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<インタビュー>Ayumu Imazu ソロアーティストとして活躍する心境――「SOLO (feat. NOA, Novel Core)」で生まれた化学反応とは

インタビューバナー

Interview & Text:高橋梓
Photo:SHUN ITABA



 日米で活躍をし、グローバルなセンスを持つAyumu Imazu。韓国で磨き抜かれたパフォーマンスで、多くの人を魅了するNOA。洗練されたワードセンスと圧倒的なラップスキルを持つNovel Core。今、最も注目を集めているこの若手ソロ・アーティスト3人が、11月1日にリリースされたデジタルシングル「SOLO (feat. NOA, Novel Core)」でタッグを組んだ。それだけに留まらず、11月15日、16日には東京・Spotify O-EASTにて、この3人が出演する自主企画ライブ【AYUMU IMAZU presents “SOLOS”】も開催。同曲は同ライブの盛り上がりにも一役買っていた。そんな「SOLO (feat. NOA, Novel Core)」についてはもちろん、自身の活動についてやこれからについてなど、Ayumu Imazu本人にじっくり語ってもらった。

「この3人で曲をやったら絶対ヤバい楽曲が出来るだろうな」と思って

――まずはNOAさん、Novel Coreさんそれぞれとの出会いから教えてください。

Ayumu Imazu:NOAは、彼の楽曲「Just Feel It (feat. Ayumu Imazu)」に僕が参加した時に初めてきちんとお会いしました。その前に1度僕のライブを見に来てくれて軽くお話したことはあったのですが、仲良くなったのは「Just Feel It (feat. Ayumu Imazu)」のMV撮影の時ですね。そこから普通に遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりするような仲になりました。

 Novel Coreは、彼のラジオに呼んでもらったのがきっかけです。初対面だったのですが、すごくいろいろ語って。そこから仲良くなって、プライベートでご飯を食べに行きました。


――その後はどんな交流をされていたのでしょうか。

Ayumu Imazu:Novel Coreは本当に熱いアーティストなので、発言ひとつひとつから刺激をもらえています。なので、ご飯を食べに行くのも楽しいんですよね。いつも自分を高めてくれる存在です。NOAとももちろん仕事の話や音楽の話をしますし、プライベートでスタジオに入ってセッションしながら曲を作ることもあります。それとNOAはライブを一緒にやっているダンサーがいるのですが、僕もダンサーと一緒にライブをやるんですね。そのつながりで僕とNOA、それぞれのダンサーのみんなで遊んだこともありますね。


――良い関係性ですね。そこからどういった流れで3人がタッグを組むことになったのですか?

Ayumu Imazu:僕、ずっと「この3人で曲をやったら絶対ヤバい楽曲が出来るだろうな」と思っていて。NOAの楽曲にも、Novel Coreの楽曲にも参加させてもらった後に、改めて3人でやりたいと強く思ったんです。【AYUMU IMAZU presents “SOLOS”】をやろうと考えた時も、頭に思い浮かんだのは2人の顔でしたし、この機会に楽曲を作ろうと思ってお声がけし、参加していただきました。


――「3人で曲をやったらヤバい」と思われたのはなぜだったのでしょうか。

Ayumu Imazu:僕らは音楽のジャンルが少し違ったりするのですが、今の時代に同世代で活躍しているアーティストという共通点がありますし、僕は2人からいつも刺激をもらっています。そんな3人が集まることで、どんな化学反応が起こるかビジョンとして見えていましたし、絶対にいい曲が生まれる確信がありました。


――なるほど。今回全員で楽曲制作をされていますが、どんなやり取りをされたのかが気になります。

Ayumu Imazu:メッセージ性の強い曲にしたかったんです。なので、タイトルを「SOLO」にしていて。グループが盛んな今、ソロでやっている僕たち3人ならではの強い思いやメッセージが、それぞれの色とともに100%出せる楽曲になったらいいなと思って、僕がまず楽曲のベースを作りました。そこから「この空いているバースのところを書いてくれない?」とそれぞれに伝えて作っていきました。僕はアメリカにいたので、やり取りは全部オンライン。レコーディングの時に初めて3人で顔を合わせましたね。


――分業型で制作していったんですね。

Ayumu Imazu:そうですね。もっと混ぜて交互に歌う、みたいな形だったらコライトとしたほうがやりやすかったかもしれないですが、一人ひとりの言葉を大事にしたい曲だったので分業型の方がいいのかな、と。1番、2番、3番をそれぞれ自分色に染めてほしかったんです。僕は2人ともすごく信頼していましたし、どういうバースがいいのか2人ともすぐに汲み取ってくれて。送られてきたものを見たら1発OKでした。


――すごい!

Ayumu Imazu:さすがだなと思いましたね。なので、レコーディングぎりぎりまで曲が完成していなかったのですが、特に焦りもなく安心して進められました。


――レコーディングで3人集まった時の様子はいかがでしたか?

Ayumu Imazu:NOAとNovel Coreはそこが“はじめまして”だったので、僕が間に入って。でも、間に入ることをあんまりやったことがないんです。なので「ちゃんと橋渡ししなきゃ」と頑張りました(笑)。たぶん2人ともいい感じの初対面だったと思います。


――では、レコーディングもリラックスした状態で?

Ayumu Imazu:そうですね。最初にNOAが来てレコーディングをして、その後にNovel Coreが来たのですが、Novel Coreに関してはスタジオに向かう間に歌詞を書いたみたいで。で、そのままレックしたのでバイブスがすごかったです。


――レコーディングに関して、Ayumuさんからお二人にリクエストなどはされたのでしょうか。

Ayumu Imazu:そんなになかったですね。サビのアドリブ部分、僕が歌っているサビの上に乗せる声は「こういうのがいいんじゃない?」というアイデアを出して歌ってもらいましたが、個人のバースに関してはお任せして素晴らしいバースに仕上げてくれました。


――ちなみに、アレンジはMONJOEさんが担当されていますね。アレンジ前後で結構変わったのでは?

Ayumu Imazu:すごく変わったアレンジが上がってきました。僕もある程度作り込んではいましたが、そのままだと満足できていなくて。で、ちょうどMONJOEさんと初めてセッションをする機会があったので、お願いすることにしました。アレンジ後は勢いがすごく増していて。この曲はベースが大事なので、ベースを分厚くしてほしいとリクエストをして、理想どおりになっていました。あと、ちょっとマニアックな話になると、1サビのベースラインは白玉、2サビは三連符、大サビはNOAとNovel Coreのボーカルが入ってもっと豪華になって……と、サビのビルドアップがちゃんとできたのは良かったなと思います。MONJOEさんはビートチョイスのセンスがめちゃくちゃいいので、よりインパクトのある楽曲に仕上がったと思います。


――そんな同曲でタッグを組んだNOAさん、Novel Coreさんの魅力はAyumuさんから見てどこにあると思いますか?

Ayumu Imazu:NOAは自分の見せ方をよくわかっているアーティストだと思います。ステージでの振る舞いもそうですし、リリースする楽曲もそうですし、歌詞の内容もそうですし。今回もNOAのパートの歌詞を見て、彼が言うから説得力があるなと感じました。それに韓国語を入れているのも、自分の色を理解しているからなんだろうな、と。聴いていてぶち上がりました。

 Novel Coreはまず、ラップが圧倒的ですよね。レックの時もほぼエディットなしだし、グリッドに完璧に合わせてくるんです。シンプルに「すごい!」と思いました。あとは、その場の雰囲気やバイブスを大事にするアーティストだと思っていて。それがライブにもでていますよね。バンドメンバーやお客さんの巻き込み方もすごく上手で、自分の世界に持っていく力はピカイチ。尊敬しています。


――NOAさんとNovel Coreさんって、一見すると「クール」と「ホット」というように真反対な佇まいに見えますが、根幹にある熱さは共通しているイメージです。

Ayumu Imazu:あぁ、なるほど。そのイメージはドンピシャかもしれないですね。


――ちなみに、「SOLO」リリース後の反響はすでに受け取っていますか?

Ayumu Imazu:はい。リスナーのみんなも僕ら3人がコラボすること自体にすごく盛り上がってくれていたので、まずそこが嬉しいですよね。それと、この尖った歌詞は僕ら3人で作ったからこそ書けたと思っていて。そこに言及している反響を見ると、今までにない新しい顔を見せることができたんだなと思います。



Ayumu Imazu – SOLO (feat. NOA, Novel Core) [Music Video]


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「いいパフォーマンスを見せる」ではなく、「一緒に音楽を楽しむ」

――今後の広がりにも注目しておきます! では、Ayumuさんご自身についても教えてください。先ほども少しお話いただきましたが、今、ボーイズグループがとても盛り上がっています。そんな中でソロアーティストとして活動する良さはどこにあると思いますか?

Ayumu Imazu:今、ボーイズグループの時代になっている意味がすごく理解できるんです。音楽もダンスも、すべてのクオリティが上がってきているので、統一感や世界観を見せるにはグループでやった方がしっかり見えると思うんですね。ただ、僕は説得力という点で見るとソロのほうがやりやすいのかなと思っていて。自分の言葉で曲を書いて、自分で振り付けをして、ステージ構成を決めて……とできるからこそ、説得力を強めることができるのかなって。そこはソロ・アーティストとしての良さの一つだと思います。


――実際にAyumuさんが説得力を強めるためにやっていることはありますか?

Ayumu Imazu:自分で作詞作曲をやっている時点である程度の説得力はあるはずですが、パーソナルな部分が垣間見えた方がより高まるのかなと思っています。なので、ありのままの自分でステージに立つようにしていますね。それによってAyumu Imazuがどういう人間なのかがストレートに伝わるのかなって。ライブでの見せ方はすごく大事にしています。


――なるほど。

Ayumu Imazu:もちろんかっこいい姿を見せるという大前提はありますが、それ以上に僕は皆さんと音楽を一緒に楽しみたい気持ちの方が強くて。自分が作った最高の音楽をどうやってみんなで楽しめるかにフォーカスしている気がします。


――お客さんをジョインさせる。

Ayumu Imazu:そうですね。「いいパフォーマンスを見せる」ではなく、「一緒に音楽を楽しむ」という。それはソロでやり始めた当初から自然とやっていたことなのですが、紐解いていくと意図を持ってやっていたんだなと気づきました。


――その考えが生まれたのはなぜだったのですか?

Ayumu Imazu:ライブに来てくれる意味を考えた時に、「クオリティが高いパフォーマンスを生で見せるだけで正解なんだっけ?」と思ったんです。楽曲は携帯で聴けるし、MVでパフォーマンスは見れるし、ライブでは一緒に音楽が楽しみたいと、という結論になったんです。それと尊敬しているアーティストのブルーノ・マーズが、自然体で音楽を楽しんでいる姿に魅了されたんですよね。そこにルーツがあるので、その姿をずっと目指しています。


――素敵な考えです。そしてもう1つ。Ayumuさんといえば日米どちらでも活動されています。それによるメリットは感じていますか?

Ayumu Imazu:ニューヨークにいる時は、フラットな状態で自分を見つめ直せるので、そこはいいなと思っています。東京に来るといろいろと忙しくさせてもらっていて、“アーティスト”としての考えが強くなるんですよね。でもニューヨークに帰ると、ありのままの“今津渉”でいられるというか。スイッチをオフにするタイミングがあるので、アーティスト性だけではなく、人間性という内面の深い部分も見つめ直すことができています。それによって今の楽曲が作れているんだと感じています。


――そんなAyumuさんは、今年1年大活躍でしたよね。1月に「Obsessed」が日韓中心にバイラルヒットしたり、大型フェスに出演されたり、SNSでバズったり、楽曲提供したり……。自身で感じた変化もたくさんありそうです。

Ayumu Imazu:いろいろありますね。それこそずっと出たかった夏フェスや、韓国のフェスに出演できたという環境の変化はまず第一に感じています。それと、「Obsessed」をリリースした直後に感じていた不安がなくなって、逆に自信になったという変化もありましたね。


――不安。

Ayumu Imazu:自分の中で「Obsessed」がなぜこんなに伸びたのかを分析したりすると、「次の曲はこれじゃダメかもしれない」と思うようになっていたんです。一方で「締切までに完成させないと」という気持ちもありましたし、不安を感じていました。ただ、「Obsessed」は初めてほぼすべて自分で作った曲なんです。最後のブラッシュアップはA.G.Oさんに手伝ってもらいましたが、ほぼ自分が作ったそのままでリリースされていて。それが話題になったことで、「自分でもこんなに数字の回る曲を作れるんだ」と、徐々に自信に変わっていきました。それ以降、トラックのクオリティはぐんと上がったと思います。


――その「Obsessed」はムーブメントとして広がりを見せていましたよね。その状況をどう見ていましたか?

Ayumu Imazu:まず韓国に行けたり、フェスでイントロが流れた瞬間に盛り上がってくれたのを見たりして、実感が持てたというか。特に【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024】。出演していたアーティストの中で僕は結構色が違っていたのですが、「Obsessed」が流れた時にお客さんがワーッとなってくれて。その反応を間近で見て「Obsessed」の広がりを肌で感じることができました。


――そういったご自身の楽曲の広がりがありつつ、一方でアーティストへの楽曲提供も積極的に行なわれています。

Ayumu Imazu:楽曲提供に関しては、とても楽しくて。僕自身、曲を書く時にイメージや、実体験にプラスして妄想で書くことが多いんです。「自分だったらこういう歌詞を歌わないけど、このアーティストなら説得力があるな」という事を考えながら楽曲を作るのが新鮮なんですよね。なので、楽曲提供にすごくパッションがある状態。作品を作っている感覚で楽しめています。「Ayumu Imazuのもう一つの顔」という感覚です。


――フィクションを楽しんでいる、と。昨今、アーティストの方からAyumuさんのお名前を聞くことも多いんですよね。様々な場所で反響を呼んでいるのは、ご自身のどんな部分だと分析されますか?

Ayumu Imazu:まず、アーティストの方がそう言ってくださるのはとても嬉しいです。一番の褒め言葉かもしれません(笑)。反響を呼んでいる理由として考えられるのは、自分で曲を作って、振り付けをしてというスタンスなのかな、と。でも、「全部できる」ということにプライドを持つことは絶対やりたくないんです。そこにプライドを持っているがためにクオリティが下がるんだったら、1人でやりたくないんですよね。だからこそ今のクオリティを出せているのは周りの方のおかげだと思っています。

 あとは、感覚的にあまり日本で聞かないような音楽をやっているからなのかな、とも思います。僕の音楽はJ-POPにはあまりないビート感やジャンルですが、狙っているわけではなくて。感覚でかっこいいと思った洋楽をAyumu Imazuに落とし込んでいるイメージです。そういったオリジナリティは大切にしています。


――そういった感覚を培うために、普段どんなことから刺激を受けているのですか?

Ayumu Imazu:うーん……。多分みんなと変わらないと思うんですよね。めっちゃ音楽を探っていることもないですし。SNSから刺激をもらうことが多いかもしれないです。音楽もそうですが、ファッションや画質やカメラの撮り方なんかも見ていて、作品に活かしています。最近だと、一時期ハマっていたジャズ・フュージョンの流れがまた来ているような感覚がありますね。アメリカで、僕のTikTokのおすすめにジャズ・フュージョンのアルバム紹介の投稿が流れてきたんですけど、それを見てハマっちゃって。新曲に要素を取り入れてみようかなと思っています。


――ジャズ・フュージョンは結構前にも流行りましたよね。

Ayumu Imazu:そうなんですよ! 流行りが終わったなと思っていたんですけど、1周したかんじがあって。僕、投稿のコメント欄も見るんですけど、コメントを見ていてもこれからまた流行りそうだなと思いました。実はジャズ・フュージョンの要素を取り入れた曲も1つ完成しているんですよね。


――すでに流れを汲み取っていらっしゃる……!

Ayumu Imazu:でも戦略は立てたくないんですよ。立てちゃうと自然体じゃなくなってしまうので。なので、SNSで受けた刺激を感覚として自分の体に入れておいて、曲を作る時に活かせたらいいなという感覚です。


――次にリリースする楽曲も楽しみです。では最後に、この先チャレンジしてみたいことを教えてください。

Ayumu Imazu:常に実現させたいと言ってきていますが、バンドとダンサーという構成でそろそろライブを実現しようかなと思っています。バンドに関しては、正直まだ踏み込んでいない世界なのでかなりのリハーサル量が必要になると思いますが、やっぱりライブサウンドにしたいのでやってみようかな、と。みんなで音楽を一緒に楽しむ要素の一つになればいいなと思っています。


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