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<コラム>2023年のSixTONESが放つ“眩しさ”を捉えた映像作品『慣声の法則 in DOME』
Text:田中久勝
11月1日に発売されるSixTONESのライブBlu-ray&DVD『慣声の法則 in DOME』には、圧倒的なスピードで成長を続け、進化していく2023年の6人が放つ“眩しさ”を、余すことなく捉えた作品だ。
グループの始まりを告げ、情熱溢れる6人のしなやかな感性とひたすら前に突き進むんだという強い意志を感じさせてくれ、これからへの期待を表した1stアルバム「1ST」。朝、昼、夜と表情を変える街並みを、時系列と様々な音楽で表現、多くの聴き手が自由自在に“CITY”の中を飛び回り楽しめるような作りになっている2ndアルバム『CITY』、そして様々なアプローチでさらに貪欲に音楽を追求し、自分達の可能性に挑み、音楽を心から楽しんでいることが伝わってくる3rdアルバム『声』。その『声』が基点となった、初のドーム公演を含む4か月間で自身最大規模の延べ52万人以上を動員したツアーが【慣声の法則】だ。
アルバム『声』が「歓声が消えた時代だからこそ、いつの日かまた<熱い声>を聴きたい・届けたいというSixTONESの想いが詰まった作品」と、公式サイトで説明しているように、そのアルバムを引っ提げ、ファンの“声”がSixTONESというグループの推進力となっていることを再確認し、共有するために全国を回った。6ヶ所のアリーナで大歓声を浴びた後、追加公演として【慣声の法則 in DOME】と題し、京セラドーム大阪2daysと東京ドーム3daysを開催した。計全国8ヶ所31公演、延べ52万人以上を動員。
【慣声の法則 in DOME】全5公演はスペシャルな構成になっている。まず東京ドーム公演千秋楽にWアンコールが用意されたこと、さらに16曲目に披露された楽曲が、5日間すべて違う。16曲目は東京ドーム公演初日にYOSHIKI(X JAPAN/THE LAST ROCKSTARS)が、そして千秋楽には常田大希(King Gnu/millennium parade)がサプライズゲストとして登場した箇所だ。このライブBlu-ray&DVD『慣声の法則 in DOME』は、全形態共通で東京ドーム最終公演を収録+YOSHIKIのパフォーマンスも収録されている。
アルバムのオープニングナンバー「Overture -VOICE-」でライブはスタート。アカペラで純度100%の6人の声だけが、ドームの広い空間に響き渡る。集まったファンとの声の交歓の始まりだ。「Amazing!!!!!!」はドームの追加曲で、Jr.時代の未音源化楽曲ということでファンは歓喜。2曲目にして早くもクライマックスのようなボルテージ高さで、ドームに熱狂が生まれる。シングルの中でも人気の高い「NAVIGATOR」、そして京本の中低音が気持ちよく伸びるロックナンバー「シアター」とたたみかける。6人も客席もさらに熱を帯び、ノンストップで「Waves Crash」、Jr.時代の未音源化楽曲「IN THE STORM」と攻撃的な楽曲で攻める。 後半に披露した「Mr.ズドン」もJr.時代の未発表曲で、まさにドーム公演がグループとしての現時点での集大成的な意味合いのあるライヴだったと感じさせてくれる。
アルバム『声』のリード曲、スウィング・ハウスの「Boom-Pow-Wow!」は、アルバムで初めて聴いた時からライヴ映えしそうな曲と感じていたが、思っていた以上の破壊力を感じた。時代を切り拓くべく突き進む、SixTONESの心の叫びをぶつけたような歌詞が印象的な森本慎太郎と田中樹のユニット曲「OPA!」から、温かなバラード「ふたり」へのメリハリの強さにやられる。
多彩なユニット曲も見どころ、聴きどころのひとつだ。京本大我と髙地優吾が心から楽しみながら歌っている、どこか懐かしさを感じる「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」、松村北斗とジェシーの「愛という名のベール」は、二人の固い絆が儚い歌詞とメロディに映し出された、歌謡曲のフレーバーが薫る一曲。一人ひとりの強烈な個性が魅力のSixTONESだが、ユニットになった時に放たれる光はまた特別なものとして観る側、聴く側に突き刺さってくるようだ。
サプライズゲストとのコラボステージは、初日にはYOSHIKIが出演。SixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」の作詞・曲・アレンジを手掛け、まさにグループにとって最重要人物がメンバーとの約束を果たし、駆け付けた。6人がMCで少しクールダウンしている時、場内が暗転。ピアノで「ENDLESS RAIN」を弾きながらYOSHIKIがセリ上がってくるというなんとも華やかでドラマティックな演出に場内は大歓声に包まれる。森本の呼びかけで、客席のペンライトがX JAPANの「紅」色に光る。YOSHIKIが「紅」の一節をピアノで弾き始めるとメンバーは感激した様子で、さらに京本がクリアなハイトーンボーカルを乗せる。そして6人がピアノを囲み「Imitation Rain」を披露。どこか影を感じる、でもどこま伸びやかなボーカルが印象的だ。そして間奏ではなんとYOSHIKIがドラムセットに移動し、SixTONESの初ドームを祝福、さらに鼓舞するような魂のドラムプレイを見せる。再びピアノに戻り、6人の歌とピアノが融合し情熱的な時間が生まれた。YOSHIKIは「夢みたい」と語り、6人とジープに乗り、客席に近づきCO2(スモーク)を“サービス”していた。
千秋楽の常田大希とのコラボもドラマティックだった。6人が「マスカラ」を歌いながら花道からメインステージに戻ると、スモークの中からギターをかき鳴らす常田が登場。耳をつんざくような大歓声が沸き起こる。常田と6人のセッションを一番楽しんでいたのは6人だ。京本がギターの音に合わせヘドバンをしたり、ジェシーのフェイクと常田のギターが交差するなど、全員笑顔で、全身で生の音楽を楽しむ喜びを表していた。YOSHIKIと常田という音楽シーンをリードするアーティスト二人がライヴに駆け付けたことだけ見ても、SixTONESがアーティストからどれほど愛され、注目されているグループなのかが伝わってくる。
楽曲のクオリティの高さと、それを歌う6人一人ひとりのボーカル力の高さと強さを改めて見せつけてくれ、さらに6声が重なった時の破壊力を思い知らされるライヴだ。その上でクールでセクシーで人懐っこい6人の、エンターテイナーとして熱狂を生み出す“センス”の良さを隅々にまで感じることができ、総合力の高さが“規格外”ということが伝わってくるステージだ。
通常盤には東京・大阪のドーム公演で「日替わり曲」として披露したエモーショナルな失恋ソング「セピア」、甘いチルラブソング「Takes Two」、そしてワイルドかつエモーショナルな祈りのヒップホップナンバー「Hello」が収録されている。どの曲も6人の歌への向き合い方、どう響かせ一人ひとりに伝えるかを追求する姿を見ることができる。ファンとの交感の場であるライヴという時間、空間を120%楽しみ、楽しませるんだという6人の思いが溢れ出ている。
この通常盤にはSixTONESの軌跡を追ったツアードキュメントも収録され舞台裏ものぞくことができる。さらに初回盤には1月7日の横浜アリーナ夜公演全編が収録され、まさに1月から4月まで季節をまたいで駆け抜け、ツアー中にも成長を遂げたSixTONESの姿と6人の“想い”が余すことなくパッケージされた作品だ。
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