Special
<コラム>SEVENTEENのすべてが詰まったベストアルバム『17 IS RIGHT HERE』から感じる13人の挑戦とCARATへの思い
(P)&(C) PLEDIS Entertainment
Text: 紺野真利子
SEVENTEENが過去、現在、未来の集大成となるベストアルバム『17 IS RIGHT HERE』でカムバックした。本作にはこれまでのタイトル曲20曲と、日本オリジナル曲を韓国語に翻案した8曲が収録。さらにタイトル曲「MAESTRO」を含む新曲4曲と「Adore U」のインストゥルメンタルver.(デジタル音源のみ)も収録されており、SEVENTEENのすべての歩みを盛り込んだ一枚となっている。
本アルバムは初週に404,245枚を売り上げて、2024年5月8日公開(集計期間:2024年4月29日~5月5日)のBillboard JAPAN週間アルバム・セールス・チャート“Top Albums Sales”で1位を獲得。ダウンロード2位も獲得して、総合アルバム・チャート“Hot Albums”で初登場1位にチャートインしている。
「MARSTRO」は、強烈なピアノサウンドのイントロが印象的なR&Bジャンルの楽曲だ。楽曲制作を行ったWOOZIはグローバル記者会見にて、「“マエストロ”とは指揮者という意味と、ある分野で認められる人を意味しますが、SEVENTEENも多様なメンバーが集まって最高になるというメッセージを込めました」と語った。また、WOOZIは「「MAESTRO」にはSEVENTEENが過去にリリースした「Adore U」、「VERY NICE」、「Oh My!」、「Fear」、「Rock with you」、「CHEERS」、「Super」と計7曲の要素を盛り込んでいます」と会見中に当たり前かのようにサラッと明かしていたが、冷静に考えてとんでもない。すごすぎる。ただ曲を制作するだけでも大変な作業であるはずなのに、過去曲の要素まで入れ込むなんて……WOOZIにできないことってもはやないのではないか? やっぱりWOOZIこそが“音楽の神様”なのではなかろうか。「MAESTRO」は、もちろん普通に聴いても名曲に違わないが、「どこにどの曲のソースがどんなふうに入ってるんだろう!?」と、何度でも聴きたくなる。SEVENTEENにとってもCARATにとっても、特別な一曲だ。
ミュージック・ビデオも、これまでSEVENTEENが試みたことのないディストピア(暗黒世界)が舞台となっている。すべてをAIや新しい技術で作り出すことのできるこの世の中で、「真の創作とは?」を表現した作品だ。最初に登場するHOSHIの片腕がないように見えたり、“MISSION MAESTRO”の文字が出てきたり、メンバーが赤と白のそれぞれ色の違う指揮棒を持っていたりと、見る人によってさまざまな解釈のできるストーリー性のあるMVとなっている。公開されてすぐに「このメンバーはAI側か?」「このメンバーはAIと戦っているのでは?」など、世界中のCARAT達がSNS上で考察をスタートしており、それを読んでいるだけでも楽しい。そして“これぞSEVENTEEN!”な圧巻のダンスブレイクでは、「やっぱり真のマエストロは、あなたたちですね!」と思わせてくれる。
アルバムにはHIPHOP TEAMの「LALALI」、PERFORMANCE TEAMの「Spell」、VOCAL TEAMの「Cheers to youth」と、ユニット曲の新曲も収録されている。
「LALALI」は軽快なサウンドが聴いていて楽しいHIPHOP TEAMらしい一曲。「SVTは止められない」「俺らのチームは自由」「できるなら俺らみたいにやってみれば?」と、ゴリゴリのラップをかましていて、絶対にライブで最高に盛り上がると確信できる。さらに、「言ったでしょ? 俺はモンスター」と、昨年リリースした“ヒポチ”の曲「Monster」と繋がっている歌詞もあり、これは前作を聴いていないとわからないフレーズだ。彼らの遊び心を感じるし、まるでHIPHOP TEAMの4人とCARATだけの秘密の暗号のような気がして嬉しい。
PERFORMANCE TEAMの新曲「Spell」は、幻想的なシンセサウンドと彼らの繊細なボーカルがマッチしている楽曲だ。「ここはオーシャンビュー」「ゆらめく波のような心」と歌詞にあるように、海の中を漂っているような、そんな心地よさを感じる。「Spell」というタイトル通り、「僕らだけが知っている言葉で呪文を唱えよう」と、PERFORMANCE TEAMならではの特別な愛のメッセージも込められている。4人だからこそできる、細部まで作り込まれた気だるさと色気の漂うダンスパフォーマンスも必見だ。
そしてVOCAL TEAMの「Cheers to youth」はハングルで「청춘찬가(青春讃歌)」と書くが、キャッチーなメロディがまさに青春っぽさを感じさせる楽曲。HOSHIがメンバーたちに失言を指摘され、「ごめん。今日を生きるのは初めてだから……」と謝ったことから、WOOZIがインスピレーションを受けて作った曲なのだそうだ。何度でも言うが、やっぱりWOOZIって天才すぎやしないか……? そしてこの話を自慢げに嬉しそうに話すHOSHIがたまらない。「自分のことが嫌になっても気にせずにいよう」「僕たちの歌声でどこでも歌おう」という前向きな歌詞と、5人の美声は聴くだけですごく元気をもらえるし、ライブで聴いたら感動して泣いてしまうと思う。
▲【SEVENTEEN TOUR 'FOLLOW' AGAIN TO SEOUL】
2024年4月28日公演より
『17 IS RIGHT HERE』はベストアルバムだが、「単純にこれまでの曲をコレクションするだけじゃなく、今の僕たちの思いや覚悟、CARATと成し遂げていきたい思いやビジョンを入れました」とJEONGHANが語っていたように、「SEVENTEENはここからさらに進化していく」という、彼らの覚悟が十分すぎるほど伝わる一枚だ。「だからこれからも信じてついてこいよ!」という、13人からCARATへの力強いメッセージにも感じられる。
「MAESTRO」の歌詞には、「新しい調和は僕らの誇り」「夢中にならなきゃトップになれない/世の中を変える僕らなんだから」と、デビュー10年目を迎えた今でも常に突き進み、トップであり続けたいという彼らの思いが込められている。「13人でデビューしたことがすでに挑戦だった」というS.COUPSの言葉も印象に残っているが、デビューからこれまで挑戦を恐れずに進んできた彼らは、きっとこれからもCARATに次から次へと新しい景色を見せてくれるのだろう。こんなに推していて楽しくて、幸せを感じられるグループから離れられるだろうか。離れられるわけがない。
いよいよ今月の18日・19日には大阪・ヤンマースタジアム長居にて、25日・26日には神奈川・日産スタジアムにて、SEVENTEENにとって初の日本でのスタジアム公演が行われる。楽しみすぎて今から本当に待ちきれないが、『17 IS RIGHT HERE』を聴き込んで、ワクワクしながらその日を迎えたい。
リリース情報
SEVENTEEN BEST ALBUM『17 IS RIGHT HERE』
<HERE Ver.>
HYBJ-05001 5,874円(tax in)
<HEAR Ver.>
HYBJ-05002 5,874円(tax in)
予約・購入はこちら
<DEAR Ver.>
HYBJ-05003 2,420円(tax in)
予約・購入はこちら
公演情報
【SEVENTEEN TOUR 'FOLLOW' AGAIN TO JAPAN】
2024年5月18日(土)・19日(日)大阪・ヤンマースタジアム長居
2024年5月25日(土)・26日(日)神奈川・日産スタジアム
詳細はこちら
関連リンク
SEVENTEEN 日本公式サイト関連商品