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<インタビュー&座談会>バズを生み出し続ける黄金タッグ――超ときめき♡宣伝部×コレサワ、“自分のことを否定しない=自己肯定”の音楽【MONTHLY FEATURE】

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Interview:Takuto Ueda
Photo:Shintaro Oki(fort)

 Billboard JAPANが注目するアーティスト・作品をマンスリーでピックアップするシリーズ“MONTHLY FEATURE”。今月は、スターダストプロモーション所属のアイドルユニット、超ときめき♡宣伝部のインタビューをお届けする。

 現在の超ときめき♡宣伝部は、辻野かなみ、杏ジュリア、坂井仁香、小泉遥香、菅田愛貴、吉川ひよりの6人組。「ときめく恋と青春」をテーマに掲げながら、世界中に“ときめきを宣伝”するべく活動を続けている。2015年4月に“ときめき♡宣伝部”として結成、2020年4月に菅田愛貴が加入したことで現体制へ。グループ名も現在の“超ときめき♡宣伝部”に改名し、再出発を果たした。

 この頃、コロナ禍によるステイホーム期間が始まり、世の中では動画コンテンツの需要が一気に高まった。とりわけTikTokの人気は急加速。瑛人「香水」、ひらめ「ポケットからきゅんです!」など、TikTok発のヒットソングも数多く生まれ、サブスクリプション型ストリーミング・サービスの浸透も相まって、音楽の聴き方/届け方は、いよいよデジタル・プラットフォームを主軸としたものへと変化していった。

 超ときめき♡宣伝部は、そうした潮目の変化を追い風に変えてみせた。2018年にリリースした楽曲「すきっ!」が、いわゆる“Sped Up ver.”の倍速音源を使用したダンスミームを巻き起こし、楽曲やミュージック・ビデオの再生回数も急増。そして2024年は、コレサワ作詞作曲による「最上級にかわいいの!」も大きなバズを生み出し、グループとして見事な飛躍を果たした1年だったといえる。

 その1年間の集大成として、このたびニューアルバム『ときめきルールブック』をリリースし、12月28日には自身初のさいたまスーパーアリーナ単独公演も控えているメンバーに話を聞いた。前半は最新アルバムの内容を紐解くメンバー・インタビュー、そして後半はアルバムのリードトラックで、「最上級にかわいいの!」の続編的な楽曲「こんなあたしはいかがですか」を提供したコレサワを迎えた座談会の二部構成でお届けする。

私たちの説明になるアルバム

――通算4作目のフルアルバムとなる『ときめきルールブック』が完成。リリースの発表は、7月に行われたツアー【超ときめき♡宣伝部のきみのハートにロックオンTOUR 2024】の初日公演で行われましたが、本格的に制作が始まったのはいつ頃でしたか?

坂井:ツアーは7月から9月にかけて開催したんですけど、その最中に「プリンセスヒーロー」と「きみにとっての幸せになりたいの」の2曲をレコーディングしたんです。それからツアーが終わって、一気に残りの新曲もレコーディングしました。




超ときめき♡宣伝部 / プリンセスヒーロー Live at Zepp Haneda(2024.09.16)


――その時点でタイトルは決まっていましたか?

菅田:いや、タイトル未定だったよね。

小泉:うん、未定だったね。途中で決まった感じ。

――最初、皆さんのなかでどんなアルバムにしたいという想いがありましたか?

吉川:年末にさいたまスーパーアリーナが決まっていたので、そこに向けて、いろんな私たちを見せられる新曲を作りたいと思っていました。とき宣って恋愛曲がバズっていたりするので、世間ではそういう曲のイメージが強いと思うんですけど、それだけじゃなくて青春曲も歌うし、結成10周年を目前に「こういう色も出せるんだよ」というのをアルバム一枚で伝えられたらいいなって。

――ちなみにタイトルの由来は?

辻野:リード曲の「こんなあたしはいかがですか」が取扱説明書のような楽曲になっているので、そこから私たちの説明になるアルバム、青春と恋をテーマにしたさまざまな楽曲が集まっている一枚になったらいいなという想いから「ときめきルールブック」に決まりました。

――アルバムとしては1月にリリースされた『ときめく恋と青春』に続いて、今年2枚目になります。

坂井:そうなんですよ。びっくり。

辻野:それだけの楽曲を作っていただけたことがうれしいですし、楽曲が増えるとライブの見せ方もいろいろ増えるので、きっとファンの方々も見ていて飽きないと思うんですよね。

――前作と今作を聴き比べたとき、この1年間で成長したなと感じる部分もあったりしますか?

坂井:みんな歌が上手くなっているなと感じます。年始にアルバムを出して、横アリでライブをやって、夏にツアーもやって、歌う機会が本当に多い1年だったので、今回のアルバムを通して、メンバーの歌の成長がすごく感じられるなと私は思いました。そういうところにも注目してもらえたらうれしいです。




――詞の世界観も広がっているように感じました。

坂井:そうですね。昔だったら歌えないような楽曲がたくさん詰まっていて。

菅田:「こんなあたしはいかがですか」で〈目が合うたびにキスして〉って歌詞があるんですけど、とき宣の楽曲に“キス”って言葉が出てくるのは珍しいのでけっこうびっくりしました。ちょっと大人だなって。

辻野:あとは「ちょま」とか。自分が浮気相手になるシチュエーションは初めてで、いろんな角度からの恋愛を歌えるようになっているなと感じます。今までは「好きになって」とか「好きだよ」みたいな曲が多かったけど、少しずつ失恋ソングとかも歌えるようになってきた。「ちょま」も良い関係性の歌ではないかもしれないけど、こういう恋愛もあるんだなって学びがありました。

――〈彼女いるんじゃん、どういうこと?〉と困惑しながらも惹かれてしまう気持ちが抑えきれない。そういう葛藤や苛立ちなども含めて、必ずしもピュアで綺麗なものだけが恋じゃないということですね。

小泉:人間味だ。

――そういう繊細な表現にチャレンジできているのも成長の証ではないですか?

辻野:新しい挑戦をさせてもらえるのはうれしいなと思います。

:私は「発見!ポジティブ☆モンスター!!」を初めて聴いたとき、アニメのタイアップ・ソングかと思ったぐらい、今までのとき宣にはなかったタイプの曲で。でも、この曲はライブをどんどんやっていく私たちにとって、新しい挑戦になるものとして作っていただいたと聞いていて。本当にアルバムやシングルを出すたびに毎回、「まだ挑戦していなかったことがこんなにあるんだ」と思うし、この「発見!ポジティブ☆モンスター!!」もライブで披露するのがすごく楽しみな曲です。

吉川:すごく楽しそう曲だなと思いました。歌割りがけっこう細かいので、フェスとかで披露したときにインパクトが大きいんじゃないかなって。

――その意味で対照的なのが「下書きの恋」。歌はユニゾンパートがなく、それぞれが表現力豊かに歌い上げている切ないラブソングです。

坂井:とき宣の歌って基本、ユニゾンが少ないんですよ。だから「発見!ポジティブ☆モンスター!!」は珍しくて。「下書きの恋」はより歌を聴いてもらえる曲なのかな。バックサウンドも音が少なめなので、ボーカルが頑張らないといけない曲だと思います。

小泉:でも、ほかの曲に比べて歌いやすかった気はします。全体的に早口だったりキーが低い曲が多かったので。「下書きの恋」は誰でも口ずさみやすいメロディーラインというか。例えば「プリンセスヒーロー」のAメロなんて、なかなか口ずさめる感じじゃないから。そういう意味ではいろんな人に聴いてもらえて、いろんな人に歌ってもらえる曲になるんじゃないかなと思います。

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未完成の私たちだからこそ
応援してくれるファンの方々がいる

――「未完成ガール」は吉川さんが作詞を担当。メンバーによる作詞は初ですよね。どんな経緯で決まったのですか?

吉川:もともと作詞はずっと挑戦してみたいと思っていたんです。それがようやく叶ったのが今回で。出来上がったのはツアー中だったんですけど、ライブを経験していくなかで、自分のことだったりメンバーのことだったり、宣伝部員さんからいただく声だったり、いろんなものから感じたことを組み合わせて書いていきました。

――ほかの皆さんはどんな想いで見守っていましたか?

吉川:メンバーにはずっと言っていなくて。

――そうだったんですね。

吉川:本当に自主的というか、やってみたい気持ちはずっとあったんですけど、なかなか言うのが恥ずかしかったので。メンバーに伝えたタイミングはレコーディングの直前でした。

坂井:二日前だよ。曲もそこで初めて聴きました。とき宣って歌割りは事前に決めないんですよ。まずは全員がフルコーラスを歌って、パートごとに良かった人が採用される感じで。

吉川:私、母にも言ってなかったんです。出来上がった歌詞はスタッフさんだけにこっそり送っていました。そしたら今回はいつもと反応が違って、「もしかしたらいけるのかな」と思いつつ、でも、あまり期待しすぎないようにしていたら、「曲とメロディーをつけてみようか」と言われて。タイミング的にアルバムの最後の一曲をどうするか迷っていたところだったらしくて、そこに私の「未完成ガール」を入れてもらえたんです。

――具体的にはどんなことからインスパイアされて言葉を紡いでいきましたか?

吉川:やっぱりメンバーの姿が一番大きいです。私って感情は豊かだけど、あまり表には出さないタイプで。悲しかったり、つらいことは隠しちゃうほうなんですけど、メンバー6人の人間らしい姿は客観的に見ていたので、「みんなの中にもそういう感情はあるよな」と思いながら歌詞を書きました。

――特にそういった感情を表に出すタイプのメンバーを挙げるとしたら?

吉川:仁香です。「未完成ガール」の一番のモデルも仁香なので。

坂井:モデルになっちゃいました。

吉川:この曲の歌詞を書いたきっかけでもあります。

坂井:私としては、歌詞に書いてもらえて救われたというか。ツアー中にそういう感情になる日があったんですよ。「うーん」ってなる出来事があって。でも、それを歌にしてもらえたことで「そういう自分がいてもいいんだな」と思えたので感謝です。

吉川:“未完成”ってあまりポジティブな言葉じゃないですよね。やっぱり完成形をステージで見せたいし、全員そういう想いがあると思うんですけど、未完成の私たちだからこそ、応援してくれるファンの方々がいるわけだし、逆に皆さんも完璧なわけじゃないからこそ、親近感を持ってくれているのかもしれない。そういう想いを込めて「未完成ガール」という曲を作りました。

――〈この気持ち忘れないように歌詞(うた)にしたよ〉というフレーズからも、吉川さんの率直な気持ちが綴られていることが伝わってきます。最初、メンバーの皆さんはどんなリアクションでしたか?

辻野:純粋にうれしいと思いました。メンバーの作詞は初めてだけど、普段こうして一緒に過ごしているからこそ分かることもあると思うし。あと、私たちってMCで一人ずつ挨拶するとき、並び順的にひよりんが最後にお話しすることが多くて。そういうとき、私たちが思っていることをすらっと話せていたり、「その言葉遣い、いいな」と思う瞬間が多いんです。ひよりんの言葉の使い方が私は好きで。なので、それを歌として歌えることがうれしかったです。

:言葉の世界観も素敵だなと思ったし、作詞って構成とかも大変じゃないですか。1番と2番で語感を揃えないと気持ちいいメロディーにならないとか。本当にすごいと思って、自分も家に帰って歌詞を考えてみたら、2行しか書けなくて(笑)。あらためて天才だなと思ったし、本人にも「天才だよ!」と言いました。もうそれぐらいしか言葉が出てくなくて。




――「ときどきセンチメンタル」は、SILENT SIRENのすぅさんが作詞担当。疾走感のあるバンドサウンドですが、タイトル通り、ほんのりセンチメンタルなムードも漂うナンバーです。

菅田:聴いた瞬間から曲が良すぎて「めっちゃ好き!」と思いました。すぅさんの楽曲提供は2曲目で、1曲目の「ラヴなのっ♡」も大好きだったんですけど、ジャンルの違うこの曲も大好きで。たまたま私がレコーディングしているとき、すぅさんが来てくださってディレクションしていただいたんです。セリフパートがあるんですけど「こういうふうに言ってみて」とか「もう100点満点」とか、すごくアドバイスと励ましをしてくださって、素敵な思い出になりました。そこは実際の音源では使われなかったんですけど(笑)。

――あ、そうなんですね。120点の人がいた?

小泉:かなみん?

辻野:やばい。頑張らないと。

――ハイレベルな戦いだったわけですね。

辻野:ハードル上がってます(笑)。

菅田:でも、お褒めの言葉をいただけただけでもうれしかったです。すぅさん、かわいすぎて。お会いできただけで幸せでした。

小泉:私は〈前に前に進む時間よ〉の歌詞がすごく好きで。失恋しているときとか、なかなか前に進む気持ちにはなれないと思うんですけど、そうやって言葉にして言われることで背中を押してもらえるというか、すごく良いメッセージだなと思いました。好きなフレーズの一つです。

――あらためて全体の手応えを聞かせていただけますか? 皆さんにとって、この『ときめきルールブック』はどんなアルバムになりましたか?

菅田:コレサワさんに始まって、コレサワさんに終わるんですよ。

――確かに。

菅田:この1年、コレサワさんに楽曲提供していただいた「最上級にかわいいの!」がすごく勢いがあって。本当にコレサワさんには感謝の気持ちでいっぱいなので、アルバムでもご一緒できてうれしいなと思います。

――では、そんなコレサワさんを迎えた座談会形式でもお話を聞かせてください。

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みんな声質や歌い方の癖が違う

――まずはコレサワさんから見た、とき宣の第一印象から聞かせていただけますか?

コレサワ:最初はキラキラしていてかわいいアイドルの印象だったんですけど、ライブを見たらパワフルでかっこいい要素もあるんだって発見があって、さらに好きになりました。

坂井:わあ…うれしい。

――ライブで特に印象に残った曲などはありましたか?

コレサワ:横アリで初めてライブを見させていただいたんですけど、「最上級にかわいいの!」を初披露してくださって、すごくうれしかったです。「この曲、私が作りました!」ってアピールしたかったぐらい。お客さんの反応も気になっていたし、かわいい振り付けもしていただけて、楽曲提供させてもらえてよかったなと思ったので、やっぱり特に思い出に残っています。




超ときめき♡宣伝部 / 「最上級にかわいいの!」Live at 横浜アリーナ(2024.01.27)


――楽曲提供のお話はメンバーにサプライズ発表されていて、そのときの様子を映したショート動画も公開されていますよね。

コレサワ:やってたね。

菅田:懐かしい。

坂井:横アリの下見のときだよね。





――メンバーが一斉に吉川さんのほうを見ていたのが面白かったです。

コレサワ:みんな、ひよちゃんの好きなものをちゃんと分かっていたうえで「よかったね、ひよりん」みたいな感じだったから、メンバーの仲の良さが伝わってきたし、私も喜んでもらえてうれしかったです。

坂井:ひよりんがずっと「コレサワさんに書いてほしい」と言っていたのは聞いていたし、純粋にコレサワさんのことがすごく好きだというのは知っていたので。一緒にドライブに行ったりすると、運転中にずっとコレサワさんの曲を流しているんですよ。

コレサワ:へえ、そうだったんだ。

坂井:今もちょっと様子がおかしいですね。

――隣に座っていますからね(笑)。

吉川:はい…。

――ひとりのファンとして、吉川さんが思うコレサワさんの魅力ってどんなところにあると思いますか?

吉川:私は全女子の味方だなと思っていて。恋愛曲が多いこともあって、すごく助けてもらえるような歌詞が多いんです。あと、コレサワさんにしか出せない、キュンとするような世界観もすごく好き。そういうところに私も魅了されて、ずっと聴かせていただいています。あとは、れ子ちゃん(コレサワのビジュアル・キャラクター)がミュージック・ビデオに出てきたりするんですけど、そのイラストの世界観も私の好みのドンピシャで。

コレサワ:そうなんだ。

吉川:かわいいし、見ていて楽しいし、声も特徴的でかわいらしいし、ライブで着ている衣装だったり、すべての要素が私の中でどストライクで、まさに恋に落ちたような感じでした。





――吉川さんも「全女子の味方」という表現をされていましたが、共感を集める歌詞のメッセージ性や説得力は、おそらくファンの多くが感じているコレサワさんの魅力だと思います。ご本人はそういった評価をどんなふうに受け止めていますか?

コレサワ:女の子の味方をしたいというより、やっぱり私自身が女の子なので、友達に恋バナをするような感じで曲を書いていたら、みんなが「分かる分かる」って共感してくれて。そういうところが始まりな気がします。自分自身が普通の女の子として生活しているので、そういうことを曲にして、誰かが共感してくれたら楽しいんじゃないかなと思っていて。なので、あまり難しい言葉は使わず、なるべく日常会話で成り立つ言葉遣いを意識して歌詞を書いたりしています。

――あくまでご自身の経験や価値観から言葉を持ってきている感覚?

コレサワ:ありますね。自分の経験や価値観、思ったことを膨らませて作詞することが多いので、どの曲にも実体験の要素が絶対に入っていると思います。それが1行のときもあれば、全部のときもあるし、曲によって違うんですけど、なるべく経験を入れたほうがリアルで面白いのかなって。そのほうがコレサワらしい曲も書けると思うし、今後も続けていきたいと思っています。

――リスナーとしては「これって実体験だったのかな」と想像しながら曲を聴くのも楽しそうです。

小泉:考えちゃう。

コレサワ:いろんなアーティストさんがいるし、皆さん素敵な曲を書いていらっしゃるから、私は私しか書けない言葉で曲を作りたい。今、私についてきてくれている人たちも、求めていること、聴きたいものってそれだと思うので、そこはブレずにやっていきたいなって。

――楽曲提供の場合はどうでしょう?

コレサワ:楽曲提供のときは、まず自分がそのアーティストのファンになって、この人がどんなことを歌ったらうれしいか、どんな言葉を使ったらキュンキュンするか、みたいなことを考えるようにしています。「最上級にかわいいの!」に関しても、こんなにかわいい子たちが振られるなんてことがまずありえないじゃないですか。〈君に振られて最上級に可愛いの〉って、この6人だからこそ説得力があるし、そういうことをファン目線になって考えたりしましたね。

――とき宣の皆さんは、最初に「最上級にかわいいの!」を聞いたときにどんな感想を持ちましたか?

吉川:〈君に振られて最上級に可愛いの〉ってワードが、もうコレサワさんワールド全開だなと思いました。パワーワード。

コレサワ:でも私、そんなパワーワードだと思って書いたわけではないんだよね。何が刺さるか分からないよね。

辻野:〈乙女の逆襲〉って言葉もすごくいい。

坂井:コレサワさんの仮歌を聴いたとき、「この歌い方、真似したい」と思うところがたくさんあって、レコーディングでは自分的に新しい歌い方をしてみたりして、すごく新鮮に楽しみました。




――完成した音源を聴いたときに、楽曲提供側として新鮮に感じた部分だったり、驚きや発見があった部分などはありましたか?

コレサワ:アイドルやグループだと、声が似ている人ってどうしてもいるし、それはそれで色になったりするんですけど、とき宣はみんな声質や歌い方の癖が違うので、聴いていてすごく楽しい。そこがこのグループの素敵なところだなと思いました。そもそも大人数のグループに楽曲提供することがあまりなかったので、6人の声が混ざったサビの歌声も素敵で。

――歌声の個性がすごく立っているグループですよね。

コレサワ:そう。すぐに分かる。運営さんもそれを狙ってこの6人を集めたのかな。

辻野:絶対に考えてない!(笑)

コレサワ:本当? すごく頭いいなと思ったんだけど。

坂井:むしろ全然歌えないメンバーが集まったので。

コレサワ:でも、ライブを見たときにびっくりしたのは、被せが全然なくて、生歌で全部歌っているところで。そこにロックを感じてかっこいいなと思いました。

――事前に歌割りを決めないスタイルも、それだけ全員に伸びしろがあって、ポテンシャルに期待しているからなのかなと思いました。

コレサワ:そうか、全員がフルコーラス歌ってから歌割りを決めるんだもんね。たぶん私も、一回はみんなにフルで歌ってほしいって気持ちになるかも。まずは全員分聴きたいって。

――前作アルバム『ときめく恋と青春』に収録された「最上級にかわいいの!」ですが、Billboard JAPANでは3月27日公開の“TikTok Weekly Top 20”で3位をマーク、SNSでのバイラルヒットを受けて5月29日にはCDシングルカットされ、6月5日公開の総合ソング・チャート“Hot 100”で10位まで上昇しました。メンバーの皆さんが最初に楽曲の広がりを実感したのはどんなタイミングでしたか?

コレサワ:私も聞きたい。どこで「あ、バズってるかも」ってなったの?

辻野:振り入れしたときから「この曲、いい感じじゃない?」みたいな感じはあったかも。

坂井:振り付けしてくださった槙田紗子先生も「なんかこれ、いけそうな感じするよね」みたいな感じで。「TikTokで撮るときはこういうふうに踊ったらいいんじゃない?」って、もう振り入れの段階から考えてくださっていたので、横アリで初披露した日からこの曲を推していくというか、SNSをたくさん更新しようって話はしていました。

吉川:なので、横アリのすぐあとに「最上級にかわいいの!」のライブ映像を出したり。

坂井:あと、あきちゃんが投稿したダンス動画もすごく伸びたりして、その頃からSNSで力を入れていこうって気合がより入ったんです。

――ある意味、振りが入った瞬間に完成したというか。

コレサワ:本当に。キャッチーな振り付けで踊りやすいし、ダンスできない子でも真似しやすいから。アレンジもそうですけど、この曲に対して全部の要素がちゃんとはまったからこそ、こういうことになったんだろうなと思いますね。

――ちなみにダンスするうえで意識したポイントみたいなものはありますか?

菅田:サビの全身を使うダンスで、ちょっと身体をねじって足をパタパタさせるところがかわいらしくて。あそこは紗子先生も気に入っていた気がします。

坂井:そこは何回も揃えられるように練習したよね。そのほうが絶対にかわいいからって。とき宣のダンスではあまりしたことのない動きだったし、最初、何人か苦戦していた記憶が。あきちゃん? かなみんもだっけ?

菅田:そう、私できなくて。上半身と下半身の動きが難しかった。

辻野:意外と難しいんですよ、上半身と下半身で動きが違うから。それがむしろよかったのかも。ダンス経験者は全身で踊れるし、未経験の方でも上半身だけで踊れる。かんたんすぎない、ちょっと難しい振り付けがTikTokではけっこう流行ることが多いと思っていて。




超ときめき♡宣伝部 / 「最上級にかわいいの!」Dance Practice FIX ver.


――チャレンジに派生する適度な難易度はバズるための要素かもしれませんね。

吉川:紗子先生も言っていたよね。大衆ウケを狙いすぎると全然バズんない。

――コレサワさんも楽曲提供の反響から、自身の創作活動に対するフィードバックなどは得られましたか?

コレサワ:たくさんあったと思います。とき宣ファンの宣伝部員さんが私の曲も聴いてくれたり、ライブでもとき宣タオルを持って来てくださったりして。ひよちゃんがずっと好きだと言ってくれていたから、コラボを喜んでくださっている方もすごく多かった印象ですし、曲がバズったときに「コレサワだったんだ」と言ってもらえたり、私もとき宣の波に乗らせてもらっているので。

とき宣一同:いやいやいやいや。

坂井:私たちが乗らせてもらったんです。

――お互いにとって良い化学反応が生まれたコラボレーションというわけですね。

小泉:私たちもコレサワさんが書いてくださった曲のおかげで失恋した方々を救うことができているので。

辻野:特典会とかでも「歌詞が本当に良くて救われました」とか、たくさん言ってもらいました。

コレサワ:そうなの? うれしいね。

坂井:「昨日振られたけど、これ聴いて今日も頑張ったよ」とか。

コレサワ:うそー、ありがたい。

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自分のことをネガティブに捉えていないなって

――コレサワさんの楽曲「元彼女のみなさまへ」も今、SNSでとても話題を集めています。

コレサワ:聴いてくれた?

吉川:もちろん! TikTokで踊りました。

コレサワ:うれしい! ありがとう。




コレサワ「元彼女のみなさまへ」【Lyric Video】


小泉:すごく前向きになれるというか。「最上級にかわいいの!」もそうだけど、自信をなくしたときとか、ちょっと元気が欲しいとき、自分をちゃんと褒めてあげることが大事だと思うので、そういう意味で自己肯定感が上がる曲って、今の世の中では絶対に必要なメッセージ・ソングだと思っていて。

坂井:〈誕生日に連絡してこないで〉とか、歌詞がリアルで想像しやすいし、みんなも共感できると思う。私も聴いていて前向きになれるので好きです。

吉川:〈一つでも 一人でも 違ったら 好きになってないかも〉って歌詞がすごく好きです。今の幸せがあるのも前回までの恋があるから、みたいな考え方というか、過去のことを悪くしないところがすごくいいなって。

コレサワ:ありがとう。恋愛だけに限らず、過去があって今の自分がいる、長い道のりがあって今があるんだってことは常に思っていたいんです。





――最新シングル「浮気したらあかんで」についても聞かせてください。先ほど、とき宣のアルバム『ときめきルールブック』にも“浮気相手側になる曲”が入っていて新鮮というお話がありました。

辻野:そう、あるんですよ。

コレサワ:そんなこと歌ってるの? 挑戦じゃん! 楽しそう。

――この「浮気したらあかんで」はどんなふうに制作した楽曲でしょうか?

コレサワ:浮気はほんまにあかんと思っていて、でも、それをかわいくチャーミングに歌えたらめっちゃいいなと思って。あと、私は関西出身なんですけど、関西弁でちょっと冗談っぽく言える感じも、キャッチーで面白そうだなと思いながら完成させました。「阪急電車と2DK」とか、ちょっとだけ関西弁が出てくる曲はいくつかあったけど、がっつりというのは今回が初めてですね。




コレサワ「浮気したらあかんで」【Lyric Video】


――サウンドのイメージも歌詞の世界観と連動させながら構築していきましたか?

コレサワ:そうですね。アレンジはヤマモトショウさんが手掛けてくださったんですけど、ちょっとへんてこで、でもかわいいみたいな感じが出せたらいいなと思ってお願いさせていただきました。

――「最上級にかわいいの!」と「こんなあたしはいかがですか」のアレンジはha-jさん。

コレサワ:私にはアレンジの引き出しがまったくないので、「最上級にかわいいの!」もあんなにかわいいアレンジをしてもらえて、すごくびっくりしました。デモはアコギと歌で作ったんですけど、自分の曲はいつもバンドサウンドにアレンジしてもらうことが多いので、そっち系になるのかなって勝手に想像していて。

小泉:でも、アコギのもめっちゃ聴きたい!

コレサワ:いつかライブで一緒にアコースティックver.で歌おうよ。

坂井:やりたいです!




超ときめき♡宣伝部 / 「こんなあたしはいかがですか」Music Video


――「こんなあたしはいかがですか」は「最上級にかわいいの!」の続編という位置づけとのことですが、その着想はどんなところから?

コレサワ:「最上級にかわいいの!」は相手に振られてしまった曲だけど、とき宣はいろんな人と出会ったと思うんですよ。なので、昔からのファンも、新たに増えたファンも、ずっととき宣のことを好きでいてほしいって気持ちがあって、“こんなあたしはいかがですか”という問いかけをしたいと思って。恋愛の曲ではあるけど、私の中では“とき宣とファンの関係性”という裏テーマがありました。

――まさに別れもあれば出会いもあるということで。

小泉:「最上級にかわいいの!」のアンサーソングということで、最初に「こんなあたしはいかがですか」を聴かせていただいたときに思ったのは、振られた自分のことをネガティブに捉えていないなって。〈目が合うたびにキスして〉とか〈あたしの好きなとこ3つ言ってから寝て〉とか、それこそ自己肯定感が高いというか。私も自分大好き人間なんですよ。自分のことを絶対に否定したくなくて。だからこそ共感できたし、元気もすごくもらえました。

コレサワ:〈目が合うたびにキスして〉の歌詞とか大丈夫かなと思いながら書いたんですけど。もしまずかったら変えますと言って送ったら「大丈夫です」と言ってもらえて。

――先ほど菅田さんも「とき宣では珍しい表現」とお話しされていましたね。

菅田:“キス”という単語を歌うことがあまりなかったので、最初に読んだときは私もびっくりしました。

辻野:新しい扉が開いた。

坂井:昔だったら大人すぎて歌えなかったかもしれない。

――レコーディングはいかがでしたか?

コレサワ:この曲どう? 難しい? 歌いやすい?

坂井:ちょっと難しかったです。

コレサワ:ちょっと難しくしたの。最初は歌いやすいほうがって考えたけど、みんな歌えるからいっかって。気にせずメロディーを作ってみたんだよね。

小泉:Aメロ苦戦してたよね。

坂井:キーが低くて。一部分が低いとかは今までもあったんですけど、今回はそれがずっと続くんですよ。低いと声がかわいくなくなっちゃうので、どうすればかわいく歌えるかなって悩みました。

コレサワ:めっちゃよかったよ。

坂井:本当ですか!? よかった。





――この2曲でとき宣とコレサワさんの黄金タッグは確立されたのではないかと思いますが、もし次があったらどんな曲を歌いたい、もしくは作りたいですか?

小泉:がっつり失恋ソングもお願いしてみたい。

コレサワ:分かる! ちょっとしっとりしたバラードとか。

:しっとりしたやつやりたい!

小泉:「恋人失格」みたいな曲を歌いたいです。

コレサワ:いいね。すごく合うと思う。みんなの歌い上げる感じが聴きたいな。

小泉:ひよりんは?

吉川:え、ちょっと、1時間考えたい。

――インタビューは以上になりますが、お互いに聞き逃したこと、言い逃したことはありませんか?

コレサワ:ずっと言ってるけど、早く対バンしようよ。

菅田:やりたーい。

小泉:「こんなあたしはいかがですか」もコラボしたい。

コレサワ:「最上級にかわいいの!」も「こんなあたしはいかがですか」も全部やろう。うちのバンドで。

とき宣一同:やったー!

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超ときめき□宣伝部「ときめきルールブック」

ときめきルールブック

2024/12/04 RELEASE
AVCD-63638 ¥ 7,000(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.こんなあたしはいかがですか
  2. 02.発見!ポジティブ☆モンスター!!
  3. 03.ちょま
  4. 04.We Can Do It Now!
  5. 05.ときどきセンチメンタル
  6. 06.未完成ガール
  7. 07.下書きの恋
  8. 08.超最強
  9. 09.きみにとっての幸せになりたいの
  10. 10.プリンセスヒーロー
  11. 11.最上級にかわいいの! feat.コレサワ

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2023/05/10

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LOVEイヤイヤ期
超ときめき□宣伝部「LOVEイヤイヤ期」

2023/05/10

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STAR
超ときめき□宣伝部「STAR」

2022/11/09

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超ときめき□宣伝部「ハートギュッと!」

2022/06/22

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2022/06/22

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すきすきすきすきすきすきっ!
超ときめき□宣伝部「すきすきすきすきすきすきっ!」

2021/09/29

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2021/09/29

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