Billboard JAPAN


Special

<コラム>名曲に新しい息吹をもたらす『トロット・ガールズ・ジャパン』、日本初上陸となるオーディション番組の魅力



コラム

Text:田中久勝
(c)トロット・ガールズ・ジャパン製作委員会

 韓国発の歌姫発掘人気オーディション番組が『トロット・ガールズ・ジャパン』が日本に上陸し、12月1日からWOWOWとABEMAで全話無料同時放送がスタートし、盛り上がりを見せている。オーディション番組で、テレビとネットの全話同時放送・配信は国内初だ。

 ちなみにトロットとは韓国の演歌のようなジャンルで老若男女から支持され、日本でいう演歌・歌謡曲などの“懐メロ”といったところだろうか。韓国ではBTSやSEVENTEENのメンバーがトロット好きを公言したり、TWICEのメンバーがテレビ番組でトロット楽曲を披露したり、さらにPENTAGONのフイ、ASTROのMJら現役ボーイズアイドルたちでトロット・ユニット「タソッジャン」が期間限定で結成されたりトレンドになっている。トロットのガールズグループもデビューするなど、K-POPアイドルの間でもトロットは人気で、あらゆる世代を巻き込んでトレンドになっている。このブームを背景にして「トロット」のオーディション番組は30%を超える高視聴率を記録するなど、目が離せないジャンルになっている。



▲TROT GIRLS JAPAN【夢を叶える超オーディション開幕!】


 日本でも昨今のシティーポップブームに端を発して、テレビでは昭和・平成の歌謡曲やフォークソング、ニューミュージックなどJ-POPの源流ともいうべき、時代を創ってきた音楽を特集する番組が増えている。そんな日本でトロットをテーマに、新たな才能を発掘するオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』が開催されるのは、自然な流れなのかもしれない。

 12月1日からスタートしたこのオーディション。オーディションの出場者の年齢は12歳から50歳までと幅広く、韓国からも現役トロット歌手やアイドルなど5名が参加するなど、様々なキャリアや経験を持つ“強者”54組57名が事前審査を通過し、予選に進出。予選ステージでは全出場者が昭和・平成の懐かしいヒット歌謡を披露するが、10名の審査員全員が「ゴールデンブザー」と呼ばれる合格のボタンを押せば、その場で予選通過が決定する。優勝者には賞金1,000万円(+追加賞金)が授与される。




 本戦1次の審査内容は、チームデスマッチ。予選でのグループをもとに結成された8つのチームが1対1で対決する。審査員は良かったと思う方のチームに1票ずつ投票。多数決で勝敗が決定する。勝利チームは全員合格となり、次のステージに進出できるが、敗北チームは全員が脱落候補になる。そして全チームの対戦終了後、敗北チームの各代表者が歌声を競い合う「敗者復活 救世主バトル」を実施。一般審査員から最も多く票を集めた代表者のチームは、全員が復活できる。放送終了後には出場者全員のフル歌唱動画が公式YouTubeチャンネルで公開され、放送に収まりきらなかった出場者の歌声をじっくりと楽しむことができるのも嬉しい。

 先日、本戦二次のリハーサルを観る機会があったが、出演者たちはリハから緊張の色を隠せず、歌と動き、音を入念にチェック。人生を賭けた真剣勝負が本番前から繰り広げられていた。歌い終わるとステージ演出が出場者ひとり一人に声を掛け、まさに全員が主役のこのオーディション、誰もが万全の態勢で本番を迎えられるよう、スタッフも細やかな心配りを忘れない。その主役たちがガチで勝負するのだから、毎回放送ではもの凄い熱量が放出され、審査員も審査に力が入る。

 特別審査員にはD-LITE(BIGBANG)、ホ・ヨンジ(KARA)を迎え、審査員長は松崎しげる、そして相川七瀬、浅香唯、あべこうじ、安藤優子、かが屋(加賀翔・賀屋壮也)、鎌田俊哉、斎藤司(トレンディエンジェル)、姿月あさと、田久保真見、Night Tempo、船山基紀、古家正亨、南野陽子、みりちゃむ、村重杏奈、森尾由美、遼河はるひという多彩な顔ぶれが揃い、毎回10名の審査員があらゆる角度から出場者をチェックする。MCはEXITが務める。




 この『トロット・ガールズ・ジャパン』は、歌姫を発掘するという大きなテーマを掲げているが、一方で昭和から平成まで、聴き継がれ、歌い継がれてきた名曲達に新しい息吹を吹き込み“更新”し、後世に残していくということを大命題としている。歌は世につれ、世は歌につれではないが、時代を映す鏡でもあった歌、聴く人の気持ちを前向きにしてくれるメッセージが曲調や歌詞から感じる歌、例え悲しい歌詞だとしても、それによって背中をそっと押してくれたり、肩を優しく抱いてくれるような気持ちになる人もいる。毎回オープニングでは全員で「川の流れのように」(美空ひばり)を歌うように、スタンダードナンバーや、知る人ぞ知る名曲達を若い世代を始め、今を懸命に生きる人たちが歌うことで新たなエンターテインメントが生まれる“場所”が『トロット・ガールズ・ジャパン』だ。

 『トロット・ガールズ・ジャパン』は毎週金曜18時からWOWOWプライム(BS191ch)で放送、WOWOWオンデマンドで配信され、ABEMA SPECIAL2チャンネルで放送中。現在(12月24日)第4話まで放送されている。



関連キーワード

TAG

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <インタビュー>YUTA(NCT) ミニアルバム『Depth』に込めたソロアーティストとしての挑戦――「たくさんの経験があったから今がある」

  2. 2

    和楽器バンド、活休前最後のツアーが開幕 10年分の感謝をこめた渾身のステージ

  3. 3

    JO1、ワールドツアー開催を発表「ここから世界に羽ばたいていきます」

  4. 4

    櫻坂46、躍進した2024年の集大成を魅せたグループ4周年ライブでZOZOマリン史上最大となる72,000人を動員

  5. 5

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

HOT IMAGES

注目の画像