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<インタビュー>ØMIとHYBE LABELS JAPANが共同プロデュース、“世界を目指す”ガールズグループMOONCHILDの成長と絆が詰まった新EP

インタビューバナー

Interview & Text:高橋梓
Photo:興梠真穂


 ØMI(CDL entertainment)とHYBE LABELS JAPANとの共同プロデュースによって誕生した、世界を目指すガールズグループ=MOONCHILD。LDH JAPAN主催のオーディション番組『iCON Z ~Dreams For Children~』(テレビ東京系)を勝ち抜いたメンバーで構成されている彼女たちは、2023年5月3日にEP『DELICIOUS POISON』にてデビューを果たし、国内外で様々なライブやイベントをおこなっている。そんな彼女たちが、11月29日に2nd EP『Friends Are For』をリリース。そこで、TVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』(TBS系)のエンディング・テーマになっているタイトル曲をはじめとした楽曲についてはもちろん、彼女たち自身についてもじっくり語ってもらった。

デビューから約半年を迎えて

――Billboard JAPANに登場いただくのは初めてなので、まずは改めて自己紹介からお願いします。

UWA:UWAです。19歳で、ラップとダンスを担当しています。年上メンバーなのですが、お姉さんの時もあればイジられたりすることもあります(笑)。よろしくお願いします。

HANA:16歳のHANAです。ボーカルを担当しています。大阪出身なので、面白いキャラ担当です!

MIRANO:最年少、16歳のMIRANOです。ボーカル、ラップ、ダンス、すべてを担当しているので、オールラウンダーと言っていただいています。自覚はあまりないのですが、よく「宇宙人だね」と言われます。知らず知らずのうちに不思議なことを言ってしまったり、理解不能なことを話してしまったりしているのかも……。そんなキャラです(笑)。

ANRI:つい最近18歳になりました、ボーカル担当のANRIです。基本的には真面目キャラです!

UWA:最近はちょっと怪しい(笑)。

ANRI:地位が揺らぎつつあるのですが、真面目キャラでやらせてもらっています。あとは「おばあちゃん」と言われることも多いです。好きな食べ物や言動がおばあちゃんっぽいみたいです。



Photo: 興梠真穂

――ありがとうございます。デビューから約半年が経ちました。今の心境はいかがですか?

UWA:オーディションを含めると2年くらい経ったかな?

ANRI:そう。私、16歳だったもん。

UWA:そうだよね。振り返ってみると、長かったような、あっという間だったような。私は今までダンスを1人でやってきたので、グループとして活動することが初めてでした。デビューしてからはまだ半年ですが、みんなと一緒にいる時間は長いので家族みたいな存在になっています。これからもみんなで仲良く活動していけたらいいですよね。

MIRANO:この半年間、信じられないくらいたくさんの思い出や経験を得ることができました。夢に見ていたステージに立てたり、MVの撮影で初めてヨーロッパに行ったり。新しい経験をさせていただける環境がすごくありがたいし、向上心を持ってこれからも頑張っていきたいと思っています。


――グループ活動を始めたことで、新しい気づきがあったりも?

ANRI:MOONCHILDって、「一人ひとり個性が違うよね」と言っていただけることが多いんです。見た目、声質、踊り方、表現の仕方など多岐にわたるんですが、それでものびのび活動することができていて。コンセプトがしっかり決まっているグループもありますが、私たちの場合は個性を活かすことがコンセプトのようになっています。個性の出し方に関してはグループ活動を始めてから学びがありましたし、自分とは違う個性を持つメンバーが隣にいるからこそ、自分の個性を再認識できました。

HANA:私は歌い方。MOONCHILDになってから様々な曲を歌わせていただけるので、歌い方のレパートリーが増えました。日々勉強になっています。



Photo: 興梠真穂

新境地をひらいた友情ソング「Friends Are For」

――スキルも磨かれている、と。そんな中、11月29日に2nd EP『Friends Are For』をリリースされました。タイトル曲はどんな楽曲になっていますか?

UWA:これまでの曲は強気な女の子の姿や恋愛模様を描いた曲が多かったのですが、今回はTVアニメ『七つの大罪 黙示録の四騎士』のED曲になっていることもあって、友だちや仲間を思い合うような楽曲です。曲を通して友だちや家族など大切な人のことを再認識できると思います。

MIRANO:USポップな明るい感じも初めてだよね。みんなで楽しみながら聴けると思います。


――聴きどころも多そうですね。

ANRI:〈100色に光る Rainbow 一人じゃ描けない色〉からのワンフレーズを歌っているのですが、まさにこの曲を表しているパートだと思っています。それぞれの個性を合わせて虹にして、それが混ざって希望になる、という。初めて聴いたとき「素晴らしい!」と思いました(笑)。だって、私ひとりだったら今の自分になれていないし、こうしてステージに立てているのはみんなのおかげ。すごく思い入れがあるので、聴きどころになっています。

HANA:私は明るい友情ソングなのに、ラップがあったりドロップがあったりして、キャッチーなところを挙げたいです。同じ言葉がリフレインするキャッチーさもあって、頭に残るフレーズが多いんですよね。

UWA:ふたりが言ってくれたように、この曲は全部が聴きどころです(笑)。ただ、個人的に思うのは〈You and me〉〈All right〉という掛け声の部分。レコーディングでも、みんなで楽しく手を繋ぎながらマイクを囲んで録っているんですよ。歌っていて楽しかったので、みんなにも楽しんで聴いてもらいたいです。

MIRANO:デビュー曲「Don't Blow It!」はクールな楽曲だったので、ダンスもパワフルでガールクラッシュな感じでしたが、今回は振り付けもすごくキャッチーです。サビの歌詞も耳に残りやすいので、みんなで歌ったり踊ったりできると思います。


――振付のポイントはどこですか?

MIRANO:ポイントはふたつあります。まずは、サビの〈You and me〉の部分。チアのポンポンを持っているイメージの振りで、友だちや自分自身を応援している感じの振付です。もうひとつは、サビの後の〈Do it do it do it〉の部分。親指と小指を交互に出す振りで、SNSとかに真似してアップしてもらえたら嬉しいです。あとは掛け声っぽい歌詞もあるので、ライブなどで盛り上がるにはぴったりだと思います。



Photo: 興梠真穂

――聴きどころ、見どころがたくさんですね。だからこそ、工夫したことも多そうです。

ANRI:アニメの世界観が詰め込まれている楽曲なので、ワクワク感が出るような歌い方、踊り方は意識しました。私はこれまでの曲は「こういう人物像なんだろうな」と想像をして歌っていたんですね。でも今回は自然体の自分のままで歌いきれる曲だと思って、友だちの顔を思い浮かべて歌いました。

MIRANO:私はラップを工夫しました。過去の曲はかっこつけたり、力強いメッセージに合わせたキャラクターを想像して声作りをしたりしていたことが多かったんですね。でも「Friends Are For」は良い意味で何も飾らない、ありのままの女の子として歌いました。


全英語詞の大人っぽい一曲「Warning」

――そしてもう1曲の「Warning」。雰囲気がガラッと変わりますが、こちらはどんな楽曲でしょうか。

HANA:恋人のことを歌った楽曲です。しかも「これが最後のチャンス」というか、「私はこんなにあなたを愛しているんだから、それに見合った行動をとってよね」という大人っぽい歌詞。だからこそ、大人っぽい表現をする必要があって。これまではスキルを全力で出していたのですが、「Warning」でそれをやってしまうとR&Bっぽいかっこよさが表現できないと思って、リラックスしたチルなイメージで歌っている楽曲です。


――リファレンスしたシンガーの方はいますか?

HANA:リタ・オラさんを参考にしました。張った地声ではなく、軽く歌っている感じが「Warning」に合うのかなって。彼女に限らず、この時期はいつも以上にR&Bを聴いていましたね。



Photo: 興梠真穂

――曲調もそうですが、「Warning」は全部英語詞という特徴もあります。やはり日本語詞との歌い方の違いもあるのでは?

ANRI:発音には気を遣いますね。HANA以外はネイティブではないので、海外の方が聴いても違和感がないように、音楽プロデューサーのALYSAさんにも集中して指導いただきました。海外の方とリアルタイムで連絡を取りながら、「今のRの発音は直した方がいい」「ここのDの発音はもっと強調して」みたいな。逆に日本語はね、ネイティブなので(笑)。

UWA:日本語ネイティブって言い方が面白い(笑)。

ANRI:ネイティブだからこそ、歌詞に心情をより深く乗せられるように意識しています。

UWA:あとは、日本語って母音が多いじゃないですか。だから意識して強弱をつけないと、英語みたいなリズム感やグルーヴが出ないと感じていて。発音もそうですけど、リズムを出すのも意識してレコーディングに臨んでいます。


――皆さん、日本語も英語っぽい歌い方をされていますよね。

ANRI:曲がそもそもJ-POPっぽくないサウンドなので、合わせて歌っていたら自然とそうなってしまうんですよ。あと、デビュー曲は「English ver.」と「Japanese ver.」をレコーディングしていて。どちらの言葉で歌ってもリズムを崩さない歌い方を研究したのも大きいですね。


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リリイベで実感したファンとの絆

――なるほど。そして、11月4日からはリリースイベントもスタートしました。ファンの方の反応はいかがですか?

UWA:楽しんでくださっていると思います。「Friends Are For」はみんなでひとつの空間を作って盛り上がれるし、「Warning」はファンの方が見入ってくれていますし、いろんな自分たちの姿を見せられているのかな、と。とても好評だったよね?

HANA:はい!

MIRANO:デビューEPのイベントではミニライブがなかったので、今回ライブができて嬉しいです。ファンの方だけでなく、ふらっと通りかかった方が見てくださるので、私たちの楽曲や魅力を知ってもらおうという気持ちも増しました。ファンの方もずっと応援してくださる方もいれば、新しく応援してくださる方も増えてきていて。リリイベではコミュニケーションが取れるので、絆も深まったという体感があります。

UWA:ファンの子の名前まで覚えてるもんね。「今日は◯◯ちゃん来てないの?」とか声を掛けたり(笑)。最初はふたりで来てくれていた子たちが、会場で別のふたり組と仲良くなって4人で行動しているのを見ると嬉しかったりもします。



Photo: 興梠真穂

自分たちで思う「MOONCHILDの強み」

――リリイベならではの交流ですね。ではここからは皆さんご自身についても教えてください。まず、自分たちで思うMOONCHILDの強みとは?

UWA:多くのガールズグループって、センターの子やグループの顔を担っている子がいますよね。でもMOONCHILDはそれがいない。一人ひとり個性があるからこそ、誰がセンターでも成り立つんです。それでいて作品を作る上では、誰も悪目立ちせずに馴染むことができる。それはMOONCHILDの強みだと思います。

HANA:曲も強みじゃない?

ANRI:間違いない。

HANA:本当に曲が素晴らしいんです。1曲1曲にメッセージ性があって、自信を持ってパフォーマンスできます。しかも、どんなメッセージかを事前に細かく伝えてもらえるので、どう表現するかをしっかり考えられるんです。

MIRANO:パフォーマンスを見てメッセージを伝えられるのも、強みのひとつですね。


――たしかに楽曲は特徴的ですよね。その理由のひとつとして、ØMIさんとHYBE LABELS JAPANが共同プロデュースしていることが挙げられると思います。新しい試みであるこの共同プロデュースについて、ご自身ではどう感じていますか?

ANRI:韓国のフェスに出演させていただいたり、Weverseを活用させてもらったり、至るところに共同プロデュースの色が出ていると感じています。あくまでもLDH所属ではありますが、世界を目指す、ちょっと毛色の違ったアプローチをさせてもらっているなぁ、と。自分たちでも新しいと思いますし、今までにないムーブメントを巻き起こしたいです。

UWA:いい意味で、今まで日本にはなかったガールズグループとして成長できているのかなって。もちろん横を見るとK-POPグループが盛り上がっていて、すごいと思う部分がたくさんありますが、自分たちは自分たちというか。また違ったジャンルの新しいグループの姿を全員で突き詰めていきたいです。



Photo: 興梠真穂

――グループとして成長していくにあたって、ØMIさんやALYSAさんなどからアドバイスもあったのでは?

UWA:ØMIさんは本当にお世話になっていて、「こういうアドバイスをもらった」と言えないくらいたくさんの言葉をいただいています。ご自身も現役で活動されていて多忙なはずなのに、私たちのMV撮影やレコーディング、イベントのリハーサルにいつも立ち会ってくださるんです。しかも、朝早くから夜遅くまで。そこで毎回いろんな言葉を掛けてくださるので、メンバー全員心に刻んでいます。「いつもありがとうございます」と伝えたいです!

ANRI:本当に。しかもØMIさんって視座が高いんですよ。例えば「心配で不安です」と相談をすると、「不安に思う必要はないよ。不安の種になるようなことは見ないでいい」というようなことを言ってくださるんです。そういった言葉を聞く度に、「たしかにそのマインドでいたら自分も強くなれる」と思いますし、「このマインドを持っているからみんなØMIさんについていくんだろうな」と感じます。すごく尊敬しますし、そのマインドを引き継げるように頑張りたいです。

MIRANO:私たち、デビューする前から本当にたくさんの経験をさせていただいているのですが、時にはプレッシャーを感じてしまうこともあるんですね。そんな時にØMIさんやALYSAさんが「大丈夫だよ。信じているから」と言ってくださって。その言葉を聞いて改めて自信が持てましたし、何度も助けていただきました。


――プロデュースチーム一丸となって成長しているのですね。ちなみに、メンバーの「ここが成長した」と感じる部分はありますか?

UWA:みんな、出会った当初の2年前に比べたら、見違えるほどビジュアルが可愛くなったと思います。「かわいい子が歩いてきたな」と思っていたらメンバーだった、ということも多いんですよ(笑)。あとは、HANAのダンス。HANAはダンス未経験でオーディションに参加したのですが、今ではふと気がつくとポッピンを踊っていたりします。

HANA:踊ってないよ!(笑)

UWA:ヒット打ってるじゃん(笑)。それが上手くて! 元々私はポッピンをやっていたのでテンションが上がりました。

ANRI:まとまりも出たよね。私たち、生い立ちが全くバラバラなので、もしオーディションの一次審査を4人で踊っていたらもうハチャメチャだったはず(笑)。

UWA:絶対やばかった!

ANRI:UWAちゃんがポッピンやり出して、私はバレエ踊りだして、みたいな(笑)。でも出会って2年経って、同じ目標に向かって日々戦ってきたからこそまとまれるようになりました。自分の個性を光らせつつも、グループとして一体感が出るのは成長したところですね。

MIRANO:スキルもそうだし、ステージでの輝き方を覚えたのもアーティストとしての成長だよね。あとは、生活力(笑)。今はひとり暮らしをしているのですが、家事を自分でするようになって自立の道に近づけたのかなって。

UWA:15歳からひとり暮らしはすごいよ。

ANRI:家事ってこんなに大変なんだって思う。

MIRANO:洗濯物も「こんな頻度で干さないといけないんだ……」って。引っ越した当初なんかは、私HANAの洗濯を手伝っていたんです。でもそのおかげで大人に近づいている気がします。

HANA:私はANRIの髪の毛が成長したと思います!

ANRI:そこ!? デビュー当初はボブでしたが、今はエクステを付けているんです。でも、それ成長って言う!?(笑) 自分自身の成長は何か感じてる?

HANA:あー……全部かな。オーディション以降、辛い経験も多かったんです。これだけ辛い経験をしてきたからこそ、この先何があっても耐えられそう。しかも16歳という若さでそういった経験をさせてもらえたのはありがたいです。



Photo: 興梠真穂

――では最後に、今後の目標を教えてください。

MIRANO:「Friends Are For」で、海外でも人気のアニメのEDテーマを担当させていただいたので、今まで以上に“日本から世界へ”を意識して頑張っていきたいです。

ANRI:私は古生物学が好きなので、それが活かせるお仕事がしたいです。ダンスの研究もしているので、MOONCHILDの活動に活かしつつ、活動範囲を広げて新しい自分を見つけたいですね。

UWA:グループとしてはMIRANOが言ってくれた通り。個人としてはMOONCHILDの活動にプラスしてダンスを活かせるお仕事を頑張りたいです。いつか演技もやってみたいですし、芸能界でできることを広く経験していきたいです。

HANA:まずは、「Friends Are For」を多くの方に聴いていただけるようグループとしても個人としても、引き続き頑張っていきたいです。


MOONCHILD「Friends Are For」

Friends Are For

2023/11/29 RELEASE
AICL-4460 ¥ 1,320(税込)

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Disc01
  1. 01.Friends Are For
  2. 02.Warning
  3. 03.Lonely -Acoustic-
  4. 04.Friends Are For -Instrumental-

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