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KATSEYE、多文化的な構成でポップ・ミュージックを揺り動かす6人組が「Touch」を米ビルボード・チャートに送り込むまで
By Jeff Benjamin / Billboard.com掲載(2024年11月16日)
今年の夏、KATSEYEの6人のメンバーのうち2人の間にわだかまりがあるという噂が立ったとき、彼女たちはその噂をたちまちバイラルな瞬間へと変えた。“私たちはマジで大丈夫(笑)”と書かれたキャプションが添えられ、イルカや虹を背景に手をつないでポーズを取るLARAとMANONの写真が投稿された。この写真は、当時流行していたクリーン・バンディットとザラ・ラーソンの「シンフォニー」のTikTokトレンドに乗ったものだった。
MANONは、「このグループの好きなところのひとつは、自分たちがすごくZ世代的なところ。私たちは(噂の)全部を見て、『オッケー、ウケる。このTikTokをやって、この状況を終わらせよう』って思ったんです」と言う。11秒の投稿は、その後540万回以上再生された。
SNSを巧みに活用するアプローチは、HxG(HYBE x Geffen Records、韓国のエンターテインメント企業とユニバーサル・ミュージック・グループの合弁会社)の急成長中のグループとそのチームが新しいファンを獲得するために用いている効果的な戦略のひとつに過ぎない。もちろん音楽もそのひとつだ――KATSEYEの最新シングル「Touch」は、2分10秒の間に、歯切れのよいドラムンベースのサウンド、きらめくエレクトロポップの装飾、そして渦巻くポップR&Bのハーモニーが詰め込まれている。カシミア・キャット(アリアナ・グランデ、ザ・ウィークエンド、チャーリーXCX)との共同制作によるこのヒット曲は、米国のラジオで人気を博し、グループの米国でのファン層拡大に貢献した。
Photo: Austin Hargraver
Photo: Austin Hargraver
KATSEYEは、HYBEとゲフィン・レコードが2023年に開催した野心的な『ドリーム・アカデミー・コンテスト』から結成された。このYouTubeシリーズは、真の“グローバル”なガールズ・グループの結成を目指し、世界中から12万人が応募したといわれる中から20人が選ばれ、米ロサンゼルスに渡り、グループのメンバーとして選ばれる前に厳しいことで有名なK-POPのトレーニング方法で準備を行った。数週間にわたるコンテストはその年の11月に終了し、最終メンバー6人は多様な文化背景を持つラインナップとなった。MANON(22歳、スイス・チューリッヒ出身)、LARA(19歳、米ロサンゼルス出身)、DANIELA(20歳、米アトランタ出身)、MEGAN(18歳、米ホノルル出身)、SOPHIA(21歳、フィリピン・マニラ出身)、YOONCHAE(16歳、韓国ソウル出身)だ。
その後のNetflixのシリーズ『ポップスター・アカデミー: KATSEYEになるまで』では、20人のトレーニング・キャンプから最終的な形に絞り込んでいく舞台裏が記録された。そこには最大の試練や苦難もすべて含まれており、視聴者がグループの音楽をチェックしてみたくなるような自然な好奇心を喚起する。賢明にも、8月にNetflixで8話構成のこのシリーズがプレミア公開されるまでの間に、KATSEYEはデビューEP『SIS(Soft Is Strong)』をリリースした。この5曲入りEPには、HYBEの会長であるパン・シヒョク、ライアン・テダー(ワンリパブリック)、ジャスティン・トランターが作詞作曲で参加しており(前者の2人はプロデュースでもクレジットされている)、米ビルボード“Top Album Sales”チャートで初登場6位を記録し、同アルバム・チャート“Billboard 200"にもチャートインした。
うまく名付けられた1stシングル「Debut」が、EPの展開を始動させるべく6月下旬にリリースされたが、その時点でメンバーはすでに次のリリースとなるオルタナティブ・ポップの大ヒット曲「Touch」をさらに楽しみにしていた。DANIELAは「初めて聴いたとき、私たち全員が気に入ってしまったんです。直感が働いたんです」と言い、MANONは「私たちのクリエイティブ・ディレクターのウンベルト(・リオン)が、『‘Touch’こそがその曲だよ。成り行きを見守ろう』とずっと私に言っていました」と付け加えた。
Photo: Austin Hargraver
Photo: Austin Hargraver
7月26日に配信が開始されると、このグループはSNSで本曲を強くプッシュした。バイラルなダンストレンドを生み出すことを期待して、KATSEYEのエグゼクティブ・クリエイターであるソン・ソンドゥクは、シンプルでありながら記憶に残る振り付けを考案した。サビの小指と親指を触れ合わせるような、TikTokに適した小さな動きは、ファンを惹きつけるための意図的なフックだった。DANIELAは「覚えるのはそれほど難しくないと思います」と語り、SOPHIAが「私の一番のお気に入り!」と口を挟んだ“little booty pop(お尻を跳ね上げる動き)”も、リスナーを引き付けるための動きのひとつだと説明した。「私は『みんな吐き気を催すだろうな』と思いました。あまりにもかわいすぎて」と彼女は振り返っている。
KATSEYEは、この楽曲の多方面的なデジタル戦略の一端として、K-POP界のファンベースとの提携を展開した。例えば、ENHYPEN(HYBEのサブレーベルBELIFT LAB傘下のボーイグループ)のメンバーであるHEESEUNGとNI-KIと「Touch」に合わせて踊るMANONとYOONCHAEのTikTok投稿などだ。この動画は現在までに2,700万回再生されており、グループの公式アカウントで「Touch」を披露した他の3つの動画は1,500万回再生を超えている。重要なのは、このような成功はKATSEYEが米国のより伝統的なプロモーションでも成功できることを証明するのに役立ったということだ。
HYBE AmericaのHxG社長であるミトラ・ダラブは、「ラジオには注目していましたが、進出するのにふさわしいタイミングだと確信するには重要なきっかけが必要だとわかっていました。私たちはDSP(デジタル・サービス・プロバイダー)だけでなく、TikTokやリールの作成数、ソーシャルプラットフォーム上の伸びも毎週目にしていました。また、グループに認知をもたらすには大きな文化的瞬間が必要だと感じて、Netflixのドキュメンタリーでそれを達成しました。公開されるや否や、私たちの目標はすべてうまく回り始めました」と述べている。
Photo: Austin Hargraver
Photo: Austin Hargraver
米国での人気を測るため、KATSEYEは10月にミネアポリスのモール・オブ・アメリカでミート&グリートとパフォーマンスを行い、EYEKONSという総称で呼ばれるファンとのつながりを深めた。何千人ものファンが集まった。ダラブは、「モール・オブ・アメリカは、これが『Touch』だけの話ではないことを私たちに証明してくれました」と話す。
LARAは「私たちは自分たちと同じようなファンベースを築いたと思います。EYEKONSはすごく面白くて、みんなの笑いのセンスは私たちと一緒なんです。現実世界で友人になるようなタイプの人たちだと思います」と付け加えている。
10月までに、「Touch」はフィリピン、カナダ、台湾、マレーシアなど複数の国のビルボード・チャートにランクインし、米ビルボードが発表するグローバル・チャート“Global 200”のトップ100に食い込んだ。また、米国をベースにした11月16日付の“Pop Airplay”チャートでは、最高32位にランクインし、ルミネイトによると11月7日までの公式オンデマンド・グローバル・ストリーミング数が2億2,990万回に達した。SOPHIAは、「私たちは、本当に心を込めずにはいられませんでした。ファンの心にも響くと強く感じていました」と語っている。
Photo: Austin Hargraver
Photo: Austin Hargraver
2025年の計画はすでに本格化しているが、KATSEYEは11月21日に米ロサンゼルスで開催の【2024 MAMA AWARDS】で(K-POPの有名な授賞式が米国で開催されるのは今回が初となる)ロサンゼルス・ラムズのチアリーダーと出演するパフォーマンスの準備、iHeartRadioの【ジングル・ボール】ツアーのスケジュールを組んでいる(12月にダラスとボストンを訪問)。MANONは「まだ『Touch』から離れたくないですが、私たちは常に働いています」と述べたが、その言葉どおり、米ビルボードとのこのインタビューはLAのリハーサル・スタジオからZoomで行われている。皆ダンスウェアを着ているメンバーたちは、スタジオについて、「ほとんどの時間を白い光の当たる黒い箱の中で過ごしています」と笑った。
KATSEYEにとって、そのやる気はより大きな善のためだ。彼女たちはKATSEYEの多文化的な構成が、世界のポップ・ミュージックのサウンドを揺り動かす出発点になると見ている。MEGANは「私たちの音楽にそれを組み込むことができたらすてきですよね、今までに耳にしたことのないようなものになるように。私たちが皆、世界のさまざまな地域から集まっていることはとても強い力なのです」と語っている。
リリース情報
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KATSEYE 公式サイトKATSEYE 日本レーベルサイト