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<インタビュー>藤井 風に導きを与えた“第三のデビュー曲”「Workin' Hard」ができるまで



藤井風インタビュー

Interview: 柴 那典

 藤井 風の新曲「Workin’ Hard」についてのインタビューが実現した。

 新曲はケンドリック・ラマーやSZAを手掛けたDahiをサウンドプロデュースに迎えてロサンゼルスで制作された一曲。ヒップホップのビートを前面に押し出した新機軸のナンバーだ。【FIBAバスケットボールワールドカップ2023】の中継テーマソングとして書き下ろされたこの曲は、単にスポーツの応援にとどまらず、日常を生きる多くの人達に寄り添い、鼓舞するような響きを持っている。

 藤井 風にとっても大きなターニングポイントとなったこの曲。以下のインタビューでも、デビュー曲の「何なんw」、2ndアルバム『LOVE ALL SERVE ALL』のリードシングル「まつり」に続く“第三のデビュー曲”という意識を持って制作に臨んだと語っている。

 どんな思いからこの曲が生まれたのか。初のアジアツアーを終えての実感や、ミュージック・ビデオの監督を担当した映像作家のMESSと共に語ってもらったMV制作秘話など、幅広く話を聞くことができた。

――まずは今年6月から7月にかけて行われた【Fujii Kaze and the piano Asia Tour】について聞かせてください。初のアジアツアーはどんな体験でしたか?

藤井 風:歌詞で使われている日本語が母国語ではない人たちに初めて会いに行くツアーになったので、言葉を超えた精神的な繋がりをこれまで以上に意識できた体験になったと思います。

――ドキュメンタリーを拝見しましたが、日本語での大合唱も起こっていましたね。

藤井:びっくりしました。自分よりみんなのほうが歌詞を覚えていて。母国語以外の言葉の歌を覚えて歌うのって簡単じゃないと思うんです。圧倒されました。

――音楽に込めたものが伝わっている感がすごくあったんじゃないかと思います。

藤井:こんなに歌の内容を知ってくれている、人間的な部分まで知ろうとしてくれているなんて、すごく嬉しいし、ありがたいと思いました。

――ドキュメンタリーの中では、お客さんのことを友達や家族のように捉えている風さんのコメントも印象的でした。

藤井:みんな一緒っていう感覚は(自分の中で)すごく大事なテーマです。自分と他人の境目みたいなものは今後もなくしていきたいと思ってるし、距離を感じてほしくない。みんな一つっていうことを感じてほしいですね。

――ツアーを振り返って、どんな光景が特に印象に残っていますか?

藤井:毎回、感謝と愛に溢れていたし、最初のほうはちょっと緊張してたんですけど、回を重ねるごとに自分自身も解放されていくのが、自分にとっても新鮮でした。アジアツアーでは、自分自身の内面にフォーカスしていたので、外側の情景とか景色というより、自分自身の変化みたいなものをすごく感じていて。今まで感じてなかった、自分がアジア人であることへの誇りみたいなものも生まれました。これまで自分が日本人だという意識はありましたけど、“アジア人”という意識はあんまりなかったので。日本以外のアジアの国々を訪れる機会を得たことで、自分のふるさとみたいなものがさらに広がったというか、ブラザーフッドみたいなものが広くなった気がします。

――それは風さんにとって確実にポジティブな変化だった。

藤井:もちろん。自分の仲間がこんなにもいたんだというか、知らなかった故郷に出会えたような感覚です。自分自身の精神的な部分も、大きな広がりを感じました。

――新曲の「Workin' Hard」について聞かせてください。まずは曲を作るきっかけについてですが、【FIBAバスケットボールワールドカップ2023】の中継テーマソングという話があってから書き始めたんでしょうか?

藤井:まさにそうです。バスケのワールドカップがテレビで放送されるというイメージがあまり浮かばなかったので、テレビとの関係性より、バスケに向けた曲にフォーカスを絞って考えました。バスケは自分と一番縁のあるスポーツで、バスケと言ったらヒップホップというイメージが自分の中にありまして。バスケのテーマソングならヒップホップっぽいアプローチができるんじゃないか、自分がヒップホップっぽくて格好いいと思えるものにしなきゃと意識しました。

――それがオファーをいただいての最初の感触だった。

藤井:そうですね。今までのスポーツのテーマソングとはまた違う何かを提示してもいいんじゃないかという思いもあったし、それはバスケという競技だからこそできたというか。


――風さんはいつ頃、どういうきっかけでバスケを始めたんでしょうか?

藤井:中学校に入ったらバスケ部に入るという思いが芽生えたのが小学5~6年生の頃で、バスケットボールを親に買ってもらって、家の前の電柱に向かってひたすらシュート練習をしてました。音楽以外の部活に入りたいという反骨精神みたいなものがあって、なんかわかんないけどバスケ部がいいと思ったんです。

――楽曲制作はロサンゼルスで行われたそうですが、その経緯は?

藤井:まずこのお話をいただいてから、Bリーグや日本代表戦に行かせてもらいました。そして、W杯の舞台と同じく、世界最高峰の選手が集まるNBAにインスパイアされて曲を作ってみたらいいんじゃない?という、スタッフの計らいもあって、ロサンゼルスに行くことになりましたね。

――NBAの試合を見てどんなことを感じました?

藤井:重低音が鳴り響くような会場で、ヒップホップを流していることも多くて。ヒップホップの曲を作りたいという思いが確信に変わりました。

――ヒップホップというキーワードにしても、楽曲の制作環境にしても、これまで風さんがやってきたことの延長線上ではない、新しい挑戦であると思います。そこに踏み出そうと思った理由はどういうところにありますか?

藤井:それは前作にあたる「grace」という曲が大きいです。「grace」が自分の中で卒業ソングみたいな立ち位置になってしまって、あの曲を出した後に、言いたいことは全て言い切った、今できることは全部やったみたいな、ちょっと燃え尽きたような感覚になってしまったんです。だからこそ、次に何をしたらいいのか長い間全然わからなかったし、曲を作る必要性も感じなかった。そこに今回ありがたいお話をいただいて、今までと違ったことをイチから始めるようなエネルギーで、ぜひやってみたいと思えたんです。


――「grace」を作ったことで、デビューから風さんがいろんなやり方で歌にしてきたことを出しきった、と。だからこそ、同じことをやり続けるのはマインドとしてあまりヘルシーなことではないという感覚があったということなんですね。

藤井:まさにそうです。新しいことをすることが好きで。でも、自分が歌にするべきだと思っているメッセージが変わるわけでもないし、それはほぼ一つしかない。その核みたいなものが揺るぎようもないものだからこそ、次はどういうアプローチでそれを発表できる余地があるのか、他に方法があるのかどうか、自分では全然わからなくなっていたところでした。だから、こういう外側からの提案がなかったら、次の曲はもっと時間がかかっていたかもしれないです。同じことを繰り返さなくていいような、全く違うアプローチの方法を模索していて、そこにありがたい話がうまくハマったと思ってます。

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結果よりもプロセス
それは自分がこれまでも歌にしてきたテーマの一つ

――Dahiさんとの話も聞かせてください。サウンドプロデュースを彼が手掛けていますが、制作としてはまず風さんがデモを作って、そこから一緒に練り上げていったんですよね。

藤井:この曲は自分の頭の中で完成形ができていて、それをそのまま形にしてくれる、プラス、その人なりのマジックをかけてくれる人を探していました。チームの協力もあってDahiさんと巡り合うことができて、導かれるように一緒に制作を進めていきました。最初に「こういう曲にしたい」とか「こういうビートで、こういうバイブスで、こういうメッセージを伝えたい」ということを共有して。実際に会って曲の制作を進めたのは1回だけだったんですけど、その時にレコーディングも終わらせて、そこで吐き出せるものを吐き出して、あとはオンラインでのやりとりで仕上げていきました。

――Dahiさんと一緒にスタジオに入っての感触はどうでしたか?

藤井:次から次へとアイディアが出てくる方で、自分が「それ」ってちゃんと言わないと次々と先に行っちゃうぐらい。とめどなくいろんなビートや音のサンプルを聴かせてもらいました。めちゃくちゃスムーズに、かつ自分が思っていたよりだいぶ洗練されたクールでスタイリッシュな方向性になりました。

――Dahiさんと一緒にやったことで、アーティストとしての新しい扉が開いたような感覚はありましたか?

藤井:日本以外の国で曲を完成させることは初めてだったんですけど、お互いのリスペクトがあればどこにいても曲を仕上げることができるんだっていう自信に繋がりましたね。

――この曲はラップと歌がシームレスになっている印象もあります。歌い方やフロウに関しては、どんな意識がありましたか?

藤井:「まつり」以降の自分のマインドとして、脱力がキーワードになっていて。いかに力を抜いて、聴く人の耳に余計なストレスを与えないか、いかに自分がリラックスして、脱力したムードを聴く人に伝えることができるかどうかが自分の中で大事なことになっています。


――たしかに風さんの歌い方や声のトーンは「まつり」以降で変わったような感覚がありました。そういう意識があったんですね。

藤井:「まつり」は自分のメッセージの伝え方として、すごく手応えがある作品だったんです。曲のサウンドにも自分の歌い方やフロウにも、すごく自信を持てる作品だったから、これが今後の自分の行くべきサウンドの方向なんだって思ってたんです。なので、「何なんw」でデビューしたんですけれど、「まつり」という曲が出た時には“第二のデビュー曲”みたいに思えて。そしてその後「grace」ですぐに卒業しちゃったので、この「Workin' Hard」は、“第三のデビュー曲”と言うくらいのエネルギーと熱量を持って取り組もうと思っていました。

――「まつり」も「Workin' Hard」も、藤井 風というアーティストの大きなターニングポイントになる曲だという実感が作っている時からあった?

藤井:そうですね。特に「Workin' Hard」はシンプルに「grace」の後に出すものとして、そして「死ぬのがいいわ」が日本以外に広まった事象の後に、今年初めて出す曲でもあったので、いろんな意味で始まりの曲にしなければ、新しいことを提示しなければ、という思いもありました。

――振り返って、「死ぬのがいいわ」の話も聞かせてください。あの曲が世界中に広まっていった現象からしばらく経ちましたが、作り手としては、今、どんな風に思いますか?

藤井:あの現象は、本当に神様からのプレゼントですね。自分のフェイバリットな作品ですし、「死ぬのがいいわ」とか「まつり」みたいな、ちょっとダウナーで気だるい方向性で、ヒップホップとかブラック・ミュージックに大きく影響されている曲が広まっていったので、自分が本当に格好いいと思えるものをシェアしていっていいんだという自信もくれました。最初から言葉を超えた精神的なところをすごく大事にしてきたので、それも大事にしてきてよかったなって思ってますし、全てがプレゼントみたいなものだなって、ありがたく受け止めさせてもらいました。


――「Workin' Hard」の歌詞についても聞かせてください。この曲は、いわゆる典型的なスポーツの応援をモチーフにしたテーマソングとはちょっと違う角度の曲になっていると思うんです。勝ち負けよりも聴き手の日常に寄り添ってくれているような言葉が印象的ですが、歌詞を書くにあたって、どういうところから取り掛かっていったんでしょうか?

藤井:スポーツだから結果が一番大事という考え方もあると思うし、それもすごく理解できるんですけど、こういう視点を持った曲がスポーツのテーマソングとしてあってもいいんじゃないかなと。結果よりもプロセスを大事にすること、勝ちや負けを超えた何かを考えてほしいということは、自分がこれまでも歌にしてきたテーマの一つなので。本当は自分が結果とか目に見えるものにこだわる人間だから、そう自分に言い聞かせているところもあるし、だからこそ自分が歌いたいメッセージなんだと思います。

――〈めっちゃがんばっとるわ〉というフレーズも胸に残ります。ここについてはどうでしょうか?

藤井:近所のスーパーにおばあちゃんが頑張って買い物しに来てるのを見るだけでも、「ああ、この人、すごく頑張ってる」とか「助けられることないかな」とか思うことがよくあって。そういう日常の経験もインスピレーションのどこかにはあると思います。いろんなことが一つの作品に落とし込まれています。

――「Workin’ Hard」という曲名はフックとなるフレーズでもありますけど、これは最初からありました?

藤井:これはなかなか出てこなくて……肝心なサビの歌詞が日本語でなかなか出てこなかったんです。でも、NBAの試合を見る最後の日に、この試合中に絶対にサビの歌詞を仕上げると固く決意して、選手たちと一緒にコートで戦うような気持ちで試合を見ていたら、〈Workin' Hard〉というフレーズが浮かんできました。選手たちはシンプルに頑張っているし、日常生活で見かける色々な人たちにも当てはまる、しっくりくる言葉が降りてきてくれました。「頑張れ」じゃなくて、「頑張ってるよ」っていう。

――この〈Workin' Hard〉というキーワードが出てきたことで、曲の差し示す範囲がすごく広がったように思います。日常でいろんなことを頑張っている人にとっても自分のことだと思えるような曲になっている。このあたりの意識はどうでしょうか?

藤井:バスケのテーマソングっていう点が大きなきっかけを与えてくれたとはいえ、聴く人みんなを励ますこともできる、聴く人みんなに何かしらの気付きを与えられるような曲にしたいと思っていました。生きているだけで頑張ってるし、みんなすごい。だから一緒にこれからもなんとか頑張ろう、みたいな。そういう強くて優しい歌にしたいとずっと思いながら、曲の制作を進めました。

 結果、音楽的にはかなり挑戦的なものが出来上がったので、もしテーマソングとして相応しくないと判断されたら別の曲を用意するつもりでいました。やっぱり喜んでもらえないと意味がないと思っているので。でもスタッフさんも、その先のW杯テーマソングに選んでいただいたチームの皆さんも、おもしろいと思ってくれたみたいなので、この曲はこうして世の中に出る運命にあったんだなと思います。

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「この曲はあなたのものなんだよ」
視覚的に伝えられたら

――ここからは「Workin’ Hard」のミュージック・ビデオについて、監督を担当されたMESSさんと一緒に話を聞かせてください。MVはすごくインパクトのある映像でした。

藤井:この曲は最初からミュージック・ビデオの役割がめちゃくちゃ大きいと考えてました。自分もこれまでMVを観て曲が好きになることがよくあったし、映像の持つ力は無限だと思っているから。このMVはめちゃくちゃ頑張りたいと思って、気合いが入ってます。

――MESSさんにお願いする前の段階で風さんの中に「こういうMVを作りたい」というイメージがあったんでしょうか?

藤井:それが、最初のミーティングで2人のビジョンがバチーンと一致したんですよ。僕からは何も言わずにMESSYにまず曲を聴いてもらって、イメージを考えてもらったんですけど、最初に提案されたものが自分の見ていたビジョンと同じだったので、本当に驚きました。

――MESSさんが最初に思い浮かべたイメージはどんな感じだったんでしょう?

MESS:最初の打ち合わせの前に、まず曲だけ聴かせていただいたんですけど、音の感触からゴミ収集車につかまって疾走している絵面が思い浮かんだんです。そこから歌詞とともにメッセージを読み解いていって、いろんな職場の働いている人たちのシーンが言いたいことを一番伝えやすいかもと思ったんです。そういうことを打ち合わせで言ったら、イメージに合ってるという話になって。

藤井:聴く人、観る人の日常に当てはめて考えられるものにできたらいいなと思ってました。曲が攻めているからこそ「この曲はあなたのものなんだよ」ということを視覚的に伝えられたら一番いいなって。

――MVにはスーパーマーケット、スクラップ工場、茶畑、市場などいろんな場面で働いている人が登場しますが、その構成はどんな風に考えていったんでしょう?

MESS:この曲は全ての人に対しての曲だと思って、最初はいろんな職場で働く人たちのシーンをできるだけ多く繋げられたらいいなと思っていたんですけど、すべてを映像に入れるのはやはり難しい。そこから、職業の中でも生活に関連している、誰もがイメージしやすいものを選ぼうと考えました。職業としてのワークだけじゃなくて、生活全般も含めたワークだということも含めたいと思って、最後に布団叩きをしていたり洗濯物を干したりしているところが出てきます。そういうことを夜な夜な話し合いましたね。

藤井:最後のサビが布団叩きになるなんて誰が思います? 「仕事だけじゃなく家事をしている人たちのことも考えてくれて嬉しい」みたいな感想をよく見ました。自分にはなかった発想だったので、MESSYに大感謝ですね。

――いろんな場面でたくさんの働いている人たちが登場して、風さんはその中の一人という描かれ方になっているのもポイントだと思います。

MESS:最初の打ち合わせの時に風くんから「平等」というキーワードをもらっていて、自分が中心にいなくてもいい、むしろそうじゃなく見えるほうがいいと言っていて、職業も、なるべくみんなが同じ作業着や制服、同じ格好をしているシチュエーションを選びました。

――ダンスに関してはどうでしょうか?

藤井:みんなで踊っているシーンのダンスは、実は、中学校時代に友達とやってたダンスなんです。振り返ると、中学校時代って一番クリエイティブな時代だったんですよね。怖いもの知らずで、制限もなくて。今回、そういうバイブスを大事にしたいなと思っていたし、MESSYは出会ったときから中学時代の同級生にいそうな雰囲気があって、だからこそ思い出せた振り付けなのかもしれないです。

――MESSさんは「まつり」の監督も担当されていますが、そこがお二人の出会いのきっかけだったんでしょうか?

MESS:そうですね、「まつり」のMVの時に初めて会いました。その時も初めて会った気がしないと言ってくれていたし、自分も地元にいるちょっと変わった友達みたいな感じでずっと接しちゃっています。

藤井:「まつり」も、ヒップホップに影響された、自分がすごく格好いいと思える曲になったので、格好いいヒップホップのビデオを作っている方を探していただいたんです。

――ジャケットのイラストもMESSさんが描かれたということですが、これはどういうイメージで制作していったんでしょうか?

MESS:「ジャケットのイラストを描けませんか?」ってご相談をいただいて、打ち合わせでも「導かれるがままに自由に書いてください」って言われたので、導かれるがままに書いてみました。「どんな特徴を持っていて、どんな職業で、どんな環境にいても、みんな平等に『Workin' Hard』だ」っていう意味も込めて、MVの間奏にあるシーンと同じで、いろんなキャラクターがゴミのバケツリレーをしています。よく見ると、ゴミ袋を縛ったところがハートになっていて。バケツリレーともとれるし、人に対する愛、称賛とか思いやりのような気持ちを隣の人に渡し、それが遠くの人にもおのずと届いている、ともとれます。個人が目の前の仕事をやっている、そしてそれが遠くの人の支えにもなっているという思いを込めて書きました。

――ご覧になって、風さんの感想は?

藤井:マジでびっくりしましたね。それと同時にめちゃくちゃ可愛いなって思いました。曲のイメージが予想できないジャケットだし、そのギャップとかも全部込みでいいなって。「MESSYには導かれるがままに書いてほしいし、それを信じる」って最初に言ったので、僕はこれを信じようと思いました。大好きです。

――曲だけでなく映像やアートワークも含めた作品になったということですね。

MESS:最初はちゃんと辻褄のあった、まとまった映像を作ろうとしてたんです。でも、毎夜話し合う中で「常識を一回忘れてほしい」って言われて。その辺から枷が外れた気がしますし、そのおかげで風くんが表現したい映像に近づけた感触もありました。プロモーションのためのビデオというよりは、この曲で伝えたかったメッセージをよりちゃんと伝えるためのビデオにできたと思います。

藤井:間違いなくこの曲の視点を広げてくれた映像だと思います。この曲は映像に助けられている部分もあるし、これからも助け合いながら広がっていく予感がしてます。

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