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<インタビュー>Mndsgn、音楽活動のルーツや初のビルボードライブ公演について語る

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 世界最高峰のインディーレーベル、Stones Throwに所属し、今やレーベルの看板アーティストとなったシンガーソングライター/プロデューサー/ビートメーカーのマインドデザイン。9月に初のビルボードライブ公演が決定しており、これからのLA音楽シーンを担うバンドメンバーと、スペシャル・ゲストにR&Bシンガーのデヴィン・モリソンを引き連れての登場だ。ファン待望の豪華メンバーでの来日公演を目前に、プライベートで来日していたマインドデザインを直撃取材。音楽、プライベート、そして初のビルボードライブ公演に関してたっぷりと語ってもらった。(Interview & Text:Rumi Miyamoto / Photo:chrry chill will.)

音楽活動やアートワークのルーツ

――まずはパーソナルな部分から聞いてみたいのですが、音楽活動を始めたきっかけについて教えて頂けますか?

Mndsgn:13歳の時に、兄が音楽のソフトウェアを使って音楽を作る方法を教えてくれたんだ。周りでもそれをやってる友達が何人かいたし、音楽を作り始めたきっかけはその時。そこから、ソフトウェアをダウンロードしたり、プロデュースをやってみたり、独学で音楽を作るようになった。その前は、ピアノを弾いていたから、ポータブルキーボードで音を出して遊んだりしてたから、その音とソフトウェアで作るビートなんかを混ぜ合わせて音楽を作るようになったんだ。ピアノを始めたのは6年生の時。だから、11歳~12歳くらいの時かな。家にピアノがあったから、兄弟姉妹みんなで自然に弾くようになって。教室に通ったとかじゃなくて、鍵盤を触りながら弾けるようになっていった。あと、教会にも通っていたから、ゴルペル音楽からもインスピレーションをもらっていたね。そんな感じで、子供の頃から音楽に囲まれて育ったんだ。

 あと、通っていた高校に音楽のプロダクションのクラスと音楽理論のクラスがあって、高校3年と4年の時にそのクラスをとったんだけど、それも自分にとって大きな力になったと思う。



――小さい頃からずっと音楽に囲まれた生活だったんですね。

Mndsgn:そう。僕が子供の頃、海軍にいた叔父が海軍の仲間とバンドを結成したんだけど、そのバンドが80年代のニューウェーブのカバーをやってて、従兄弟の家に遊びに行った時、ガレージで彼らがリハーサルしてるのを見学してたんだ。バンドのメンバーたちが休憩時間に入ってガレージからいなくなると、誰もいないからドラムセットに座って叩いてみたりしてた(笑)


――すごく良い環境ですね。

Mndsgn:だよね。5年生、10歳くらいの時は、ブレイクダンスもやってたしね(笑)その時の経験も、音楽と繋がるようになった理由の一つだと思う。ブレイクビーツとか70年代のファンクだったり、ディスコだったり、ヒップホップだったり、そういう音楽にもその時から親しんでいたから。それから、僕には姉が2人いるんだけど、彼女たちがいつも学校の発表会でダンスを披露してたから、振り付けにも興味を持っていたんだ。



――ミュージックビデオなどアートワークもご自身で手がけていると思いますが、アートワークを始めたきっかけは何だったのでしょう?

Mndsgn:僕は、常にイラストレーションが一番好きなんだ。音楽よりもダンスよりも、何よりも初めに興味を持ったのがイラストレーション。子供の頃からずっと絵を描いてきたし、昔はアニメーターになりたいと思ってた。自分だけのアニメを作りたいとずっと思っていたんだ。一番最初に抱いた夢は、ヴィジュアル・アーティストになることだったんだよ。ビデオ制作に関しては、挑戦し始めたのは2014年くらいだったと思う。で、自分の音楽のオリジナルのアートワークやビデオを手がけ始めたのはここ数年だね。ヴィジュアル・アートは、いつから始めたのか記憶にないくらい、物心ついた時から大好きなんだ。文字を書くよりも先に絵を描いてた記憶があるくらい(笑)



Mndsgn - Ringgo in Colour (Episode 1)




Mndsgn - Ringgo in Colour (Episode 2)




Mndsgn - Ringgo in Colour (Episode 3)





――音楽もアートも、本当にお好きなんですね。リスナーとして好きな音楽はどんな音楽ですか?または、好きなアーティストは?

Mndsgn:昔は、ヒップホップやR&Bをよく聴いてて、そういう音楽に影響を受けていたと思う。最近好きで聴いてるのは、ジャズとかフュージョンかな。それからサウンドトラックやライブラリーミュージック。特にイタリアの映画のサウンドトラックは好きだね。でも今は、どんな音楽であっても自分の心に響くものであればジャンルを問わず影響を受けているよ。その中でも、ヒップホップは自分と特に繋がりが深い音楽だと思う。ヒップホップではサンプルが沢山使われていて、昔の音楽の要素が沢山詰まっている。その古いサンプルについてリサーチして、その音楽を歴史を学ぶという経験をさせてもらえる素晴らしいジャンルだから、僕の中での存在は大きいと思うね。あと最近は、南アメリカ、特にブラジルやアルゼンチンのジャズやフォーク、フュージョンにもハマってるんだ。


――イタリア映画のサウンドトラックは、ちなみにどんな音楽ですか?

Mndsgn:イタリアの映画音楽の作曲家でピエロ・ピッチオーニっていう音楽家がいるんだけど、僕は彼のファンで、特に彼が手がけた『炎(Camille 2000)』っていうクラシック映画のサウンドトラックは大好きなんだ。あと、ライブラリー・ミュージックをリリースしているレーベルがいくつかあって、そのレーベルの音楽も好きだね。KPMやBRUTON、MUSIC DE WOLFEなんかがそう。それから、それらのレーベルで活躍している作曲家の中でも特に好きなのは、ブライアン・ベネット、アラン・ホークショウ、アレッサンドロ・アレッサンドローニ。




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ビルボードライブ公演について 


――今回9月にバンド編成でスペシャルなビルボードでの公演がありますが、今回のバンドメンバーはどのように決めたんですか?

Mndsgn:メンバーは、ドラムがウィル・ローガン、ベースがスワーヴィ、キーボードがライオンミルク、ギターがブランドン・ベー、そしてゲストボーカルがデヴィン・モリソン。全員が本当に才能あるミュージシャンなんだ。一番長く一緒に活動しているのはスワーヴィ。彼も僕も東海岸の同じエリアの出身で、地元で出会った。僕がLAに引っ越した時に彼も引っ越してきて、彼とは東海岸の時からのすごく長い仲なんだよ。ライオンミルクは5~6年前に出会った。それからそのあとすぐに出会ったのがウィル・ローガン。その3人は、僕にとってすごく近い、仲の良い親友なんだ。LAの音楽シーンのコミュニティって、すごく狭いんだよね。だから、みんなお互いを知ってるんだ。

 ゲスト・ボーカルのデヴィン・モリソンは日本に一年住んでいたことがあって、そのあと彼はLAに引っ越してきたんだけど、彼とはそのLAに引っ越してきたタイミングで知り合って、そこから仲良くなった。ブランドンは、ウィルを通じて知り合ったんだ。僕がギタリストを探している時、ウィルが紹介してくれて。彼は素晴らしいギタリストだよ。






――日本でお気に入りの場所はどこかありますか?

Mndsgn:僕は、もちろん東京も好きだけど、大阪が大好きなんだ。あと、今回初めて千葉に行ったんだけど、千葉も本当に美しい場所だった。九十九里の海が綺麗だったな。


――9月のライブはどんなショーになりそうですか?

Mndsgn:すごくスピリチュアルなショーになると思うよ。それから、まだリリースしていない新曲を披露したいと思っているから楽しみにしてて。


――最後に今回の来日公演に向けて、日本のファンにメッセージをお願いします。

Mndsgn:みんなオープンマインドでショーに来てくれたら嬉しいな。もちろん僕たちも心を開いて演奏するから、お互いのハートで繋がり合えたら素晴らしいと思う。





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