Special
柴田淳 【SPECIAL LIVE】
2004.11.27(SAT) at 六本木ヒルズアリーナ|ライブ写真&セットリスト
六本木ヒルズ初体験である。お前の話などどうでもいいのである。という声が聞こえてきそうだが、眺めているだけでクラクラしそうな高層建築物に囲まれて既にあっぷあっぷしている田舎モンこと自分は、この馴れない雰囲気に何故か勝手に緊張気味である。因みに会場は完全屋外のアリーナ型ステージで、会場を取り囲む階段や高台にも多くの見物客が陣取っていて下手なライヴ会場よりよっぽど人を集めている。無論、中にはこれから何が始まるのかいまいち分かっていない人や今日からスタートした「ペ・ヨンジュン写真展2004年」の帰り客なんかもいるんだろうが、これだけの注目を集めて軽く肌寒い11月末の夕暮れに屋外ライヴとは、なかなか思い切った感じすらする。ともあれ本人曰く「久々の大規模なライブ」である。ビルと所謂“億ション”に囲まれた一角の、クリスマスシーズンを司るような木々のイルミネーションが鮮やかに輝くステージに登場した柴田淳はふわふわした真っ白なファー付きの白いコートに白いパンツ、ブーツまで白というクリスマス風ないでたちだが、本人的には「テーマは六本木ヒルズ」との事。それにしても青いイルミネーションに映える素敵なコーディネイトであります。
寒空の中、季節感漂う『雪の音』でスタートしたスペシャルライヴはやや緊張気味の滑り出しで、次に歌う曲を忘れちゃって苦笑いしながらサポートメンバーに尋ねるなんて可愛いアクシデントも。しかし11月25日、10ヶ月ぶりに発売されたばかりのニューシングル『ちいさなぼくへ』ではサビのファルセットがヒルズの屋外を優しく包み込み、アコースティックギターとピアノというたった3つの音色の融合し、木々のイルミネーションに照らされた雑踏を素敵に演出していく。“C'mon 冬!”な雰囲気と言えば伝わるだろうか。冷たく澄んだ空気に肌寄せ合うカップルの足もどんどん止まっていき、始まった頃より観客は増えていった。『片想い』の後には「半年以上、家にひきこもっていたような一年でした」と笑いながら話し、更にライヴやコンサートでは初めて歌うという『かなわない』を披露。「母のリクエストがあった」というこの曲を歌い終わる頃には日もすっかり暮れ、イルミネーションやステージのライトが一層映える景色の中、『月光浴』で静かな夜の雰囲気をちょっと切なく彩っていく。恋の切なさや愛の儚さを歌った曲が多い彼女の楽曲の中でも一際哀しく切ないこの歌と煌びやかに装飾された肌寒い夜のデートスポット、という組み合わせの妙を感じたりしてムズムズするような世界観が広がっていくのを感じました。その後のMCで10月31日を持ってデビュー3周年を迎える事や来年、アルバム発売とツアーが決定した事を発表し、最後は「私の大事な曲」であるという『それでも来た道』を歌う。半年近く引きこもっていたという彼女。その間の時間が彼女にとってどういう時間だったのか、それは自分にはわからないし、それが辛い半年だったのか、いや~結構普通っした!って半年だったのかだって憶測する事しか出来ない。けど、これからの彼女、この先の彼女は?その予感のようなものが、緊張も解れこの曲を堂々と歌い上げる彼女からは感じる事ができた。「何故か涙があふれても それでも来た道」。彼女はこれから、堂々とその道を歩き続けていくんだろうなって。
しかしである。アンコールで再登場した柴田淳は「どうもすいません・・・」と何故か恐縮気味。そして自分はレコーディングで正月がない事を高らかに宣言(?)し、最後にもう一度、(ひきこもりの)時期があったからこそ出来た曲((C)柴田淳)『ちいさなぼくへ』で会場をふっと暖め、会場とその周囲から贈られた盛大なる拍手の中、ステージを後にした。に、しても、MCと歌とのギャップが素敵すぎます、柴田淳。そのギャップを今すぐ体験したい方は、彼女のCDを聴きながらオフィシャルサイトにある彼女の日記を読んでみてはいかがでしょう?彼女の魅力はそんな所にもあります、多分。
セットリスト
【SPECIAL LIVE】
2004.11.27(SAT) at 六本木ヒルズアリーナ
- 01.雪の音
- 02.ちいさなぼくへ
- 03.片想い
- 04.かなわない
- 05.月光浴
- 06.それでも来た道
- En1.ちいさなぼくへ
Writer:杉岡祐樹
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