Special
<コラム>SixTONES 『DayDay.』『CDTVライブ!ライブ!』出演から見る、6人の決意を新たに込めた「こっから」
Text:田中久勝
SixTONESの通算10枚目のシングル「こっから」が6月14日にリリースされる。前作のドープなヒップホップチューン「ABARERO」(4月12日発売)」もそうだったが、SixTONESというグループは常に、新作を待っているファンの想像の遥か上を行く作品を提示し、音楽的なチャレンジを続けている。そして自らを“更新”し続けているが、最新作の「こっから」にも驚かされた。
SixTONES – こっから [YouTube ver.]
SixTONESは、ひとつの目標としていた単独ドーム公演【慣声の法則 in DOME】(4月15、16日京セラドーム大阪、21日~23日東京ドーム)を実現させ、まだ見ぬ“景色”を目の当たりにし、改めて、ファンと共に前に進んで行くんだという思いを強くした。そんな彼らの最新のメッセージが「こっから」なのだ。この作品は、現在オンエア中のドラマ、森本慎太郎(SixTONES)が南海キャンディーズの山里亮太を、高橋海人(King & Prince)(※高=はしごだか)がオードリーの若林正恭を演じる『だが、情熱はある』の主題歌として話題を集めている。ブレイクビーツが作り出す圧倒的なスピードに乗って繰り出される溌剌としたラップと前向きなメッセージは、一度聴くと心の温度をグッと上昇させてくれる。
ドラマの内容とどこまでもシンクロした内容の歌詞。歌詞だけではなく、森本も高橋の山里、若林とのシンクロ率の高さも、このドラマが多くの人から注目されている理由のひとつだ。最初は意外なキャスティングだと感じた人も多いはずだ。しかしふたを開けてみると、二人とも、本人たちへの取材はもちろん徹底的にリサーチを重ね、ヘアスタイルや佇まい、話し方、表情、細部に至るまでを高い精度で再現している。
それを改めて感じる瞬間に遭遇した。それは6月5日放送の『DayDay.』(日本テレビ系)にSixTONESが登場した時のことだ。朝9時、いつものようにMCの武田真一アナと山里亮太が映し出されるが、違和感があるようでない空気…。森本が山里と入れ替わってオープニングトークを進めるが、他の出演者も違和感を見せることなく、誰も突っ込むことなく時間が流れていく。しびれを切らした山里が「おーい!」と焦り気味に登場するというシーンを観た視聴者のコメントで、SNSが盛り上がった。森本はオンエア後「今年一の緊張」と語っていたが、改めてその再現度の高さに感心した人も多かったはずだ。この後、スタジオで「こっから」を披露。直前まで山里とゲームでわちゃわちゃ楽しんでいた6人の表情が、曲がスタートすると一転。空気が引き締まり、クールなSixTONESの世界に一気に引き込まれる。ラストは森本が山里のトレードマークの赤メガネをかけ、その瞬間再び“山ちゃん”に“戻る”。観ている人をどこまでも楽しませる。
またSixTONESは同日、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)にも出演。“HIP HOP”をテーマに「人人人」と「こっから」のスペシャルメドレーを披露した。「人人人」はアルバム「声」の収録曲で、アーティストとしての胸中を赤裸々に映し出した歌詞が話題になった。そして「こっから」の歌詞にもこの曲のタイトルが入っているように、「こっから」が生まれるきっかけになっている。2曲共、作詞・作曲・編曲ははこれまで多くのSixTONESの楽曲を手がけてきた佐伯ユウスケ(SAEKI youthK)。まずは「人人人」から。バンドを従え、ラップを畳み込んでいく。熱い空気が生まれ、そしてこの日のパフォーマンスがフルサイズテレビ初披露となる「こっから」へ。サックスのリフとギターが曲の輪郭を作り上げ、うねるベースがファンク、ヒップホップのグルーヴを作り上げる。田中樹のビターな高速ラップから怒涛のマイクリレーがスタート。京本大我はハイトーンの“歌心”を滲ませるラップでジェシーへと繋ぐ。ハイトーンかつスケール感とクールさを持ち合わせたラップが炸裂。その熱を受け止め、髙地優吾はさらにそこに熱を加えていく。
SixTONES – 人人人 [PLAYLIST -SixTONES YouTube Limited Performance- Day.6]
Bメロでは松村北斗とジェシーのツインボーカルで、一瞬クールダウンさせるが森本が<これだけじゃやれねぇってわかってる でもこれしかねぇからこれにかかってる 間違ってる未来でも俺には光ってる>と、ドラマの根底に流れる“思い”とリンクしている強烈なフロウを叩きこんでくる。サビはどこまでもキャッチ―で、脚のステップがさらに躍動感を際立たせる。言葉がリズムを生み、リズムが言葉を立て、グルーヴがさらに濃密になる。
間奏のソロダンスはそれぞれが心から楽しみ、魅せ、その後の全員のダンスと共に、楽曲が持つ本質の部分をサウンドと交差することで、あますことなく表現していく。終始スリリング且つアグレッシヴな展開の中に、6人の決意と情熱が隅々にまで感じられる歌詞が心に響いてくる応援歌だ。
この2曲のスペシャルメドレーはまさに圧巻の約6分間だった。SixTONESというグループのポテンシャルの高さ、その音楽性の豊潤さはインパクトとなって視聴者に伝わったはずだ。パフォーマンス後SNSには「SixTONESさんすごい……気になる……」などのコメントが飛び交い、改めてその魅力に引きつけられた人が多かったようだ。
このメドレーの見せ方や構成などを決める、メンバーと番組の制作サイドのミーティングシーンも放送された。6人は自分達、そして自分達の音楽がどうやれば一番カッコ良く伝わるか、どうやれば一番新しい自分達を感じてもらえるか、ライティングやカメラ割りなどのアイディアを次々と提案。それぞれの個性とグループとしての見せ方をセルプロデュースできる力を持っていることが、ファン以外のグレーゾーンの視聴者にも伝わったはずだ。
単独でのドーム公演を経験し、初心に立ち返り決意を新たにした6人の、強い思いが込められた「こっから」。次のステージへと歩き始めたグループが、これから様々な経験や体験をしていく中で重要な作品になることを予感させてくれる、強く優しい“熱”を、真っすぐに放熱している楽曲だ。
SixTONES – こっから nonSTop digeST
関連商品