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<CASIO×Billboard Live>島袋寛子が語る、より自由に捉えられるようになった音楽の可能性
「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。
SPEEDのメンバーとして12歳でデビューした「hiro」こと島袋寛子。SPEED8枚目のシングル「ALL MY TRUE LOVE」のカップリング曲「見つめていたい」でhiroとしてソロ曲をリリースし、昨年で25周年を迎えた彼女はジャズのスタンダードを歌うプロジェクトCoco d’Orや、故郷の沖縄をテーマにしたアルバム『私のオキナワ』のリリース、さらにはミュージカル、映画など演技にも積極的に取り組むなど、今なおシーンの最前線を走り続けている。そんな島袋が春のビルボードライブに登場。透明感溢れる歌声で、聴く者を魅了し続けている彼女の最新ステージは必見。今回は、自身の活動を振り返りつつライブに向けての意気込みを語ってもらった。(Interview: 黒田隆憲)
様々なグルーヴが混じり合った、私なりのオリジナリティを磨き上げていきたい
――昨年2月に、島袋さんのこれまでの活動の集大成ともいえるオールタイムBOX『UTAUTAI』がリリースされました。こうした形で自身の活動を振り返ってみた率直な感想をお聞かせいただけますか?
島袋寛子:我ながら「おもしろい歌手人生」だなと思います。SPEEDのメンバーとして10代でデビューして、ソロ活動のあとジャズスタンダードを歌うプロジェクト「Coco d’Or」を立ち上げ、沖縄のアルバムを「島袋寛子」名義でリリースしました。その後、再びhiro名義でダンスミュージックに挑戦するなど、多岐にわたるジャンルで作品を出させてもらえたことを心からありがたく感じています。
――幼い頃から「いろんなジャンルの歌が歌える人になりたい」と思っていたそうですね。
島袋:はい。今や、「島袋寛子ってどんなジャンルを歌っているの?」と聞かれても答えにくいほどです(笑)。しかもJ-POPを歌うようになる前は、TLCやジャネット・ジャクソン、マイケル・ジャクソンなど洋楽も聴いていましたし、自分でもわからないくらい様々なジャンルがミックスされていて。プライベートではUKサウンドも好きだったりするし、本当に贅沢な音楽活動をさせてもらっています。だからこそ、さまざまな時代の「音」に影響を受けている若手アーティストの作品も、すごく楽しみながら聴くことができているのだと思いますね。
そうやって10代の頃からインプットしてきた「音楽」を、自分の中から面白く引っ張り出せる歌い手になりたいし、アーティストになりたいです。様々なグルーヴが混じり合った、私なりのオリジナリティをこれからも磨き上げていきたいし、そんな自分自身にワクワクしていますね。
――コロナ以降、「家での時間をもっと有意義にしたい」という風潮のもと、クリエイティブな趣味をやり始める人が増えているようです。島袋さんは、ご自宅でどのような時間を過ごしていますか?
島袋:家ではいつも音楽が流れています。ちょっと変わった表現になるかもしれないけど、お部屋にも音楽を聴かせてあげているような感覚なんです。例えば大好きなジャズを流せば、普段のお部屋がものすごくロマンティックに感じるじゃないですか。私は本当に色々なジャンルの音楽が好きで、その時の自分の状態や様子で聴く音楽も変わるのですが、そうするとお部屋の「気」も変わると思っているんです。
自分で楽器を弾くこともよくあります。家にはピンクのサンレレ(三線とウクレレをミックスした楽器)もあるし、最近は母からもらったカリンバにハマっていて。扱い方は全然わからないのですが、適当に弾いて何かメロディが思い浮かんだら、それを自分のオンラインサロンで公開したりしています(笑)。家で歌の練習をすることももちろんあるけど、なんの目的もなくただ気が向くまま楽器に触ることも大事にしていますね。
――音楽を聴く時間は、以前に比べて増えましたか?
島袋:増えたと思います。SPEEDにいた頃は、とにかく毎日音楽を聴き、毎日毎日歌を歌っていたので(笑)、そのあとはしばらく音楽を聞かなくなった時期もあったし、距離を置く時はちゃんと距離を置くようにしていたんです。ここ最近は、常に音楽がある。よりいろんなジャンルの音楽を聴くようになりました。
自分でも曲を作ることが増えたのは大きいかもしれない。一緒にツアーを回っているバンマスで鍵盤奏者の栗本修さんと、曲を作ることも多いのですが、そうなってからは自分の音楽の可能性みたいなものを、もっと自由に捉えられるようになった気がします。
――なるほど。
島袋:最近、植物の生体電位が奏でる音楽というのをたまたまInstagramで見つけて、それを渋谷区ふれあい植物センターでたまたま見つけて観に行ってきました。どの植物からどの音が出ているのかよく分からなかったのだけど(笑)、すごく興味深かったですね。全てが音楽になり得るのだと。この間は沖縄でクラヴィコードという楽器の演奏会があって、たまたま行って見たかった場所で、友人から教えてもらったクラヴィコード奏者が出演するというので観てきました。
――好奇心旺盛で、フットワークもとても軽いのですね。
島袋:そうなんですよ(笑)。なんでも見たいし聞きたいし触りたいしやりたい人なんだな、私はって(笑)。バンドメンバーにも「それ、どうやって音を出してるんですか?」とか前は自分から全然聞けないタイプだったのに、今はどんどん聞きまくっています(笑)。そういうコミュニケーションが取れるようになった今が本当に楽しいですね。もっと早く気づけばよかったけど、でもきっと私の人生ではこのタイミングだったんだなと。
――3月12日にビルボードライブ大阪、25日にビルボードライブ横浜でライブが行われます。こちらの意気込みをお聞かせください。
島袋:去年からまた、自分の中で大きな変化があって、そこで感じたものを音楽に落とし込めたらいいなと思っています。私は沖縄のサンセットタイムからマジックアワーまでの時間がすごく好きなんですよ。その時間帯に沖縄のビーチで過ごしているような、そんなムードにしたいんですよね。私が育ったのは沖縄中部、沖縄の要素とアメリカの要素が混じり合った場所。聞いてきた音楽も和洋折衷だし、そこで鳴っていたのはどこかレイドバックしたリズムです。Coco d’Orやhiro、島袋寛子などさまざまな時代の楽曲をセットリストに組む予定でいるけど、全体的にゆったりとした雰囲気の中で心地よいグルーヴを奏でられたらいいなと思っています。
バンドメンバーは、R&B大好きなジャズマンの栗本さんがバンマスで、沖縄出身のミュージシャンが2人参加してくださいます。いつもこの融合でどんな感じになるのか、1曲ずつものすごく楽しみ。どんなサウンドが生み出されるか、本番で栗ちゃんが急に鍵盤を止めてアカペラで歌うよう促したりするし(笑)。ライブはそういうハプニングが起こるし、起こっていい場所だと思うので、そういうことも含めて今までよりさらに自由な空間になると思います。楽しみにしていてください。
公演情報
島袋寛子
UTAUTAI 2024 in Billboard Live OSAKA
<ビルボードライブ大阪>
2024年3月12日(火)
1st Stage Open 17:00 Start 18:00 / 2nd Stage Open 20:00 Start 21:00
公演詳細
島袋寛子
UTAUTAI 2024 in Billboard Live YOKOHAMA
<ビルボードライブ横浜>
2024年3月25日(月)
1st Stage Open 17:00 Start 18:00 / 2nd Stage Open 20:00 Start 21:00
公演詳細
衣装クレジット
【衣装協力】
H.A.K 03-3498-0701
ダニエラアンドジェマ 03-6721-0250
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