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<インタビュー>AORレジェンズによるCWFが来日公演開催――元シカゴのビル・チャンプリンが意気込みを語る
ポップ・ロック/AORのスーパーグループ、CWFがいよいよビルボードライブに初登場。至極のサウンドに酔いしれる来日公演を前に、メンバーのビル・チャンプリンへのインタビューを敢行。CWFとは何者なのか? ビル本人の言葉とともに、音楽ライターの中田利樹さんが綴ります。
この記事は、2024年8月発行のフリーペーパー『bbl MAGAZINE vol.199 9月号』内の特集を転載しております。記事全文はHH cross LIBRARYからご覧ください。
Text:中田利樹
ドリーム・バンドが鳴らす、現代のウエストコースト・サウンド
1982年からシカゴのヴォーカリスト&インスト奏者として数々の名曲、名作に携わったビル・チャンプリン(C)、現TOTOのヴォーカリストとして活躍するジョセフ・ウィリアムス(W)、そしてTOTOやシカゴから大きな影響を受けたスウェーデン生まれのギタリスト、ピーター・フリーステット(F)。現代のウエストコースト・サウンドをこの3人でクリエイトし、日本でも絶対的な支持を集めるCWFが最新作『CWF3』を携えてついにビルボードライブのステージに立つ。なんともエキサイティングな瞬間だ。そんなグループを代表して、ビル・チャンプリンが日本のファンにコメントを届けてくれた。
「日本に行くのは7〜8年ぶりじゃないかな? ある時期の僕のパスポートを見ると、押してあるスタンプは成田、成田、成田……と成田ばかり! どれだけ日本に行ってるんだ!?って思うくらいだったから、日本にこれだけ行けてないのは、本当に寂しかったんだ。ジョー(ジョセフ)がTOTOで忙しくなり、捕まえるのが大変なんだ。彼らはノンストップで仕事をしてるからね。そんなジョーだけど、今回は時間を作ってくれたので、日本にようやく行けることになった。昔は本当にたくさんのレコーディングでジョーと一緒に歌ったもんさ。日本のレコードも多くあった。自分たちのヴォーカル・テクニックやアレンジ力を保つための良い経験の場だったんだ。まぁ、ジョーにはそんなもん必要ないか。彼のDNAはジョン・ウィリアムス(映画音楽の巨匠)なんだからね! ジョーと歌うのはどんな時もだけど、特にスタジオワークは好きだよ。僕ら、2人ともかなり奔放なアレンジャーなんでね」
最新作『CWF3』はジョセフがリード・ヴォーカルをとる、まさにTOTOの名作『The Seventh One』(1988年)を彷彿とさせるナンバーが数曲あったりと、全体を通してキャッチーなメロディーと見事なテクニック&ドライヴ感溢れる傑作に仕上がっている。またゲストも、元シカゴのジェイソン・シェフ、AORマニアの憧れでもあるマイケル・ラフ、さらに、ジョン・ロビンソン、ビル・カントス……と随所で名手を起用。文字通りAORファン、ポップ・ロック・ファン必携の1枚になっているが、ライヴでは新作からの曲にこだわることなく耳馴染みの名曲もいろいろと聴けそうだ。ビルがこう語る。
「(シカゴの)『Hard Habit To Break(忘れ得ぬ君に)』は大抵やるし、(アース・ウィンド&ファイアーの)『After The Love Is Gone』も。(ジョージ・ベンソンに提供した)『Turn Your Love Around』は会場に本物のオルガンがある時はやらないわけにはいかない。オルガン・ソロが弾けるから!(笑) TOTOのビッグ・ヒットからも何曲かやる予定だし、もちろんCWFのアルバムからの曲もやる。これまでのアルバムにもなかなか良い曲がいっぱいあるんだよ。それに、ライヴをやる時、新作があるのはやっぱり良いことなんだ。アルバム全曲を演るわけじゃない。でもたとえ1〜2曲でも演奏できる新曲があるっていうのは、ギグのためにも良いんだよ。
TOTO - Stop Loving You
Chicago - Hard Habit To Break
日本のウエストコースト・ミュージックのファンほどの熱量は、他では経験したことがないよ。しっかりと考え抜かれた楽曲、音楽を求める気持ちが本当に強いんだ。だからボビー・コールドウェルも日本でビッグだったんだと思う。彼の曲は考え抜かれた、美しいものだった。僕も、そういう音楽を聴きたいと思ってくれるオーディエンスのために演奏するのを、心から楽しみにしている。プレイヤーとリスナー、シンガーとリスナー、その両方がいてこそ成り立つのさ。日本のリスナーみたいにちゃんと聴いてくれるオーディエンスだったら……それ以上望むことはないよ。とにかく日本には久しぶりなので、ずっと会えなかった友人たちと会えるのを楽しみにしているよ」
ビルやジョセフが直ぐ目の前で歌う姿を、ぜひとも全身で受け止めていただきたい。“本物中の本物”が体感できる、貴重な機会を逃す手はない!
公演情報
【CWF (Champlin Williams Friestedt)】
2024年9月10日(火)大阪・ビルボードライブ大阪
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2024年9月12日(木)- 9月13日(金)東京・ビルボードライブ東京
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[メンバー]
Bill Champlin (Vocals,B3,Guitar,Keys)
Joseph Williams (Vocals)
Peter Friestedt (Guitar)
Tamara Champlin (Vocals)
Stefan Gunnarsson (Keys,Vocals)
Johan Franzon (Drums)
Johan Granström (Bass)
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リリース情報
関連リンク
CWF3
2024/08/21 RELEASE
SICX-30206 ¥ 2,970(税込)
Disc01
- 01.ブライター・デイ
- 02.シュア (feat.ジェイソン・シェフ)
- 03.ウイングス・オブ・トゥモロー
- 04.ファインド・ザ・ラヴ
- 05.キャリー (feat.ジェイソン・シェフ)
- 06.アイ・ウィル・ファインド・ユー・ゼア (feat.マイケル・ラフ)
- 07.ステイ・ウィズ・ミー
- 08.オールモスト・ハド・ミー・ゼア
- 09.フライ・アウェイ・ナウ
- 10.モーメンツ・オブ・ジョイ
- 11.ラスト・アンブロークン・ハート (feat.タマラ・チャンプリン)
- 12.タイム・ネヴァー・ストップス (日本盤ボーナス・トラック)
- 13.忘れ得ぬ君に <LIVE> (日本盤ボーナス・トラック)
- 14.君の瞳の中で <LIVE> (日本盤ボーナス・トラック)
- 15.キャリー・オン <2024リマスター> (日本盤ボーナス・トラック)
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