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Billboard JAPAN 2024年上半期チャート発表、Creepy Nuts/SixTONES/Mrs. GREEN APPLEが首位



 ビルボードジャパンの2024年上半期チャートが決定した。本特集では総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”、総合アルバム・チャート“Hot Albums”、“JAPAN Hot 100”と“Hot Albums”のポイントを合算したアーティスト・チャート“Artist 100”、そして昨年9月に発表開始となった世界でヒットしている日本の楽曲をランキング化した“Global Japan Songs Excl. Japan”などの上半期チャートを解説とともに発表する。

 日本のアーティストの海外進出が進む中、Creepy Nutsは、2024年上半期“JAPAN Hot 100”と“Global Japan Songs Excl. Japan”を制した「Bling-Bang-Bang-Born」をきっかけに海外からの視聴が増え、国内外の総ストリーミング数が2023年の1.7億回から、2024年上半期は11億回へと大きく増加した(ルミネイト調べ)。このデータからも、グローバルヒットのインパクトがいかに大きいかが分かるのではないだろうか。

※集計期間:2023年11月27日(月)~2024年5月26日(日)


JAPAN Hot 100

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」が総合首位、
グローバルとともに国内チャートも制す



▲ 「Bling-Bang-Bang-Born」×TV Anime「マッシュル-MASHLE-」Collaboration Music Video / Creepy Nuts


 2024年の上半期Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”で、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が首位を獲得した。

 本楽曲はTVアニメ『マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編』のオープニング・テーマで、オープニング映像で主人公が躍るダンスが注目を集め、BBBBダンスとしてTikTokを中心に話題を呼んだ。2024年1月7日にリリースされると、1月31日に首位を獲得。その後もストリーミング、カラオケ、動画など複数の指標が牽引し13連覇を達成、集計期間中で通算16回の首位となった。上半期チャートでは期間中の累計ストリーミング数が348,998,877回で1位、ダウンロードが268,561DLで1位、動画再生1位、ラジオ2位、カラオケ5位で、総合2位以下に大差をつけ上半期を制した。

 本楽曲の特徴は、 海外でヒットしている日本の楽曲をランキング化した“Global Japan Songs Excl. Japan”で先に首位を獲得したことだ。日本でヒットしてから、海外へと広がったのではなく、同じタイミングで国内外でヒットに。“Global Japan Songs Excl. Japan”ではその後、一度も首位を譲ることなく集計期間中で19連覇を達成した。期間中のストリーミング数を見てみると、日本での累計ストリーミング数は約3.5億回、グローバルでは約5.1億回(※ルミネイト調べ)と、30%以上が海外から視聴されるという、世界的なヒットを記録した。

 続く2位は、tuki.の「晩餐歌」だ。TikTokで弾き語りを投稿していたtuki.による初めてのデジタルシングルで、2023年9月にリリースされると10月11日公開チャートで14位に初登場した。総合首位を獲得したのは2024年1月24日公開チャートのみだったが、ストリーミング、動画、カラオケでトップ10内を維持。タイアップもなく、今年4月までは、ほぼメディア露出もない中、上半期チャートで2位につけた。タイアップがない中で、彗星のごとく現れた楽曲といえば、シャイトープ「ランデヴー」も挙げられるだろう。2023年4月にリリースされると、TikToKを中心に話題となり、"TikTok Weekly Top 20"でも、たびたびチャートイン。上半期では主にカラオケとストリーミングでポイントを獲得し、17位につけた。

 そして3位は、2023年の年間チャートで首位を獲得したYOASOBI「アイドル」。『NHK紅白歌合戦』への出場も後押しし、2023年12月以降もストリーミングとカラオケでトップ10内を守り抜き、上半期はストリーミング3位、ダウンロード9位、動画5位、ラジオ15位、カラオケ2位を獲得した。なお、「アイドル」も米ビルボード・グローバル・チャート“Global Excl. U.S.”で首位を獲得するなど、グローバル・ヒットした楽曲の1つだ。上半期集計期間中のストリーミング数を国内外で比較すると日本は約2億回、グローバルでは約3億回(※ルミネイト調べ)が視聴されており、約30%が海外からとなっている。さらにYOASOBIの全楽曲で見ると約6割が日本からで、2位に台湾、3位に韓国、4位にアメリカと、海外からの視聴が約4割を占める(※1)。


▲ 「アイドル」MV / YOASOBI


 音楽ソフトの売り上げでは世界第2位を維持している日本だが、ストリーミングは諸外国から大きく後れをとっており、2023年の全世界でのストリーミングの売上が193億ドル(約2兆8,950億円、1ドル=150円)だったのに対し、日本国内の売上は1,056億円だ。Creepy Nutsの海外からの視聴が2023年下半期は12%だったのに対し、2024年上半期は33%へと増えたことで、全楽曲の総ストリーミング数が1.7億回から11億回へと大きく増加(※2)。この数字からも、グローバルでヒットすることによるインパクトが、いかに大きいかが分かるだろう。2024年以降もどんな楽曲がどのように世界へと広がっていくのか、チャートアクションに注目だ。

※1:ルミネイト調べ。2023年11月27日~2024年5月26日で集計したオーディオストリーミングとビデオストリーミングの合計
※2:ルミネイト調べ。2023年5月29日~11月26日と、2023年11月27日~2024年5月26日の比較

Text by 高嶋直子

  • 2024年 上半期Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”
  • 1位
    Bling-Bang-Bang-Born
    Creepy Nuts
  • 2位
    晩餐歌
    tuki.
  • 3位
    アイドル
    YOASOBI
  • 4位
    Ado
  • 5位
    ケセラセラ
    Mrs. GREEN APPLE
  • 6位
    怪獣の花唄
    Vaundy
  • 7位
    幾億光年
    Omoinotake
  • 8位
    SPECIALZ
    King Gnu
  • 9位
    勇者
    YOASOBI
  • 10位
    花になって
    緑黄色社会


Creepy Nuts
インタビュー抜粋

「全く想定していなかったので、驚きというか……あまり実感がないというのが勝っていますね。でも、ありがたい。嬉しいです。」ーーR-指定

「俺もそうですね。完全にマイペースに「ゆっくり楽しく曲作るか」みたいなモードでやっていたところでのこれ(ヒット)だったので、より想定外というか。ちょっとありがたすぎてピンとこない、みたいな状態になっています(笑)。」ーーDJ松永

▲ TOP


Hot Albums

SixTONES『THE VIBES』が総合首位 SEVENTEEN/宇多田ヒカルが続く



▲ 「SixTONES – 4th Album「THE VIBES」nonSTop digeST」


 2024年度上半期のBillboard JAPAN総合アルバム・チャート“Hot Albums”で、SixTONESの『THE VIBES』が首位を獲得した。

 『THE VIBES』はSixTONESの4thアルバムであり、2024年1月10日にリリース。同作は、さっそく集計初週に500,570枚を売り上げてハーフミリオンを達成し、CDセールスで首位を獲得。その後は少しずつ順位を下げているものの、CDセールス、総合アルバム・チャートともに20週連続でチャートインし続けた。結果的に、上半期累計では571,187枚でCDセールス1位を記録した。



▲ 「Maestro」MV / SEVENTEEN


 総合2位にチャートインしたのは、SEVENTEENのベストアルバム『17 IS RIGHT HERE』。4月29日(日本国内版CDは4月30日)にリリースされた本作には、新曲の「MAESTRO」やこれまでのシングル曲などを含む全22曲(デジタルは全23曲)が収録されており、上半期の累計ではCDセールスが503,691枚で2位、ダウンロード数が2,628DLで30位を記録した。集計初週で404,245枚を売り上げてCDセールス首位を獲得した本作は、2週目でも82,550枚でCDセールス/総合ともに3位につくなど、週を重ねても高い順位をキープしている。なお、SEVENTEENは総合5位にも『SEVENTEENTH HEAVEN』(CDセールス359,838枚で3位)が登場しており、トップ10内では唯一の複数作チャートインを達成した。

 総合3位には、宇多田ヒカルの『SCIENCE FICTION』がCDセールス293,456枚で5位、ダウンロード数27,017DLで1位を記録しチャートイン。デビュー25周年を記念した自身初のベスト・アルバムである本作は4月10日にリリースされ、集計初週で185,568枚を売り上げてCDセールス1位、ダウンロード数11,531DLで1位と、2冠を達成する好スタートを切っていた。本作はリリースから6週連続で総合アルバム・チャートのトップ10に登場し続け、その後も上位を走行している。

 続いて、2023年11月29日にリリースされたKing Gnu『THE GREATEST UNKNOWN』が、CDセールス275,723枚で6位、ダウンロード数25,253DLで2位を記録して総合4位に登場。前述の『SEVENTEENTH HEAVEN』に次いでCDセールスで4位(344,634枚)を記録したINIの『MATCH UP』は、ダウンロードでは35位(2,487DL)となり、総合では6位にチャートインした。

 一方ダウンロード指標では、Ado『Adoの歌ってみたアルバム』が23,133DLで前述の『SCIENCE FICTION』と『THE GREATEST UNKNOWN』に続いて3位を記録。CDセールスでは112,419枚で19位を記録した本作は、総合順位としては13位にチャートインしている。ダウンロード4位(14,895DL)を記録したTravis Japan『Road to A』はCDセールスでも12位(190,372枚)に登場しており、両指標でバランスよくポイントを積み上げ、総合8位にチャートインしている。

 トップ20の内訳は、アルバム・セールス・チャート“Top Albums Sales”と同様、男性アーティストが20作品中15作品と多数を占めており、女性アーティストはダンス&ボーカルグループが3作品、ソロ・シンガーが2作品登場する結果に。また、各2作ずつチャートインしたSEVENTEENとTREASUREをはじめ、20作品中8作がK-POPとなっている。

 また、トップ20内に登場したアーティストのうち、上半期の総合ソング・チャート“JAPAN Hot 100”にも楽曲がチャートインしているのは、宇多田ヒカル、King Gnu、Ado、LE SSERAFIMの4組にとどまった。いずれもCDセールスとダウンロードの両指標において、長期的にチャート上位を走っているアーティストである。これは、2023年の上半期と年間チャートでも見られた傾向だ。逆に、今回“JAPAN Hot 100”に登場しなかったアーティストたちはCDセールスがチャート成績を牽引している作品が多く(中にはSixTONES『THE VIBES』のように、CDでしかリリースされていない作品もある)、ファンによる熱量の高い応援がチャートアクションに繋がっていると考えられる。前述の4組のうち、3組は複数楽曲が上半期“JAPAN Hot 100”に登場している。今後、このように“Hot Albums”での好成績と“JAPAN Hot 100”における長期的なチャートアクションを両立するアーティストが増えていくのか、下半期も引き続きチャートに注目していきたい。

Text by Haruki Saito

  • 2024年 上半期Billboard JAPAN総合アルバム・チャート“Hot Albums”
  • 1位
    THE VIBES
    SixTONES
  • 2位
    17 IS RIGHT HERE
    SEVENTEEN
  • 3位
    SCIENCE FICTION
    宇多田ヒカル
  • 4位
    THE GREATEST UNKNOWN
    King Gnu
  • 5位
    SEVENTEENTH HEAVEN
    SEVENTEEN
  • 6位
    MATCH UP
    INI
  • 7位
    AWARD
    WEST.
  • 8位
    Road to A
    Travis Japan
  • 9位
    PULL UP!
    Hey! Say! JUMP
  • 10位
    Reboot
    TREASURE


SixTONES(ジェシー)
コメント

「今年上半期の1位をいただき、ありがとうございます。僕たちの音楽が多くの人たちに届いた結果、という事でとてもうれしく、感謝の気持ちでいっぱいです。

僕たちのアルバムは毎回コンセプトがあって、今回はロックテイストなモノを中心に、幅広い楽曲を収録し、「VIBES(バイブス)が上がる」作品を目指しました。

どんな人でも必ず「自分のVIBES(バイブス)が上がる曲」が見つかると思いますし、「こんなアイドルがいるのか!」と驚いてもらえる作品だと思いますので、まだ聴いていない方がいらっしゃったら、是非聴いていただきたいです!

SixTONESはこれからも、まだまだ音楽的に色々なチャレンジをしていくので、ぜひ楽しみにしていてください!」

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Artist 100

Mrs. GREEN APPLEが首位、YOASOBI/back numberが続く



▲ 「ケセラセラ」MV / Mrs. GREEN APPLE


 2024年の上半期Billboard JAPANトップ・アーティスト・チャート“Artist 100”で、Mrs. GREEN APPLEが首位を獲得した。

 本チャートは、総合ソング“JAPAN Hot 100”と総合アルバム“Hot Albums”のポイントを合算したアーティスト・ランキングだ。Mrs. GREEN APPLEは、上半期総合ソング5位の「ケセラセラ」を筆頭に上位100内に計14曲がチャートインし、“Hot Albums”にも2023年7月リリースの『ANTENNA』と2020年7月リリースの『5』という、いずれも集計期間より前の作品が2作チャートインした。“Artist 100”の各指標を見てみるとストリーミング、動画、カラオケで1位、ラジオ3位、ダウンロード2位、CDセールス29位という結果に。ストリーミング・ソング・チャートにも14曲がチャートインしており、そのうち9曲(「ケセラセラ」「ダンスホール」「Soranji」「Magic」「青と夏」「点描の唄 feat.井上苑子」「インフェルノ」「僕のこと」「ブルーアンビエンス (feat.asmi)」)は集計期間中、すべての週でチャートインを果たすというロングヒットとなった。なお、ダウンロード・ソング・チャートにも計8曲がチャートイン、特に「ケセラセラ」「ダンスホール」は全ての週でチャートインした。

 続く2位は、2023年の年間チャートを制したYOASOBI。“JAPAN Hot 100”では3位「アイドル」、9位「勇者」、46位「夜に駆ける」など6曲がチャートインし、“Hot Albums”は31位『THE BOOK 3』、93位『THE BOOK 2』の2作が入った。“Artist 100”の各指標を見てみるとストリーミング2位、動画3位、ダウンロード3位、カラオケ5位、CDセールス51位、ラジオ10位を獲得し、ストリーミング・チャートでは3位「アイドル」など6曲がチャートイン、ダウンロード・ソング・チャートでは4曲がチャートインし、「アイドル」「勇者」が全ての週でチャートインするというロングヒットとなった。



▲ 「水平線」MV / back number


 そして3位はback number。Hot Albumsへのチャートインはなかったが、Hot 100には24位「水平線」など9曲がチャートインした。ストリーミング3位、ダウンロード25位、動画11位、カラオケ2位、ラジオ27位と、主にストリーミングとカラオケでポイントを獲得。back numberは2024年1月リリースの「冬と春」以外は、1年以上前の曲がHot 100にチャートインしており、2013年リリースの「高嶺の花子さん」や2011年「花束」といった、10年以上前の楽曲もトップ100内に。カラオケやストリーミングによって、時代を超えて愛され続けていることが分かる結果となった。

 そのほか、K-POPグループで最も順位が高かったのは11位のLE SSERAFIMで、CDセールス指標で最も高ポイントを獲得したSEVENTEENが13位、NewJeansが16位に続く。また、日本人のダンス&ボーカルグループで最も順位が高かったのは21位のNumber_iだ。2024年1月1日にデビューしたばかりだが、ラジオ、ダウンロード、動画指標でトップ10内に食い込んだ。そして23位にSixTONES、28位にBE:FIRSTが続く。

 2023年の年間チャートから大きく躍進したのはtuki.。2023年9月に初のデジタルシングルとしてリリースした「晩餐歌」など、ストリーミング、ダウンロードを中心にポイントを獲得して12位に付けた。そして宇多田ヒカルが、2023年年間“Artist 100”42位から上半期17位へと浮上。4月にアルバム『SCIENCE FICTION』をリリースした影響で大きく順位を上げた。また、緑黄色社会も37位から19位へとランクアップ。2023年12月にリリースされた「花になって」は、ストリーミング、ダウンロードの両方で支持を集め、Hot 100で10位を獲得した。

Text by 高嶋直子

  • 2024年 上半期Billboard JAPANアーティスト・チャート“Artist 100”
  • 1位
    Mrs. GREEN APPLE
  • 2位
    YOASOBI
  • 3位
    back number
  • 4位
    Ado
  • 5位
    Vaundy
  • 6位
    Official髭男dism
  • 7位
    King Gnu
  • 8位
    Creepy Nuts
  • 9位
    優里
  • 10位
    あいみょん


Mrs. GREEN APPLE(大森元貴)
コメント

「アーティストチャートにて1位ということで大変光栄です。
いつも応援してくださるJAM’S、そしてたくさんの方に心の底から感謝しています。
これからもまず僕ら自身がワクワクできる、良いと思える、そんな作品を届けるべく様々な活動を通してMrs. GREEN APPLEという舟を大きくしていけたらと思っております!

改めてこの度はありがとうございます。」

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