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<インタビュー>“正体不明の覆面アバターバンド”FZMZとは何者なのか? 新曲「BROKEN GAMES」、そしてその姿に迫る
Interview & Text: ヤコウリュウジ
今年10月から放送開始されたTVアニメ『シャングリラ・フロンティア』のオープニングテーマ「BROKEN GAMES」を担当し、突如として現れた正体不明の覆面アバターバンド、FZMZ(ファゾムズ)。国内外を問わず、最前線で活躍するアーティストが集結との触れ込みで、JACKは(sic)boy、GAVIはIvan(Survive Said The Prophet)、 KAMATAはピエール中野(凛として時雨)であると一部正体は明かされているものの、まだまだ謎は多い。11月29日にCDシングルがリリースされる「BROKEN GAMES」についてはもちろん、そもそもFZMZとは一体何なのか、現実世界でどういった展開をしていくのか、といったところについて、MAQUMA、HONNWAKA88、KAMATAの3人に答えてもらった。
――国内外問わず、活躍されているアーティスト5人が集結したFZMZ。一部、正体は明かされていますが、まだまだ謎が多く、SNS上でもいろんな予想が飛び交っています。この5人が集まったキッカケや経緯について、また5人が揃ったときの手応えについて、もしお話できることがあれば教えてください。
MAQUMA:グギギ・・・諸君の想像にお任せしたいところだが、せっかくの機会なのでお答えしよう!『シャングリラ・フロンティア』の話があり、どうせやるならワタシ同様ゲームやアニメなどに造詣が深いミュージシャンであるHONNWAKA88、KAMATAと共に何か新たなプロジェクトを立ち上げようと思い立ったのがきっかけだ! のちにJACK、GAVIが加わり5人組となったわけだが、ワタシがデモを制作し、HONNWAKA88がアレンジを加えた時点で、早々に漢字二文字がワタシの脳裏を過った・・・「大成功」だ!
――メンバーの全貌は明かされていないものの、それぞれが相当な経験やスキルを持ち合わせているわけですし、5人の意志や音楽的志向等、ぶつかることもあるのかなと想像します。そのあたりのリレーションは最初から上手くいきましたか?
HONNWAKA88:此処はNETAVERSE……
出自のHistory も小手先のSkillも関係ねえ……
剥き出しの魂-Soul-が奏でるCrazy Sounds………
遠慮は要らねえ……濁流のような混沌、迸る高揚感に皆が身を委ねちまえば
たちまち”FZMZ”ってワケさ……
we can go……
――FZMZだからこそ生み出せるモノ、できることについて、どのようにお考えですか?
KAMATA:FZMZってさ、なんかすごく前衛的なプロジェクトで、VR、ゲーム、アニメを絡めて未知の扉をドンドン開いていく感じ。まだ発表されてないヤバいメンバーもいるし、これからも超楽しみ! リアルなライブ、パーティクルライブもやっていきたいし、もっと面白くしていきたいね! あとは、酒と肉とSNSがあれば最高かな! 特に酒!
――そして、待望の1stデジタルシングル「BROKEN GAMES」がリリースされます。TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』(『シャンフロ』)のオープニングテーマとして書き下ろされましたが、クソゲーハンターの主人公が培ったスキルで“神ゲー”を攻略していくという作品から感じたこと、楽曲として表現したいと思ったことを教えてください。
MAQUMA:グギギ・・・原作漫画の時点で、それこそ漫画とは思えないほど躍動感の伝わるダイナミックなバトルシーンに衝撃を受けたわけだが、これが更にアニメで表現されるとなると、やはりそのテンポに負けない激しいビートが不可欠になる。とはいえ、この作品はバトル一辺倒ではなくファンタジーの世界観や別ゲームなども登場するので、音楽的にも違ったアプローチも織り交ぜたいと考えた! 凄テクラッパーJACKにより(ワタシもラップは得意である!)HIPHOP的なアプローチをミックスすることに成功。ガチャガチャしつつも、壮大なコーラスのある、まさに『シャンフロ』を音で現した様な楽曲に相成ったわけだ!
BROKEN GAMES (Anime Music Video) / FZMZ
――壮大で攻撃的なイントロからそれぞれアプローチの異なるフロウでラップを畳み掛け、メロディアスなサビで一気に開けるサウンドは、強烈なインパクトを誇りながら惹きつける秀逸な仕上がりだと感じました。制作の中で特にこだわったのはどういったところだったんでしょうか?
MAQUMA:グギギ! 今や日本のアニメは世界中が注目するコンテンツだ。新作が遅れて海外に届くというイメージも古く、最新アニメの情報は海外勢も同様に追っている。当然この作品も例外ではないから、海外ファンにも耳馴染みのいいものにしよう、というのは少なからず意識はしているぞ! 例えばワタシの1番のラップなんかも、英語風の発音で日本語詞を歌ったりしているのだ。
――〈まだだだ NO まだ足らない〉や〈this world is going to be mine... duh〉といったフレーズは、飽くなき思いでゲームと向き合う『シャングリラ・フロンティア』の主人公と、輝かしいキャリアを誇りながらも満ち足りなく、まだまだ突き進んでいくという皆さんの心情と重なる部分があるんじゃないかと想像しました。そのあたりについてはいかがですか?
MAQUMA:なかなか良いご指摘だとは思うのだが、残念ながら今回の歌詞については主人公サンラクという人間を表現することに全て振り切って書いているので、我々FZMZメンバー自身の感情を投影しているわけではないのだ! すまんな! インタビュアーよ、気を悪くせんでくれ! グギギ! ただ、いくらプランクトンを食べても満ち足りないというのは事実だ。常に腹は減るからな!
――また、作詞・作曲はMAQUMAさんとJACKさんの共作クレジットになっています。リリックの書き分け、トラック制作においてのやり取り、何かエピソードがあれば教えてください。
MAQUMA:これはシンプルに、JACK自身のラップパートは彼奴が書き上げ、それ以外のパートはワタシが書いた、ということだ! 彼のラップに関してはワタシよりも専門家だからな、特に言うことはないが・・・当初ワタシが歌う予定だったサビの〈we can go〉というメロディーをハイトーンで完璧に歌い上げたのには正直驚いた! 彼奴の美声は、嬉しい誤算だったと言わざるを得んな! さすがである!
――ちなみにですが、MAQUMAさんの歌声がSiMのMAHさんに似ている、サウンドプロダクションもSiMを連想させるところがあるという声も聞こえてきます。そのことについてどう思われますか?
MAQUMA:グギギ・・・インタビュアー! 疲れているのか? 寝不足か!? ワタシ、MAQUMAはMAQUMAであり、他の何者でもない! 現実世界には、SiMというとんでもないバンドがいるという噂はネタバースにも届いているが、、、FZMZこそがナンバーワンで、オンリーワンだ!
――FZMZはこの1曲だけの為のスペシャルバンドなのか、それとも今後も何かしらの展開があるのか。そのあたりの構想を教えていただけますでしょうか?
MAQUMA:そんなことより貴様は睡眠をとれ! 休むのも仕事のうちだぞ! グギギ・・・こんな超刺激的なメンバーが集まったのだから、もちろん更なる作品を世に残すつもりだ!現実世界でのライブは、そちらのテクノロジーが発達すれば、我々が二つの世界を自由に行き来する日も来るかもしれないな! まずは「BROKEN GAMES」を聴き込み、『シャンフロ』を楽しんでくれたまえ!
リリース情報
関連リンク
BROKEN GAMES
2023/11/29 RELEASE
KSCL-3473/4 ¥ 3,600(税込)
Disc01
- 01.BROKEN GAMES
- 02.BROKEN GAMES (Anime Size)
- 03.BROKEN GAMES (Instrumental)
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