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<インタビュー>Anly、様々な音楽性が混ざり合ったニューアルバム『26ml』に込められた “歌い続ける理由”



インタビューバナー

Interview:岡本貴之
Photo:Shintaro Oki(fort)

 シンガーソングライター・Anlyが、1年振り5作目のアルバム『26ml』とシングル「好きにしなよ」(TVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールEDテーマ曲)を2023年10月18日に同時発売する。ループペダルを駆使したソロ・ライブ、アコースティック・ギター弾き語り、バンド編成ライブを使い分ける独自のスタイルで、国内外で活動するAnlyだが、アーティストとしての自分自身に葛藤も抱いていたという。曲ごとに大きく印象が異なる今回のアルバムからも、そうした内面を伺い知ることができて興味深い。アルバムの制作過程、曲にまつわるエピソードと想いを、じつに丁寧に語ってくれた。

ネガティブだった“好きにしなよ”が、一歩を踏み出すための言葉に

――前作の4thアルバム『QUARTER』からちょうど1年経ってのリリースになりますが、Anlyさんにとってどんな1年でしたか?


Anly:昨年は47都道府県を弾き語りで回って、その後に『QUARTER』をリリースしてまたツアーに出て、年を越してまた曲作りをするという、制作とライブのミルフィーユみたいな生活でした(笑)。その間、タイアップで番組の趣旨をいただたり、楽曲のテーマをいただいて曲を作ることもあったので、自分の中から出てくるものとは違う曲の作り方が、前よりスムーズにできるようになったかなと思います。

――制作とライブという、ミュージシャンとしてのルーティン・ワークの繰り返しで積み重なってきたものが、着実にキャリアとして自分の中に蓄積されて、スキルになっている?


Anly:そうですね、スキルになった感じがします。例えばCMの曲だと、「このCMで何を伝えたいのかな」とか、それに関わる用語を調べたりだとか。今までは、その作品のために何かをインプットすることがあんまり肌に合わなかったんですけど、最近は要素として1回体に入れることも悪くないと思い始めて、たくさん調べたりするようになりました。

――それで言うと、「好きにしなよ」はTVアニメ『Dr.STONE NEW WORLD』第2クールのエンディング・テーマ曲として、どのように作っていきましたか?


Anly:『Dr.Stone』はすごく好きで、アニメの第1クールも見ていたんですが、「好きにしなよ」は元々作品に寄せて作ったわけじゃなくて、自然にできた曲なんです。『Dr.Stone』にフィットした感じなんです。自分自身の中で、「好きにしなよ」っていう言葉を、最初はネガティブな意味で使ってたんですよね。「私の音楽を聴こうが聴かなかろうが、どっちでもいいからもう好きにして」みたいな気持ちというか(笑)。

――結構突き放した感じの言葉ですね。


Anly:焦って結果を求めていて、自分のやってることが何に繋がってるのわからなくなってしまった時期があって、応援してくれるリスナーさんや周りの人に申し訳ないと思っていた中でできた曲なんです。

この曲は、船をテーマにしているんですけど「こんなゆらゆらしてる小船に乗せて申し訳ないから降りていいですよ、乗ってくるならいいけど」みたいな、かなりネガティブな歌詞だったので、世に出そうとは思っていませんでした。「好きにしなよ」の歌詞を1人で歌っていたら「すごくいい曲じゃん」って言ってくれる友だちもいて、「そういう風に感じてもらえるんだ」と思っていた時に、ちょうどこの『Dr.Stone』のエンディングのお話が来たんです。

『Dr.Stone』って、「ついてくるならついてきていいよ」っていう感じの主人公で、「好きにしなよ」って言いそうだなって思ったんですよね。「お前が行きたい場所に行けばいいんだけど、俺に付いてきたらこういうこともできるし選択肢は自由だけど」みたいな、相手のことも想いつつ選択肢を提示する主人公という印象があったので、この曲を出してみようかなと思いました。自然に<丸くて青いこの星の旅人>という歌詞を書いていたら、第1クールのエンディングが旅してるような終わり方だったので、これはきっと運命だったんだなって。「好きにしなよ」っていう曲に、“好きにしなよ”って言われた気分でした。

▲Anly - 好きにしなよ Official Video

――物語自体が船で旅に出るところとリンクしているので、物語のテーマに合わせて書いた曲なのかと思ったら、違ったんですね。


Anly:そうなんですよ。作中の描写でも、乗る人と乗らない人をリストアップする場面で、呼ばれたけど悩んでる人がいたんです。そこで、「お前に任せるけど」みたいな感じのシーンがあって、すごく合ってるなって。まあ、千空(主人公の石神千空)たちが作った船は、私が想像するようなちゃっちい船じゃなくてドデカいんですけどね(笑)。この曲を選んでくださった方々には本当に感謝しています。

――世に出すことによって、Anlyさんの中でも最初と違う意味合いが生まれて来たわけですね。


Anly:私の中で“好きにしなよ”がいい言葉だなと思うようになりました。何かを迷っていたり、「自分って正しいのかな」と思っている人がこの曲を耳にしたときに、一歩踏み出せたらいいなと思うし、ちょっと心が軽くなってくれたら嬉しいです。サウンド面でも、私の中では好きにできたんです。アイリッシュの要素をふんだんに使いたいと前から思ってたので。

――ケルト音楽の雰囲気はすごく伝わってきます。


Anly:アイリッシュ、ケルト音楽っていうのは、“旅感”がありますよね。広い景色が浮かぶし、そういう意味でも好きにできたと思います。今回リミックスもシングルに入れてもらったんですけど、そのときも、「好きにしてください」って言ってました(笑)。


「私も私でいいんじゃないか」

――「好きにしなよ」とアルバム制作の関係性について教えてもらえますか。


Anly:タイアップが決まる前からアルバムの話はしていました。私の特性的に、ジャンルに関係なく好きなことをやってるというイメージが前作ぐらいから固まってましたけど、今回はそこをもっと打ち出していこうとスタッフさんが言ってくれて。たぶん、ないものねだりなんですけど、私は1つのジャンルに定められていないことがずっとコンプレックスで、1つのことを極めている人の方がすごいみたいな気持ちがあったんです。それが4作目からやっと肯定できるようになって、今回の5作目で「これがAnlyだよね」って周りに言ってもらえたので、その中のジャンル感をまとめてたんですよ。

踊れる曲もちょっと挑戦してみようとか、どんどんジャンルができていったんですけど、その中にあったアイリッシュっぽいアレンジに出来そうな曲として、自分の引き出しの奥にしまっていた「好きにしなよ」を出したんです。その後に『Dr.Stone』の話がきて、「あのときに出した『好きにしなよ』って曲が絶対合うと思うから」って話が進んでいったという関係性ですね。だから、もしタイアップが決まらなかったら、アルバムに入ってなかったかもしれないです。

――先ほど、コンプレックスの話がありましたけど、それは例えばブルースマンみたいに、本当に1つのジャンルを追求しているミュージシャンへの憧れがあるということなんですか?


Anly:まず憧れっていうのがなくて、「歌いたい」っていう感情だけで音楽を始めているんです。その中で自分が聴いて育ってきたのはブルースとかロックだったから、自然にそこから入っていったんですけど、YouTubeで調べたりラジオでいろんな音楽を聴いて、「私これも好きなんだ」って受け入れるようになってから、吸収率が高くて。聴いたものをすぐアウトプットできる人間なんです。ただ、音楽業界で活動していると、1つのジャンルに特化してる人の方がプレイリストに入りやすかったり。“こういう音楽が聴きたいときは絶対この人”ってなるけど、私の場合だと“この人の音楽だよね”じゃなくて“この曲だよね”ってなるから、自分自身の音楽性に統一性がないことに自分でも戸惑っていました。

自分の中にない要素を取り入れて楽曲を作ることもできるんですけど、「自分はこれを本当に作ろうと思って作ったのかな」とか思ったりして、10代の頃から悩むところはあったんです。私はライブスタイルも様々で、ループペダルも使うし、弾き語りもするから、バンドのイベントに私を呼ぼうってなったときにイメージできなかったり、弾き語りのイベントのときには「ループペダル使う人だ」とか、イメージが錯乱しているような感じがあって。「私はどういう風にやっていけばいいんだろうか」ってすごく悩んでいる時期もありました。でも、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、クイーンのアルバムを聴いたときに「自由にやってるな」って、ちょっと吹っ切れたんです。ロカビリーをやってるときもあれば、オペラもやるし、ロックな曲もやるし、先人たちもこうやって好きなことを好きなようにやってたんだなって思うと、ちょっとずつ「私も私でいいんじゃないか」っていう気持ちになってきて、『QUARTER』でそれをやっと綺麗な形で具現化できて、今回のアルバムはさらにそこからエッジを効かせた感じです。

――様々なジャンルの曲たちを、アルバムとしてまとめるにあたってテーマはあったんですか?


Anly:1曲1曲、全然違う味が出てるんじゃないかなっていう意味で“カクテル”というテーマで作りました。カクテルっていろんなお酒が混ざり合ってできるものなので、私の音楽性もそうだし、感情とかもカシャカシャと混ざり合って、「こちらです」って1曲1曲を出していくイメージです。私の年齢分の経験とかいろんなその気持ちが入っているよという意味で、『26ml』というタイトルにしました。

――アルバム冒頭の「TAKE OFF」「EYE」は、これまでになくラウドな印象です。


Anly:今までになかったですね。前作でいうと「IDENTITY」はちょっと近いですけど、もっとエッジが効いてるのは「TAKE OFF」「EYE」かなと思っていて、自分の中ではこの2曲は兄弟作品的に感じています。「TAKE OFF」は、国際ファッション専門職大学の新CMソングとして書き下ろした曲です。ファッションショーって「これってどういう音源なの?」みたいな音楽でランウェイを歩いてくる気がするんですけど、そういう無機質な感じの音がいいなと思っていたら、アレンジを長年一緒にやってるLouisさんが、偶然他の曲で使おうと思ってたものを、私のデモに使ってみたらめっちゃ合ったということでイントロになっています。そういうファッションショー的なイメージと、飛行機が飛び立つと“ランウェイ”にもかけて、夢に飛び立つ人たちの気持ちを描きたいなと思って作った曲です。

▲Anly - TAKE OFF Official Video

――サウンドも強烈ですが、<恥を晒して泥水をSWIM>という歌詞にもギョッとしました。


Anly:あはははは(笑)。私はそういう気持ちになることが多かったっていうか、そう捉えてしまうことが多かったんですよね。別にそんなふうに思わなくてもいいのに、恥をさらしてるような気持ちになったり、やってることには誠実に向き合っているけど、なんかみんなに届くようなパワーが出てなくて、「何年これやってんだろう?」みたいな気持ちになったりして。でも、何か踏み出すときや一生懸命になってるときって、転んだりとか、泣いたりとか恥をさらしながらも進まないといけないときってあるんですよね。
私はアレキサンダー・マックイーンっていうデザイナーのドキュメンタリー映画がすごく好きで、「誰に何を言われても、僕はこのショーを作り上げるんだ」みたいなことをしつつ、みんなに受け入れられるようなものもしっかり作って両立していた方なんです。今見たらかっこいいけど、当時見たら「何これ?」って思われてたんだろうなっていうことも結構あったりするんです。そういう、その人が自信を持って「これはかっこいいって思ったらそれはかっこいいんだ」っていうことを曲の中に込めたかったので、2番Aメロのラップにはそういう言葉が並んでます。


仕事でも友人としてもストイックなReiの存在

――「EYE」は、ドラマ『ハレーションラブ』主題歌ですね。


Anly:これは脚本を読んで書き下ろしたんですけど、脚本だとセリフだけなのでちょっと感情が読みにくいんですよね。だから自分で何回も関係性を書き直して考えました。私なりに考えたのは、主人公が向かい合うべき人は、他人じゃなくて自分なんじゃないかなっていうことなんです。自分の中でどう評価するかとか、どういうふうに俯瞰して見て捉えるかによって、「明日どう生きていくか」が決まるときに、「あなたの目に映るのは誰なんですか」っていう意味で「EYE」というタイトルにしました。サウンド面的にはめっちゃ鋭くなったんですけど、言葉は全部優しく書きたいと思って書いた曲です。

▲Anly - EYE Official Video

――<どうしたいの? どうしたいの?> と語り掛ける歌詞が耳に残ります。


Anly:脚本を読んでいたら、本当に「どうしたいの?」と思ったんです(笑)。街の人々がいっぱい出てくるんですけど、「あなたたちはどういうふうに解決したいんですか?」って、もうイライラしてきちゃって。主人公役の高橋ひかるさんとも、ラジオ番組で共演したときに同じ話になったんですけど、「私もそうなんです」みたいなことをおっしゃってました(笑)。私の中では「どうしたいの?」って呼びかけることすらない物語だと思ったから、ドラマの最後に歌で「次はどうしたいの?」って呼びかけてます。

――その後に「好きにしなよ」って言われそうですね(笑)。


Anly:そうそう(笑)。対になってますね。

――「Sunday Afternoon Blues – Anly & Rei」ではReiさんと共演していますが、もともと交流があったんですか?


Anly:Reiさんとは、デビュー前ぐらいからお互い認識はしていました。当時のReiさんのギターを抱えているアー写がすごく印象的で、同世代の女性でブルースが好きな人ってあんまり出会ったことなかったから「あっ!同志がいるぞ」みたいに思ってたんです(笑)。それから大阪でツーマンライブでご一緒させてもらったりもしたんですけど、2019年に沖縄の国際通りにある、私がインディーズ時代にストリートライブをやらせてもらってた「高良レコード」というお店の創立70周年企画でやったツーマンライブのタイトルが【Sunday Afternoon Blues】だったんです。当日はどうせだったらコラボしようって、「Stairway to Heaven」(レッド・ツェッペリン)とかを2人で練習していたんですけど、そのうち曲を作ろうという話になって、リハのときにパパッと作った曲なんです。それを、今回のアルバムにブルースも入れたいなって思ってたときに、ふと思い出して、Reiさんとアレンジ……というか、もうセッションですね。そこから形になりました。だから曲は作った当時と全然変わってないです。

私、Reiさんと話すとき、特に音楽を語るときに緊張するんですよね。Reiさんはすごく「音楽と生きてるな」っていう感じがして、なんか下手なこと言えないなみたいな(笑)。あんなにまっすぐ音楽と向き合ってる人見たことないです。レコーディングが終わって、後日一緒にカフェに行ったりしたんですけど、8割仕事の話しかしてないです。「たまには女子っぽい話しようよ」って話してても、5分ぐらいですぐ仕事の話になりますから。ストイックとはこのことかっていう感じですし、本当に尊敬してます。

――「58 to 246」も沖縄がモチーフになっている曲なんですよね。


Anly:これは結構前にできていて、コロナ禍前にLAに行ったときに、2枚目のアルバムぐらいから一緒にやってるアレンジャーのアリーザと1から曲を作ろうよっていうことでトラック先行で作って、その後に歌詞をつけたんです。なんかコロコロしたトラックでかわいかったので、恋の曲にしたいなみたいなことを思いつつ、語呂がいいから「58 to 246」っていいなと思って、私のルーツである沖縄の国道58号線と、東京から静岡を結ぶ国道246号線をイメージして、この曲を聞きながらドライブしてくれたら気持ちいいかなっていう思いで書きました。

▲Anly - 58 to 246 Official Video

――ルーツを歌っているという意味で、冒頭で流れる音が赤ちゃんをあやす玩具みたいに聴こえました。


Anly:ああ~なるほど、その捉え方すごく可愛くていいですね。私も次からそう思って聴きます(笑)。

――「Message in the bottle」は物語を感じる曲ですが、どうやってできた曲ですか。


Anly:実は6年前ぐらいにできていた曲で、やっと形になったんです。名古屋のラジオ局ZIP-FMでMEGURUさんとAViAさんがやっている『FABULOUS RIDE』という番組で、毎週曲がどんどん進化していくのをリスナーさんに見せながら、私が1曲作るという企画から生まれた曲です。AViAさんはトラックも作れるので、ギターリフやメロディをやり取りして完成させて、最後はリスナーさんを呼んで曲のお披露目会をやって、この楽曲に関しては終わっていたんですよ。時々ループペダルで演奏はしていたんですけど、音源化したいなと思いつつタイミングがつかめなくて、今回アルバムの中で踊れるノリのいい曲を入れたいよねってなったときに、「Message in the bottle」が良いんじゃないかっていうことで、AViAさんがまたブラッシュアップしてくれて収録できました。ラジオとか音楽って、誰に届くかわからないけど発信してるみたいなところってあるじゃないですか?元々作ったときは「この人に聴かせたい」と思って作ってるかもしれないけど、世に出すときは音の波、電波に乗ってあなたに届いてるかもね、みたいな気持ちで書いた曲です。

――<コロコロ>とか<ボロボロ>とか歌詞のリズム感が気持ち良いですし、<いつの間に間に太平洋>ってすごく言いたくなります。


Anly:あはははは(笑)。私もずっと好きだった曲なので嬉しいです。


1人の人間として曲を書いてみよう

――後半になると、序盤の激しい曲とはまったく印象が変わりますよね。「オレンジカラー」「STAY WITH ME」「点滅~Green Light~」と続く最後の3曲は、すごく流れを意識されているところじゃないでしょうか。


Anly:夜明けからまた眠る時間に帰っていくような感じはありますね。「オレンジカラー」は、沖縄の番組(RBC 琉球放送「沖縄CLIP」)のテーマソングに選んでもらえたんですけど、その時点ではサビだけできててAメロがなかったんですよ。私が作る曲は4コードぐらいずっとループしてる曲が多いんですけど、この曲は私にしてはめちゃくちゃコードが動く珍しい曲です。アルバム自体が1日だったら、夕暮れに入ってきてるようなイメージで10曲目に入れました。

――この曲はひと際、力強く熱唱していますし、すごく感情が入っているように思えるのですが、いかがですか。


Anly:この曲は、友だちに向けて書いたんです。励まし合えるような友だちで、沖縄に帰ったときに「絵を描こうよ」って言われて、私はキャンバスに描くのが初めてだったんですけど、一緒に描いたんです。久しぶりに絵の具を触って、「混ぜるの楽しい!」とか言いながらいろんな話をして、「これっていろんな色を混ぜすぎたら黒くなったり茶色になっちゃうんだろうな」と思いながら、絵具を混ぜてるときの思い出とかが、曲に結構入っていて。その子しか描けないものってあると思ったし、私しか出せない色ってあるなって思ったんですよね。1日の捉え方の違いとか、その子が今日元気だったとしても私が元気なかったり、一緒に元気な日があったり、一緒に落ちてるときもあるし、「また頑張ろう」って言うときもあるし、そういういろんな人の要素が混ざり合って1日ができてる。それってとっても素敵なことだなって思ったんです。沖縄でもちょうど夕方ぐらいにテレビから毎日曲が流れるので、1日の終わりに聴いてもらえたらなって思います。

――いろんな色が混ざり合ってできているというのは、アルバムのテーマ「カクテル」にも言えることですもんね。


Anly:確かに繋がってますね。このアルバムのビジュアルを撮影するときも、いろんな色を混ぜたりする作業があったりして、そことも通じるなって後から思ったりしました。最初は曲を完成させられるかなってすごく心配だったんですけど、友だちのことを思ったらパっと書けました。

――11曲目「STAY WITH ME」で、アルバムが1回エンディングを迎えるような気もします。


Anly:そうですよね? 私もマスタリングをしているときにそう思いました(笑)。
この曲はThe Charm Parkさんにアレンジをお願いしました。The Charm Parkさんの曲は大好きでアルバムも全部聴いているので、おまかせした感じでした。リファレンスというか、「こういう感じにしたい」っていうことは少し伝えていたんですけど、もうそれ以上に良いアレンジが返ってきたので「本当に頼んで良かったな~!」って思いました。

――ラストの「点滅~Green Light~」は、<もったいないから生きましょう>というフレーズがすごく心に残りました。この曲への想いを聞かせてください。


Anly:この曲は、去年のアルバム『QUARTER』のツアー中にできた曲なんです。『QUARTER』は13曲収録で、ツアー中にスタッフが選んだ「この曲のこの歌詞が良い」っていう「パンチラインポスター」っていうのを作って、会場に貼ってくれていたんですよ。でも、13曲しかないのに最後の沖縄公演が14公演目で曲がなかったので、空白のポスターになっていたんです。だったら最近生まれた曲を歌おうかなと思って、誰にも何も言わずに、「点滅~Green Light~」の歌詞をポスターに書いておいたんです。そのときに初めて歌ったんですけど、みんないいねって言ってくれて。ただ、私の中で「こういう気持ちのときもあるよ」みたいな、本当に聞き流してほしいぐらいの曲だったんですよ。だから2番の歌詞を考えたときに、心配されそうだし親に見せるのも嫌だなって(笑)。沖縄の伊江島の子たちにも、講演会をやらせてもらったときに「先輩は頑張ってるよ!」みたいな姿を見せた割には、すごく悩んでるんだなって思われるかもなって。だから1番の歌詞も書き直そうかなと思っていたぐらいで。

――そこから改めて2番の歌詞も書いて、曲を完成させられたのはどうしてだったんですか?


Anly:自分のバックボーンとかを1回下ろして、1人の人間として書いてみようと思ったんです。私の中で、歌詞に出てくる横断歩道って、「生きること」を感じさせられるんですよね。いつも同じ道を通るし、そこですれ違う人とかもいるし、点滅してる信号が減ってく分、時間も過ぎてるんだなって思ったりもするし、いろんな思い出もありつつ、つらくなると暗い場所にも見えるんです。そういうところで感じたものを、自分の気持ちがちょっとだけ浮いたときに俯瞰的に見て書いたんじゃないかなって思ってます。未来の自分がまた落ち込んだときにこの曲を聴いて、最後の呼びかけが響いてくれたらいいなって思いました。アルバムのラストに来るには重い曲かもしれないけど、自分が歌ってる根本の理由ってこれだろうなと思うんですよね。きらびやかな曲ももちろん必要だし、元気が出る曲も踊れる曲も必要だけど、多分、自分が歌ってるときって、こういうことを呼びかけたいんだろうなって思うんです。自分にも伝えるために歌っている気もするし、だからきっと自然と最後の曲になったんだと思います。1番だけで終わるはずだった曲だけど、頑張って書いて良かったと思います。

――年内のツアーはループペダルでのライブになるそうですが、意気込みを聞かせてください。


Anly:このアルバムをループペダルでやろうと思うとめっちゃ大変なんですよ(笑)。ただ、逆にループだからこその味わいがあるなっていうライブになると思います。ある意味アルバムのループリミックスみたいな感じで、その場所その場所のテンポ感もあるだろうし、何度も行っている地域の会場もあるので、そこのテンション感も受け取りつつ、アルバムに収録した楽曲たちをより良く、濃く伝えられたらいいかなと思ってます。

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