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<インタビュー>初の単独来日公演を控えるセイレム・イリースにファンからの質問を聞いてみた
「Mad at Disney」がTikTokをきっかけに世界中でブレイクし、ストリーミング総再生回数が2億を越えるヒット曲となった1999年生まれの新世代POPプリンセス、セイレム・イリース。幼少期からシンガー・ソングライターとしてのキャリアを志し、アラン・ウォーカー、サーフェシズ等とのコラボ作の発表や、ベラ・ポーチ、TOMORROW X TOGETHERなどの楽曲制作を手掛けてきた彼女が、今年9月に満を持してデビュー・アルバム『HIGH CONCEPT』をリリースし、10月には初となる単独来日公演をビルボードライブ東京・大阪で開催する。パーソナルなトピックを率直に歌う楽曲を通じて、会ったことがないのになんでも話せる親友のような感覚を覚えさせてくれる彼女に、聞いてみたいことをビルボードライブのSNSを通じて募集。音楽制作についてから恋愛相談、はたまた人生相談のようなディープなものまで、日本のファンから寄せられた質問に答えてもらった。
――実は今回のインタビューは、日本のファンのみんなからセイレムに聞きたいことを募集したんだ。
セイレム・イリース:本当に?すごい楽しみ!
――まずは、音楽のことから。楽曲を作成するときはPC派?それとも楽器?
セイレム・イリース:楽曲によるかな。最近はアコースティックギターとエレキギターで作ることにハマってる。ギターはとにかく楽しいし、表現がしやすい楽器だよね。だからここ数か月はギターで作曲することが多いんだけど、ピアノを弾いて育ったからピアノを使うときもあるし、時々楽器を使わずにアカペラで作るときもあるよ。
――日本のアーティストで好きな人、もしくはコラボしてみたい人はいる?
セイレム・イリース:今はこの人! っていうアーティストはいないんだけど、日本人のアーティストについてもっと知ってみたいって思ってるの。日本が大好きだから、もっと日本で時間を過ごしてみたいと思っているし、文化的にももっと日本のことを知ってみたい。ぜひみんなのおススメを教えてほしいな。
――楽曲のインスピレーションはどこからもらっているの?
セイレム・イリース:ポップ・カルチャーかな。楽曲のアイデアは、インターネットで聞くような新しいフレーズに着想を得ることがたくさんあるし、特に TikTokのコメント欄はいいインスピレーション源。オンライン上の人ってすごく面白くて、彼らが言っていることは楽曲にしやすいから、インターネットで面白い発言があったらそれを書き留めておいて曲のタイトルにしたりしてる。
――インターネットの話題が出たけど、次の質問はSNSについて。SNSで見ることはリアルではないとわかりつつ、インフルエンサーやその生活と自分を比べてしまうことってあると思うんだけど、そこの折り合いはどうつけてる?プライベートはもちろんだけど、セイレムにとっては、キャリアの上でもSNSは大きな役割を果たしていると思うんだけど。
セイレム・イリース:ネットにアクセスがある人みんなが苦労していることだよね。インターネット上で見る人と自分を比べてしまうことはすごく簡単。だけど、人生でベストなモーメントだけを切り取ってネットに上げている人と自分を比べることは、ネガティブなサイクルを生むだけだと思う。インターネット上にポストされているものは、ただの実生活のハイライトであって、自分と見たものを比べる必要はないって私は考えるようにしているの。私も見た目がネットでもてはやされるものとは違ったり、作る楽曲が流行っているものとは違うって思ってしまって嫌な気持ちになる時があるけど、私がSNSに投稿をするのは自分が投稿するものに自信があるときだけだから、他の人だって同じことだって思ってる。
あと、SNSに大きなプラットフォームがあって、それを頻繁に使っている立場としては、存在意義をそこに求めるのではなくて、自分がハッピーだって感じているときだけ投稿をするように心掛けてる。セラピストに、悲しいときはSNS投稿をしてはダメ。ポジティブなエナジーを広げる為に、自分が幸せなときだけにしなさいって言われたの。自分に自信がないときに投稿をすると、ただの承認欲求になってしまって、またネガティブなサイクルに入り込むことになる。いいねの数や閲覧数で自分の価値を図ってしまうことになるでしょ。誰のことも孤独に感じさせたくないから、SNSへの投稿の仕方にはすごく気を使っているけど、そのバランスをとることってすごく難しい。
――ここからはかなりランダムな質問になっていくんだけど、早速……モーニングルーティーンを教えて!
セイレム・イリース:犬に毎日起こされる日々(笑)私の飼っている犬は前まで毎朝6時に起きていたけど、最近はもう少し寝てよって説得して7時まで寝てくれるようになったの。朝には強いタイプだから全然いいんだけどね。とりあえず起きたら犬にご飯をあげて、外に出してあげて、朝にコーヒーを淹れるのが大好きだからコーヒーを淹れて、半熟卵を作って食べて、犬のお散歩に行って、家から歩いて10分くらいの場所にあるお気に入りのジュース屋さんに行って、人参と生姜が入ったジュースを買って家に戻って、一日の準備を始めるって感じかな。
――プライベートも仕事もうまくいかないなって感じるときはどうやって乗り越えてる?
セイレム・イリース:いい質問だね。気持ちが落ち込んだり、不安に思うことがあるときは、外に出て自然を感じるようにしてる。気持ちが落ち着くし、犬と散歩することで地に足がついたような感覚になる。あとは体を動かすことで、頭の中に閉じこもってしまうことから少し抜け出せるような気がしていて、個人的には不安感を減らすことに役立ってくれているかな。日記をつけることも好き。今まで日記をつけたことがなくて、最近始めたんだけど、何かを考えすぎてしまっているときや不安なとき、緊張しているときにすごくいいの。それを紙の上に吐き出すってことがね。あと私は曲を書くかな! 私にとっては一番神聖なこと。人生においてなにか大きな出来事があったときとか、嫌なことがあったときはすぐにそれを曲にする必要があるの。
――この質問をしてくれた人は、突然人が現れたりすると恐怖を感じてしまう個人的なトラウマと戦っているみたいなんだけど、セイレムも過去に自分のトラウマや恐怖心と向き合った経験ってある?その恐怖心を乗り越える為にはどうしたらいいのかな……?
セイレム・イリース:まず初めに、この質問をしてくれた人が誰かはわからないけど、つらい経験をしなければいけないことをすごく気の毒に思ってる。楽曲からもわかるかもしれないけど、私も不安と戦っていて、強迫性障害(以下OCD)も持っているから、それとうまく付き合っていくために色んな経験をしてきたの。特にパンデミックのときは大変だった。OCDが酷くなって、病気にかかることを異様に怖がるようになったの。だから私も同じような恐怖を経験していて、コロナが発生してからは、人がたくさんいる場所に行くことがとても怖くなって、それを乗り越えて、また人に会うことに慣れるまでには長い時間がかかった。私ができる一番のアドバイスは、たぶん、怖くてもそれをしてみるってこと。恐怖というのは近づけば近づくほど小さくなっていくもの。だから、とにかく自分の持っている恐怖心とできる範囲で向き合ってみてほしい。難しいと思っていることが、実は物事を簡単にする近道だったりするんだよね。絶対にいい方向へ向かうって信じてるから。たくさんの愛を送ります!
――OCDを抱えていることでツアーに出るのは難しいと感じることはある?たくさんの人に会う機会が多いでしょ?
セイレム・イリース:うーん、正直あまりそこは不安に感じることはないかな。ツアーに出る前は確かに不安に思うこともあるんだけど、実際に旅に出ちゃえば、たくさんの新しい経験があって、自分の殻から抜け出せるし、ライブをするのが大好きだから、ライブをすることへの楽しみの方がOCDとか不安感より勝るんだよね。確かに旅に出る準備をするのはOCDを持つ人間には大変なパートかも(笑)計画をしたり、自分のコントロールが効かないことが起こるかもっていう感覚が、考えすぎるサイクルを生んでしまうから。けどツアー自体はそんなに大変だと思ったことはないかな。
――ショー・マスト・ゴー・オンだもんね。
セイレム・イリース:その通り!
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公演情報
Salem Ilese
2023年10月9日(月・祝) ビルボードライブ大阪
1st:Open 17:30 Start 18:30
2nd:Open 20:30 Start 21:30
2023年10月11日(水) ビルボードライブ東京
1st:Open 17:30 Start 18:30
2nd:Open 20:30 Start 21:30
チケット:
サービスエリア 8,400円
カジュアルエリア 7,900円(1ドリンク付)
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