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<来日直前インタビュー>世界各地で共感と絶賛の声が絶えないwave to earth、パワーアップしたライブに注目

インタビューバナー

Text & Interview: Mariko Ikitake
Translation: Saeko Ueda

 昨今の韓国ロックバンドブームの中心にいるwave to earthの一夜限りの来日公演の開催が近づいている。TikTokやリールなどで「bad」や「annie.」が広まったことも相まって、昨年は北米ツアー全公演がソールドアウトを記録、本国ソウルで3日間開催された凱旋公演には連日多くのファンが駆けつけた。その盛り上がりはバンドの公式インスタグラムやオーディエンスのSNS投稿からもわかる。

 2019年のデビュー以降、着実にステップアップしてきたボーカル兼ギタリストのDaniel Kim(キム・ダニエル)、ドラマーのDong Kyu Shin(シン・ドンギュ)、ベーシストのJohn Cha(チャ・スンジョン)の3人。ダニエルが紡ぐリアルな言葉と涙を誘うようなメロディーライン……現代を生きるすべての者に刺さりまくる彼らの魅力とは。1月21日の公演を前に3人がメールインタビューに答えてくれた。

左から:ジョン、ダニエル、ドンギュ

──2024年3月の初来日公演から1年経たずに再来日公演が決まりました。その間に『play with earth! 0.03』のリリースや北米ツアー、韓国3日間公演と、2024年はあわただしくも手ごたえのある1年を過ごしたと思います。2024年を振り返るとどんな年だったと思いますか?

wave to earth:多くのファンの方々に直接会うことができてありがたい一年でした。2025年がもっと楽しみですね。



──wave to earthの情報がまだまだ少ないので、お一人ずつ、ご自身を表す言葉を3つ教えてください。

ジョン:スマイルポテト、オタク(色んなジャンル)、カラフルな髪。

ドンギュ:お酒、食事、長髪が好き。

ダニエル:アイウェア、機材、コーヒー好き。

──wave to earthがどのように生まれたのか、3人の出会いを教えてください。

ジョン:ドンギュとダニエルがバンドを作り、私は軍隊最後の休暇の時に一緒に合奏をすることになったのですが、そこで大きな戦慄を感じました。そこから、私たちの物語は始まりました。

──皆さんはK-bandを代表する一員で、韓国内でバンドミュージックを広める存在でもあると思います。wave to earthの音楽のどのようなところが、多くのリスナーを魅了していると思いますか?

ドンギュ:まずは、そう言ってくださってありがとうございます。韓国人として誇らしいですね。私たちには様々な魅力があると思いますし、それに加えて、世界には多様なリスナーがいると思っています。それが上手く合ったのだと思います。


──ダニエルに質問です。『play with earth! 0.03』には、うまくいかない自分の人生に対するちょっとした絶望や、孤独とそれに対となっている期待が描かれていると思います。ご自身の感情を音楽にして表現すること、それを世界中の人とシェアすることは、あなたにどういった効果がありますか?

ダニエル:世の中には私と似た人たちが多くいると思いますが、彼らに少しでも共感と慰めを与えられるという事実が嬉しいですし、役に立ったのだとしたら本当にありがたいことだと思います。

──『play with earth! 0.03』はどんな作品に仕上がったと思いますか? ほかにも素敵な楽曲がたくさんありますが、wave to earthを知らない人にご自身の曲を紹介するとしたら、どの曲を勧めますか?

wave to earth:ウェアーズ(wave to earthの略称)は段々と完成に向かっていると思います。『play with earth! 0.03』はウェアーズが完成する道に一歩踏み出したアルバムだと思いますね。曲は「love.」をお勧めします。理由は、wave to earthを一番よく感じられるトラックだと思うからです。


──ライブではそれぞれのプレイにハイライトがあると思います。ライブで演奏していて楽しい、個人的に好きだと思う曲のパートを教えてください。

ダニエル:「pink」のエンディングパートが好きです。ギター演奏をその日の気分に合わせて表現できるのが楽しいです。

ジョン:「ride」のイントロです。活気に満ちたスタートを知らせるような曲で、演奏するだけでも楽しいです。

ドンギュ:「love.」のギターイントロ。ダニエルがギターを弾くと、形容することのできない感動が押し寄せてきます。

──「annie.」もライブで特に盛り上がる曲だと思います。煌びやかな環境よりも本当の自分を大切にしたいという思いが溢れる曲ですが、この曲を書くことになった経緯、当時の気持ちなど、この曲に関するエピソードを教えてください。

wave to earth:この曲を初めてスケッチ(構想)していたとき、私たちの環境が大きく変わる時間を過ごしていましたが、その時間の中で私たちは変わらないという哲学を盛り込みたかったんです。最初のタイトルは「say no」でした。「say no」を違った形で表現するためにアニー(Annie)という仮想のキャラクターを作りました。アニーは韓国語で「아니(アニ、違う)」と発音できますが、「アニ」は韓国語でNOという意味でもあります。NOと関連がありますね(笑)。


──普段よく聴いている日本人アーティストはいますか?

ジョン:日本のバンドのEnfantsの「Kid Blue」という曲がオススメです。レディオヘッドを思い出させる曲です。

ダニエル:私はTOMOOの「Ginger」が大好きです。朝を明るくしてくれる、とても爽やかな曲だと思います。

ドンギュ:よく聴く日本のバンドはスピッツです。日本の曲を探しているときにアルゴリズムが探してくれて、気に入りました(笑)。

──wave to earthとして、今後どんな活動や音楽を届けていきたいと思っていますか?

wave to earth:私たちは引き続き、毎瞬間楽しい音楽をしていきます。これまでもずっとそうだったように音楽の本質に集中しようと思います。

──目前に控える東京公演では、どんなプレイを見せてくれますか? 見どころを教えてください。また、公演を楽しみにしているファンにメッセージもお願いします。

wave to earth:再び皆さんに会いに行くことができて嬉しいです。ライブでしか見られない特別な音楽をお見せします。ライブ会場で、みんなで一緒に楽しく遊びましょう。

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