「すべての人に音楽を奏でる喜びを」という想いから、新しい生活スタイルに寄り添う電子楽器を展開するCASIOがBillboard Liveとコラボレーション。Billboard Liveの出演者にリレー形式で「音楽の楽しみ方」を語ってもらう。

　E-girlsの中心メンバーとしての活動を経て、2015年にE-girlsでは初のソロデビューを果たし、現在はミュージカルへの出演など表現の幅を広げているシンガーのDream Amiが、新曲「Love & Laugh」をリリースした。鴨川シーワールドの開業50周年を記念した、新公式テーマソングにも起用された前作「Wonderful World」からおよそ2年半ぶりとなる本作は、タイトル通り「愛すること」と「笑顔の大切さ」を聴く人に届けるメッセージソング。「まずは自分の日常をハッピーにして、その輪が少し広がっていけば」という、彼女の等身大の想いが刻まれている。9月21日にはビルボードライブ横浜にて『Dream Ami Anniversary Live ～Love & Laugh～』を開催予定の彼女に、新作についてはもちろん、コロナ禍でのクリエイティブな活動についても語ってもらった。（Interview: 黒田隆憲 l 衣装協力: ADELLY(Office surprise) 03-6228-6477）

笑顔でいられるのは幸せなこと

――新曲「Love & Laugh」は、前作からおよそ2年半ぶりのシングルです。

Dream Ami：久しぶりのシングルだったので、自分は今みなさんにどんな歌を届けたいと思っているかを考えました。コロナ禍や戦争など、世界では大変なことがたくさん起きているし、心が痛くなるようなニュースが毎日のように流れていて。だからこそ、自分とその周りの人たち……家族や友人、仲間たちにまず幸せになってもらいたいと思いました。まずは自分の日常をハッピーにして、その輪が少しずつ広がっていけばいいなと。「愛すること、笑顔でいることの大切さ」というテーマは大きいようで、実は等身大のことを歌おうと思って歌詞を書きましたね。

――「笑顔」って、やっぱり大切だと思いますか？

Ami：思います。どんなに辛くても、最終的に笑顔になれればきっとそのプロセスも「素敵だったな」と思えるのではないかなと。「辛い時は無理にでも笑えば、気持ちが明るくなる」ってよくいうじゃないですか。本当にそうだと思うし、実際に私自身もそういう経験がありました。もちろん、笑うことすら難しい時もあるけど、気持ち一つで誰にでもできる尊いことじゃないかなと。いずれにせよ笑顔でいられるって幸せなことなんですよね。

――歌詞にある〈歌おう love love love 自分がまず先に ただ愛することだけ 考えて〉というラインは、「愛されること」よりもまず自分から率先して「愛すること」が大事だというメッセージだと思いました。

Ami：そうですね。基本に戻ってシンプルに「自分を律する」というか。周りを変えようとするのではなく、「まずは自分自身を変えていこう」というメッセージも込めています。〈ただ愛することだけ 考えて〉というのは無償の愛とも取れますが、やっぱり家族が一番大事だなということをコロナ禍で強く思いましたね。結婚して家庭を持ったことももちろん大きいのですが、それまでは家族って当たり前にそこにあるものだと、どこかで思ってしまっていた気がするんです。特に、肉親に対してはそう。つい蔑ろにしてしまうところもありましたし、それでも家族はいつだって味方でいてくれるだろうという「甘え」もあったと思います。

　ですが、大人になって自分の家庭を持ってみて、最終的には家族だよなと改めて強く思うようになりました。もちろん友達や仲間も大切ですが、環境が変われば離れていってしまうかもしれないし、離れざるを得ない状況だってある。そうなったとき、自分の人生の最後に寄り添ってくれるのは家族だよねって。それをコロナ禍でも再認識しましたし、そこにあるのが当たり前だと思わず大切にしなければなと。無償の愛みたいなことも、この歳になってようやくわかり始めている気がします。

――ソウルフルで暖かいメロディやアレンジは、聴いているとじわじわと多幸感が込み上げてくるようです。

Ami：今回も、たくさんのトラックを集めていただき、その中から選ばせてもらいました。おっしゃる通り、聴いているだけでハッピーな気持ちになれるところが気に入りましたね。

YouTube動画チャンネルを立ち上げたことで、自分に自信を持てるようになった

――コロナ禍以降、自宅でクリエイティブな時間を過ごす人が増えました。AmiさんもYouTube動画チャンネル「AMILOG」を立ち上げ、自分で撮影や編集をしたり、番組の中でDIYに挑戦したりしていますよね。

Ami：そうなんです。「AMILOG」を始めたのは、まさにコロナ禍がきっかけでした。ステイホーム期間は仕事もままならない状況で、とにかく時間が余っていたし、でもその時間をただ家で漫然と過ごすのはとてももったいないなと。逆に「今できることはなんだろう？」と考えたとき、ちょうど世の中的にもYouTubeが流行り始め、自分もよく見るようになっていたので「ちょっとやってみようかな」と。

　当時は今より「芸能人がYouTubeをやるってどうなの？」みたいな風潮がまだ残っていたので、自分でも手探りな部分はあったのですが、それでも動画の作り方すら分からないところから、パソコンに編集ソフトをインストールして、使い方をYouTubeで調べて……という具合に少しずつやり方を覚えていきました。「ここにテロップを入れるのはどうしたらいいんだろう？」「音楽はどうやってつけたらいいのかな？」って。

――自分で一から始めてみたことで、何かAmiさんの中で変わったことはありますか？

Ami：もちろん、プロの方たちに比べたら全くの素人レベルでしかないのですが、少しそういうことができるようになったおかげで、今後何かしら活かすチャンスが来るんじゃないかと思っています。自分に自信を持てるようにもなりました。自分が出ている番組を制作してくださっているスタッフさんの大変さを、少しでも理解できるようになりましたし、「自分はこんなふうに見えているのか」「こういう口癖には気を付けよう」みたいなことを、客観的に捉えられるようにもなったなと。

　しかも、自分にとってはホームビデオを制作しているような気分でもあるんですよ（笑）。夫もたまに見返したりしてくれているみたいで、「あの時はこんなことがあったね」みたいに家族団欒のきっかけにもなっています。友人や実家の両親たちへの近況報告としても機能していますし（笑）、そうやって考えてみると、YouTubeを始めて良かったことばかりですね。

――さて、9月21日にはビルボードライブ横浜にて『Dream Ami Anniversary Live ～Love & Laugh～』が開催されます。こちらはどんな内容になりそうですか？

Ami：ビルボードライブ横浜に出演するのは今回が初めてですし、単独ライブそのものも6年ぶりなんです。ずっとやりたいと思いつつも、コロナ禍でなかなか実現しなかったのが、今回やっと皆さんにお会いできることが決まって私自身本当に楽しみにしています。

　私は去年デビュー20周年を迎えたのですが、さまざまなことが重なりお祝いすることができなかったんです。1年経ってしまいましたが、タイトルにもあるように今回はアニバーサリーライブ。自分にとってターニングポイントになった曲や、歴史を振り替えられるようなセットリストを考えています。きっと皆さんが聴きたいと思っている曲は、ひととおり披露できるのではないかと（笑）。楽しみにしていてほしいですね。

――Amiさんにとって、ビルボードライブ横浜はどんな場所？

Ami：先日、BEGINさんのライブを観に行かせてもらいました。とても楽しかったし、「こういう雰囲気のライブ、いいな」と思いました。ステージと客席の距離も近く、お客さんが置いてけぼりにならないちょうどいい空間なんですよね。もちろん、BEGINさんだからこそ楽しかったところもあったのですが（笑）、その時に感じた安心感や高揚感を、私のライブでも感じてもらえたらいいなと思っています。