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<インタビュー>中村雅俊、3年目となるシンフォニックライブに向けて意気込みを語る
2024年にデビュー50周年を迎える中村雅俊が、3年目となるシンフォニックライブ【billboard classics 中村雅俊 Symphonic Live 2023-2024 ~WHAT’S NEXT~】を、 12月21日に兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール、そして自身の73回目の誕生日当日の2024年2月1日にすみだトリフォニーホール大ホールで開催する。 “WHAT’S NEXT”と名付けたこのコンサートへの思い、そして50周年のその先に映っているものをインタビューした。 (Interview&Text:田中久勝)
——3年目のシンフォニックライブになります。60名を越えるフルオーケストラをバックに歌うこのコンサートの醍醐味を教えて下さい。
中村:あの豪華な音が客席に向かっていく感じは、本当に感動できると思います。 客席から見ると、俺があれだけの数の人と楽器をまさに従えている感じのビジュアルになっていると思うけど、それも魅力ではないでしょうか(笑)。 俺も初めて見た時のインパクトがすごくて、自分でもすごいことをやっているなって思いました。でも最初(2021年)にやった時はドラムがいないのでリズムを取るのが難しかったことを覚えています。 一流のプロの演奏家の方に演奏をしてもらって、俺は歌はあまりうまい方じゃないと思っているから「負けてられない!」って強い気持ちで臨みました。
――フルオーケストラコンサートは、中村さんの歌手としての夢のひとつだったとお聞きしました。
中村:やっぱり歌うことを生業としていると、まず『NHK紅白歌合戦』には出たかった(1982年出場)。 親や家族、周りの人が喜んでくれるので、ずっと出たいと思っていました。それと敬愛するビートルズが1966年に日本武道館でコンサートをやったので、ずっと憧れのステージでした。 それからフルオーケストラコンサートをやること。バンドでライヴをやってきていたので、フルオーケストラコンサートはもう違う世界の話でした。
——今回の“WHAT'S NEXT”というタイトルに込めた思いを教えて下さい。
中村:去年のコンサートはそれまで自分なりに何十年も歌ってきて、ヒットした曲も、いいと思ったのにヒットしなかった曲もあったけど、 そういう歌という“実り”を、この大編成のオーケストラで収穫したいなという意味を込めて“HARVEST”と付けました。 今年は、生活していく中で年を取ったなって感じることが多くなったので(笑)、次は何が起こるのか、次は何をやろうかとか“次”ということをすごく意識するようになったんです。 コロナでコンサートも中止になった時期もあったので、自分と向き合う時間も多くて、焦りではないけど“次”何があるんだろうという素直な気持ちをタイトルにしました。
――今年はどんなコンサートになりそうですか?
中村:最初のオーケストラコンサートでは「ふれあい」とかバラードの方がクラシックアレンジに合うのでは、と思ってそういう曲を多くしました。 でもアップテンポの曲をやってみるとノリや疾走感が想像以上にかっこよかったので、去年はそういう曲を増やしました。 今年もアップテンポの曲を多めにして、心躍るようなコンサートにしたいと思っています。もちろん皆さんが聴きたいと思っているバラードやあの曲もこの曲も、クラシックアレンジでどう生まれ変わっているか楽しみにしていてください。 指揮者の円光寺雅彦さんが歌のことをとても理解してくださっているので、アレンジが変わってまた違う角度から光を当てられた歌も、みなさんにまっすぐに届けることができると思います。
――「俺たちの旅」は小椋佳さん、「恋人も濡れる街角」は桑田佳祐さん、他にも吉田拓郎さん、松本隆さん、小田和正さん等、日本の音楽シーンを牽引してきたヒットメーカー、メロディメーカーが中村さんの作品を手がけてきました。 これらは中村さんからのリクエストだったのでしょうか?
中村:俺からリクエストしたは「いつか街で会ったなら」(作詞:喜多条忠 作曲:吉田拓郎/75年)と「俺たちの旅」(作詞・曲:小椋佳/75年)の2曲だけです。 あとはスタッフのアイディアや、桑田君はドラマ『俺たちの旅』のファンだったみたいで、ASKA(当時飛鳥涼)は、一緒に熊本でライヴした時にASKAの方から「雅俊さん、第2の「ふれあい」を作らせてくださいよ」って言ってくれて「風の住む町」(90年)を書いてくれました。 そういう出会いや縁もあって、筒美京平さん、小田和正さんやスタレビの根本要君、米米CLUB、ユーミン(呉田軽穂)、作詞家:松本隆さん等々、本当に錚々たる方に書いていただいて幸せ者です。
――2024年に50周年を迎えますが、表現者・中村雅俊はやはり歌手と役者の両方で成立しているという思いが強いのでしょうか?
中村:デビューしてすぐ「ふれあい」が売れて、コンサートツアーをやりました。その時お客さんにエクスキューズはできないなと強く思いました。 両方共片手間でやっていると絶対に思われてはいけない、と。そういう意識が早く生まれたので役者が歌ってるとか、歌手が演じてるというような感覚は全くなくて、中村雅俊が二人いるという感じなんです。 歌も演技も、どうすればお客さんに対して誠意あるパフォーマンスができるか、それだけを若い時から考えてやってきました。
――だから役者をやりながら毎年全国ツアーを行なうことができて、現在までに1500本以上のライヴでファンを楽しませてきました。
中村:求められた、ということが俺のキーワードというか、今自分がここにいる理由だと思います。 これは強がりでもなんでもないんですけど、音楽でも演技でも賞を獲ったことはないんです。でもファンの方達にずっと求められきたということが、俺にとっての勲章です。
公演情報
【billboard classics 中村雅俊 Symphonic Live 2023-2024 ~WHAT’S NEXT~】
2023年12月21日(木) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール OPEN 16:15/START 17:002024年2月1日(木) すみだトリフォニーホール 大ホール OPEN 16:00/START 17:00
出演:中村雅俊
サポートミュージシャン:大塚修司
指揮:円光寺雅彦
管弦楽:
【兵庫】兵庫芸術文化センター管弦楽団
【東京】新日本フィルハーモニー交響楽団
チケット(全席指定・税込)
S席 11,000円
A席 9,000円
※未就学児入場不可
公演に関するお問合せ
【兵庫】サウンドクリエーター 06-6357-4400 (平日12:00~15:00 土日祝休)
【東京】キョードー東京 0570-550-799(11:00~18:00/土日祝10:00~18:00)
公演詳細
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