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<インタビュー>新体制となったASH DA HEROの新しい扉を開く、ニューアルバム『New Chapter』――アルバムへの想い・バンドの現在地を語る

インタビューバナー

Interview & Text:東條祥恵
Photo:筒浦奨太


 ASH DA HEROが新体制となって初めてのアルバム『New Chapter』を1月31日にリリースする。ASH(Vo.), Sato(Ba.), WANI(Dr.), Dhalsim(DJ)からなる4人組ミクスチャーバンド・ASH DA HEROは、今年9月に結成3周年を迎え、新体制となりバンドとして生まれ変わった。11月29日には、初となる海外でのワンマン公演【ASH DA HERO LIVE 2024 in Taipei】を開催し、着実に自分たちのサウンドを広めているようだ。

 今回のインタビューでは、新体制となった現在の思いや、アルバムの制作過程から楽曲へのこだわり、2月1日に東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)にて開催する新体制での国内初ワンマンライブ【ASH DA HERO LIVE 2025 "New Chapter"】への意気込みを語ってもらった。

4人体制になって「もっと自由でいいんじゃない?」って
すごく思うようになった

――まずは、メンバーそれぞれ自己紹介をお願いします。

ASH:ヴォーカルのASHです。得意なのはラップと歌。ルーツはパンクとヒップホップ、あとはレゲエですね。


Sato:ベースのSatoです。得意なことはコーヒーの抽出。あとはベース。ウチはギタリストがいないので、その帯域の音色もベースで出しています。


ASH:分かりやすくいうと、ベースでギターの音も出すという二刀流ベーシストですね。


Sato:「Beast Mode」あたりからチャレンジはしていて、常にその2つの音が鳴っているとこもあれば、もちろんベースの音だけのときもあり。今まさに、ベースで新しいチャレンジをやっているところで、それがRPGの新しいマップを冒険しているようで、すごく刺激的なんです。たぶん、世界的にもあまりこういうことをやっているバンドはいないと思うので、道なき道を開拓中です。


WANI:WANIです。得意なことはドラムで、ルーツがパンクなので、ミクスチャー寄りのドラムが得意です。あと、歌うのが好きです。


ASH:いっつもスタジオのなかでめっちゃ歌ってるから「じゃあこの曲WANIさん歌う?」っていうと「無理」っていわれる(微笑)。


WANI:あと、現在絶賛肉体改造中なので筋トレも好きです。


Dhalsim:DJのDhalsimです。得意なことは高速スクラッチ。あとはパソコンを使ったプログラミングです。曲全体のサウンドデザインをやっています。ギターがいないんなら、そこを逆手にとって、ギターがいたらできないことを全部やっちゃおうと。そういうサウンド作りに完全にシフトして、いま新たな音を再構築しているところです。



――ASH DA HEROはどんなロックバンドなのでしょうか?

ASH:4人組の令和最強のギターレス・ミクスチャー・ロックバンドです。


――4人編成となったASH DA HERO、現体制のメリットはどんなところに感じてらっしゃいますか?

ASH:ギターレスのロックバンドは、特に若い世代では増えてきてると思うんですが、ギターレスで、しかもDJがいてミクスチャーをやっているロックバンドって、おそらく世界的に見ても珍しい。おそらく僕らだけじゃないかなと思うので、そこは世界的なマーケットから見ても、僕らが誇れる大きなストロングポイントになってると思う。


――前ギターの脱退を受け、バンドとして新しいギタリストを入れようという発想にはならなかったのですね。

ASH:いや。最初はなってた。僕もギターという楽器は大好きだし、ギタリストという存在も大好きだから。でも、前任者を超えるギタリストに簡単に出会えるとは思えなかった。そこを探してる時間がないほど、いま僕らはバンドとして加速度を増してる最中だったので。


――状況的にアニメ『ブルーロック』で、バンドを後押しする追い風が吹いてるときでしたからね。

ASH:そう。だからこのまま4人で突っ走ることにしたんです。4人で新しい音を作っていく方がバンドとして発展があるんじゃないかと考えて、ギターがいないんならそれを逆手にとって、そこをどうストロングポイントに変えるかというのを4人で考えていくという方向にすぐにシフトした。


――ライブはサポート・ギタリストを入れてやってるんですか?

ASH:入れてないです。新体制になってから何本かライブをやってますけど、ライブは…こんなこと本当は言いたくないけど、正直自分たちとしてもものすごい挑戦だった。だから、ライブが終わったあとはそれを反芻して「こんなんじゃ音が足りない」、「ここ全然構築できてない」って反省をしながら帰って。帰ったらすぐにスタジオに入ってもう1回音作りからやり直そう、みたいなことを繰り返していて。無理やりギターレスにして、ギターの音無しで4人だけで音を出すとか、いろんなことを挑戦的に、実験的にやってきて。そのなかで、確信を持って、俺たちはこういうサウンド感でやっていけば間違いないねというのを見せるのが2月1日のワンマンライブだと考えていて。なので、ライブが「ASH DA HERO LIVE 2025 ”New Chapter”」というタイトルなんです。そこで、俺たちの今。この4人で鳴らす新しい音、新しいアティチュードを見せて「4人だけどめっちゃ迫力あった」と思わせる新章ASH DA HEROのサウンドで、ファンのみんなを唸らせようと思ってます。


――実際、ギターレスのままでバンドとして新しい扉を開けてみて、いかがですか?

Sato:5人だったメンバーが4人になったので、単純にそれぞれがカバーし合って、物理的に今までの守備範囲から1歩、2歩広げなきゃいけないところも増えて、演奏量も増えるんですよ。逆に言うと、今まで以上に各々がもっと個性を発揮できるチャンスでもあるから、じゃあここは僕が前に出ます、みたいな感じで自由度が増した部分もあって。自分はもちろんベーシストという表現でいいと思うんですけど、さらにそこから、今までになかったプレーヤー、ミュージシャンになるチャンスが来たぞという感じがある。そこに向けて、自分のエッセンスや今までのルーツを踏まえながら、メイクも衣装もプレイスタイルも楽器もすべて改造中なんです。やることがいっぱいあって大変ではあるけど、そうやって新しい自分、新しいバンドになっていくことが、自分たちでもどうなっていくだろうとすごく楽しい。ミクスチャー・ロックバンド=ギターがいて当然というテンプレートじゃないものを作ってるから、各々がいっぱい挑戦できるのが面白い。


WANI:僕は最初「どうなるんだろう?」って不安でした。離れていくファンもいるだろうし。バンドとしても、ギターってメインの楽器だから「どうなっちゃうのかな」みたいなことも一瞬思ったんですけど。でも、4人体制になって、いざ蓋を開けてみたら思ってたよりもいい感じで、ファンのみんなが、今のASH DA HEROに期待してくれてるんだなというのが分かって、すごい励みになった。だから、俺たちも一人ひとりいろいろ新しいことに挑戦していって。みんなの期待を裏切らないような音作りやライブパフォーマンスをやるのはもちろんなんだけど、今後は企画も考えて、ASHとDhalsimがやってるのに続いて、今後は俺とSato君でやってみようかなとも考えてるし。


ASH:そうそう。新体制になって、より4人のコンテンツ力が求められてるというのはあるかもしれないね。4人で一枚岩の塊になったら超強いけど、ペアだったり、個人でもそのコンテンツ力がより押し出せる環境になった感じですね。だから、WANIさんは2月1日が誕生日なんですけど、誕生日にワンマン、じゃあそこに向けて普段やってる筋トレをブーストさせてマッチョになる企画とかやってみたら面白いんじゃないか、とか。自ずとアイデアが出てくるようになった。5人のときは「ロックバンドはこうあるべき」というのがあったんですけど、4人体制になって「もっと自由でいいんじゃない?」ってすごく思うようになって。だから、自ずとみんな好きなことをやるようになりました。


Dhalsim:僕は、さっきWANIさんも言ってたんですけど、最初は不安はありました。でも、ギターが脱退したその1週間後に【イナズマロック フェス】があったから、動かないとダメだった。あのときは凄かったです。しかも、メンバー誰も正解が分からない状態で、この曲のギターの音を入れるかどうするか。


ASH:俺が弾こうか、とか。


Dhalsim:1つ1つ全部試していって。データも作り直して。ギターがフリーで弾いてた場所はパソコンで出すのか、Satoさんが弾くのか、俺がターンテーブルからギターの音を出すのか、とか。ライブをやって、スタジオもいっぱい入って。これまでツアーもいっぱいやってたからちょっと慣れてきてた部分があったんですけど、今はスタジオに入っても入っても時間が足りない。


ASH:めっちゃ入ってるもんね。あと30分あるからもうちょっと試そうとか。


Dhalsim:3年目にして、また新しいバンドを組んだ。それぐらいの感じなんですよ。それでやっと最近、方向性がつかめてきて。そうしたら「意外とこれ、いけるじゃん!」と思って。だから、こんなこといったらアレですけど「俺がいてよかったな、このバンド」って思いました。


ASH:今の発言、今回の見出しでお願いします!(笑)


Dhalsim:ええ~ダメダメ。「アイツなんか調子のってんな」って思われるから。違う、違うから。みんな記事の全部を読んでね。



――でも、冗談抜きにしてDhalさんが居なかったら。

ASH:ギターレスには踏み出せなかった。だから、本当にいてよかったの。ヒントになったんで。この4人で、ギターレスでやっていくときに、ウチにはDJがいるというのが。しかもDhalsimは元々クラブで回していたDJ上がりではなくて、バンドマン上がりのDJで。もっと言うと、ギタリスト上がりのDJだから、ロックバンドのアンサンブルへの造詣がとても深い。そんなDJ、国内にはいないんで、その特異なバイオグラフィーも含めて“DJがいるギターレス・ミクスチャー・ロックバンド”というアイキャッチを思いついたとき、勝算を感じましたよね。


Dhalsim:単純に、僕自身はバキバキのバンドマンなんで。DJですけど、ずっとバンドマン。死ぬまでバンドマンですから。


Sato:死ぬまでバンドマンですって、また見出し候補が(笑)。


ASH:出るねー、今日はパンチラインが。


――5人のときはこんなにしゃべらなかったのに、Dhalさん、今日はパンチラインでまくりです。

ASH:そこも、Sato君がさっきいってたように、一人ひとりのタスクと守備範囲が広がったからなんですよ。サッカーに例えたら、今まではゴールキーパーだけやってればよかった人がキーパーとディフェンダーもやんなきゃいけないとか。フォワードだけやってた人が中盤に下りていってゲームメイクもやらなきゃいけないとか。そういう1人2役、3役、マルチタスクを強いられる状況になったと思う。そうすると、自ずと各々の発信力も高まって、今日のDhalsimのように2つのパンチラインが生まれたっていうね。


Dhalsim:うわ~恥ずかしい…。


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2月1日から新しい物語が始まる


――このあと、バンドとしては2月1日にワンマンライブと同タイトルをつけた1stコンセプトアルバム『New Chapter』を発売しますが、こちらはどんな作品なんですか?

ASH:実は4人になる前からこのアルバムを作ろうという企画は走っていたので、曲を書いてたんですよ。だから、先に出した「ラングラービート」と「VANDALISM」は、リスナーが聴いたらちょっと毛色が違うとシンプルに感じると思うんです。まず最初、このアルバムは「ラングラービート」のようなヴィンテージロックに回帰した作品にしようとしてたんですね。それで進行してた矢先にバンドが4人になったんで、急遽リセットボタンを押しまして。冒険の書を。


――「ドラゴンクエスト」でいう“ぼうけんのしょ”を新しく上書きした訳ですね。

ASH:そうそう! 上書きする前には歌詞も出来上がってた幻の曲が7曲ぐらいあったんですけど、4人編成でできる曲とできない曲があったから、そこの作業をサウンドプロデューサーの宮田'レフティ'リョウに入ってもらって一緒にやって。曲も、この4人のサウンドを見つけて、新たに作った方がいいからってことで、急ピッチで新しく作ったんですよ。アートワークをお願いしているYOICHIROさんにも事情を話して、アートワークは連作でいきたいので引き続きお願いしますと伝えて。いま一番フレッシュな、この4人になったからこそのサウンドで制作しているところです。『New Chapter』というタイトルはライブと同じなんですけど、この2月1日から俺たち4人、新体制のバンドの物語が始まるという意味でつけました。と同時に、出来上がってる楽曲たちが、日本のロックシーンにおいて間違いなく新しいものになってる気はしてるので、新しいロックの作り方を発明してしまったという意味でも。


――ロックのNew Chapterとなるサウンドになっていると。

ASH:はい。洋楽でも邦楽でもないし、ギターレスでDJもいる。こんなの今まで食ったことないけど、食べてみたら、初めて食べたスパイシーカレーみたいな衝撃があってめちゃくちゃ美味しい、みたいな。マジで、新しいロック。その革命的なアルバムになってるなと感じてます。


――しかも、今作には新体制になる前、ASH DA HEROの代名詞となったアニメ『ブルーロック』オープニング主題歌「Judgement」に続き、映画『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』の劇中歌として話題を集めた「Beast Mode」と「オクターヴ」も収録されるんですよね。

ASH:はい。最初は新体制で作った新曲だけにしようかとも思ったんですが、アルバムを作る意義として、ストーリー性があったほうが面白いじゃないですか。なので「Beast Mode」、「オクターヴ」、「ラングラービート」が紀元前、ここから先が紀元後。New Chapterとして4人で作り上げてるものなんだというのが明確に分かったほうが、リスナーに嘘がなくていいなと思ったの。だって、いたんだもん。つい先日までギタリストが。


――新体制になって以降、最初にリリースした「ラングラービート」は、これまでのASH DA HEROの流れを汲んだ作品でした。

ASH:そうなんです。ちょっとヴィンテージロックっぽくて。「オクターヴ」とかに近い感覚ですよね。



ラングラービート / ASH DA HERO(ゲーム「バトルスピリッツ クロスオーバー」主題歌)


――この曲でテンプレートな世界を蹴飛ばしたあと、リリースしたのが「VANDALISM」。4人編成ならではのサウンドの扉を開け、New Chapterへと突入した瞬間ですよね。

ASH:はい。相当カッコいいと思います。


――サウンドの前に歌詞についてなんですが。2Aからのラップのリリック。人生いいところで暗礁にのりあげる、でもそこで尻込みするんじゃなく、逆にそれをエネルギーにしてハングリーとアングリーのスイッチを入れ、〈暴れに行こうぜ 世界中に〉、ですよ。刺さりました。こういうエールの送りかたがASH DA HEROのグッとくるところなんです。


ASH:ありがとうございます! 人生、いいところで何かをくらってしまうというのは俺の人生だけじゃなく、みんなもそうだと思うんですよ。今めっちゃいいじゃんと思ってたら小石につまずいたりする。俺、人生ってそういうものだと思ってて。そこで、下を向くか向かないかなの。俺はそこで「尻込みなんかする訳ねぇだろ、バカ」って思うタイプだから、そういう気持ちを全部詰め込んだ感じですね。


――そうして、それを締めくくるように〈I’m your rock star〉といってしまうところがたまらないですよ。

ASH:ロックスターとはこうあるべきでしょう。自分がファンだったとしたら、逆境でメソメソしてるとか、ダサすぎて見てられない。逆境なのに余裕ぶっこいてるほうがカッコいいじゃないですか。ロックスターは。俺のなかで(映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の)ジャック・スパロウはそういう存在。それ無理でしょ? っていう状況でもヘラヘラしてる。そこを言葉にした感じです、忘れんなよお前ら、という意味で。



――サウンドメイクはどうだったのですか?

Sato:演奏的にはメインのリフがループするフレーズが多いんだけど。故に、シンプルなフレーズでどれだけスウィングできるのかっていうのを意識しました。バイブス全開で。ベースをギターリフとして入れるところは、僕も初めてだったから宮田'レフティ'先生のお知恵も拝借しながら。ベースだけ弾くのとは全然違いましたね。


WANI:音楽に限らず、ファッションもY2Kリバイバルのブームは続いていて。この曲もまさにそうで。


ASH:うん。Y2Kミクスチャーね。


WANI:あの時代のミクスチャーって、青春時代にめちゃくちゃ聴いてたから普通に好きで。ドラムはシンプルなんだけどのれる。いままでのASH DA HEROはフィルとか細かいことをやってたんだけど、そういうのを取っ払って。あの当時のシンプルでカッコいいサウンドを意識して。説得力あるリズム。ただのシンプルなビートじゃないぞというところは、生で聴けば分かると思う。


ASH:分かる! スタジオで聴いたとき思ったもん。WANIさんがバーンって鳴らした瞬間「勝った」って思った。


Dhalsim:僕もスクラッチの手数は極限まで減らしました。前は詰め込めるだけ詰め込んでたんだけど、それをどんどん減らして。2000年代初頭に自分が影響を受けたものって、シンプルなスクラッチが多かったんですよ。あと、イントロですよね。


――あそこ、この曲の肝になってますよね。

Dhalsim:あそこは2000年代、カニエ・ウエストがレコードを早回ししてサンプリングしてたあのエッセンスを入れたところで。まずレフティさんに「VANDALISM」っぽい曲を作ってもらって。それを早回ししてサンプリングして、それをチョップしたりしてちりばめて作ったのがあのイントロなんですよ。だから、あのサンプリングを入れるためにわざわざ曲を作って。


ASH:その曲のためだけに俺は歌ったんですよ。


Dhalsim:それを早回しにして入れたんです。これも、普通にバンドだけやってる人からは出てこない発想だなと思っていて。


ASH:そこはDhalsimも俺もヒップホップが好きだからこそ出てきた発想だと思う。それで、サンプリングの元ネタをわざわざ自分らで作ってるというのが最高だよね。


Dhalsim:これも2000年代に流行ってた手法なんですよ。サンプリングの元ネタを1回スタジオでレコーディングして、それをサンプリングしてバラして入れるというのが、特に日本のヒップホップでは流行ってたんですよね。この時代背景を経ての面白さ、伝わるかなぁ。


ASH:マジ伝わって欲しいよ。イントロ、4秒ぐらいしかないけど(笑)。


Dhalsim:あの時代、リアルにこの手法をくらって「なんじゃこれ。やべぇ、かっけー」って思って聴いてたから、そこが伝わるといいな。



――そのほかに「BDC」という曲がありましたが。

ASH:ああ~。ボタニカル・ダンス・クラブね!


――タイトルだけで…。

Sato:笑っちゃってください。バカっぽくていいですよね。


ASH:これはボタニカル・ダンス・クラブと叫ぶだけの曲です。何も考えずに叫んで踊る曲なんで。これも、新しい試みなんですよ。曲名もサウンドもめちゃくちゃキャッチーなんだけど、実はサビがないの。サビがヴォーカルじゃなくてスクラッチなの。「何この曲、おもろ!」ってなるんだけど、音楽的にはこの4人でしかできないサウンドを出してるから。


Dhalsim:サビをスクラッチで歌うとか、新しいんですよ。そういうことをいろいろ仕掛けられる。ギターレスを逆手に取ることで、新しい試みがどんどん生まれていくんです。


――「Break Free」は?

ASH:これは、今ドラムンベースが1周回ってきてるというのがあったから、僕らが大好きなプロディジーとかのサウンドを、ギターレスのミクスチャー・ロックバンドがやったらどうなるのかという曲ですね。Sato君の凶悪なベースリフがループしていく。そこにUSハードコア寄りのラップがのっかっていって、サビはエモーショナルになるという。みんな大好きなサウンドですね。


――ラップが超攻撃的でしたね。

ASH:歌詞はロックバンドらしく、かなり攻めてます。昨今の大量消費社会、偶像崇拝主義みたいなものについて、ちょっと釘を刺すようなテーマにしました。


Sato:ベースソロは当日その場で入れることになったので「ソロ? 聞いてねぇな」と思いながら、そのとき自分の中から出てきたものをビルドアップして入れました。


――収録曲はこれら以外にあと何曲入る予定ですか?

ASH:あと2曲、今作っているところです。さっきWANIさんがいってくれたY2Kやギターレス、DJのスクラッチ音。この4人のサウンド感がより抽出された2曲になると思います。すべては2月1日。そこが僕らのマイルストーンになっているので。


――2月1日、このアルバムリリースとともにライブではここに収録される楽曲すべてが。

ASH:もちろん聴けます。


――どんなライブになりそうですか?

ASH:この4人の新体制になったASH DA HEROとして、今日このインタビューでいろいろ話してきたように、バンドの形が変わっていくなかで、僕らが導き出していった答えが2月1日に出ると思います。みなさんが期待してくれているものをさらに上回る、その自信がすごくあるので。2月1日から新しい物語が始まる。その最初のライブになるので、ASH DA HEROという名前を見たことがあったり聞いたことはあっても、まだライブを観たことがないという人は、今一番ライブに行くべきバンドだと思います。これを読んでいるみなさんは、かなり音楽の感度が高い人たちばかりだと思うので、俺らのライブを観てないのはもぐりだと思いますよ。2月1日、東京・Zepp新宿で待ってます。


――このライブでNew Chapterが幕開けしたあと、2025年のASH DA HEROはどうしていこうと考えていますか?

ASH:本当に、今いろんな海外公演とかが決まってきたりしているので、ちゃんと日本を大事にしながらちょっくら世界も1周してこようと思います!



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