Text：高橋梓

　7月26日から28日まで、米ロサンゼルス・Crypto.com Arena、LA Convention Center、GILBERT LINDSAY PLAZAで開催される【KCON LA 2024】に、INIが出演する。INIは【KCON LA 2022】で初登場を果たして以来、今年で3年連続の出演となる。

　INIとは、2021年に放送されたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』（GYAO!／TBS系）から誕生した11人組グローバルボーイズグループ。その人気は結成当初からかなり高く、デビュー前から特別番組『はじめまして！僕たちINIです！』（GYAO!）が放送されたり、デビュー当日から『よるのブランチ』（TBS系）内で冠コーナー「体当たり調査！INIのチャレンジグルメ」を担当していたほどだ。その後も順調にファンダムが大きくなっていった印象だが、メンバー一人ひとりに魅力があったことはもちろん、デビュー当初にはこれまで日本国内ではほとんどなかった施策をしていたことも、盛り上がった理由の一つだと考えられる。

　たとえば、デビューシングル『A』のリリース前、「Rocketeer」と「Brighter」の2曲のティザーを公開し、ファン投票で活動曲を決定するという企画がおこなわれた。結果、パワフルなダンスナンバーである「Rocketeer」が選ばれ、INIといえばヒップホップを取り入れたダンスナンバー、というイメージが形成されたのである。同企画の実施にあたり、「国民投票によって集まったINIらしく、ファン投票によって活動曲が選ばれる新しいシステムを採用しました」と公式HPでうたわれていたが、オーディション時から見守ってきたMINI（INIのファンネーム）もチームの一員として迎え入れたいという思いもあったのではないだろうか。実際、昨今ではSNS上に「#チームINIandMINI」というハッシュタグも誕生している。

　その後もリリースしたシングルは、いずれもBillboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で1位を獲得。また、6月26日にリリースされた6thシングル『THE FRAME』は自己最高成績を収め、初週で81万2,184枚の売上を記録。自身のこれまでの初週売上枚数トップだった2ndシングル『I』の74万2,208枚を大幅に上回り、ダウンロードやストリーミング等、計6指標による総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”でも首位を獲得した。6月17日に公式YouTubeチャンネルに公開された『THE FRAME』のタイトル曲「LOUD」のMVも、7月24日時点で1,180万再生を超えている。

　ちなみに、メンバーが楽曲制作に携わることも徐々に増えてきており、自分たちの個性をしっかり提示し始めているのも彼らの特徴だろう。西洸人の「SPECTRA」「DROP」、「LEGIT」の作詞参加、「Walkie Talkie」の作詞作曲をはじめ、許豊凡は「I'm a Dreamer」、髙塚大夢は「My Story」、田島将吾は「Runaway」「TAG」、髙塚とともに「Dirty Shoes Swag」、藤牧京介は「YOU IN」、池﨑理人は田島とともに「10 THINGS」、藤牧とともに「Ferris Wheel」の作詞に参加。さらに、木村柾哉は「Moment」や「YOU IN」、「KILLING PART」（西と共作）の振付を担当している。

　こうしたクリエイティブ力もそうだが、彼らの人気は高いパフォーマンス力があってこそ。11人揃ってのパフォーマンスはパワフルでとにかく派手。「華がある」という言葉がしっくり来るのではないだろうか。そして、その迫力あるパフォーマンスを一度見れば、虜になってしまうはずだ。しかも、彼らはもともと経歴も、持っているバックグラウンドもバラバラ。ダンスが得意なメンバーもいれば、歌が得意なメンバーもいる。中でも、池﨑と佐野雄大は歌もダンスも未経験でオーディションに参加しているが、今ではTikTokに個人でダンス動画をアップするほどに成長。11人全員が歌でもダンスでも存在感を示すようになっているのだ。努力の痕跡が見えるという点においても、彼らのパフォーマンスは魅力的なのである。

　そして、クオリティの高いパフォーマンスができるのは、本人たちの努力はもちろんのこと、様々なステージを経験してきたからこそだろう。デビュー直後に【INI 1ST FAN MEETING】を開催、その後もCDリリースの度にショーケースをおこなっていることはもちろん、2022年にはホールツアー、2023年にアリーナツアーを完走。2024年2月24日および25日には大阪・京セラドーム大阪にて、ドーム公演【INI 2ND ARENA LIVE TOUR [READY TO POP!] IN KYOCERA DOME OSAKA】も成功させ、アリーナ＋ドームをあわせた【READY TO POP!】ツアーとしては計20万人を動員した。

　それだけにとどまらず、【WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2022】や【JAPAN JAM 2024】など、野外ロックフェスにも多数出演してきたINI。いわば“アウェー”の現場でも自分たちらしさを大切に、多くの人々を魅了してきた。そして2024年はこのあとも、【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024】【SUMMER SONIC 2024】といった大型フェスにも出演することが決定している。まだまだ彼らのパフォーマンスに圧倒される人は増えていきそうだ。

　そんな彼らは【KCON】の常連だ。3回目の出演となる【KCON LA】だけでなく、【KCON 2023 THAILAND】や韓国【KCON】、音楽番組『M COUNTDOWN』への出演など、海外でのパフォーマンス経験も徐々に増えてきている。デビューからもうすぐ3年、この先INIはどんな道を進んでいくのだろうか。彼らの行く先に刮目したい。