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<インタビュー>デビュー20周年を迎えたスキマスイッチが語る、現在の立ち位置
Interview & Text:田中久勝
Photo:筒浦奨太
スキマスイッチのコンセプト・オリジナルアルバム『SUKIMASWITCH 20th Anniversary Tribute Album『みんなのスキマスイッチ』』(5月29日発売)のリリースを記念して、Billboard JAPANでは「#みんなのスキマスイッチ」と題して、中島颯太(FANTASTICS)、橋口洋平(wacci)、セントチヒロ・チッチ、こたけ正義感、林遣都、Kroi、山中拓也(THE ORAL CIGARETTES)、畠中祐、遠藤さくら(乃木坂46)、雨宮天というスキマスイッチをリスペクト&愛するアーティスト、著名人にプレイリストを作成してもらった。大きな反響があり、改めてスキマスイッチが多くの人から愛されていることが伝わってくる企画だった。それぞれの想いが込められためこのプレイリストがスキマスイッチの2人にはどう届いていたのかをインタビュー。さらに7月13日、14日に地元・愛知で開催した【スキマフェス】、ニューアルバム『A museMentally』(7月10日発売)についても聞かせてもらった。
「#みんなのスキマスイッチ」を振り返って
――「#みんなのスキマスイッチ」ではアーティストや声優、俳優、お笑い芸人、熱狂的なスキマスイッチフリークが約200曲の中からプレイリストを作ってくれました。特にマニアックな選曲してるなと思う人はいましたか?
大橋卓弥:まずみなさんが参加してくださったことがすごい嬉しいし、僕がプレイリストを作るとしたら相当悩むし難しいと思う。それを引き受けてくれるって、大変なことをお願いしてしまったと思いました。みなさんこだわって選んでくださって、でもマニアックすぎないところがいいんじゃないですかね。畠中拓さんは、僕達のラジオ(JFN系列『アーティスト・プロデュース・スーパー・エディション』(7月))に出演してくださった時、ずっと僕達の曲を聴いていたというのをとても熱く語ってくれていたので、選曲が濃いです。
――「僕らの青春です!学生の時から無茶苦茶お世話になってます!」とコメントしています。
常田真太郎:「君曜日」とかアルバム曲を挙げてくださっていて。 遠藤さくらさんの「Andersen」「青春騎士」もなかなかマニアックです。
――多かったのは「ボクノート」7人、「全力少年」6人、「キレイだ」「ゴールデンタイムラバー」「ふれて未来を」は5人でセレクトしていて、でも被っていない曲も本当に多くて、改めてそれぞれの人の心にそれぞれのスキマスイッチがいるんだなって思いました。
大橋:「デザイナーズマンション」も3人の方が選んでてくれて、この曲そんなに支持されてるんだってちょっと嬉しかったですね(笑)。

――熱狂的なスキマスイッチファンである中島颯太さんの「"君"という歌詞を自分に置き換えると、隣で支えてくださるよう」というコメントが印象的です。
大橋:いわれてみれば僕も学生時代、色々なアーティストの曲をそういう風に聴いていたなって思ったし、自分達の曲でそう言われると、特に初期の頃は僕とシンタ君が混ざった“スキマスイッチくん”というキャラクターの主人公のことを思い出します。その主人公が曲のストーリーの上を歩いていたりして、聴いてくれる人がそこに自分を重ねて楽しんでくれていました。
常田:Kroiのベース・関将典君が参加してくださったのはびっくりしましたね。あの見た目と(笑)サウンドからはなかなか僕達に繋がらないイメージですけど、『ミュージックステーション』で隣になった時「よく聴いてました」って言ってくれて、思わず「本当に?」って聞いてしまいました(笑)。
大橋:音楽をやっている以上、ミュージシャン’sミュージシャンというか、自分達の音楽がミュージシャンにも届いてほしいという思いは、アーテストはみんなあると思います。でも僕達は他のミュージシャンからそういう反応をもらうようになったのって最近なんです。遠藤さくらさんの「両親の携帯には、車の中で楽しそうに歌っている私の動画があるほどです」というコメントを読むと、親がきっかけで僕達の音楽と出会った人も結構いて、でも大人になっても聴いてもらえているのが嬉しいです。とはいえ、本当に聴いていてくれてたのかなって、いまだに思うんですよね(笑)。
――橋口洋平さんや山中拓也さんのコメントを読むと、スキマスイッチの音楽をこれまでもこれからも聴き続けるという思いが溢れています。
大橋:橋口君のコメントはすごくわかります。自分で歌詞を書いているから僕達の音楽も主人公にスポット当てて聴いてくれているんだろうなって。
――山中さんの“付き纏うエモーショナルスイッチ”というテーマも素敵です。
常田:面白いですよね。ライブが見えるものを選んでくれていて、なるほどって思いました。
――遠藤さくらさんは「なかなか寝付けない夜に聴きたい楽曲」をテーマに選んでいて、スキマスイッチの音楽がリアルにその人の生活に寄り添ってきたんだなということがわかります。
大橋:それは嬉しいですね。
常田:畠中君がラジオで、親から勧めてもらった槇原敬之さんと自分で見つけたスキマスイッチ、その両方で育ちましたって言ってくれたことがすごく嬉しくて。Kroiの関君はお兄さんが聴いていた「夏雲ノイズ」がきっかけだったみたいで、そうやって家族が聴いていたのがきっかけとか、自分で見つけてという人もいて、コメントを読んでいると色々な形で出会って、でも今も聴いてくださっているのが本当に嬉しいです。
――スキマスイッチが主題歌を手がけた『おっさんずラブ』シリーズに出演している、俳優の林遣都さんも熱いコメントを寄せてくれています。
大橋:役者らしいコメントでしたね(笑)。遣都は「Lovin’ Song」(『おっさんずラブ-リターンズ-』主題歌/2024年)を選んでくれていて、でも「Revival」(『おっさんずラブ』主題歌/2018年)が入っていない(笑)。

――セントチヒロ・チッチさんも、いつも隣にはスキマスイッチの音楽があったというコメントでした。
大橋:チッチは初めて買ったCDが「全力少年」だということは以前から聞いていて、それからは様々なシーンで聴いてくれていたようで、僕らはそういうアーティストになりたいと思っていました。当時、車にCDを何枚か持っていく時、そこに必ず入るアーティストになりたいねって2人でよく言っていました。スキマスイッチのCDを一枚入れておけば、色々なシーンにハマるだろうって思ってもらえるアーティストになりたかったです。
――流行に関係なく、スタンダードとして必ず選んでもらえるアーティストが目標だった。
大橋:そうなりたかった。だから日常生活の中でいつもそばにいてくれたという言葉は凄く嬉しいです。
- 「20周年で機が熟したというタイミングでもあった」
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A museMentally
2024/07/10 RELEASE
UMCA-10156 ¥ 3,300(税込)
Disc01
- 01.Intro ~for Compact Disc~
- 02.ゼログラ
- 03.Lovin’ Song
- 04.逆転トリガー
- 05.ごめんねベイビー
- 06.遠くでサイレンが泣く
- 07.Lonelyの事情
- 08.コトバリズム
- 09.魔法がかかった日
- 10.クライマル
- 11.君と願いを
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