Special

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」



<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

 2023年に始動した錦織一清とパパイヤ鈴木による“イケてるおやじ”ユニット・Funky Diamond 18。そんな彼らの楽曲やツアーにも参加し、日本武道館へ向けて邁進中のインストバンド・POLYPLUSのTSUUJII(つーじー)とGotti。この4者による音楽対談がここに実現。今の時代にディスコブームを再び巻き起こさんとする者たちと、クラブジャズで革命を起こそうとしている者たちの心身とも踊りだしたくなるようなインタビューとなっているので、ぜひご覧頂きたい。

Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada

「全国ディスコ化計画、本気やな」って感じさせられる

--今回の対談は、TSUUJIIさんからの発案で実現することになりました。どんな想いや背景があって、この4人で語り合いたいと思ったのでしょうか?

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

▲TSUUJII

TSUUJII:数年前から錦織さんのソロプロジェクトのレコーディングに参加させて頂けるようになって。その錦織さんがパパイヤさんと新しいユニット・Funky Diamond 18を始めると仰って、そこに僕らのことをミュージシャンとして呼び込んで下さったんです。最初は、陣営の中で管楽器を入れなくてもいいムードだったらしいんですけど、錦織さんが「いや、つーじーはいるっしょ」と言ってくださって、その鶴の一声でツアーメンバーにも入れて頂いて。それから関わらせて頂く中で「Funky Diamond 18、最高すぎるな」と思って。どんなところが最高なのかは、のちのち語らせて頂きたいと思っているんですけど。

--ぜひぜひ。

TSUUJII:で、今、自分たちはPOLYPLUSで改めてクラブジャズというダンスミュージックとカルチャーを掘り下げていきたいと思っているんですけど、そんなときに全国ディスコ化計画という標榜のもと、めちゃくちゃ最高なことをやられているおふたりに改めて話を聞く機会がほしいなと思って。飲みに連れていって頂いている中でもたくさん良い話を聞かせてもらっているんですけど、これを表に出さないのはもったいなと思っていたので、このタイミングで対談をお願いさせて頂きました。

--Funky Diamond 18は、どんな経緯で結成することになったユニットなんでしょう?

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

▲パパイヤ鈴木

パパイヤ鈴木:高校生のときから友人として付き合いはあって。しばらく会っていない時期があったり、再会して飲みに行ったりしていたんですけど、僕らには共通のダンスの師匠がいまして「ふたりとも踊ったり歌ったりできるんだから、ふたりでオリジナル曲をつくって何かやんなよ」と随分前に言われていたんです。で、去年ぐらいにウチの社長が「やるんだったら私動くよ?」と言ってくれて、急に実現することになったんですよね。元々ふたりとも音楽は好きだし、お互いの好みも知っていたし、ブルース・ブラザーズみたいな感じで大好きなディスコミュージックをみんなで踊れたらなと。それを突き詰めていったら、今のこの形になっていたんです。

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

▲錦織一清

錦織一清:高校生のときから話していた内容が「同じことを考えている」と思っていた相手だったので、鈴木とはすごくやりやすくて。で、お互いに通ってきた道というのが、鈴木はシアター系でやったりとか、タップやったりとか、人に見せる為のモノをやってきた。僕も人に見せる為の踊りというか、そういう創作系のダンスをやっていたんだけど、それとは真逆で自分の為のダンスもあるじゃないですか。自分の感情をぶつけていくというか、自分のノリがそのまま自分だけのダンスになっていく。それが実はディスコの踊りだったりするので、今回はそこを追求したかったんですよ。僕たちの曲でみんなに自由に踊ってもらいたくて、このあいだディナーショーでちょっと実現したんですけど。

--ディナーショーでディスコをやったんですか?

パパイヤ鈴木:円卓のテーブル席はあるんですけど、ステージの前はディスコフロアなんですよ。なので、みんな前に出てきて、本当にディスコみたいに踊ってくれて。

錦織一清:そのうち、そこに審査員を入れて。あまりにも変な踊りをしている人たちは、席に戻ってもらおうと思って(笑)。で、最後まで残った人がディスコキングの称号を得るっていう。昔のディスコはそうだったからね! ゼッケンをつけて踊っていて「16番の人、ありがとう」って言われたら退場する。負け抜けのシステムなんだよね。映画『グリース』みたいな世界観。

パパイヤ鈴木:で、最後はチークを踊るっていう。それがお決まりだったんだよね。

TSUUJII:そのディナーショーはヒルトンホテルでやったんですよ。そこに我々もバックバンドとして参加させて頂いて、そのときの経験がPOLYPLUSとして「僕の憧れたクラブジャズカルチャーをちゃんと掘り下げよう」と決意するきっかけになったんですけど、僕はあのディナーショーの素晴らしさを語りたくて、平賀さん(※この記事のインタビュアー)にお声がけさせて頂いたんです。場所がディスコじゃなくてもディスコができるということを証明して、しかもそれをディスコと対局にあるようなヒルトンホテルで実現しちゃうっていう。ディスコナンバーを演奏するだけじゃなく、円卓をぜんぶ後ろに固めて、その前に板を張ってダンスフロアにして、高いステージを組んでどデカいミラーボールもふたつ吊って。だから、みんな、会場に入った瞬間に「全国ディスコ化計画、本気やな」って感じさせられるんですよ。

--めちゃくちゃ楽しそう。

TSUUJII:錦織さんのお誕生日だったんで、それのセレモニーもちゃんとやりつつ、それ以降は「ディスコを楽しんでね」っていう感じで、皆さんが食事も終わってお酒を楽しんでいるところにDJが登場するんです。これもちゃんとディスコDJの方で!

パパイヤ鈴木:「1980年代の曲で──」みたいな感じで説明をしながら曲をかけていくDJね。

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

▲左:TSUUJII/右:Gotti

TSUUJII:で、皆さん、自然と前に集まって来られてダンスフロアになっているところへ、DJから音を止めずに我々バンドの生演奏に繋いで。そこが第1のイェーイで、次にダンサー勢が出てきて第2のイェーイがきて、満を持してご本人たち登場でどかーん!っていう。そこから1時間ぐらいのステージ。お客さん全員めちゃくちゃ楽しかったやろうなと思って。これは最高の事例になったと思いますよ。貫くコンセプトがあって、それにすべてが沿った形で創られていって、でも場所はヒルトンっていう。僕らもこういうことがやりたいんですよ。POLYPLUSは今ライブハウスでやっていますけど、場所はどこであれクラブジャズカルチャー・イベントの良い要素を意識的に取り入れてやる。貫かれたコンセプトがあると、こんなに格好良いイベントが出来るんだと思ったし、お客さんもバンドもダンサーもスタッフ陣も迷わないんです。誰もが「ここでディスコやっちゃうぜ!」という気持ちで楽しむことができる。なので、すごく刺激を受けたし、興奮しちゃいましたね!

--Gottiさんは、Funky Diamond 18の作品やステージに携わるようになって、どんなことを感じたりしていますか?

<インタビュー>Funky Diamond 18(錦織一清&パパイヤ鈴木)×POLYPLUS(TSUUJII&Gotti)対談「好きなことをちゃんとやる」

▲Gotti

Gotti:僕はブラックミュージックが大好きで、今日までずっと音楽をやってきたんですけど、ずーっと感じていたのは、僕の世代のダンサーとミュージシャンって結構乖離しているんですね。昔のディスコやヒップホップはそこががっつり絡み合っていたんですけど、今は僕のまわりのダンサーもあんまり音楽に明るくなかったり、逆にミュージシャン側もダンサーにリスペクトのない人が多かったりして。なので「いつかダンサー界隈の人たちとミュージシャン界隈の人たちで、何か良いものが創れたらな」と十数年前から思っていたんですよ。だから、今、Funky Diamond 18のおかげでソレを出来ていることがすごく嬉しくて!

--ここまでの話を聞いただけでも、この4人がひとつの音楽プロジェクトに集ったことに必然性を感じますね。

錦織一清:「これ、やりたいんだよね」って言ってみるもんだよね! そしたら、つーじーが来てくれて、Gottiが来てくれて、バンド(Neighbors Complain)が来てくれた。何かそこにモノがあると集まれるんだよね。それに僕は感動しているんですよ。

TSUUJII:そのおかげで、ヒルトンの楽屋で僕らバンドとダンサーチームが一緒だったんですけど、空き時間もそれぞれに何かやるんじゃなくて、みんなでずっとしゃべっていたんですよ。音楽とダンスの話を交互にして、最終的にダンスの著作権問題について語り合っていましたからね(笑)。乖離している感じの真逆の状態になっていたんですよ! それこそ集合できる場所をおふたりが作って下さったから、そういう有意義なコミュニケーションの時間を過ごすことが出来たんだろうなって。

NEXT PAGE
  1. 遊びとして捉えないと面白いものは出来ないんです
  2. Next >

関連商品