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<インタビュー>「NOANAと四季を共にしたい」デビュー5周年のNOAが明かす2025年の展望と新曲「Seasons」

Text & Interview: 高橋梓
今年デビュー5周年を迎える、ソロアーティスト・NOA。昨年は多くのフェスに出演し、ホールツアー【NOA “Primary Colors” HALL TOUR IN JAPAN 〜Flashing Lights〜】を完走、クリスマスライブ【NOA Billboard Live 2024 “Christmas Lights”】を行い、多くの時間をNOANA(NOAのファンの呼称)と過ごしてきた。アニバーサリーイヤーとなる今年もすでに【GMO SONIC 2025】へ出演し、【NOA FAN MEETING TOUR 2025】の開催が発表されていたりと、昨年に負けずとも劣らない勢いで活動を行っている。
そして、NOAの誕生日の翌日、3月14日には2025年第1弾となる楽曲「Seasons」をリリース。同曲は別れと出会いの時期に寄り添うミッドバラードで、春にピッタリの一曲に仕上がっている。そんな同曲についてはもちろん、今年の活動についても本人にじっくり語ってもらった。
──まずは、昨年末の【NOA Billboard Live 2024 “Christmas Lights”】の振り返りから聞かせてください!
NOA:すごく思い出深いです。バンドの生演奏でのライブを2〜3年ぶりにやって、改めてひと味違うと感じました。バンドならではのアレンジができたこともそうですが、ファンの皆さんとのコミュニケーションの取り方もいつもとは違っていて、1年を締めくくるのに最高のステージでしたね。
──バンドだからこその迫力がありましたよね。
NOA:アレンジを変えたり、新たな要素を加えてみたり、あの日だけの特別なものがたくさんあったので、喜んでもらえていたらすごく嬉しいです。

Photo by 鳥居洋介
──ホールツアーでも客席降りはありましたが、違った意味でNOANAの皆さんとの距離も近かったのでは?
NOA:そうなんです。ステージに一番近いテーブルに座っている方は今までにない近さだったので、ぶっちゃけ僕も最初は気まずいくらいでした(笑)。しかも、NOANAの皆さんってシャイなイメージがあるので、「僕たち、お互い気まずいんだろうな」、「恥ずかしいと思っているのかな?」、「どこ見ればいいのか、わからないんだろうな」というムードもあって(笑)。でも、MCで話したことで楽しい雰囲気になってよかったです。それもいい意味で新鮮でしたね。
──そんなビルボードライブを経て、今年はデビュー5周年を迎えます。これまでの5年間はどんな時間でしたか?
NOA:最初の約2年間はコロナ禍に直面してしまったので、思い描いていたアーティスト活動ができたのは3年目以降から、という感覚があります。なので、自分の中ではまだ2〜3年目のような気持ちで。5周年を迎えましたが、しっかり5年分、自分を表現できてきたかと言われると「YES」とは言いづらいんですよね。まだまだ初々しい気持ちではあります。
──そうなのですね。「LIGHTS UP」の頃からテレビなどでも取り上げられていて、しっかり5年分活躍していたイメージでした。
NOA:僕としてはまだまだです。ワンマンライブも【NOA 1st LIVE "NO.A" TOUR】と【NOA “Primary Colors” HALL TOUR IN JAPAN 〜Flashing Lights〜】しかできていないですし、アーティストとしてはまだ赤ちゃんです(笑)。でも、この気持ちは引き続き忘れずにいたいです。


──楽曲もこの5年でコンスタントにリリースされていますよね。自分にとっての転機となった楽曲を挙げるとすれば、どの曲になりますか?
NOA:うーん……、「TAXI feat. tofubeats」(2020)かな。この曲はラブソングではあるのですが、大変な時期を乗り越えていこうというメッセージもあって。あの時だったから、そのメッセージを乗せて届けられたのかなと思います。それに、僕の名前を知っていただいている方から最初にでてくるのが「TAXI feat. tofubeats」というケースが結構多いんですよ。
──私も今でも「TAXI feat. tofubeats」を聴いています。NOAさんっぽいなというか。
NOA:そうなんですよね。自分を表現する幅が広がったり、聴く音楽のジャンルが広がったりしたことで、いろんなジャンルの曲を作ってきましたが、最近「TAXI feat. tofubeats」みたいなジャンルが自分らしいのかなと感じていて。原点に戻ろうかな、とも考えています。
──そうだったのですね。楽曲も然りですが、この5年で新しくやったチャレンジもありそうですね。
NOA:5年の中だったら、【NOA "NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA】ですね。ワンマンライブを初めてやった年の最後をアリーナ公演で締めるとは、まったく想像していませんでした。あれだけ大きな会場にたくさんの方が来てくださって、「どうすればいいんだろう」、「どうしたらこれだけ多くの人を巻き込めるんだろう」という不安もありました。正直、今だったら「もっとできる」と思いますが、当時は当時なりに精一杯やったチャレンジだったので、いい経験になったと思います。
あとはやっぱりコロナ禍ですね。誰しもが不安には思っていた時期だと思いますが、僕も例外ではなくて。あのときは「アーティストってこんな感じなのか? 想像していた世界と違うぞ?」と思ったりもしていました(笑)。そんな中、海外にいるNOANAとはどうやったら繋がれるんだろうと考えて、SNSを使ってみたり、いろんなチャレンジをしていましたね。振り返ってみると、アリーナ公演を含め、あの時期は振り向くこともできず、前だけ見て試行錯誤しながら突っ走っていたと思います。
「離れないよ」というメッセージを伝えてくて
──そんな時期も経て、5周年を迎えた今年第一弾の楽曲「Seasons」が3月14日にリリース。まず、このタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか。
NOA:まず、今年1年、NOANAと四季を共にしたいというアイデアがあって。そのテーマを伝えるうえで、「Seasons」というわかりやすいタイトルにしました。それにNOANAと「四季」というものに対しての共通認識を持ちたくて、この曲を作ってもいるんです。四季を通して、別れと出会いってあるじゃないですか。それをテーマに作った曲なので、一番わかりやすく「Seasons」と付けました。
──「NOANAと四季を共にしたい」というアイデアは、やはり5周年だからなのですか?
NOA:5周年ということもありますが、去年1年間、いろんなイベントを通してNOANAの皆さんと四季を過ごした感覚がすごくあって。今年は違った方法で皆さんと共に過ごしたいなと考えたときに、アーティストとして、曲をお届けするのが一番なんじゃないかと考えました。
──なるほど。この曲はどのタイミングで作ろうと思ったのですか?
NOA:去年の年末にはもう考えていましたね。
──リリースまでのスパンが早い……!
NOA:そうなんです(笑)。今だから言えるのですが、実はビルボードライブで歌いたかったんですよ。でもちょっと間に合わなくて。なので、あのときには、ある程度完成していました。
──そんな同曲は、繊細さもある美しい曲だと感じました。音選びはどのように進めたのでしょうか。
NOA:そもそも音数が少ないバラードにはしたくなくて、一緒に作ったSunnyさんとは、あくまでもビートがあるリズミカルな曲にしたいと話をしていました。ただ、季節をサウンドで表現するのって難しくて。それをどうにか表現するためにギターを入れて温かさを出したり、サビに壮大感を出すためにオーケストラっぽいドラムを入れたり、音の足し算、引き算をしながらいろんな工夫をして作っていきました。
──Sunnyさんとセッションしながら決めていくんですか?
NOA:一旦お互いの意見を伝えて、「これを入れてみよう」「この音を入れてください」という感じで進めていきました。僕とSunnyさんはやりすぎてしまうことがよくあるので(笑)、そういう時は1回、冷静になって引き算をします。
──先ほど「季節をサウンドで表現するのが難しい」と仰っていましたが、その難しさをどう打破したのでしょうか。
NOA:僕、季節をテーマにしている曲が好きなんですよ。なので、他のアーティストさんの冬をテーマにしている曲、春をテーマにしている曲などを聴いて、何が冬っぽいのか、何が春っぽいのかを研究しました。「ピアノをこういうふうに加工すると、春っぽく聞こえるのかな」「こういうドラムが入っているから、冬っぽいのかな」と、細かく考えながら反映しましたね。
──緻密な計算のもと作られた音だったのですね。Sunnyさんとは何度もタッグを組んでいますが、おふたりならではの制作スタイルもできているのでは?
NOA:ケースバイケースかもしれないです。イチから2人で作ることもありますが、基本、僕がベースを作り、最後、Sunnyさんに調味料をかけてもらうことが多いですかね。今回も僕がベースを作って、Sunnyさんに調味料を足してもらったのですが、こういったジャンルの曲を普段作らないので作り方がわからなかったんですよ。でも、作りたいものは明確にあったので、一旦、自分でできる方法で作ってみて、Sunnyさんとディスカッションしながら生の楽器を足すなどして、ブラッシュアップしていきました。
──サウンドはもちろん、歌詞も素敵ですよね。
NOA:恋愛の倦怠期を冬として表現し、倦怠期を乗り越えた先にある明るい未来を春として表現したらおもしろいかも、という考えから書いていきました。今まであまり書いたことがない内容を書いてみたくて、Sunnyさんにそう話したら、冬と春で表したらいいかもね、とアドバイスをくださって。「こうしたらいい感じになりそうですね」と、ドンドン内容を深堀りしながら書いていきました。
──NOAさんは実体験で歌詞を書くと以前お話しされていましたが、今回は創作なのですか?
NOA:少なからず自分の体験も入っています。ただ、実体験だけではなく「出会いと別れ」というテーマにも通ずるような歌詞にしたかったんです。春って友だちとの別れや、新たな出会いもあるじゃないですか。そのほうが共感してくれる方も増えると思ったんです。それに、5周年の第一弾となる楽曲だからこそ、NOANAに伝えたいメッセージにしたかったという思いもあります。僕との出会いや別れもあると思いますし、「離れないよ」というメッセージを伝えてくて。結果、いろんな感情が入り混じった歌詞になりました。聞く人によって様々な受け取り方をしてもらえるんじゃないかと思っています。
──そして、ジャケ写も曲のイメージにぴったりなキレイなアートワークですね。
NOA:歌詞に桜という言葉が出てくることもあって、桜が散っているような感じにしました。あとは空の色も明るくしすぎていないんです。これは冬を表現していて、寂しすぎず、明るすぎもしない、その真ん中を狙いました。このジャケ写からもエモーショナルな雰囲気を出せたらと、こだわりました。

──NOAさんって、アートワークに関していつもどれくらい携わっていらっしゃるんですか?
NOA:結構携わってますよ。デザインはしていないですが、バックグラウンドや意図、狙いは全部、僕がお伝えして作っています。リテイクをお願いすることも割とあって(笑)。アルバム『Primary Colors』もそうですし、ミュージック・ビデオの映像にも携わらせてもらうこともよくあって、意見や要望を伝えすぎてしまって嫌われていないか、心配です(笑)。でも、自分が納得できるものを届けたいという気持ちが強くて、生半可ではいけないと思っているので、納得できないものは出したくないんです。そこはこれからもっと極めていきたいですね。
──この先の作品も楽しみです。ちなみに、NOAさんは夏がお好きと仰っていましたが、春ならではの楽しみはありますか?
NOA:僕、花見を一度もしたことがないので、花見をしてみたいんです。花見はないのですが、桜を見に行くのは好きなんですよ。それこそ、韓国から日本に戻ってきたときはいろんな公園の桜を1人で見て回っていました。桜だけじゃなくて、花全般が好きなので、お花教室に通ってみたいとも思っています。でも、いつも調べるだけ調べて、行かないんですよね(笑)。趣味を作りたいので、今年こそ行ってみようかな。もともと趣味自体が音楽や映像制作だったのですが、今はそれがお仕事になってしまっているので、まったく違うジャンルの趣味を作りたいんです。
──いいですね!
NOA:今、始めようとしているのはDJです。ライブ後にアフターパーティーをやってみたくて、自分でDJできたらいいなという発想なんですけど……。
──DJ NOA、見てみたいです。でも、それだと趣味じゃなくて仕事になってしまいそうですね(笑)。
NOA:そうなんです(笑)。結局、仕事になっちゃうっていう。でも、この春は何か新しいことを始めたいと考えています。
去年よりも濃い1年にできるように
──そして、4月からは約1年3か月ぶりのファンミーティング・ツアーが始まります。前回のファンミーティングから、どんな部分がレベルアップした内容になりそうですか?
NOA:前回はFIELD TRIP=遠足というテーマで開催しましたが、今回は5周年ということでNOANAとの距離が深まった5年間を振り返っていこうと思っています。その振り返り方も色々構想中で、ミュージカルっぽい要素を取り入れてみたり、今後のNOAが楽しみになるようなことをしたりしようかな、と。おそらくアーティスト性がより強くなったファンミになると思います。ファンミって、関係性がより濃い方たちが来てくださる場所なので、全員が身内のような感覚というか。僕も顔を覚えているNOANAがいっぱいいるんですよ。なので、温かい空間の中で一緒に今までを深く振り返る時間になればいいなと考えています。
──チケットをゲットしたNOANAが準備しておくことはありますか?
NOA:デビュー曲から全部、聴き直しておいてもらいたいかも。皆さんがいろんな思いを持って各曲を聞いてくださっていると思うんですね。「皆さんはどんな思いで聞いていますか?」という部分を基にファンミを作っていく予定なので、それぞれの思いを持ってきてほしいです! ファンミに参加される皆さんが、僕と一緒に公演を作っていくイメージでいてくれたら、嬉しいです。
──内容が楽しみです! そして別軸のトピックとしては3月28日に公開される映画『山田くんとLv999の恋をする』にも出演されています。
NOA:『君の花になる』(TBS系)で演技をしたのが3年くらい前なので、その感覚を思い出す作業からスタートしました。同じ表現のお仕事ではありますが、ステージ上でパフォーマンスするのとは全然違うんですよね。最初は緊張しましたし、ドラマと映画の現場の違いも少なからず感じていたので、そこに慣れる作業もありました。ただ、スタッフさんもキャストの皆さんも素敵な方ばかりだったので、打ち解けやすい現場でした。力まずに臨めた作品でしたね。
──共演者の方々から受けた刺激や学びもあったのではないでしょうか。
NOA:作間(龍斗)くんや山下(美月)さんはアーティストとしても活躍されているので共通の会話ができましたし、彼らの芝居の現場での立ち振舞いなどを見て、勉強にもなりました。監督と意見を交換しながら、その場で出たアイデアを大切にして作品を作っていたので、その発想力に驚いたりもしましたね。
──素人目線ながら、アーティストとして曲をコライトするときに活かせそうと感じました。
NOA:そうなんです。以前『君の花になる』をやっていた期間も自分の曲のレコーディングをしていたのですが、歌詞の入り方が以前とまったく違って。お芝居で得たものが歌に活かされているんだなと感じた経験がありました。感情が込めやすいんですよね。気持ちが言葉に乗りやすいというか。自分でもびっくりしましたし、演技のお仕事をすることで得られる一つのいい面だなと思いました。今後も積極的に芝居にチャレンジしていきたいです。
──楽しみです!
NOA:去年リリースした『Primary Colors』で例えると、今は“緑のNOA”しかお見せできていないと思っているので、今年はお芝居を通して“赤のNOA”も“青のNOA”も見せていきたいですね。
──では、最後に5周年の今年、ファンの方に期待しておいてほしいことが教えてください!
NOA:まず、四季を通して、曲を届けていくつもりです。四季だから最低4曲はあるのですが、そのほかにも今、ストックがドンドン増えていて「アレも出したい」「コレも出したい」という状態なんです。となると、EPを出さなきゃな、とも思ったり。「EPを出したらツアーもやりたいな」「でも、ツアー前に5周年のライブもやりたいな」と、気持ちがいろいろ膨らんでいて……あ、これ全部、僕の願望です(笑)。
──(笑)。
NOA:ほかにも、年末には1年を締めくくるライブもやりたいですし、いろんな思いがあります。あくまでも僕の中の想像なのですが、去年よりも濃い1年にできるように、ファンの方も忙しくなっていただけるように、できる限り実現していきたいと思います。
リリース情報

「Seasons」
2025/3/14 DIGITAL RELEASE
再生・ダウンロードはこちら
ツアー情報
【NOA FAN MEETING TOUR 2025「Dear NOANA」】
2025年4月16日(水)大阪・Zepp Namba
2025年4月23日(水)愛知・Zepp Nagoya
2025年4月28日(月)神奈川・KT Zepp Yokohama
関連リンク
NOA 公式サイトNOA レーベルサイト
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