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<インタビュー>Billboard International Power Players vol.7 大石圭介 Amazon Music Japan

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 米Billboard誌が、アメリカ以外の国で音楽ビジネスの成功を牽引しているリーダーを称える【Billboard International Power Players】。各国から音楽業界を牽引するリーダーが選ばれた中、Amazon Musicの大石圭介氏が、2024年に初めて選出された。今回、本選出を記念し大石氏へインタビュー。2023年1月に現職に就任してから今まで、どのようなことに注力してきたのか、話を聞いた。(Interview: 礒崎 誠二/高嶋 直子 l Text: 高嶋 直子 l Photo:辰巳隆二)

今のポジションに就いてから、
自分にとってのミッションは3つある

――まず、大石様のキャリアからお伺いできますか。

大石 圭介:私のキャリアを通じた2つのキーワードは、ITとメディアです。この2つの掛け算で、お客様にどのようなイノベーションをお届けできるのかにチャレンジし続けています。

 まず、私は新卒でソニー株式会社に入社し、PC/IT事業のサプライチェーンのマネジメントやファイナンス、経営管理や経営戦略といった分野で働いていました。その後2014年Amazonに入社して以来、一貫してメディア事業に関わっています。Amazonでは、まずリテール部門でデジタルビデオゲームの立ち上げを担当し、2017年からビデオゲームとソフトウエアビジネスの事業責任者に就任、その2年後に音楽のパッケージ事業の責任者も兼務するようになったので、音楽の仕事に関わりはじめたのは、2019年頃からです。そして2023年1月に、Amazon Music Japan のディレクター&ゼネラルマネージャーに就任しました。


――ずっと音楽業界でキャリアを過ごしてこられたのでは、ないのですね。

大石:そうなんです。でも音楽は自分の人生において、いつもとても大事な要素でしたので、いつかチャレンジしたいと思っていたポジションでした。一方で、Amazonという会社は、お客様のことを第一に考えながらテクノロジーを使って、どんなイノベーションを起こせるのかを重要視している会社です。その姿勢は、音楽に携わる前も今も変わりません。


――2023年1月以降、どのようなことに取り組まれましたか。

大石:私が今のポジションに就いて、音楽業界や、アーティスト、そしてお客様に貢献したいと思っているミッションがつ3つあります。まず、1つ目は日本の音楽リスナーの間口を広げること。2つ目は、お客様の音楽に対する楽しみ方を広げること。ストリーミング・サービスは音楽を聴くためのものですが、Amazon Music、そしてAmazonにはお客様とアーティストを繋げる接点がたくさんあります。それを使いながら、楽しみ方を広げていきたいと思っています。3つ目は業界全体の課題だと思いますが、日本やアジアのアーティストのグローバル展開に対して、サポートすることです。

 まず1つ目の「音楽リスナーの間口を広げる」ですが、お客様の声に耳を傾け、ニーズに応えることが不可欠だと考えており、それが着任以来の私の最も重要な任務となっています。


――Amazon Musicには様々な会員種別がありますが、様々な改善をされてこられたのですね。

大石:私たちは常に、Amazon Musicをご利用いただいているすべてのお客様に最高の体験をお届けすることに注力しています。欧米と比較すると、日本はストリーミングのペネトレーションがまだまだ低いです。逆に言えば、伸びしろがある。LUMINATEのデータによると、音楽ストリーミングの普及はZ世代やミレニアル世代が牽引しているとあります。つまり、それ以上の世代はまだ伸びしろがある。そして、これは業界全体の課題だと思っています。この年代って、音楽を熱心に聴いていた時期があったのに、仕事やライフステージの変化によって離れてしまった人たちですよね。僕も同世代なので、どうすればその人たちが、音楽と共にある生活に戻ってきてくれるのかを考えています。我々のサービスはストリーミングだけではなく、CDやDVDを買うこともできますし、映像を見ることもできる。そういう接点を数多く持っているので、その世代に対する課題に取り組む、とても良いポジションにいると思っています。

 2つ目の「お客様の音楽に対する楽しみ方を広げる」についてです。Amazonは様々なサービスの集合体ですので、アーティストのリリースのタイミングにアーティストをサポートすることについて、昨年から積極的に行ってきました。例えば、パッケージの発売が決定すると、まず特設サイトを立ち上げパッケージのプロモーションを強化します。そこからリスナーの興味がストリーミングに移ってきたころに、インタビューを含めたプレイリストの立ち上げなどデジタルだからこそできるプロモーションやマーケティングを強化していきます。こういった形で2~3か月ほどかけて、アーティストの皆様と一緒にお客様との接点を作っていく。これは、我々だからこそできることかなと。このあたりは、この1年で強化してきたポイントの一つです。


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