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<インタビュー>ぜったくん 20万円の軽自動車から生まれた最新EP『shuttle 99』やドライブトーク動画について語る「巣ごもり場所が部屋から車内に変わった(笑)」



<インタビュー>ぜったくん 20万円の軽自動車から生まれた最新EP『shuttle 99』やドライブトーク動画について語る「巣ごもり場所が部屋から車内に変わった(笑)」

 町田で生まれ育ち、音楽とゲームをこよなく愛し、夢心地なトラックとエッセイのように日常を切り取ったリリックで人気を博す、巣ごもり系マイルドラッパー・ぜったくん。

 今回のインタビューでは、最新デジタルEP『shuttle 99』についてはもちろん、その名を冠した愛車でのドライブトーク動画シリーズ・ゼタドラ「shuttle 99と仲間たち」や2023年の音楽に対するモード、10月のワンマンライブについて等々語ってもらっているので、ぜひご覧頂きたい。車がほしくなる(?)エピソードも満載です。

Interviewer:平賀哲雄

「shuttle 99と仲間たち」何回も観たい!と思える内容に

--ぜったくんのYouTubeチャンネルで、ゼタドラ「shuttle 99と仲間たち」(https://onl.la/JQh8wjv)なる企画がスタートしました。あれはどういう流れでやることになったんですか?

ぜったくん:最近初めて車を購入しまして。コミコミ20万円の軽自動車なんですが、それを題材にした楽曲が、今回のEP『shuttle 99』に収録されている表題曲なんです。そこからさらに派生させてスタートすることになったのが「shuttle 99と仲間たち」ですね。毎回、僕がshuttle 99を運転しながらゲストの方とドライブトークを繰り広げています。第2弾で平賀さん(※この記事のインタビュアー)にも出て頂いて、楽しいお話をありがとうございました!


▲shuttle 99と仲間たち(ゼタドラ)ゲスト:平賀哲雄 Episode2

--こちらこそ、ありがとうございました!

ぜったくん:運転して最終的にコーヒーを飲む、Netflixの番組があって。それがめっちゃ良いんですよ。で、自分も車を手に入れたし、今回『shuttle 99』もリリースすることになったので、スタッフと「やってみない?」「めっちゃ面白そう!」みたいな話からすぐにやることになって。第1回からただしゃべっているだけで「これで良いのかな?」と思うぐらいだったんですけど(笑)、仕上がった映像を観たらめっちゃ面白くて。車内と車外を360℃映していくカメラワークが新鮮すぎて「何回も観たい!」と思える内容になっています。

--これまでも動画企画はやってきていたんですか?

ぜったくん:子供たちにラップを教える会とか、クリスマスに『マリオカート』の大会を開いたりとか(笑)。でも、今回みたいなシリーズものは初めてですね。

--そこで大活躍しているshuttle 99。乗り心地はいかがですか?

ぜったくん:ガタが来ることもなく乗れているんですけど、ブレーキの「キィィ!」っていう音がだんだんうるさくなってきて。なので、今度「shuttle 99と仲間たち」に車屋のシンドウさんという方に出演してもらうんですけど、そのときに直してもらおうかなと思っています(笑)。

--一石二鳥(笑)。僕が出演した回で、車の運転中に曲がたくさん浮かんでくるようになったと話されていましたが、これまでどれぐらいの数の曲のアイデアが生まれているんですか?

ぜったくん:20ぐらいあるかも。ケータイのホルダーが真ん中にあったじゃないですか。あそこにケータイを置いて、曲のアイデアが浮かんだら車が停まったときにボイスメモを開いて、そこで鼻歌を録音するんです。もちろんすぐにボツにするものもあるんですけど、有力候補は20ぐらいあるんじゃないかな。

--前回のインタビューで「今年の目標として、仲間内で「今年は20曲作ろう」と言ってて。いっぱい作ることによってアウトプットの脳が活性化するし、その中でめちゃくちゃ良い曲が生まれることもあるんで」と仰っていたんですけど、車を購入したことで目標を達成できる環境が整ったんですね。

▼ぜったくん『人間』インタビュー「一番調子に乗ってるじゃないですか、人間って(笑)。それで「良いところはなんだろう」と考えたら“愛”だったっていう」
https://www.billboard-japan.com/special/detail/3871

ぜったくん:整いましたね。今も仲間内4人ぐらいでそのチャレンジは続けていて、12月31日に20曲提示できなかった奴は旅行を全奢りすることになってます(笑)。しかも、わりと豪遊する予定を立てていて。

--ヤバい(笑)。

ぜったくん:そんな無理やりつくって、クリエイターとしてアリなのか分からないんですけど(笑)。最初は20曲つくれるか不安だったんですよ。でも、車に乗るようになってから、自分の意志で選んだ曲じゃなくて、ラジオからランダムに流れてくるいろんな曲を耳にするようになって。そしたらどんどんアイデアが出てくるようになったんですよね。車窓に流れていく景色から曲や歌詞のイメージが湧いてくることもありますし。なので、本当に良い買い物をしたなと思ってます。

--車に乗るようになるまでは、どのようなシチュエーションで曲を生み出していたんですか?

ぜったくん:部屋に閉じこもりっきり。だから、部屋の中を移動したり、部屋の隅っこで体育座りしたりとか(笑)。そういう部屋の中でシチュエーションを変えて制作していたんですけど、車を買ってからは外へ出て書けるようになった。これがデカかったんですよ。自分は密閉された空間じゃないと、ラップということもあってフロウ的なものを生み出しづらいんですけど、部屋の中だと環境が変わらないから刺激不足になっていく。でも、車の中だったら密閉空間でありながら、新しい刺激がどんどん入ってくるから。

--部屋の中と車の中では、生まれる楽曲に具体的にどんな変化が出ていると思いますか?

ぜったくん:アイデアの広がりが違うんですよ。部屋に閉じこもっているときは何か浮かんでも「聴いたことある」みたいな。誰かがやっているやつのパズルの組み合わせ的なイメージだったんですけど、車で走っているときは「何これ?こんなの聴いたことない」みたいなアイデアが降ってくるイメージ。歌詞もそうなんですけど。

--面白い話ですね。部屋の中だと、自分の中に蓄積されているものが降りてくる。でも、車の中だと、自分の外にあるものが降りてくる。

ぜったくん:部屋に閉じこもっているときは、自分の脳内にあるものが降りてくるイメージ。それはそれで良いんですけど、車を走らせていると景色が移動しているんで、おじいちゃんが犬に先行されながら散歩していてめっちゃ疲れていたり(笑)、そういう普段は目にすることのない景色と偶然出逢える。そこにライブ感があるんですよ。そのときしか出逢えないものを体感できるので、部屋で何かの映像を観ている感覚とはまた違うんですよね。だから、新鮮なアイデアが浮かびやすいんだと思います。

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