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<インタビュー>前島亜美がソロアーティストとしてデビュー、「15年目の“最後のもう一度”」の真意とは

インタビューバナー

Interview & Text:一条皓太
Photo:TUTU


 前島亜美が、11月20日にアルバム『Determination』でソロアーティストデビューを果たす。

 2010年にアイドルグループの一員としてデビューし、俳優、声優、モデルに舞台と、卒業後も活躍の場を広げ続けてきた前島。アーティストデビューを発表したYouTubeの生配信では、今回の音楽活動を「15年目の“最後のもう一度”」との言葉で位置付けていたが、その真意とは?

 そのほか、収録曲の紹介はもちろん、自身で作詞を担った表題曲「Determination」の制作秘話から、藤井隆や南條愛乃といった、前島がリスペクトする存在とのエピソードに、彼らから投げかけられた愛のあるメッセージの数々。最後には、5年後、10年後の自分自身に向けた、いまの自分から贈る約束まで。彼女の音楽活動が続いた未来で、このインタビューが活動初期の貴重な記録として、たびたび読み返されることを願うばかりである。

「今度こそは、“好き”の気持ちを大切に」

――今回のソロアーティストデビューを発表したのが、8月末のYouTube生配信でのこと。その際、ご自身の音楽活動を「15年目の“最後のもう一度”」と捉えていたのが印象的でした。

前島亜美:私って、“もう一度”がすごく多い人生を歩んできたんです。俳優、声優と、色々なお仕事をさせていただくたび、再スタートを切る気持ちで向き合ってきたのですが、今回挑戦するのは、自分のルーツでもあるステージに立ち、歌って踊ること。過去には、周囲との実力の差や数字を気にする時期もありました。ただ今度こそは、“好き”の気持ちを大切に。やるからには責任を持って、できるだけ長く音楽を続けたい。そんな決意を示すのと、今後の活動におけるキーワードとして「15年目の“最後のもう一度”」という言葉を掲げたんです。


――新たな一歩を踏み出すきっかけとなった出来事などは?

前島:藤井隆さんが2022年冬に開催されていたイベント【SLENDERIE RECORD LIVE EYE CANDY】にお招きいただいたことですね。藤井さんと、同じ事務所の芸人さんたちの姿から、歌の上手さやイベント自体の成功以上に、音楽を愛することを大切にする気持ちがダイレクトに伝わってきて。当時はまだ、今回のソロアーティストデビューに関するお話はいただいていなかったのですが、もし自分にも機会が巡ってきたときは、必ずやチャンスを掴みたい。もっと前に進みたいと、その日からまた考えるようになりました。


――藤井さんにはもう、今回の吉報は伝えましたか?

前島:お伝えしました! とても喜んでいただけたと同時に「これまでの15年間。短い時間ではもちろんないし、色々なことがあったはず。だけど、これからの方が圧倒的に長いのだから、ぜひ楽しんで活動なさってください」と、ありがたいお言葉まで掛けていただいて。改めて、勇気を出してよかったなと実感しています。


――とても素敵な言葉ですね。さておき、前島さんが普段、どんな音楽を愛聴しているのかが気になります。

前島:いわゆる邦楽です。新鮮な出会いを探すより、歌詞に好きな言葉が並ぶ楽曲と過ごす時間を大切にするタイプです。ただ、音楽活動をするにあたり「このままではまずい!」と、海外アーティストなどの作品にも意識的に触れるようにしました。





前島亜美Debut AL『Determination』全曲視聴動画


――特に刺さったアーティストなどは?

前島:実は、ビリー・アイリッシュさんが大好きなんです。もともと、彼女のドキュメンタリー映像などから、お人柄やその言葉に惹かれていたのですが、音楽にも深く触れてみると、ますます素敵に感じられて。


――まさかのドキュメンタリーが入り口とは、なかなか珍しいタイプかと思います。アルバムごとに異なる世界観を作り込むアーティストなだけに、前島さんの今作に与えた影響もありそうですね。それでいうと、デビュー作からシングルではなくアルバムだったというのも、ある種のプレッシャーになったのでは?

前島:本音を言えば(笑)。人生で初めて、コンペでの曲選びからトラックダウンまでの全工程に携わったのですが、アルバムを作るのって本当に大変だなと。その瞬間ごとの自分の感覚や好みで作品の色ががらりと変わる面白さもありながら、重要な選択を常に求められる不安感があったのも事実で。あと、いわゆる“キャラソン”ではない楽曲を歌うのが久しぶりすぎて、自分の声がどこにあるのかですごく悩みました。


――やはり、その壁にぶち当たりますか。

前島:声優さんのアーティストデビューで「素の声がどれかわからない」って、こういったインタビューに絶対と言えるくらい書いてありますよね。




――まさしくそれです。

前島:私自身も「自分の声がわからないって、どういうこと?」くらいに捉えていたのですが、歌ってみてすぐ、身をもって理解しました(笑)。もちろん、自分の感覚で歌いやすい歌声はあるものの、はたしてそれが目の前にある楽曲にマッチするかというと、また別問題なんだなと。


――後ほど詳しく紹介いただく収録曲は、どれも毛色が異なるだけに、それぞれに合う歌声を探すのにも苦労したかと思います。その際、なにか手助けとなったものは?

前島:アルバム全体のテーマである“自分らしさ”を常に意識するようにしていました。ちなみに今回の選曲基準は、ライブ映えするかどうか。完成した音源を楽しんでいただくのはもちろんですが、むしろライブの空気感を想像しながら、その空間で完成する楽曲にできたらと考えていたんです。私はやっぱり、アイドル時代からステージが大好きで、ライブアーティストになりたいから。


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  1. 「私の音楽活動でいちばん大切になる楽曲を、よくお任せしてくださったなと(笑)」
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前島亜美「Determination」

Determination

2024/11/20 RELEASE
KICS-4179 ¥ 3,300(税込)

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Disc01
  1. 01.Determination
  2. 02.初雪とKiss
  3. 03.SCARLET LOVE
  4. 04.Unfallen Angel
  5. 05.ポルターガイスト
  6. 06.MAKE IT NOW
  7. 07.職業:あみた
  8. 08.Blue Moment
  9. 09.星を見上げて
  10. 10.Azurite

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