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<インタビュー>FANTASTICS × EPEX、異例の日韓コラボEP『Peppermint Yum』――「Choo Choo TRAIN」が結んだ2組の友情
Interview & Text:尹秀姫
Photo:友野雄
EXILEの想いと信念を受け継ぐ“EXILE TRIBE”のグループであるFANTASTICSと、全員が2000年代生まれというフレッシュさとワイルドなルックスが目を引くEPEX。どちらも8人組であることもそうだが、パフォーマー集団であるということも大きな共通点だ。2組のコラボEP『Peppermint Yum』は3月20日にリリースされるが、2組の初コラボは昨年10月29日に開催されたプロダンスリーグ【第一生命 D.LEAGUE 23-24】開幕戦のハーフタイムショーで行われたパフォーマンスまで遡る。パフォーマンスはまさに圧巻! そんな2組のコラボがなぜ生まれたのか、そしてお互いについてどう思っているのか。FANTASTICSからは佐藤大樹、澤本夏輝、木村慧人、中島颯太、EPEXからはKEUM、BAEKSEUNG、AYDEN、JEFFの4人ずつに集まってもらい、話を聞いた。
コラボのきっかけは「Choo Choo TRAIN」
――まずはこの2組がなぜコラボすることになったのか、経緯を教えてください。
澤本夏輝:いちばん最初は、EPEXのみんなが「Choo Choo TRAIN」を踊ってくれた動画をTikTokにアップしていたのを僕たちが見つけて、それでSNS上でやりとりしたのがきっかけなんですよ。
佐藤大樹:それから、EPEXが日本でファンイベントをやった時に僕たちも見に行かせていただいて、逆に僕らのライブにも来てもらってっていうのがあって。その時に、また何か一緒に面白いことがやれたらいいねって話してたんです。
中島颯太:その後、HIROさんの意見もありつつ、【D.LEAGUE 23-24】のアンバサダーとしてお声がけさせてもらった感じですね。
佐藤:今後、LDHが目指すグローバルマーケットへの進出の第一歩として、日本の音楽だけじゃなくて今までやったことない挑戦をしたいとの想いがあって、K-POPアーティストであるEPEXのみんなとコラボしたらどうかということになりました。僕らと彼らではダンススタイルが違うけど、お互い刺激を受けながら挑戦して、成長しあって、世界にチャレンジする架け橋になるような作品を作りたいというのもありました。メンバーの人数も8人でぴったり同じだし、今までにない化学反応が生まれるんじゃないかということで、「Peppermint Yum」という曲でコラボすることになりました。
BAEKSEUNG:僕は個人的に、すごくいい経験になると思って、話を聞いた時は感激しましたね。それに先輩方と一緒になってひとつのステージを作るということで、みなさんと直接会って仲良くなれたらいいなとも思いましたし、一緒にいろんなお仕事をしてみたいと思って、とにかく楽しみでした。
――今日の撮影を見る限りでは、BAEKSEUNGさんの願いどおり、みなさんすごく仲よくなられたんじゃないかと思うくらい会話も弾んでいましたが、日韓のコラボなのでどうしても文化や言語の違いなどで苦労もあったのではないかと思います。今回のコラボで印象に残っている出来事はありますか?
中島:言葉に関しては、KEUMがすごく日本語が上手で、彼がほぼ通訳してくれたので問題はなかったですね。僕たちが初めて一緒にダンスの振りを練習する日があって、それが【D.LEAGUE】で初披露する前日だったんですよ。深夜に集まって、言葉はなくても振り付けのニュアンスを「ブワーッ」とか「シュクシュク」とかボディランゲージと擬音で表現していて、それがお互いめちゃくちゃ伝わったんです。そういうふうにテンションを上げたり、みんなと一体になったりするのって、言葉がなくてもできるんだなっていうのが新しい発見でしたね。しかもそれで振りがすごく揃うっていう(笑)。
KEUM:(流暢な日本語で)やっぱり、まず僕たちは日本語が下手なのでやりとりは難しかったんですけど、先輩たちがやさしくしてくださって、本当に気持ちが楽でした。僕たちが一緒に舞台に上がる前の練習の時に、先輩たちが一緒に「大丈夫、大丈夫」とか「がんばれ」と応援してくれましたし、本当に楽しかったです。
おたがいの印象は?
――おたがいの第一印象はどうでしたか? その印象は一緒に活動をしていく中で変わりましたか?
佐藤:KEUMの第一印象は、笑顔がとにかく素敵でしたね。グループのまとめ役として僕たちの言葉の通訳もしてくれて、ダンスを練習する時には号令をかけてくれたりして、自分と似ているなって勝手に親近感が湧きました。一緒にやっていくうちに印象が変わったのは、ダンスになるとセンターを任されることも多いし、歌いながら踊った時の表情とか、普段とのギャップの切り替えがすごく良いんですよ。その二面性が羨ましいなと思うぐらい、かっこいいなと思いました。
KEUM:佐藤さんは初めて会った時から優しくて、一緒に面白いことをしたりする時は楽しいし、とにかく面白い人なんですよね。でも撮影する時は本当にプロですし、そのギャップがいちばん大きくて、かっこいいなと思いました。プロ意識が素晴らしい方です。
木村慧人:AYDENは、最初に会った時はシャイなのかな?と思ったんですけど、全然そんなことはなくて(笑)。本当にずっと一緒に話しているんですけど、合間に日本語でちょこちょこ話してくれるんですよ。そういう向上心があるところもいいですよね。あとAYDENのラップの声が好きです。もちろん、みんなの声も好きなんですけど、2番のラップのAYDENが特に好きなんですよね。
AYDEN:ありがとうございます! 木村さんはまず、パッと見てわかるイケメンですよね。それでいて初対面で真っ先に笑いかけてくれてすごくホッとしましたし、嬉しかったです。ライブを観に行った時、あんなに素晴らしい肉体を持っていらっしゃるって初めて知ったんですよ! それがすごく意外でしたし、セクシーでした(笑)。その印象は今も変わらないですね。最高です!
BAEKSEUNG:中島さんは初めて見た時に「かっこいい!」と思いました。歌が本当にうまくて、声のゆらぎというんですかね、それが素晴らしくて惚れ惚れしました。僕たちEPEXはみんな人見知りなところがあるんですけど、中島さんは真っ先に僕たちに話しかけてくださって、仲良く接してくださったので、おかげで僕たちの緊張も早くほぐれました。すごく感謝しています! でも、仲良くなると意外にいたずらっ子な一面があるんだなということが分かりました(笑)。
中島:EPEXのファンミーティングに行かせてもらった時に、BAEKSEUNGのかわいらしい映像が流れていたんですよね。実際に会ってもかわいらしくていい子だなって思っていたんですけど、曲に入った瞬間の世界観の作り方がうまいなというか……見ちゃうんですよね。今回の「Peppermint Yum」も、イントロの表情とパフォーマンスがすごくかっこいいんですよ。仲良くなったら仲良くなるほど大声で叫ぶ瞬間がたまにあって、そういうのが見れてうれしいなって(笑)。リハーサルとかでも急に「ワーッ」て言ったりするんで、かわいいなって。人見知りがなくなっていくのを見るのはすごく好きですね。
JEFF:澤本さんは、初めてお会いした時からその腕の筋肉に目が釘付けになりました(笑)。物静かで、カリスマがあって、とにかくオーラがすごかったんですが、今は学校の先輩のような優しい雰囲気があります。
澤本:JEFFは、初めてファンミーティングに行った時に一緒にTikTokを撮ったんですが、すごい大人っぽい子なのかなと思ったんですよ。でもいざ仲良くなって、撮影やリハーサルを経てみると、やっぱり年下なんだなって(笑)。みんなからもいい感じにイジられたり、ちょっとみんなをお兄さんとして見てるような感じとかがかわいらしいというか。でもステージに立った時や、撮影の時には自分の見せ方をしっかり分かっていて、豹変する感じがめちゃめちゃかっこいいんですよね。
KEUM:JEFFは実際にも末っ子なんですよ。JEFFとAYDEN、ここにはいないYEWANGが20歳です。
佐藤:ハタチ!
中島:(初めて会ったときに)高校に通ってるって言ってたもんね。
初パフォーマンスを振り返って
――【D.LEAGUE】のハーフタイムショーが初めて一緒にパフォーマンスしたステージだったと思いますが、どうでしたか?
木村:それまでにもみんなと会ったりはしていたんですけど、パフォーマンスを合わせたのはハーフタイムショー前日の練習が初めてだったんですよ。それまで、ダンスはずっと一緒に練習しないと呼吸が合わないと思っていたんですけど、EPEXとは、いざ練習してみたら一回踊ったぐらいでもう息が合いはじめて。2、3時間くらいリハーサルしたんですけど、終わる頃にはずっと練習してきたみたいにバッチリ合いましたね。それを本番でそのまま出せたので、すごくよかったです。
中島:でも、お互い本番前はめっちゃ緊張したんですよ。ステージが始まる前は緊張がすごくて、「ドキドキする!」ってずっと言ってました。でもステージ上では目が合ってもめちゃくちゃ堂々としてたんで、「強いな」って思いました(笑)。ステージが終わった後もみんなすごくテンションが上がっていて、一体感がすごかったですね。
AYDEN:あの日は本当に緊張しましたね。ステージに上がってからはとにかく良いパフォーマンスをすることだけを考えてステージに集中しましたし、終わった後は「やりきった」という達成感がありました。お互い励まし合って緊張を乗り越えたからこそいい結果が出たと思うので、満足しています。練習している時から、振りの角度を合わせるなど細部までこだわりましたし、短い練習時間でしたがそれ以上の成果が出せたと思います。
――「Peppermint Yum」はどんな楽曲になりましたか? タイトルや歌詞に込めた思い、パフォーマンスに込めた思いなど教えてください。
澤本:パフォーマンスでいうと、FANTASTICSとしては初めての感覚で踊る振り付けでした。今回は韓国の振付師さんが作ってくださったので、僕ら8人だったらこういう振り付けにはならないんだろうなっていう、EPEXとFANTASTICSだからこそできた振り付けなんだろうなと踊りながら感じることができました。みんな踊れる子たちなんで、そこに合わせてガッツリした振り付けだし、めちゃくちゃかっこいいものになったと思いますね。サビの入り方とか、音の取り方とか、「これ、なんだ!?」みたいなのはめちゃくちゃありましたね。
JEFF:曲に関して言うと、ビートが早くて難しそうだなと思ったんですけど、練習をがんばったのでなんとかできましたね(笑)。
AYDEN:曲調が急に変わるパートがあるんですけど、感覚を上手く生かそうと思ってBAEKSEUNGと曲を研究してがんばりました。上手くできたと思うのですごく満足してますね。
リリース情報
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「ダンスを通して国境を越える」
――レコーディングやパフォーマンスの練習をしている時、どうしても擬音だけでは伝わらない箇所も出てくると思うのですが、そういう時はおたがいどうやってコミュニケーションを取っていたんですか?
佐藤:基本的にKEUMが通訳してくれるし、KEUMがいない時は簡単な英語とか、どっちもわかる言語で話していましたね。そこからEPEXのみんなは日本語を覚えて、僕らは逆に韓国語を教えてもらったりして、おたがい教え合いながらやり取りしていました。それで、次に会った時はおたがいグレードアップしてたり(笑)。あとはボディランゲージで会話していました。覚えた韓国語は「ケサネジュセヨ(お会計お願いします)」です!
KEUM:僕は少しだけ日本語を勉強していたので、先輩たちとは日本語で話をしていますが、先輩たちも韓国語を勉強してくださって。僕は日本語で、先輩たちは韓国語でお互い話したりします。仕事がない時もみんなでLINEしたりしてますよ。休みの日にも、「今日は何をしましたか?」って聞いたりして。
中島:KEUMはいちばんコミュニケーションで困ってなかったよね(笑)。僕らもとりあえずKEUMに話して、EPEXのメンバーの言葉もKEUMを介して日本語にしてもらって。
KEUM:まだまだです! それに、EPEXのメンバーは基本的なひらがなやカタカナは全部覚えました。韓国に帰ってからも、先輩たちともっと日本語で話したい!と思って、日本語を猛勉強して言葉を覚えましたね。僕たちには日本にもZENITH(ゼニス/EPEXのファンネーム)がいるので、日本のZENITHと日本語で話せたらいいよねと思って、一生懸命勉強しました。
――「Peppermint Yum」は、ダンスを通して国境を越えて互いを刺激し高め合い、さらに上のステージを目指していくという想いを込めた楽曲ということですが、「ダンスを通して国境を越える」というのは今のグローバル時代にぴったりなテーマだと思いました。たとえばFANTASTICSは韓国で、EPEXは日本で活動してみたいという考えはありますか?
中島:ミュージックビデオの撮影をしたときに、韓国のカメラマンさんの撮り方が本当にすごくて、刺激をもらったんですよ! だから、そのときの撮り方やスケジュール感でもう一回撮りたいんです。撮影中ずっとテンション上がってました。とにかくカメラスキルがすごいんですよ。カメラマンさんが自分の手でカメラを持っていて、自由自在に動いて撮ってくれるんですけど、ダンサーが「ここを見てほしい」時の動きを全部拾ってくれていて。実際に、撮る前に僕らの動画を見て(動きを把握して)そのまますぐ撮るっていう、そんなプロの技を見て、僕たちは今までそういう撮り方をやったことがなかったからびっくりしました。あの撮り方でいろんな曲を撮ってみたいなって思います。
木村:アーティスト写真を撮った時に空き時間があって、メンバーと一緒にごはんやショッピングに行く機会があったんですけど、韓国は街並みがどこもおしゃれで映えるんですよね。写真もいっぱい撮りました。MVの話で言うと、今度はロケーションでMVを撮ってみたいなって思いました。今回は全部スタジオでの撮影だったので、次回はぜひソウルの街で撮りたいです。
BAEKSEUNG:日本に来てたくさん活動をしましたが、みなさんすごく親切で驚きましたね。個人的にやってみたいことは、先輩方はみなさん俳優としても活躍してらっしゃるので、僕もいつか日本で一緒にドラマへ出演してみたいです!
Peppermint Yum / FANTASTICS × EPEX
――もし、FANTASTICSのみなさんが次に韓国に行くとしたら行きたい場所はありますか? もしくは、EPEXのみなさんは案内してあげたい場所はありますか?
中島:AYDENホーム!(笑)
AYDEN:僕の実家は大田(テジョン)という場所にあって、パンが有名なんですよ。ぜひみなさんと一緒においしいパンを食べに行きたいです。
中島:AYDENの実家も気になるし、もちろん他のメンバーの家も気になるので行ってみたいです。
BAEKSEUNG:僕の家には猫がいます。
AYDEN:あ、僕の家も!
KEUM:実は、僕たち約束したんですよ。僕たちが仕事で大阪に行った時は颯太さんの実家へ遊びに行くって。
中島:この前、リリースイベントがあった場所が実家の近くだったんですよ。「あそこに家がある」って言ったらみんなが「行きたい行きたい」って(笑)。
KEUM:それで約束しました(笑)。
佐藤:個人的には東大門に行ってみたいな。
KEUM:服がたくさん売ってる場所ですね。
中島:僕と慧人は韓国ファッションが大好きで、いつも服をオンラインで買ってるので、実際に売ってるお店に行きたいです。
KEUM:もちろん案内しますよ。連絡する!
――最後に、お互いについて言いたいこと、伝えたいメッセージはありますか?
AYDEN:僕が先輩の立場だったとしたら、後輩たちにここまでよくしてあげることができるだろうか?と思うくらい、兄さんたちには本当によくしていただいて感謝しています。これからもたくさん会いましょう。そしてまたコラボする機会があったらうれしいです。大好き♡
KEUM:やっぱり健康が一番大事ですから。みんな今年も最後まで元気でいましょう!
BAEKSEUNG:愛してる!
JEFF:めっちゃ大好きだよ。
佐藤:僕、ひとつ気になってることがあるんですけど……。韓国って、楽屋で自分の席を決めるルールはないんですか? リリースイベントの時、僕が椅子に荷物を置いて、トイレに行って戻ってきたら、大体違う人が座っていました(笑)。フレンドリーですごくいいなと思ったんですけど、僕の席にAYDENがいたりとか、KEUMがいたりして、僕の荷物はいつの間にか弾かれてるっていう、そのギャップに驚いてます。
KEUM:僕たちは家族ですから大丈夫です!
AYDEN:兄さんの隣にいたくて座っちゃったんだと思います(指ハートしながら)。
佐藤:たしかに、僕が席に戻ったらめちゃくちゃ近くに寄ってくるからかわいいなって思いました(笑)。
木村:やってほしいことでもいいですか? 写真撮る時に口ピースしてほしい!
中島:慧人ポーズ!
KEUM:そうなんですか? AYDENにもポーズがありますよ!
AYDEN:ワニピースです(笑)。
中島:KEUMとA-MINからグッズのステッカーをもらったので、僕たちも作ってお返ししないとなって思ってます。
KEUM:これは僕たちが初めて作ったキャラクターのステッカーなんですよ。グッズで作りました。みなさんのステッカーも待ってます!
澤本:MV撮影した日に、みんなから韓国のプルダックラーメンというインスタントカップ麺をいただいたんですけど、めちゃくちゃ激辛すぎて。家で汗だくになって食べたんですよ。もっと食べやすいものをください(笑)。
中島:KEUMも食べられないからね、辛いもの(笑)。
KEUM:僕は辛いものがダメです。
中島:逆に、めちゃくちゃ甘いケーキみたいなお菓子がおいしかった。みんなで食べたやつ。
BAEKSEUNG:薬菓(ヤックァ)ですね。韓国の伝統的なお菓子で、体にもいいんですよ。
佐藤:コラボが終わっても僕らの友情は続くよね。
KEUM:友情は続きます!
リリース情報
関連リンク
Peppermint Yum
2024/03/20 RELEASE
RZCD-77947 ¥ 4,400(税込)
Disc01
- 01.Peppermint Yum
- 02.Peppermint Yum (Korean ver.)
- 03.Peppermint Yum (Japanese ver.)
- 04.Peppermint Yum -SLAY Remix
- 05.Peppermint Yum (Instrumental)
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