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<インタビュー>ONE N' ONLY、3rd EP『Fiesta』で“Jatin Pop”のさらなる高みへ
Interview:吉田可奈
Photo:KOBA
ONE N’ ONLYが、10月2日に3rd EP『Fiesta』をリリースした。これまでJ-POPとK-POPをミックスした“JK-POP”スタイルで活動してきた彼らだが、2023年からは新たにラテンミュージックを融合した“Jatin Pop”スタイルを確立。今作では南アフリカのダンスミュージックAmapianoにも初挑戦するなど、ジャンルレスな魅力を開拓し続けている。
怒涛の47都道府県ツアーでライブ力を強固にし、さらにはメンバー個人の俳優活動やバラエティーでの活躍も増えてきた2024年のワンエン。2025年にはメンバー全員が出演する映画『BATTLE KING!! Map of The Mind-前編・後編-』の公開を控えるなど、ノンストップで走り続けるメンバーたちに話を訊いた。
※NAOYAさんはスケジュール都合により、インタビュー・撮影ともに欠席となります。
ものすごく楽しい1枚に仕上がった『Fiesta』
――8月には【ONE N’ ONLY FC TOUR 2024 ~SWAG祭~】が開催されましたが、あらためてSWAG(ファンネーム)との絆を感じられたのではないでしょうか。
TETTA:そうですね。今回はFCイベントだからこそできることもたくさん挑戦しました。なかでも、ラップとボーカルのパートをチェンジしたシャッフルメドレーは楽しかったですね。あらためて自分以外のパートの難しさを感じたんです。ラップ、すごいよね!?
KENSHIN:僕は逆にボーカルのすごさを感じました。「Departure」ではTETTAのパートをやらせてもらったんですが、裏声と地声を行き来していてすごく難しくて! そういった歌のテクニックの部分も自分が歌ってみて初めて難しさを知ったんです。ラップに関しても、他のメンバーが歌うことで“そういうやり方もあるんだ”という発見にもなったんです。
TETTA:毎年恒例にする!?
EIKU:それは大変!(笑)でも本当に楽しかったんですよ。普段は味わえない感覚があったので、成長できた気がします。僕は「Departure」のHAYATOのパートをやったんですが、かなり激しかったので、新たな一面を見せられたんじゃないかなと思っています。
HAYATO:すごく新鮮だったよね。僕はEIKUのパートだったんですが、曲に対して自分が歌う場所とはまったく違う印象を持ったし、よりこの曲が好きになりました。
――メンバー全員がラップもボーカルもできるグループは強いですよね。
TETTA:それが見せたかったんですよね。メンバーみんながどちらもできるんだぞって。
REI:僕はHAYATOのラップをやったんですが、僕と声の出し方がまったく違うんです。パフォーマンス、表現の仕方も違いますし、すごく勉強になりましたね。
HAYATO:ラップ、すごくうまいよね。REIも普段からラップを聴いているので、バイブスが出ていてすごくいいんですよ。「Hook Up」のシャッフルもやったんですが、いつものREIとは違う姿を堪能できたんじゃないかなと思います。イレギュラーな雰囲気を出されるとテンションが上がりますよね。SWAGのみんなもすごく新鮮な反応をしてくれたので、サプライズを楽しんでくれたようで嬉しかったです。
――しっかりとスキルを見せつつ、メンバーそれぞれが挑戦したコスプレの反応もすごく良かったですね。
HAYATO:SNSでの反応がかなり良くて驚きました(笑)。僕たちは普段のライブではあまりMCをしないので、ここまでガッツリと話したり、ゲームコーナーをすること自体がFCイベントならではの試みだったんです。
――TETTAさんは女子高生のコスプレをしていて、ものすごく嫌がっていましたね(笑)。
TETTA:みんながすごいイジるんですよ!
REI:だってガタイがいいのに、足がすごいキレイだから(笑)。
TETTA:二度としないっす!(笑)
HAYATO:TETTAって羞恥心があったんだね(笑)。
TETTA:あるわ!(大声)
KENSHIN:普段の僕たちとは違うギャップを楽しんでもらえたのなら、嬉しいです。
TETTA:キレイにまとめないで!(笑)
――あはは。そんなイベントの後に、とてもご機嫌なEP『Fiesta』ができましたね! これまでのどの作品よりも攻撃的な曲が集まっている印象を受けましたが、完成してみていかがですか?
HAYATO:まず、このEPを制作するときに、秋のツアーをリードしてくれるような曲にしたいねと話し合いました。それで「EVOL」のように、ライブを盛り上げてくれる、お祭り騒ぎができる曲にしようと「Fiesta」をリード曲にしました。ものすごく楽しい1枚になったんじゃないかなと思っています。
――「EVOL」はSWAGのなかでもかなり盛り上がる曲として愛されていますよね。
TETTA:そうですね。「Fiesta」は「EVOL」に続き、ライブのテンションを上げてくれる曲になったと思います。
HAYATO:サビも飽きないですし、テンポ感、スピード感もありますし、歌詞もダンスもすごく明るいんですよ。さらにSWAGのみんなに言ってほしいパートもあるので、みんなと一緒に育てていきたいですね。
TETTA:今回、ダンスはKAITAくんが振り付けをしてくれたんです。サビもかなり試行錯誤してくれて、キャッチーで覚えやすいものになっています。かなりいろんなものをそぎ落として、本当にマネしやすそうな振りを作ってくれたので、踊っていてすごく楽しいですね。
――KAITAさんとのコラボは何作目になりますか?
HAYATO:「Hook Up」「OPEN」「Last Forever」に続いてこの曲なので4曲目ですね。すごくキャッチーで分かりやすいですし、同世代なのでコミュニケーションも取りやすいんです。だからこそ、すごくいいものができるんですよ。
TETTA:そうそう! でも振り付けをしてくれるとき僕達はタメ語で、KAITAくんは敬語で……。
REI:反対だろ?
TETTA:そっか、そうだ、僕達が敬語で……。
REI:ちょっと大人しくしてようか(ニッコリ)。
TETTA:喋らせてよ~!(笑)
REI:(TETTAを制して)僕が代わりに説明しますね。僕たちは「EVOL」「DOMINO」でラテンミュージックを融合した“Jatin Pop”(ジャティンポップ)という音楽ジャンルを確立させてから、かなりラテン要素を詰め込んだ曲が増えてきました。そんななかで制作された「Fiesta」はキャッチーで、真似がしやすい掛け声やSWAGのみんなと一緒に盛り上がれる曲になっています。さらに、振り付けをしてくれたKAITAくんが所属しているRIEHATATOKYOはHIP HOPの要素がかなり強くて、グルーヴィ―なダンスを作ってくれるんです。リズムも奥行きを感じるような取り方で、それがこの南米の要素と掛け合わせたときにものすごく相性がいいんですよね。それに、このJatin Popという、ラテンと日本の要素を組み合わせるというグループはこれまでにいなかったと思うので、ONE N’ ONLYという名前通り、唯一無二を感じてもらえる曲になったと思います。
TETTA:そう! こういうことを言いたかったんです!
一同:あはは!
EIKU:なによりも、歌っていてすごく楽しいんですよ。ものすごくのれる楽曲ですし、ラテンサウンドに乗りながらみなさんがさわいでくれる姿が想像できるので、ライブが楽しみですね。それに47都道府県ツアーを通して、よりSWAGの声も大きくなっている気がしていて。
TETTA:わかる! より一体感が生まれて、声を出す場所もSWAGみんなで打ち合わせをしているんじゃないかと思うくらい声があがるんです。絶対SWAG全員のグループLINEあるよね!?
REI:あるわけないだろ!(笑)
HAYATO:盛り上がる場所をみんなで共有できているのってすごく楽しいんですよ。
KENSHIN:そのなかでこういった曲をリリースすることで、よりみんながひとつになれるような気がしています。僕は2番の頭がすごく好きなんです。そのスピード感と中毒性に何度も聴きたくなるんですよね。すごく熱い気持ちになれる曲です。それに、日本語、英語、ポルトガル語の3か国語で構成されている歌詞もすごく面白いんです。
HAYATO:わかりやすい言葉ばかりだからちゃんと歌詞が入ってくるしね。
KENSHIN:うん。それにやっぱり、47都道府県ツアーを完走したことで、ライブ力もよりつきましたし、参加型のライブが体感できて、すごく成長できたんです。
TETTA:ただ、オフが全くなかったんですよ! 移動中は密着カメラも回っていたので本当に1人になれるのはホテルで寝る時だけで……。途中で「俺はいま、どこにいるんだ」「俺は誰だ」ってなりました(笑)。
HAYATO:すごいところまで行ったな(笑)。
TETTA:でも、そのおかげでライブをすることだけに向き合えたので、ボーカルをより突き詰められましたし、公演を重ねるごとに自信に繋がってきたんです。やってよかったですね。
REI:本当にいい勉強になりました。近い距離のライブハウスこそ、より遠くの人を見て全体を楽しませなくちゃいけないとか、ライブ力がついたように思います。
TETTA:僕たちはブラジルで何度かライブをしているんですが、ブラジルは当日会場が変わったりすることもあるんですよ。これまで、そういったことも経験しているので、日本でのちょっとしたトラブルは軽々と超えられた気がします(笑)。
KENSHIN:対応力はかなりつきました!(笑)
原点を忘れずに、進化し続けていきたい
――さて、EPの話に戻りますが、「Burn it out」は珍しくかなりハードなロックナンバーになりましたね。ステージを走り回っている姿が想像できました。
HAYATO:走りたいと思って作りました! もともと「OPEN」というロック色の強い曲はあるんですが、ONE N’ ONLYとロックサウンドってすごく相性がいいんですよね。暴れられるような曲をセットリストに入れたいと思い選びました。
TETTA:ロックは普段から好きなので、歌っていてすごく楽しかったですね。ライブパフォーマンスも見せ方が変わりそうなのですごく楽しみです。
REI:あとは、JUNEさんが曲を作ってくれた「R.U.S.H」は洋楽っぽいサウンドですごく新鮮ですし、HAYATOが作詞に携わっているんです。そういったクリエイティブな部分も感じてもらいたいですね。
HAYATO:ラップパートを手掛けさせてもらったんですが、日本語をちゃんと入れたいと思って、言葉を選びました。いつもJUNEさん(※ONE N’ ONLYの音楽プロデューサー)が作ってくれる楽曲は、わりと日本語を崩して洋楽っぽく聞こえたり、英語が混ざっていることがスタンダードなんですが、僕が参加するからには、日本語をしっかり入れたいなという想いがあったんですよね。ちゃんと言葉が聴こえる雰囲気をテーマに、世界観を大事にしながら言葉を埋めていきました。
――デビュー当時からJUNEさんの楽曲を多く歌っていましたが、最近ではいろんな方が楽曲を手掛けていますよね。あらためてJUNEさんの曲を歌うことで思うこともたくさんあるのではないでしょうか。
TETTA:そうですね! デビュー前からお世話になっているので実家に帰ってきた感じがありますね!
EIKU:僕は今回のEPでは「Too Much」がすごく好きですね。Amapiano(※南アフリカ発祥の音楽ジャンル)というジャンルを取り入れているので、ステップにも注目してほしいですね。最後のフェイクは僕とTETTAでやっているんですが、そこの掛け合いがすごく好きなんですよ。一緒にセッションをしている感じがしてすごく楽しかったです。
HAYATO:振り付けもアフリカ系のダンスで、いまステップを開拓して作っているものを取り入れているので、タイムラグのない、今のステップを見てもらいたいですね。最近はジャマイカの人が踊っている動画をたくさん見て、取り入れているんです。
EIKU:いままでの基礎練習では見たこともないようなステップがすごく難しくて。そのレクチャー動画などを参考にして踊っています。
KENSHIN:僕は「ALL OUT」がお気に入りです。47都道府県ツアーのファイナルでパシフィコ横浜でライブをやったんですが、僕たちの活動にとっては通過点だということを歌詞に込めたかったんです。この曲では、僕とNAOYA、HAYATOで歌詞を書いたんですが、これまでリリックを書いた経験があまりなかったので、すごく楽しかったです。
HAYATO:この曲はJUNEさんが作ってくれた曲に歌詞を書いたんですが、みんなでかなり細かいところまで詰めていきました。移動中の車内でも歌詞を見せ合ったりして、僕たちの気持ちをしっかりと込めたんです。よりメッセージ性の強い曲になりました。
――そして、これからはTETTAさんの主演映画『100秒の拳王―ケンカバトルロワイアル―』に、来年は『バトルキング!!』の続編『BATTLE KING!! Map of The Mind-前編・後編-』が公開されるなど、さらなる飛躍が期待されますね。
REI:『BATTLE KING!! Map of The Mind-前編・後編-』は、前回からさらにパワーアップして、ちょっとコミカルな部分もふえていると思います。
KENSHIN:前作から2年後を描いているので、キャラクターの成長も見てもらえるはずです。楽しみにしていてほしいですね。
REI:あとは、僕たちは今後さらにステージを上げていきたいと思っていて。確実に日本武道館はやりたいなと思っています。今、僕たちにできることは、どんどんステージを大きくしていくこと。それが大前提としてあるので、目の前のステージを必ず成功させていきたいですね。それにSNSを発信し続けてきたからこそ、南米でバズり、Jatin Popというジャンルを確立したので、そういった原点を忘れずに、進化し続けていきたいと思っています。
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