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<コラム>SixTONES、ドラマの世界観とリンクした『Mステ』生パフォーマンスから見る新作「CREAK」
Text:森朋之
SixTONESが8月25日にオンエアされたテレビ朝日『ミュージックステーション2時間スペシャル』に出演。新曲「CREAK」を披露した。
「CREAK」は松村北斗(SixTONES)、西畑大吾(なにわ男子)のW主演によるドラマ『ノッキンオン・ロックドドア』主題歌。『Mステ』でも、「ドラマの不思議な世界観をイメージした、今夜限りの演出なのでご期待いただければと思います」(松村)というコメント通り、新感覚のミステリーとして注目を集めているドラマのストーリーや世界観とリンクしたパフォーマンスが繰り広げられた。
ドアをノックする音に導かれたイントロは上下2画面。メンバー6人のフォーメーションを前後から同時に映す、まさにミステリアスな映像からはじまった。<They say that「筋書は変えられぬ」>という冒頭のフレーズは、松村。そこから京本大我、田中樹へとリレーされ、スリリングなサウンドとともに楽曲が展開していく。
さらにメンバーの表情がアップになるたびに立ち位置と背景セットが大きく変化。カットが切り替わるたびにまったく違うフォーメーションが出現し、観る者を「どうなってるの?」と惑わせながら強く惹きつけてみせた。ラストのサビではグループ全体を様々な角度から映し出し、派手なライティングとともに群舞としての魅力をしっかりとアピール。いきなり静寂が訪れるエンディングの振付を含め、一瞬たりとも目が離せない――そして、1度見ただけではすべてを解明できない――パフォーマンスだった。
起伏に富んだビートと重なりながら、構成と配置を変え続ける演出だけではなく、メンバーそれぞれの表情や動き、振付のニュアンスなどがしっかり感じ取れるカメラワークも絶品。まだ披露しはじめたばかりの新曲にも関わらず、この日だけの特別な演出に挑む姿勢にも心を打たれた。
パフォーマンスの核を担っているのはもちろん、メンバー6人のボーカル/ダンスのポテンシャルの高さだ。歌い出しを担い、楽曲のミステリアスな世界観を明確に示す松村、個性的なハイトーンボイスで楽曲に彩りを与える京本。田中、髙地優吾は本格的なラップで歌詞に刻まれた思いをさらに強め、森本慎太郎は<Shadowは問う「可能?不可能?」>といった印象的なフレーズで存在感をアピール。ジェシーは繊細にして鋭利なボーカリゼーションによって楽曲の軸をしっかりと際立たせる。さらにメンバー同士のハーモニーを絡めつつ、圧倒的な解放感へと導いていく。それぞれの技術とセンスをしっかりと発揮しながら、グループとしての強さへと結びつける――そう、「CREAK」はSixTONES本来の魅力を改めて実感できる楽曲と言えるだろう。
起伏に富んだビートのアレンジ、ストリングス、ギター、シンセなど多彩な音色を取り入れたトラックも刺激的。EDM、ヒップホップ、ロックなどが混ざり合うミクスチャー感はもはやジャンル分け不可能だが、この独創的な音楽性もまたSixTONESの武器だ。
『Mステ』出演後には、ダンスパフォーマンスのみで「CREAK」を表現した『Dance Performance Only ver.』をYouTube限定で公開。8月30日にリリースされるシングル「CREAK」の初回盤A・初回盤Bにはカップリング曲として、デビュー以来初となるメンバーのソロ楽曲も収録される。こちらもぜひチェックしてほしい。
今年のSixTONESは攻め続けている。1月から4月にかけてアリーナツアー、ドームでの追加公演【慣声の法則】を開催。4月に発表したシングル「ABARERO」は<まだまだかますぜ俺らのやり方で>というラインに象徴される超アグレッシブなヒップホップ・ナンバー。6月リリースの「こっから」(森本慎太郎、King & Princeの髙橋海人のダブル主演ドラマ『だが、情熱はある』主題歌)はメンバーのマイクリレーが楽しめるアッパーチューン。そして新曲「CREAK」はミステリアスかつスリリングな楽曲。SixTONESらしさをしっかりと持ち続けながら、新たな表現の領域に果敢に踏み込んでいる。最高を更新しながら、前に進み続ける彼らの“今”をしっかりと感じ追ってほしいと思う。
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