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<インタビュー>NAQT VANE(澤野弘之&Harukaze&Yunoa)新体制初の新曲「FALLOUT」完成に至るまでのそれぞれの想い語る「この新体制にしたことは間違いじゃなかった」



<インタビュー>NAQT VANE(澤野弘之&Harukaze&Yunoa)新体制初の新曲「FALLOUT」完成に至るまでのそれぞれの想い語る「この新体制にしたことは間違いじゃなかった」

 様々な映像作品の音楽を手掛け、ボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクト・SawanoHiroyuki[nZk](サワノヒロユキ-ヌジーク)でも絶大な人気を博す澤野弘之。そんな彼が「常に夢中にさせてくれるボーカリスト」と絶賛するシンガー・Harukaze。独創的なアートワークを手掛けるクリエイティブコレクティブ・Classic 6。そこへ新たなボーカリスト・Yunoaが加入し、新体制となったNAQT VANEの新曲「FALLOUT」が完成した。

 今回のインタビューでは、映画『あの人が消えた』主題歌でもある本作についてはもちろん、Yunoaのエピソードゼロ含む新体制に懸ける想いや今後のヴィジョンについても語ってもらった。「NAQT VANE、ますます面白くなってきた!」と感じられるテキストとなっているので、ぜひご覧頂きたい。

Interviewer:平賀哲雄

「私の居場所はやっぱり音楽だな」と感じることができた

--5月11日に開催された【NAQT VANE Special Event - Dispersion -】。あの日、Yunoaさんのお披露目と共に新体制で活動していくことが発表されました。

<ライブレポート>NAQT VANE(澤野弘之&Harukaze)1stアルバム『Dispersion』全曲披露イベントに新ボーカル・Yunoa登場! 圧倒的な空間支配力を誇るハーモニー
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/137669

澤野弘之:NAQT VANEは元々ひとつの形に収まることなく、どんどん広がりを見せていくプロジェクトとして発足していて。Harukazeと2年ぐらい様々な可能性を模索しながら活動してきた中で、十分な体制になってきているなと思ってはいたんですけど、そこに新たにひとりボーカリストが入ることによって、より多くの人にNAQT VANEの活動に興味を持ってもらえるんじゃないかと。あとは、サウンドやビジュアル的なパフォーマンスにおいても広がりを見せることができると思っていたんです。そんな中でYunoaと偶然出逢えるチャンスがあったので、この形になりました。

--Harukazeさんは、ボーカルが2人になることを知ったときは驚きました? それとも想定の範囲だったんでしょうか?

Harukaze:NAQT VANEがどういうプロジェクトなのか。デビューする前にみんなで話し合ったときに「いろんな人を巻き込んでいくプロジェクトにしていこう」と決めていて。それで、インタビューでも「NAQT VANEを聴いてくれる人、関わってくれる人全員がNAQT VANE」という話をしていたので、メンバーが増えることに対してビックリすることはなかったですね。素直に受け止められたというか。ただ「どんなボーカリストが入ってくるんだろう?」とドキドキはしていました。

--なるほど。

Harukaze:それがYunoaだと知って、Yunoaとは彼女のソロ曲「sadless」の時にご縁があって英語の監修をしたことがあったんですよ。それでも「どんな感じでこれからNAQT VANEが成長していくんだろう?」って想像しきれないところもあったんですけど、実際に一緒に歌ってみたら「あ、これは良いケミストリーになる」と思いましたし、澤野さんもいろんな意図があってYunoaの加入を決めたと思うので、良い方向に進んでいくんだろうなと。なので、純粋に嬉しかったです。

NAQT VANE

▲NAQT VANE(左:Yunoa/右:Harukaze)

--Yunoaさんは、お披露目の際に「実はアーティストとして生き始めてから2か月も経ってなくって。NAQT VANEに入って今日から活動していく感じなんですけど……優しくしてください(笑)」と仰っていましたが、どんな心境でNAQT VANEに加入されたんでしょう?

Yunoa:NAQT VANEのことは元々知っていたんですけど、まさか一緒に活動できるなんて想像もしていなかったので、最初はビックリしました。でも、いざNAQT VANEの一員として活動してみたらめっちゃ楽しくて。お披露目ライブに関しては、そもそもライブの経験自体が少なかったので、あんなにたくさんの観客がいる中で歌うのは緊張したけど、それ以上に「私の居場所はやっぱり音楽だな」と感じることができた。居心地がすごく良かったです。

--NAQT VANEには、元々どんな印象を持っていました?

Yunoa:自分がアーティストになる前のタイミングで知ったから「私もこんなアーティストになれるだろうか、超えられるだろうか」みたいな。初めてNAQT VANEのライブを観たときにHarukazeが歌ってて、澤野さんがキーボードを弾いていて「めっちゃ格好良い」と思ったんですけど、そのときはNAQT VANEに入るなんて思ってないから「私はこれを今からひとりでやろうとしているのか」と。心配もありつつ、ワクワクもありつつ……みたいな心境で観ていたことを憶えてます。

--もうひとりボーカリストを増やす際に「Yunoaにしよう」と思った決め手って何だったんですか?

澤野弘之:まずは歌声ですよね。Harukazeの歌声とのコントラストというか、対比して表現できるハスキーさ。で、一緒になって変な形にならない、より音圧や歌のパフォーマンスが増幅されるようなボーカリストだと感じたんです。あとは、ふたりが並んだときのステージングやビジュアルも含め、Harukazeが持っていないものをYunoaは持っているし、Yunoaが持っていないものをHarukazeは持っている。ゆえに刺激し合える。そのバランスですね。それは応援してくれている人たちや、今後知ってもらう人たちにとっても重要なことだと思うんです。

--以前は、Harukazeさんひとりでステージに立つことも多かったですけど、Yunoaさんと活動するようになっていかがですか?

Harukaze:心強いですし、お互いに刺激し合えるし、それによって高め合える。性格的にも合うと……私は思っているんですけど(笑)。

Yunoa:私も思ってるよ(笑)。

Harukaze:仲良く活動できているのも嬉しくて。初めて会ったときはちょっとクールな印象で、私は結構マシンガントークするタイプだから「引かれないかな?」と思っていたんですけど、実際はそんな私の感じも受け止めてくれて。だから、すごく優しいなって(笑)。

Yunoa:ハハハ!

Harukaze:それもありつつ、歌ったりとか、クリエイティブなことをやるときには強い意志が垣間見える。そこもすごく魅力的だなと思っていて。あと、元々ソロ曲も聴いていて、そのときから大好きな声だったので、何より今一緒に歌えていることが嬉しいです。

--Yunoaさんは、Harukazeさんと活動してみていかがですか?

Yunoa:私はふたりで歌うことが初めてだったんですけど、ライバルでもあるし、一緒に練習しに行ったり、ライブに行ったりしている中で「ここのお店美味しいよ」って教えてくれたりもするし、めちゃくちゃ相性は良いなって思います。

--NAQT VANEへの加入が決まって、一緒に活動する前はどんな心境でした?

Yunoa:集団行動がめちゃくちゃ苦手なタイプだったので、そこは心配でしたね。馴染めるだろうか?って。私、3人以上になると、相手によってはしゃべらなくなるんですよ。でも「ここだったら、私もしゃべれる!」と思って(笑)。スタッフさんも含めてみんな優しいし、フレンドリーだし、ちゃんと人の話を聞いてくれる人たちで平等に接してくれるから、すごく居心地が良いんです。

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  1. Yunoaだからこそ表現できるラップを取り入れたかった
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Yunoaだからこそ表現できるラップを取り入れたかった

--澤野さんがNAQT VANEの楽曲制作をする上では、Yunoaさんが入ってきてどんなところが変わってきました?

澤野弘之:Yunoaに加入してもらう上で「ラップはマストで入れたいな」と思っていたんです。ボーカルとしても素晴らしいんですけど、それも入ってもらう理由のひとつだったんですよ。とは言え、Yunoaは元々ラップをやっていたわけじゃなくて、ソロ活動でもやっていないことだったんですけど、Yunoaの声でラップを入れたらNAQT VANEの音楽にもハマるだろうし、表現やサウンドアプローチの幅が広がると思ったんですよね。まだそんなに回数は重ねていないですけど、ライブでの見え方に関しても今までと違うモノが模索できるんじゃないかと思って。

--実際、ステージで一緒に歌っているHarukazeさんからすると、どんなところに変化や進化を感じていますか?

Harukaze:NAQT VANEってすごくエネルギッシュな楽曲も多いですし、私たちも声を張ってメッセージを伝えているんですけど、それの力が2倍になったことによって、届けられる熱量みたいなものが増していると思います。あと、Yunoaが5月11日のお披露目のときに「優しくしてください(笑)」ってMCで言ったときからVANEs(NAQT VANEファンの呼称)たちが本当に温かく迎えて下さっていて、その後のインストアイベントでもYunoaの魅力を知っていってくれているので、NAQT VANEの可能性の広がりみたいなものは、VANEsのみんなも感じているんじゃないかなと思います。それこそラップパートも「うわ、格好良い!」って反応してくれているし、リアクションの熱量も上がっているんじゃないかな。

--そのラップを最初に任せられることになったときは、どんな心境だったんですか?

Yunoa:「え、私が? できるかな?」って思いました(笑)。でも、やってみたら楽しくって。インストアライブで各所をまわっていたときも、ラップのパートが始まったら、お客さんが「うぇーい!」って盛り上がってくれて「なにこれ? 超楽しい!」と思いました。それがすごく嬉しくて。なので、今回の新曲「FALLOUT」もそうですし、もっとみんなを盛り上げていきたいなって思っています。

澤野弘之:彼女の声なら成立すると思ったんですよね。英語を習得しているわけじゃないんですけど、英語の曲をちゃんと表現できる耳の良さもあるので。もちろんヒップホップをずっとやっている人たちのほうがラップのノウハウとかあると思うんですけど、僕はNAQT VANEだからこそ、Yunoaだからこそ表現できるラップを取り入れたかったんですよね。で、ボーカルチェックで誰かの曲のラップをやってもらったときに「あ、これはいけるな。心配いらないな」と思ったんです。

--で、実際にそのラップがオーディエンスを盛り上げていると。そんなYunoaさんがどんな半生を経てNAQT VANEに辿り着いたのか知りたいんですけど、いわゆる表現することに興味を持ち出したきっかけって何だったんですか?

Yunoa:まだ歩けないぐらい幼い頃に姉とふたりで子役をやっていたことがあって。でも、アガリ症すぎて、3才ぐらいで辞めちゃったんです。そのあとも表に立つことは全く考えてなくて、ただひたすら絵を描いていて。で、小学5年生ぐらいのときにお母さんから「お歌、習う?」と言われて、歌のスクールに通い始めたんですけど、友達がひとりもできなくて「もういいや」と思っていたときにマンツーマンのレッスンに変わって。それから歌うことが好きになって、気付いたらギターとかいろいろやり始めて、今に至りますね。

--アガリ症で子役を辞めて、友達ができなくて歌のスクールも辞めかけた。ということは、子供の頃から人見知りだったんですかね?

Yunoa:そうですね。子供番組に出たときも「みんなでうさぎさんのモノマネしましょう」と言われて、みんなは楽しそうに飛び跳ねたりしているんですけど、私だけひとりでずっと端っこに立ってて1ミリも動かなかったみたいなんです(笑)。そんな性格で友達も少なかったから、ずっとひとりで絵を描いていて。

--どんな絵を描いていたんですか?

Yunoa:『アニー』とか『サウンド・オブ・ミュージック』とか『メリー・ポピンズ』とかミュージカル映画が好きで、その絵を描いていました。

--『アンパンマン』とか『ドラえもん』じゃないんですね。

Yunoa:『アンパンマン』は怖くて観れなかったんですよ。ばいきんまんが作る怪物が怖くて。『プリキュア』とかも怖くて観れなかったんです(笑)。

--歌のスクールではボイトレみたいなことをしていたんですか?

Yunoa:トレーニングというよりかは、好きな歌をどうやったら綺麗に歌えるか?みたいな。ほとんどイメージで伝えてくれる先生だったので、例えば「助けたい人が崖にいるから、そこに届くように歌って」みたいな。で、中学生からギターを始めて、弾き語りをしていて。高校生のときに地元のバーで「ライブしない?」と誘われてライブしていたら、高校卒業する前ぐらいに音楽関係の人に声をかけられて、日本語や英語の曲を創り始めることになって。そこから1年ぐらい経って、今年の3月にシングルリリースしてソロデビューしました。

--ソロデビューしたタイミングでは、どんなアーティストを目指していこうと思っていたんでしょう?

Yunoa:私のロールモデルはビリー・アイリッシュで、彼女の音楽を聴いたときに「同じ考えの子がいるんだ」と思って好きになったんですよ。私は誰かに相談するのが苦手で、だからすごく孤立感を感じていて。そんな中でビリー・アイリッシュを見つけて「あ、私はひとりじゃないんだな」と思えたんです。それで、私も誰かにそう思ってもらえるような作品を創りたいと思って。ビリーって何も隠さないんですよ。「消えたい」とか「死にたい」とか全部書くんですよね。そういう曲に「こんなに暗い曲なのに元気付けられるんだ? 泣いていいんだ?」と衝撃を受けて「じゃあ、私も思ったことを書こう」と。今ってコロナ禍とかもあって孤立している人がめっちゃ増えていると思うんですよね。私もそういう人たちに「大丈夫だよ」って伝えたくて作品を創っています。

--Harukazeさんは彼女のソロ曲にどんな印象を持たれました?

Harukaze:私はいろんな人にめっちゃ相談するタイプではあるんですけど、その中でも言えない悩みとかはあって。だから、Yunoaの楽曲を聴いたり、英語の監修で彼女の歌詞を読ませてもらったときに「この曲を聴いて支えられる人はたくさんいるだろうな」と感じて。それプラス、Yunoaの哀愁ある声も相まって「良いものがこれからも創り出されていくんだろうな」と。あと、Yunoaがどうやってここまで来たのか?みたいな話を今初めて聞いたんですけど、その繊細な部分が良い形で音楽に出ているんだなと思いました。Yunoaは本当に優しいんだと思います。

--そうしたYunoaさんの性質とHarukazeさんの性質がどう絡み合っていくのか。そこも今後のNAQT VANEの楽しみなところですよね。

澤野弘之:そうですね。そういうバックボーンとか性格があることによって音楽の伝わり方も変わると思うんですよね。そこは面白い部分だなと思っています。あと、僕は作曲家目線なので、Yunoaの曲を聴いたときに「格好良いサウンドを表現している人だな」と思って。で、YunoaはYunoaのやっている個人のプロジェクトがいちばん自分にしっくり来る表現を出来ていると思うんですよ。Harukazeもひとりのプロジェクトをやったらそうなっていくと思うんですけど、その中でNAQT VANEでやっていく意義って僕のメロディとか音域設定とか彼女たちがひとりではやらないことをやることだと思っていて。それを「楽しい」と感じたり、刺激と感じてくれたらいいなって。あとは、格好良い音楽を追求している人がいてくれると、自分も「格好良いな、NAQT VANEで歌っていたいな」と思われる音楽を創っていかなきゃいけないと思えるんで、僕にとっても刺激になるんですよね。

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澤野さんの演技がめっちゃ上手かったんですよ!

--NAQT VANE、より面白くなってきましたね。

Harukaze:そう思います。私もYunoaが入ってきて、今まで以上に可能性を感じるようになったし、良い感じで広がってますね。

--そんな中で新体制初の新曲「FALLOUT」が完成しました。

NAQT VANE

▲NAQT VANE「FALLOUT」

澤野弘之:今までNAQT VANEを聴いてくれた人や新たに知ってくれた人にも、新体制になった意義を感じてもらえる楽曲が出来たなと思っています。映画『あの人が消えた』主題歌に結びついたというところも、すごく良いタイミングだったなと思いますね。

Harukaze:新体制で初めてレコーディングしたんですけど、同じパートを違う人が歌うだけで「こんなに違う曲に聴こえるんだ?」というのも発見でしたし、ふたりの声が良いケミストリーを生んで「FALLOUT」に良い風を吹かせてくれているんじゃないかなと思います。あと、NAQT VANEの楽曲ってリリースするタイミングの自分の状況に通ずるところが毎回あるんですけど、この「FALLOUT」は「新しい自分」や「トランスフォーメーション」がキーワードになっていて、そこにすごく共感を覚えたんですよね。実際にNAQT VANEが新しい形になって、私も自分が知らないHarukazeをこの楽曲で見出すことが出来たので、私の中でも深い思い入れがある曲になっています。

Yunoa:NAQT VANEのレコーディングブースに入ったときにまず人数の多さに驚きました(笑)。でも、そこでまたひとつスウィッチが入ったというか。その中でみんなで「これが良い、あれが良い。ここはもう少し合わせようか」みたいなやり取りをして、チームはチームでソロとはまた違う創り方が出来るんだなと。あと「FALLOUT」という曲は、私のソロでは創れない格好良さを持っていて。Harukazeと歌うことでもっとパキっとなるというか、ふたりのそれぞれの声質も活きるし。「みんなで創ることでこんなに変わるんだ?」ということを知れました。

--それを純粋に楽しむことができた?

Yunoa:そうですね。こんなに自分が楽しめると思っていなかったです。最初はスタッフさんも含めて人数が多いから「私、消えちゃわないかな?」と思ったんですけど(笑)、みんな、私をちゃんと支えてくれて本当に居心地が良かったです。

澤野弘之:レコーディングは、HarukazeはHarukazeで一緒にやってきた分だけいろいろ吸収してきているので、そこまで何か言わなくてもどういうアプローチをすればいいか分かってくれていて。この曲のメロディに対して出てくる新しい声を録れたことも楽しかったですし。YunoaはYunoaで今回の曲がスタートだったので、実際にラップを入れてみたことによって「こういうグルーヴが生まれるのか。であれば、もっといろんなことが出来るんじゃないかな」という可能性を見せてもらえたぐらい格好良い表現をしてくれたので、とにかく楽しかったですね。ふたりの声のコントラストも含めて「この新体制にしたことは間違いじゃなかったな」と感じさせてもらえるようなレコーディングになりました。

--映画『あの人が消えた』の主題歌として流れる「FALLOUT」には、どんな印象を持たれました?

Harukaze:澤野さんからデモを頂いた時点でラッシュの動画も観させてもらっていたから、パソコンでちょうど良いタイミングで流して聴いてみたりもしていたんですけど、すごくピッタリ合ってました! エンドロールで流れるイントロのミステリアスな感じが映画の雰囲気を引っ張ってくれるんですよね。で、チームで試写会も観に行かせて頂いたんですけど、劇場で聴くと臨場感も増しますし、Yunoaとふたりで興奮して「本当に流れてるね!」って(笑)。特にYunoaがめちゃくちゃ興奮していたんですよ!

Yunoa:映画本編を観たあとに「FALLOUT」が流れるじゃないですか。そこに自分の声が入ってるんですよ? まだデビューしてから半年しか経っていないのに「劇場で私の声が流れてるぞ!」と思ったら興奮しちゃって。しかも「FALLOUT」は私のラップで終わるんですけど、自分の吐息で締め括られた瞬間に「え?」ってなっちゃって。それでめっちゃニヤニヤしていたら、隣のHarukazeはめっちゃ真顔で(笑)。

Harukaze:私も感動していたんですけど、劇場だから気持ちを抑えていたんですよ。そしたら隣でYunoaがはしゃいでて(笑)。

Yunoa:隣に水野格監督が座っていたのに(笑)。

Harukaze:でも、私はYunoaのそういう楽しんでいる姿や、素直に感情を出している瞬間がめっちゃ好きなんですよ。

--そして「FALLOUT」のMVも完成したわけですが、今回の撮影はいかがでしたか?

Harukaze:NAQT VANEは常に挑戦し続けるプロジェクトということで、今回は演技に挑戦したんですけど、個人的にオペレッタをやっていた昔のことも思い出して、すごく感慨深かったです。カメラの前で演技するのは初めてだったから面白かったですし、3人の掛け合いが結構多かったので、NAQT VANEのパフォーマンスしていないときの3人の姿を観てもらえるのも楽しみです。澤野さんの演技がめっちゃ上手かったんですよ!

澤野弘之:それ、すげぇ言うね(笑)。

Harukaze:澤野さんが実際にいちばん上手かったんですよ! めっちゃ感動しましたもん! 主演男優賞!

澤野弘之:俺はセリフが少なかったからそう感じただけだよ!

Harukaze:表情の作り方とか、ちょっとした動きとか、完パケしたMVを観たときに「すごく上手いよね」ってスタッフさんとも話していて。

スタッフ:最後の扉から落ちる難しいシーンで、澤野さんが監督の指示通りというか、的確に表現されていて。

澤野弘之:日常でもよく落っこちているからですかね(笑)。

Harukaze:NAQT VANEが新体制になってYunoaが加わったっていうストーリーもあって、映画に通ずるストーリーもあって、全部ギュッと詰め込んだんですけど、綺麗に仕上がっているんですよね。本当に新しい形のMVになりまたし、撮影は終始楽しかったです!

--新体制となったNAQT VANE、今後のヴィジョンがありましたらそれぞれ伺わせてください。

Yunoa:ふたりで歌いながら、みんなの想像をどんどん超えていきたいです。いろんなことに挑戦するのもそうだし。みんな「新曲が出ます!」って聞くと「どんな内容なんだろう?」と思いつつ「これぐらいかな?」みたいなイメージがあると思うんですよね。それをバコーン!と超えるような作品を創っていきたいです。

Harukaze:大きな会場でライブをする目標は変わらずに持ちつつも、これからYunoaと活動していく中で、ライバルとしても同志としてもお互いをもっと高め合っていきたいと思いますし、同世代の女の子とかにもVANEsになってもらえるようなアプローチを考えていけたらなって。そして、来年ツアーをまわる頃には、カテゴリーに収まらない老若男女の人たちに集まってもらえるように頑張っていきたいですね。

澤野弘之:新しい体制になったことによって、単純な見え方としてもプラス効果になっていると思うんです。似たようなふたりじゃなく対比できるふたりがいるからこそ、人への伝わり方が良い意味で変わってきていると思うので、それを上手く活かした上で追求したいサウンドを打ち出していって、共感してくれる人をたくさん増やして、NAQT VANEだから行きつける場所に突き進んでいきたいなと思っています。

Interviewer:平賀哲雄

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