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<インタビュー>YOASOBI×武田綾乃が語り合う“ポケモン愛”、コラボ曲「Biri-Biri」で表現した「冒険のワクワク感」
Interview:Takuto Ueda
Photo:Yuma Totsuka
小説を音楽にするユニット、YOASOBIの勢いが止まらない。TVアニメ『【推しの子】』のオープニング主題歌として書き下ろし、今年4月に配信した楽曲「アイドル」は、ビルボードジャパンが発表した今年の年間チャートで5冠という快挙を達成。続くシングル「勇者」も、話題のTVアニメ『葬送のフリーレン』のオープニングテーマに起用され、いまだチャート上位をキープしている。また、今年は国内アリーナツアーを完遂し、8月には米LAでの海外公演も実現するなど、現代のJ-POPシーンを象徴するアーティストとして、1年を通して大きな存在感を放ち続けた。
そんなYOASOBIが11月18日にリリースした新曲「Biri-Biri」は、その日に発売1周年を迎えた『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のインスパイアソング。もともとコンポーザーのAyaseが『ポケモン』の大ファンだったということもあり、ゲームのファンならば思わずニヤリとしてしまうような仕掛けも施された一曲で、すでに大きな話題となっている。
今回、楽曲の原作小説『きみと雨上がりを』を手掛けた武田綾乃を対談相手として招き、両者の“ポケモン愛”と「Biri-Biri」の制作秘話に迫るインタビューを実施。また、取材後には対談を記念した“ポケモン交換の儀”やこの日限りの特別な記念撮影も行われた。なお、『ファミ通.com』では『ポケモン』によりフォーカスした内容の記事も掲載中なので、ぜひ合わせてチェックしていただきたい。
<『ファミ通.com』の記事はこちら>
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ポケモンたちと旅をしてきた3人がかけた想い
――まずは今回の企画について、オファーが届いたときの率直な感想をお聞かせください。
武田:ゲームの発売前にご依頼をいただいたのですが、『ポケモン』の小説というのが意外だったのですごく驚いたのと、YOASOBIさんとのコラボということで光栄に思いました。
Ayase:本当に素敵な小説を書いていただきありがとうございました。実は今回のオファーを具体的にいただく前から「YOASOBIと『ポケモン』で何か一緒にやれたらいいですね」みたいなお話はなんとなくいただいていて。純粋に『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』自体、すごく楽しみにしていた作品だったし「もちろんやります!」って感じでした。
ikura:まさか人生の中で『ポケモン』とコラボさせていただくことがあるとは思っていなかったので、私も本当にうれしいです。
――Ayaseさんは『ポケモン』シリーズをほとんどプレイしてきたとのことですが、武田先生はいかがですか?
武田:一番やっていたのは小学生の頃で、『ポケットモンスター 金・銀』とか『ポケットモンスター ルビー・サファイア』ですね。6歳下の弟がいるので一緒にやっていました。
――ikuraさんはいかがでしょう?
ikura:私、ちゃんと自分でプレイしたのは今回の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』が初めてだったんです。幼少期に、家族がゲームボーイで『ポケットモンスター 赤・緑』をプレイしているのを見たりはしていたんですけど。でも、DSの『ポケモンレンジャー』は私もやり込んでいました。


――では、それぞれの好きなポケモンも教えてください。
武田:私はシャワーズが好きです。『ポケットモンスター 銀』をやっていたとき、友達のお兄ちゃんがレベル96のシャワーズをくれて、旅を無双できるようになって(笑)。それ以来ずっと好きなポケモンです。
ikura:私は最近、いろんなインタビューでいろんなことを答えてしまったんですけど、やっぱり初心に返ってイーブイですね。なりたいのはリザードンなんですけど。
Ayase:僕はミュウですね。ビジュアルも可愛いし、“まぼろし”って感じが夢があって好きです。


――武田先生は楽曲「Biri-Biri」を聴いて、どんな第一印象でしたか?
武田:感想なんて恐れ多いのですが、かっこよくてかわいいポケモンみたいな曲、というのが一番の印象でした。初めて聴いたとき、感動して泣いちゃいました。いろんな方が携わることで、こんなふうに小説が曲になるんだって。あと、小説を書くためにネモちゃんのことをずっと研究していたので、すごく感情が入ってしまって、ミュージック・ビデオを見たときに「こんな表情をしていたんだ」と感動しました。
――音楽は普段からよく聴きますか?
武田:けっこう音楽を流しながら原稿を書いたりします。
――音楽からインスピレーションを受けたりも?
武田:もちろんあります。先輩の作家さんからは、気持ちを切り替えるためにジャンルごとに曲を変えてみることを勧めてもらったり。例えば『響け!ユーフォニアム』のときはピコピコしたゲーム音楽をよく聴いていました。

――YOASOBIのお二人を原作小説を読まれたとき、どのようなことを感じましたか?
ikura:自分の中で「ネモにどんな背景があって、こういう志を持つようになったのか」と想像していた部分がすごく細かく描かれていて共感しましたし、特に印象に残ったのはバトルシーン鮮やかさで、頭の中に映像が浮かんでくるというか、読んでいくうちにどんどん心拍数が上がってくる感じがしたんです。文字が生きているような、そういう躍動感を感じたので、歌うときはその躍動感を逃さないようにしなきゃいけないと思いました。
Ayase:僕は『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』をプレイしていて、主人公を取り巻く人間の中でネモだけ、そこまでゲーム内ではっきりと語られていなかったように感じていて。でも、物語の中では強さの象徴だったし、主人公にとって仲間でありライバルでもある。そこが小説で立体的に描かれていたことで、最後のピースがはまった感じがしたんですよね。
武田:ありがとうございます。恐縮です。
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リリース情報
- 2023/11/18 DIGITAL RELEASE
原作小説 『きみと雨上がりを』(著:武田綾乃、監修:株式会社ポケモン・株式会社ゲームフリーク)
novel-kimiame.pokemon.co.jp
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