025年7月25日(金)
群馬・DYVER w/Sunny Girl
2025年7月30日(水)
北海道・SPiCE w/KOHAKU
2025年8月1日(金)
宮城・LIVE HOUSE enn 2nd w/ペルシカリア
2025年8月6日(水)
熊本・Django w/Arakezuri
2025年8月7日(木)
鹿児島・SR HALL w/Arakezuri
2025年8月19日(火)
石川・vanvan V4 w/猫背のネイビーセゾン
2025年8月20日(水)
京都・ROKA w/猫背のネイビーセゾン
2025年8月26日(火)
岡山・IMAGE w/Brown Basket
2025年8月27日(水)
静岡・UMBER w/Brown Basket
※全公演ゲストあり
【bokula.『MELT』Release Tour「チョーテンツアー」】
2025年10月18日(土)
広島・LIVE VANQUISH
2025年10月19日(日)
福岡・CB
2025年10月25日(土)
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
2025年10月26日(日)
大阪・BIGCAT
2025年11月2日(日)
東京・Zepp Shinjuku
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日頃のやり取りの中で生まれた「magatama」
――内山さんから見ると、最近のbokula.はどんなふうに見えていますか?
内山:bokula.は真っ直ぐだなと思います。僕もえいも根本的にねじ曲がっている人間だと思うんですけど、そういう人間が音楽シーンやロックシーンにおいて自分たちのやりたいことを真っ直ぐに堂々と突き通すことの難しさを、僕は凄く感じているので。そういう意味で、bokula.はすごいなと思います。僕にはできないことなんですよね。僕はもうちょっと小狡くいきたくなっちゃうんですよ(笑)。器用に、のらりくらりいきたいと思っちゃう。そういう意味では、「見習わなきゃな」とも思います。
えい:うちはメンバー全員がそうだけど、音楽としてというよりは人として、礼儀だったり筋だったりを大切にするバンドではあるからね。それは育ててくれたライブハウスに対してもそうだし。

――えいさんから見ると、今のシンガーズハイはどうですか?
えい:シンガーズハイは、全員顔がいいじゃないですか。「勝てるわけないな」って思います(笑)。
――(笑)。
えい:シンガーズハイは、自分たちの持ち味を、自分たちでちゃんと把握しているんですよ。それを自分たちのことを求めている層にしっかりと刺すことができているのは、すごいことだなと思います。僕らは愚直にしかできなかったので。そういう部分で、劣等感はあります。なにせ、シンガーズハイは楽曲もいいから。もし楽曲がよくなくて、それでも黄色い声援を浴びているようなバンドだったら僕は好きになっていないし、今回みたいなコラボレーションも実現しなかったと思うんです。でも曲がいいから、こうやって一緒にやろうと思えるし。
内山:音楽的な面で言うと、bokula.は基礎のフィジカルがしっかりしている、アスリートタイプなんですよ。でも僕らはどちらかというと発想重視というか、トリッキーなことをやりたがっちゃって。言うなれば、自転車を作って走り出しちゃうタイプなんですよね(笑)。
えい:確かに(笑)。フォーカスを当てる場所が、それぞれ違うよね。
内山:なので、「今はチャリでリードできているぞ」と思う時もあれば、こっちが1度壊れたチャリを修理している間に、追い抜かされる時もあって(笑)。ウサギと亀みたいな状態になっている時もあるんですよね。

――なるほど。ちなみに、内山さんが広島から上京する時、えいさんはまだ広島にいたわけですよね。当時はどんな気持ちだったんですか?
えい:もちろん「寂しいな」という気持ちはありましたけど、何より、僕はうっちーが広島でやっていたバンドが好きだったので。「東京に行って、また1から新しくバンドをやる」という話は聞いていたので、むしろ嬉しかったですね。なんなら、東京に行く日の朝4時とか5時くらいまで一緒に遊んだよね?
内山:うん。
えい:そのあと、僕とうちのドラム(ふじいしゅんすけ)で広島駅の新幹線口まで送っていったね。
――本当に根っからの深い関係性なんですね。今回bokula.の新作アルバム『MELT』に収録される「magatama feat. 内山ショート」は、どのようにして生まれたのでしょうか?
えい:日頃からお互いに気になった音楽を「こんなの見つけたよ」って送り合っている中にNikoんの「step by step」という曲があったんです。それはシンガーズハイの「STRAIGHT FLUSH」のリファレンスになった曲でもあるんですけど、この曲は僕がシンガーズハイの曲の中でトップ3に入るくらい好きな曲だし、「step by step」のサウンドは、俺にとってもめちゃ新しくて。その感じを自分でも試してみたくなったんです。それで曲を作ってみたのが、曲の発端ですね。最初はうっちーがフィーチャリングで入ることも考えずに作ったんです。僕は普段から曲を作るのが好きなので、リリースすることも考えず、趣味として作った曲だった。でもそのあと、「次のアルバムは、どんな作品にしようか?」とトイズファクトリーの松崎さんと話している時に、「1曲1曲に意味を持たせられるようなアルバムにしよう」という話になって。そこで「この曲を入れるなら、うっちーとのやり取りの中でできた曲なわけだし、一緒にやるしかないよな」となったんです。
シンガーズハイ「STRAIGHT FLUSH」Music Video
内山:前から「一緒になにか作れたらいいよね」という話は、ふわっとしていたんですよね。
――内山さんはどのようにこの曲に向き合いましたか? 取って付けたようなコラボというより、bokula.と内山さんが混ざり合っているようなフィーチャリングですよね。
内山::フィーチャリングって、多くの場合は綺麗に歌割りを分けるイメージも僕の中にはあったんですけど、この曲はそれだと「なんか違うな」と思って。送ってもらったデモを聴いて、「僕が手を加えることはほとんどないな」という気持ちもあったんです。作曲に関してはもう完成されている状態だった。そのうえで自分が加わるとすれば、プレイヤーとして、自分の「声」を使ってできることがあるんじゃないかと思ったんです。シンガーズハイで曲を作る時はコーラスワークもこだわる部分ではあるんですけど、自分のよさを生かすにはコーラスとして全体的に僕の声が散らばっている方がいいんじゃないかと思ったんです。それで、こういう感じになりましたね。

――歌詞は、頭の中の思考がそのままドバっと吐き出され、書き連ねられているように感じました。
えい:元々、この曲のタイトルは「えいの能力偏差値は4」だったんですよ(笑)。そのくらい自分の頭の中にあるグチャグチャッとした黒いものを投影したような歌詞なんです。自分のことしか歌っていない曲というか。「こんなにアレンジも洗練されていて、かっこいい曲なのに、能力偏差値は4しかないんですよ」っていう、ちょっと皮肉っぽくて自虐っぽい曲だったんです。<ぼーっと突っ立って/上手い生き方分かっても>という部分だけは、うっちーと歌詞を考えたんですけど。
内山:レコーディング当日に、急に「歌詞迷ってるんだけど、なんかない?」って言われて。「え、俺が考えるの?」って(笑)。
――(笑)。この「magatama」のような曲を、生活の中で自然に作っているというのが、えいさんの日常にいかに曲作りという行為が溶け込んでいるかを感じさせますね。
えい:そうですね、緻密に考えて作った曲ではないんですよね。ぼーっとしていたら、なんとなくリズム感が浮かんで、「このリズム感に合うのは、こういう言葉だろうな」というので作った。そんな感じの、本当に感覚で作った曲だったんです。そこに自分の煮えたぎったものを投影した曲なので、ある意味では、脱力した曲でもあるんですよね。
内山:俺は「magatama」が送られてきた時、「えいも、こんなふうに曲を作るようになったんだ」と思った。
bokula. - magatama feat. 内山ショート Music Video
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人肌や人間味を感じられるものを作っていかなきゃいけないなと思う
――それはどういった部分で?
内山:この曲って、歌詞も理解するのが難しいじゃないですか。人によっては意味が分からない歌詞でもあると思うんですけど、「自分だったら、どんな時にこういう歌詞の曲を書くだろう?」と考えたら、言いたくないことや、なんとか誤魔化して言わなきゃいけないようなことを書いている時に、こういう歌詞を書くなと思ったんです。なので、もしこの曲の歌詞を正確に読解していったら、えいの凄く性格の悪い部分まで見えてくる可能性がある……そういう曲だと思うんです。
えい:あぁ~、わかるかも。
内山:そこが、僕がこの曲の好きなポイントなんですよね。「これを言ったら終わりだ」とか、「これを言ったら人に嫌われるかもしれない」とか、そういうことを歌詞に書いている時は、僕も文字数を多くしたりしてごまかしがちなので(笑)。とは言いつつ、「magatama」は単語の一つひとつに、えいの好きなものが見え隠れしていたりするので、僕の中ではメタ的というか、遊び心を感じる曲でもありますね。ちゃんと楽しんで音楽を作っていることを感じる曲だなと思います。

――内山さんにとっては、ご自分が作る曲だと「magatama」タイプの曲は頻繁に出てくるものですか? それとも、珍しいケースですか?
内山:元々の僕は、難しいことを考えられないから、口からついて出てくるような言葉を歌っていたタイプだったんです。だから歌詞でも、口が悪くなっちゃうこともあったんですけど(笑)。でも最近、「どういうふうに自分が作る曲は変わっていっているだろう?」と俯瞰して考えてみた時に、「こういう書き方を最近はするようになったな」と思ったのが、今言った“ごまかし”的な作詞なんです。吐き出したいけど「届いてほしい」とは思っていない……そういう感じの曲が、最近の自分からはよく出てきているのかなと思ったんですよね。「完全に理解してほしい」と思って差し出しているかどうかの違いというか。見せたくないところがあって、でも、それを吐き出さずにはいられない。そういうものが最近の自分からはよく出てくるようになっているのかなと思います。
――えいさんは、今の観点について思うことはありますか?
えい:僕はまず、メロディのキャッチーさや歌詞の韻の気持ちよさを重要視して考えていると思うんですよね。曲は自分のエゴをばら撒くものだったとしても、音楽はあくまでも聴いてくれる方がいてこそ、なので。「対象がいるからこそ」っていう考え方を自分はまずはすると思います。ここも、ぼくとうっちーで考え方が変わってくる部分だと思いますね。でも、うっちーの言っていることもわかるなと思う。「magatama」も、自分が今まで生きてきた中で若さゆえに舐められたり、しがらみを感じたりしてきたことへの反論みたいなものだとは思うから。でも、自分の場合はそこに、同時に音楽的な遊び心も入ってきちゃうっていう。

――内山さんは、bokula.のアルバム『MELT』を聴いてどんなことを感じられましたか?
内山:曲については新しい方向性をどんどん増やしていくなと思うんですけど、広げていきつつも、bokula.として明確にブレない部分があるんですよね。bokula.って、bokula.流の王道曲と言えるものがあると思うんですよ。
えい:シンガーズハイにもあるじゃん(笑)。
内山:いや、俺の中ではないのよ。
えい:自覚してないんだ。
内山:「その人らしい」書き方をしながら、いろいろなことを表現できる、いろいろな歌を歌うことができる……僕は、それこそがアーティストとしてあるべき姿だと思うんです。と同時に、それは自分にはない部分でもあるから、嫉妬しちゃいますね。
――えいさんは、『MELT』というタイトルにどんな思いを込めましたか?
えい:インディーズ時代に出したアルバムで『FUSION』というタイトルの作品があるんですが、「FUSION(融合)」と「MELT(融解)」という、似たワードではあるんですけど、僕の中で音楽はそういうものなんですよね。生活の中に溶け込むもの、というか。12曲をまとめるテーマを掲げることは不可能だと思うんですけど、だからこそ、簡潔なワードで言い表したかったんですよね。
bokula. - FUSION -【Official MusicVideo】
――最後に、今の時代や世の中に対し「バンド」という表現を担って存在しているという点については、おふたりにはどんな思いがありますか?
えい:J-ROCK、嫌な言い方をすると「歌もの」……そういうものの最前線を担っている責任感は僕らふたりともにあるはずだし、持っていていいはずだと思うんです。もちろん重きを置くところの違いはあると思うんですけどね。bokula.に関して言うと、自分たちはグッドミュージックを作ることを大前提として、「どんな人間が作っているか?」という部分を大切にしながら活動してきている自負があるんです。なので、バズりとか流行りにあやかろうとするのではなくて、もっと愚直で真っすぐなもの……人肌や人間味を感じられるものを作っていかなきゃいけないなと思います。そこは自分たちが背負うべきものだなと思いますね。
内山:今えいが言ったように、僕らは邦楽ロックとかJ-ROCKと呼ばれるものの、ちゃんとした歯車のひとつになれていると思うんです。それは「なっちゃっている」とも言えるんですけどね。でも、なっちゃった身として、その立ち位置から見える人たちがより自由に視野を広げて音楽を楽しむことができるようになるために、自分たちには何ができるだろう?ということは、常日頃考えますね。フェスに出ても、自分たち目当てのお客さんが来てくれるのはもちろん嬉しいです。でも、それだけじゃなくて、ノリ方がわからずに後ろの方できょろきょろと様子を見ながら、でも自分たちのライブを観てくれている人たちもいるはずで。僕はそういう人が愛おしいんですよね。だって、自分がそういうタイプの人間だから。
えい:うん。
内山:そういう人たちに音楽の楽しさを伝え続けることは、絶対にやっていきたいですね。
えい:そういう目線を持てるのも、最前線にいる自覚があるからだよね。カテゴリーの狭い音楽じゃなくて、「広げるため」の音楽を作っていかなきゃいけない。まだまだやっていかなきゃいけないことも、背負うべき責任もいっぱいあるね。

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2025年7月24(木)
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