Special
DJ KAORI 『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』インタビュー
3か月連続リリースのDJ KAORIが音楽シーンを斬る!?
今年はリリースラッシュの続いたDJ KAORIが、12月19日に人気シリーズ最新作『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』をリリースした。NE-YOのベストMIX、K-POP MIXから続いた3か月連続リリースを締め括る本作はもちろん、2012年No.1ヒットのカーリー・レイ・ジェプセンが売れた理由、マドンナの凄味、近年のDJ事情からアイドルの音楽についてまで。全音楽ファン必見のインタビューだ。
自分がパーティーに行っている感覚で作ってます
--今年はリリースの多い1年になりました。中でも秋からは『DJ KAORI’S BEST OF NE-YO 2012 MIX』、『DJ KAORI'S KMIX』、『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』と3か月連続でリリースが続きましたね。
DJ KAORI:今年は何だかんだで5枚。まあ、リリース的には忙しかったですけど、普段クラブでDJをやったりっていうのは変わらずに続けていることなので、CDを作るのもその延長線上というか。自分の中ではライフワークの一貫としてやらせて頂いている感じですね。
--MIX CDを作るというのは、クラブでDJをするのに近い感覚だと?
DJ KAORI:お客さんを飽きさせずに躍らせ続けるという意味では、現場の感覚をそのままCDにできたらと思っている所はありますね。パーティーシーンに長くいることもあって、どういうのがウケるのかが見える所もあるし、盛り上がりを想像しながら作ってるので。自分がパーティーに行っている感覚で作ってますね。
--DJにはリスナー的な視点と表現者としての視点を併せ持っている部分もありますよね。
DJ KAORI:海外だったらアーティストが曲を作って、DJがブレイクさせるっていう流れですよね。そうやって楽曲が広まっていく所は日本でも少なからずあると思いますけど、日本では音楽自体を聴く機会が少ないですよね。ラジオステーションの数も少ないですし。
洋楽に関しては、特にそう思いますね。文化が違う部分もあるから、ただ曲をかけるだけでは伝わらない部分もありますし、ノリだったり楽しみ方だったりも一緒に伝えていきながら、楽しいって感じてもらえる良さはDJにはありますよね。
--DJ KAORIさんはかつて単身で渡米し、その後DJとして活躍。2005年に日本へ帰ってきた訳ですが、当時感じた一番の違いは?
DJ KAORI:私が帰ってきたくらいから、日本でもクラブシーンが徐々に根付いてきていた所があったんですよね。盛り上がってるパーティーもあったし。そういう意味での土台は、それまでに活躍していた色んなDJの人たちが作っていたと思います。まあ、洋楽とかダンスミュージックだと知っている曲の絶対数が少ないっていうのはありますけど、それでも昔と比べたら一般的になっているとは思いますね。
パーティーに行かない人にも知って欲しい
--活動の拠点を日本に移してから7年ほどが経ちますが、その間にもクラブシーンやパーティシーンは大きく変化しました。その変化に対して、ご自身が影響を与えたと思う所は?
DJ KAORI:うーん、、、自分ではちょっと分からないですね。ただ、初めてCDを出した頃はDJという存在自体がまだ一般に広まっていなかったから、取材をしてもらうのも大変だったし、メディアで取り上げてもらう機会は殆どなかった。自分もマーケットを広げたいって気持ちで一歩一歩やってきたし、結果的にこういう形で認知度が高まってきて、DJへの理解度も高まってきて……という感じでしょうか。
それは考えてやっていた訳ではなくて、とにかくもっと……っていう気持ちかな。もっと売りたいし、そのためにはもっと知ってもらいたい。その気持ちがどこからきているかといったら、NYでDJをやっていた時から好きで楽しんできた音楽が、日本で伝わらない訳がないよなって気持ちが強くあったんです。
--洋楽の魅力をより伝えたい、ということでしょうか?
DJ KAORI:聴く機会がないだけで、洋楽に触れる機会が増えればもっと分かるんじゃないかって。やっぱり普段洋楽を聴かない人、パーティーに行かない人にも知って欲しいって想いはありましたよね。ただ、Billboardで上位を占めている音楽がそのまま日本で受け入れられる訳ではないから、日本のマーケットで分かってもらう努力、知ってもらう努力をしていかないと、日本でブレイクするのは難しいですよね。やっぱり英語だし。
海外とかだとラジオからもそういう音楽が流れていたりするけど、日本ではなかなか機会がない。だからこういうMIX CDで良い曲がいっぱい入っているのを作りたいってやってきて、認知度が高まっていくことで今、CDを買ってくれるお客さんがいる。そのおかげでさらに良い楽曲が入れられるようになりましたね。
リリース情報
DJ KAORI'S PARTY MIX IV
- 2012/12/19 RELEASE
- [UICZ-3132(CD)]
- 定価:¥2,400(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
DJ KAORI'S KMIX
2012/11/24 RELEASE
[UMCK-1436(CD)]
¥2,900(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
DJ KAORI'S BEST OF NE-YO 2012 MIX
2012/10/03 RELEASE
[UICT-1067(CD)]
¥2,400(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
関連リンク
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
メジャーも知らないでアンダーグラウンドはないと思う
▲Owl City & Carly Rae Jepsen - Good Time
--始めた当初は制約も厳しく大変だったそうですね。
DJ KAORI:やっぱりヒット曲を集めて1枚のコンピ盤を出すのって敷居が高くて。最初にMIX CDを出した時は、レーベル縛りでリリースから1年経った楽曲でなければダメ、とかありました。でも、CDを聴いてくれるお客さんがいれば……、それこそ今回の『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』には今年のBillboardのNo.1ヒットがいっぱい入ってるんですよ!?(笑)
アウル・シティー&カーリー・レイ・ジェプセン「グッド・タイム」に、カーリー・レイ・ジェプセンの「コール・ミー・メイビー」に、マルーン5にクリス・ブラウンにニッキー・ミナージュにザ・ウォンテッドに……。Billboardのヒットソングが1枚のCDで楽しめる訳ですから、是非買って欲しいです!(笑)
--例えば、DJ KAORIさんなら音楽マニアが喜ぶような選曲もできる訳ですよね?
DJ KAORI:日本で洋楽を聴いてる人って、ちょっとかっこつけてる人が多い気がしませんか?(笑) メジャーを聴かずに、アンダーグラウンドだって人が多いですよね(笑)。
--……自分もそういう所ありますね(笑)。
DJ KAORI:あります?(笑) NYにいた時も、日本人の男の子がレコード屋に来て「今アンダーグラウンドが流行ってる」なんてて言ってて、その隣のメジャーの曲は知らないって事があったんです。メジャーも知らないでアンダーグラウンドはないと思うんです、「君はコレも知らないでコレを買うワケ!? まずはこっちでしょ!」って。メジャーを知った上で行くのと、情報に流されてそっちから入るのとでは違うと思います。
やっぱり音楽ってそういうものじゃない、もっと楽しいものなんですよね。もっと身体で感じて、本能で聴くものだし、情報云々よりも感覚的なものだと思う。私は楽しくてポップなものが好きだし、パーティDJだからみんなが盛り上がってくれるのが好きですよね。なるべく多くの人達を盛り上げたいっていう気持ちが強いのもあると思います。
--それは昔から変わらない感覚なのでしょうか?
DJ KAORI:そうですね。ヒップホップをメインにやってた時も現場にいたからアンダーグラウンドは知ってたけど、まずは楽しいことを知ってもらって、それから勝手にそれぞれでハマってもらえばいいと思う。洋楽を聴く人の間口を広げたいっていう気持ちですよね。楽しみ方、触れ方を知らない人に、「楽しいよ?」っていうのを伝えていきたいんですよね。
「コール・ミー・メイビー」のヒット要因とマドンナの凄味>
▲Carly Rae Jepsen - Call Me Maybe
--『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』に収録のカーリー・レイ・ジェプセン「コール・ミー・メイビー」は、世界的にも2012年を象徴するヒットソングでした。DJ KAORIさんが同曲のヒットの要因を分析するとしたら?
DJ KAORI:まず第一に曲がキャッチーという所と、女の子が男の子を誘う歌という所ですよね。今の時代、積極的に女の子から誘う事もあるだろうし、ミュージックビデオも面白くて最後がゲイオチっていう!(笑) それだって正に時代で、本当によくある話なんですよ、海外だと。
--そうなんですね!
DJ KAORI:「よくある話だよね?」ってことだと思いますよ。時代を代表しているんじゃないですかね、やっぱり。今まであるようでなかったですよね、逆ナンじゃないけど女の子がナンパして「電話してね?」って曲は。
--日本のヒットチャートにはまずないですね(笑)。
DJ KAORI:アメリカでもないと思いますよ。しかも最後がゲイオチっていう、アメリカで本当によくあるパターン! アメリカって本当にイケメンのゲイが多いから、女の子からの賞賛っていうのはあったと思いますよ、「あるある!」って(笑)。「コール・ミー・メイビー」は超あるあるソングだと思います。
--その解説があると一気に親近感が沸きますね! また、今作にも収録されているマドンナは、DJ KAORIさんのフェイバリットアーティストですよね?
DJ KAORI:ポップミュージックをずっとやり続けているのは凄いですよね。アメリカでもとやかく言える人は一人もいないくらい、圧倒的なパワーを持ってる。80年代、90年代、2000年代、2010年代……とポップミュージックをやり続けている凄さ! 最前線でやり続けている凄さですよね。現在進行形でポップアイコンとしてあり続けるということは、本当に唯一無二だと思います。昔のヒット曲を歌って出てくる人ではないですから。
当時はプリンスとかも凄かったけど、やっぱり今は聞かないじゃないですか? あのペースでやり続けてる人って他にいないですよね。それでチャートにも入れてくるし、一般的なポップミュージックとして流れてるし。それって凄いことだと思います。
リリース情報
DJ KAORI'S PARTY MIX IV
- 2012/12/19 RELEASE
- [UICZ-3132(CD)]
- 定価:¥2,400(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
DJ KAORI'S KMIX
2012/11/24 RELEASE
[UMCK-1436(CD)]
¥2,900(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
DJ KAORI'S BEST OF NE-YO 2012 MIX
2012/10/03 RELEASE
[UICT-1067(CD)]
¥2,400(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
関連リンク
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
アナログはマイルドだから、耳にくることがない
--日本では今、洋楽のCDが売れなくなってきている現状があります。
DJ KAORI:音楽をマニアックに突き詰める人が、減った気がしますね。たぶん、今の人ってEXILEを聴きながらカーリー・レイ・ジェプセンを聴くんだろうし、洋楽と邦楽をあまりジャンルで分けてないと思います。ミュージックというジャンルで色々な曲を薄く広く聴いている、ということなんですかね。
--それはインターネットの影響も大きかったと思うのですが、ネットがDJに与えた影響は?
DJ KAORI:レコードが無くなったのもあるし、DJもコンピューターでやる時代になっちゃったりっていうのはありますよね。DJって爆音で聴くからCDだと音がパツンパツンで、長時間聴いてると耳が痛くなってくるんです。でもアナログはマイルドだから、耳にくることがないんですよ。
今の人たちが本当にデジタルだけで、パソコンのスピーカーだけで音楽を聴いてるんだとしたら可哀相だと思います。だって、本来の音源の良さを30%も体験できないんじゃないかな。爆音で聴かないと身体にこないし、音の広がりもないし。
--『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』のような作品をCDで発表することで、本来の音楽の楽しさをもう一度伝えていきたいという想いもありますか?
DJ KAORI:今、アナログを聴けとは言わないけど、せめてCDくらいのクオリティじゃないと、身体で感じるのは難しいと思う。私みたいにずっとアナログやCDを聴いてきた人からすると、MP3を爆音でかけても全然こないですね。音が薄いのが分かっちゃうから、気持ち良さが届いてこないっていうか。そういう意味では今回のCDも、音は太いハズだし爆音で聴いてもらえると思います。
J-POPはコンピューターゲームみたいな音?
--また、11月にはK-POPのヒットソングを集めた『DJ KAORI'S KMIX』をリリースしました。K-POPは日本のヒットソングに比べて欧米寄りなサウンドが多いのが特徴となっています。
DJ KAORI:本当ですよね。それは凄い感じる。ノリノリだしダンスミュージックに特化してるし、今時のシーンがそのまま、ね(笑)。そういう意味ではやりやすかったし、K-POPが日本で流行った理由もそういう所にあるのかなって。
--ただ、今年は国際的な問題が非常に大きな影響を与えました。個人的には音楽は別物として楽しみたいと思っているだけに、今このような作品がリリースされたことは嬉しかったです。
DJ KAORI:それはありますよね、ピースで行きたいです。勿体無いって思うし、誰も得しないような気がしますね、何にしても。みんながピースになる方法はないのかなって。
--だからDJ KAORIさんがK-POPのMIX CDをリリースすることは大きいと思いますよ。
DJ KAORI:歌も巧いし、良い楽曲も多いから楽しめると思うので、普段K-POPを聴かない人にも聴いて欲しいなって思いますよね。それこそBillboardで洋楽ばかり聴いてる人でも、案外楽しめるんじゃないの?って。トラックも太いし、本当にみんなボーカルも上手ですし。
--やっぱり選曲する上で音の太さは重要なのでしょうか?
DJ KAORI:ありますよね。音が薄いのは……、例えば日本のアイドルってコンピューターゲームみたいな音じゃないですか?(笑) ただ、日本はトラック云々よりもメロディ重視だったりしますし、AKB48にも良いメロディの楽曲とか色々ありますよね。“○○だからダメ”って感覚は私の中にないんですよね。
--では、最後になりますが2013年はDJ KAORIとして、どのような活動をしていきたいと思いますか?
DJ KAORI:オープンに色んなものにチャレンジしていきたいっていうのがあるので、決め付けずにトライしていきたいですね。やりたいことに向かっている時が、一番充実してると思う。だからDJじゃなくてもいいから常に熱くなれるものが自分の中にあって、それに向かっている感じの中で死んでいきたいくらい(笑)。歳を取ったから辞めようとかじゃなく、70歳になっても何かに熱くなってたいなっていうのはあります。
--80歳とか90歳でDJやってたらめちゃめちゃかっこいいと思いますよ?
DJ KAORI:いやいやいや!(笑)
--絶対行きますよ! 俺が生きてたら。
DJ KAORI:一年に一回くらいしかできないと思いますよ? それで何か、おめでたい感じのパーティーになっちゃったりしてね(笑)。
Music Video
リリース情報
DJ KAORI'S PARTY MIX IV
- 2012/12/19 RELEASE
- [UICZ-3132(CD)]
- 定価:¥2,400(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
DJ KAORI'S KMIX
2012/11/24 RELEASE
[UMCK-1436(CD)]
¥2,900(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
DJ KAORI'S BEST OF NE-YO 2012 MIX
2012/10/03 RELEASE
[UICT-1067(CD)]
¥2,400(tax in.)
詳細&購入はこちら>>
関連リンク
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
DJ KAORI’S Party Mix 4
2012/12/19 RELEASE
UICZ-3132 ¥ 2,515(税込)
Disc01
- 01.グッド・タイム
- 02.コール・ミー・メイビー (オールマイティ・クラブ・ミックス)
- 03.ペイフォン (カットモア・リミックス) feat.ウィズ・カリファ
- 04.キャント・ストップ・ミー (ラジオ・エディット)
- 05.ターン・アップ・ザ・ミュージック
- 06.ミスター・サクソビート~恋の大作戦~
- 07.スターシップス
- 08.トラブルメーカー
- 09.レット・ミー・ラヴ・ユー
- 10.チェイシング・ザ・サン
- 11.オール・アラウンド・ザ・ワールド feat.リュダクリス
- 12.ナウ・オア・ネヴァー
- 13.俺たちワイルド・ワンズ feat.シーア
- 14.スペクトラム feat.マシュー・コマ
- 15.プレッシャー (アレッソ・リミックス)
- 16.ホエア・ハヴ・ユー・ビーン
- 17.スクリーム
- 18.ウィー・ラン・ザ・ナイト feat.ピットブル
- 19.シャンパン・シャワーズ feat.ナタリア・キルズ
- 20.ガール・ゴーン・ワイルド
- 21.ウィズアウト・ユー feat.アッシャー
- 22.グラッド・ユー・ケイム
- 23.フィール・ソー・クロース (Radio Edit)
- 24.アス・バック・ホーム feat.ネオン・ヒッチ
- 25.コーリング(ルーズ・マイ・マインド) feat.ライアン・テダー
関連商品