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<インタビュー>寺尾紗穂、いよいよ7月に開催されるビルボードライブ公演に向けてメールインタビューが公開

インタビューバナー

 2007年ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム『御身』が話題になり,坂本龍一や大貫妙子らから賛辞が寄せられたシンガーソングライター、寺尾紗穂の初登場が決定した。各方面において秀でた才能を発揮する彼女へ、今回はビルボードライブに対する思い入れや公演への意気込みに加え、普段の制作過程や、ゲストで出演するマヒトゥ・ザ・ピーポー、冬にわかれてについてメールで語ってもらった。当日、ビルボードライブでどのようなパフォーマンスを見せるのか見逃せない。


――ビルボードライブ初登場ということですが、ビルボードライブに対する印象または思い出などがあれば教えてください。

寺尾紗穂:空気公団のビルボードライブ公演のサポートでステージに立ったのが初体験でした。ステージ後半、夜景が現れた瞬間も素晴らしかったです。楽屋で食べたケータリングのお食事が美味しくて。これを自分の仲間たちと食べたいなあ、20周年かなと思っていたら、今回意外に早くお声をかけていただいて嬉しかったです。


――普段の楽曲制作の様子をお聞かせください。

寺尾紗穂:曲は、思いついたときにできるので、特に作曲の時間などはありません。一番あたらしい曲は最寄駅から新宿につくまでの25分でまとまりました。


――制作の際、インスピレーションはどのようなところから受けていますか。

寺尾紗穂:小説や、詩。人の詩に曲をつけることも多いです。それから、日ごろ自分の中に持っている危機感とか怒りとか疑問とかそういうものも、言葉を生む上では大事ですね。あとは自分の過去の経験が考えさせてくれること。他者の心情に共感すると、そういうものが自分に入ってきてできるときもあります。


――制作において何か心がけていることはございますか。

寺尾紗穂:あまりないですね。自分なりの基準を満たしたものを出していく、という点だけですかね。


――ご自身の楽曲を通して、どのようなことを世界に発信したいとお考えですか。

寺尾紗穂:ここ数年は、見えないものを見える人たちと自然に出会うようになりました。彼らは別に怪しい霊能者などではなくて、お客さんだったり、個人のイベンターだったりします。今日はこんなものが来ていたよ、ステージがホタルみたいな光でいっぱいできれいだったよ、という具合です。私なりにその意味を考えていく中で、歌はあちらとこちらを結ぶ橋なのだなと感じています。それは、生と死の間の橋であるとともに、過去と現在を結ぶ橋でもあります。文筆活動の方もそうなのですが、私の場合ばらばらのテーマを並べていくと、「見えないもの、見えにくいもの、ないことにされているもの」などに焦点をあてることが多いのだと気づきました。そして、歌もまた、いなくなったものや見過ごされている過去を現在に想起させる力があると感じています。世界は、今いる私たちで完結しているのではない、ということを人が思い出すような、そういう音楽や音楽の現場を作っていきたいです。


――今回1stステージでゲスト登場するマヒトゥ・ザ・ピーポーさんとはツアーに回ったり、一緒に楽曲制作をしたりされていますが、どのような出会いがあったのでしょうか。

寺尾紗穂:渋谷のセブンスフロアのツーマンライブ以来、何度も共演させてもらっています。「たよりないもののために」という曲は彼と会う前に、彼の音源を聞かせてもらってから一気にできた曲です。セブンスでは、初対面なのに5,6曲セッションをしたという異例の出会いでしたね(笑)。




――マヒトゥ・ザ・ピーポーさんは寺尾さんにとってどのような存在のアーティストですか。

寺尾紗穂:彼の歌や言葉の持つ力、社会の在り方を問い世代を牽引する姿勢を信頼しています。いつも赤くてとても目立つ人ですが、共演者としては、相手の曲にいつでも寄り添ってくれるようなスキルと心性を持っています。シャイだけど開かれていて、演奏するときはいつも安心して音の海をたゆたえます。


――冬にわかれて、における寺尾さんとして楽曲制作をする際と、ソロプロジェクトにおける寺尾さんとしてされる際で、どのような部分が違いますか?

寺尾紗穂:アルバム制作に関していうと、冬にわかれてのときは、あだちさんと伊賀さんに任せる部分が大きいです。実際彼らの曲もたくさんあるので、私がリードするという感じはあまりありません。でも、アレンジでも嫌なものは嫌って言わなきゃいけないので、ソロのときよりは、ちょっとした摩擦が起きますね。ソロより体力がいりますが(笑)、二人の徳が高いので、続いていると思っています。


――昨年のデビュー15周年を経て、この先の活動の展望をお聞かせください。

寺尾紗穂:コロナ禍で止まってしまった、海外公演の計画など再開していければと思っています。12月は中国ツアーに出かける予定でいます。全国各地で呼んでもらうライブでの出会いを楽しみに進むのはこれまでと変わらないかなと思います。私は人と出会うために音楽をやっているところがあるので、アルバムを作って誰かに出会いに行くサイクルは死ぬまで続けたいと思っています。


――今回のビルボードライブ公演はどのようなステージになりそうですか。

寺尾紗穂:1st stageと2nd stageで全く違うので、続けて観ていただいても楽しんでいただけると思います。冬にわかれては、『flow』発表後の初めての大きなステージになりますので、新譜を中心に、あらたな新曲もお送りする予定です。マヒトゥとのステージではシークレット・ゲストも迎える予定ですので楽しみにしていてください。




――最後にファンの皆様にメッセージをお願いいたします。

寺尾紗穂:いつも応援をありがとうございます。1stに来てくださる方はお仕事休んで来てくださる方が多いかと思うと、身が引き締まります。本当にありがたいです。どちらもいいステージにしますので、よろしくおねがいします!



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