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<インタビュー>I Don't Like Mondays.×JBL、YUが語る「いい音」への飽くなきこだわり

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 I Don't Like Mondays.が、普段とは一味違うパフォーマンスを展開する【Billboard Live Tour 2023】の追加公演が7月7日にビルボードライブ東京にて開催されることが決定した。ファーストステージでは「スパイシーでエネルギーのある楽曲」、セカンドステージでは「甘くメロウでリラックスできる楽曲」を中心に、セットリストの一部をそれぞれ違うテーマにするなど工夫を凝らし、大盛況を博した本ツアー。追加公演ではさらにパワーアップした形で届けられることは必至だ。ところでビルボードライブ東京は2017年、開業10周年のタイミングで音響システムをJBLへ一新しているが、I Don't Like Mondays.のボーカリストYUもJBLスピーカーの愛好者。ジャズのアナログレコードをJBL4344MKⅡで聴くことを日々の楽しみにしているという。そこで今回は彼の自宅に伺い、JBLの魅力について伺いながら「いい音」への飽くなきこだわりについてじっくりと、さらに、同じJBLから3月に発売された最新の完全ワイヤレスイヤホンの印象についても語ってもらった。 (Interview: 黒田隆憲)

ミュージシャンが奏でているサウンドを最も忠実に再現してくれる

――YUさんがJBL4344MKⅡをご自宅に導入したのはいつ頃で、どんなきっかけだったのでしょうか。

YU:導入したのは意外と最近で、一番のきっかけはコロナ禍でした。その前から何か掘り出し物のいいスピーカーが出てこないか、常にインターネットで探してはいたんです。ただ、「今すぐ欲しい」と思っていたわけではなく、「タイミングが合えば」くらいの気持ちでいたのですが、「もう絶対に買おう」と決めたのはコロナ禍になってからでしたね。


――それは、どうして?

YU:昔からジャズバーが好きで、コロナ禍になる前はよく行っていたのですが、緊急事態宣言が発動されステイホームを余儀なくされて、行く機会がなくなってしまったんですよ。「だったら自宅をジャズバーにしよう」と(笑)。

そんなときに、オーディオユニオン町田店さんにJBL4344MKⅡが入ったという情報が耳に入りまして。「まずは現物を確認しよう」とすぐ町田まで車を走らせ、とりあえずコンディションを確認しようと思ったら、これがものすごくいいんですよね。「買うしかない」と思い、なかなかの出費でしたが購入を決意しました。


――スピーカーを導入するならJBLと決めていたのですか?

YU:他にもいくつかメーカーをチェックしていたのですが、僕がやりたかったのは、「とにかく爆音でジャズを聴く」ということでした。というのも、いろんなジャズバーに行くようになり、ジャズに魅了される前の僕は、ジャズって「何となく部屋で流してオシャレな気持ちになる音楽」くらいの認識しかなかったんですよ。でも、大音量で聴くとその認識がガラッと変わるんですよね。めちゃくちゃかっこいい音楽だということに気づかされる。そこから掘れば掘るほどジャズの迫力やカッコ良さに魅了されて。ジャズをいい音で鳴らしてくれるスピーカーを探していくと、やっぱり多くのジャズマンはJBLのスピーカーが置かれたスタジオでレコーディングしていることを知るわけです。

JBLのスピーカーは、ミュージシャンが奏でているサウンドを最も忠実に再現してくれると思うんですよ。もちろん、見た目の魅力も正直あって、JBL4344MKⅡはさし色にブルーを使っているのがめちゃくちゃカッコいいなと以前から思っていたんです。


――JBL4344MKⅡで、ジャズのアナログレコードをかけるのが主な用途?

YU:ジャズを中心にソウルやロック……古いレコードを掘っていくのが好きなのですが、比較的最近の音楽も聴きます。例えばダフトパンクの『Random Access Memories』は、サブスクで聴いてもめちゃくちゃ音がいいから「これは絶対にアナログで買わなければ」と。ジャズ以外だと、他にも1970年代の邦楽……山下達郎さんとかその辺りも買える範囲で集めていますね。

JBLはシンプルに迫力がすごい。スタジオで聴いている音を、最も忠実に再現してくれている印象。好みもあると思うのですが、自分が音楽をやっていてもそれは感じます。バイアスがないというか。フィルターがかかっていない感じが好きですね。楽器の一つ一つの音、ドラムのキックやスネア、ハイハットの輪郭などもクリア。目を瞑って大音量で聴くと、本当にそこで生のライブが行われているんじゃないかと思うほどで、そこが最大の魅力と言えますよね。


――JBL4344MKⅡで聴いて、特に感動したレコードは?

YU:ダイアナ・クラールの『Love Scenes』(1997年)は、「アナログってマジすごいんだよ?」ということを分かりやすく体感できる作品だと思います。ベースラインの輪郭、ギターのカッティングの立ち上がりやふくよかさなど、本当にその場で演奏している息遣いが感じられる。『Live in Paris』と同じくらい好きですね。


――いい音で聴くようになって、YUさんの中にどんな変化が訪れましたか?

YU:自分たちの楽曲のミックスしたもの、マスタリングしたものをチェックするときは自宅へ持ち帰り、JBL4344MKⅡで鳴らしてバランス調整をしています。細かいところまでよりわかるようになったという意味では、自分の耳のレベルも引き上げてくれた気がしますね。あとは、名盤と呼ばれている作品におけるマスタリングの重要性も理解しました。以前だったら何気なく聴いていた部分も、「ああ、こういう風に処理しているんだ」とわかるようになってきましたね。そうすると自分たちの音源と聴き比べてみて、「ここはもう少しこうできないかな」みたいな改善すべきポイントもわかる。それは、作品づくりにも影響を与えていると思います。そのクオリティが何段階も上がった気がしますね。

音楽の趣味も変わってきました。これまであまり聴いてこなかったクラシックにも興味を持つようになって。せっかくいいスピーカーがあるので、いくつかレコードを買ってきて。クラシックの魅力も以前よりは理解できるようになり、自分の世界がグッと広がった気がします。


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今回しか体感できないものを見せたい

――ではここで、今年3月に発売されたJBLのフラッグシップの完全ワイヤレスイヤホン、「JBL TOUR PRO 2」を試聴した印象を聞かせてください。サウンドの印象は?

YU:まず、僕らI Don't Like Mondays.の曲を音源を聴いてみて思ったのは、スピーカーもそうですが、JBLならではのサウンドのクリアさみたいなものが、他のメーカーさんと比べて圧倒的です。サウンドの粒立ちなど、細かいところまでよく聴こえる。自分たちの楽曲に散りばめた、「どうせこんなマニアックな曲を書いても誰にも気付いてもらえないかも」と思うようなところまで、しっかり聴こえて(笑)。特にBluetoothだとそこまで期待していなかったのですが、隠し味的な音まではっきり聴こえて我ながらびっくりしていますね。

また、ノイズキャンセリングの効き具合にも驚きました。二つモードがあって、ノイズキャンセルをリアルタイムで自動でかけてくれるモードと、それをオフにすると7段階でノイズキャンセルの度合いを調整できるモード。こういう見た目、ガジェット好きとしてはポイントが高い。装着感もすごくいいし。あと、イコライズの調整をケースでもできるし、アプリをインストールして細かくカスタマイズできる。時間を忘れて追い込んでしまいそうです(笑)。


――「作り手」としては、ファンやリスナーにI Don't Like Mondays.の音楽を「いい音」で聴いてもらうことについて、どのくらい重きを置いていますか?

YU:I Don't Like Mondays.は、最近のJPOPシーンの中では結構、変態的に音にこだわっている方だと思っているんですよね(笑)。メンバーもそうだし僕もそうだけど、ハイハットやスネア一つにも妥協しない音づくりを追求している。メンバー全員がそう。バンドとしての音像感が、どの曲、どんなジャンルでもアイドラっぽい音、その真髄をちゃんと内包していることが大事なんです。そこはJBLのポリシーにも通じるものがある気がしていて。せっかく音にこだわっても、それが伝わらないようなリスニング環境だとやっぱり悲しいですし(笑)。こういういい音がどんどん一般的なリスナーにも普及していき、耳が肥えていってくれるのは作り手としてもモチベーションが上がります。


――4344MKⅡは1996年、JBL TOUR PRO 2は2023年。それぞれ時代の違う「フラッグシップサウンド」を比べてみていかがですか?

YU:僕もオーディオに対してそこまで詳しいわけではないんですけど、「真髄」を受け継いでいるなと思いました。要するに小手先で作るのではなく、JBLが培ってきた伝統的な持ち味やサウンドの個性がそのまま忠実に引き継がれているなと。そういう意味ではJBLファンは満足するのではないかと。その辺がメーカーとしてのクラフトマンシップ(職人気質)の高さが受け継がれているし。


――ちなみに、YUさんにとっての「いい音」とは?

YU:それについては僕も以前からずっと考えていて。ミュージシャンとして音響の沼に片足を突っ込んでいる身としては(笑)、やっぱり「いい音」ってライブのことなんだなと思うんですよ。みんな、自宅のオーディオ環境に時間とお金を注ぎ込み一体何をしているかというと、「あたかもその場で演奏しているような臨場感や没入感」なんです。没入できるような臨場感のある音響空間を、自宅に作りたいというのが究極の目標なのではないかと。ミュージシャンとしては、皆さんがそういう音を求めるようになればなるほど、「演奏もっと頑張らなきゃな」と思いますよね(笑)。身が引き締まる思いです。


――今年4月と5月、それぞれ大阪と東京で開催した【Billboard Live Tour 2023】は、全公演即日完売につき7月7日に追加公演が決定いたしました。

YU:今年3月にファン投票による【1st SELECTION TOUR】をやらせてもらい、そこからぐいっと自分たちの目指すべきところ……どのようなサウンドにしていくかの方向性をより明確にしたのが【Billboard Live Tour 2023】だったんです。7月7日はその追加公演なので、よりパワーアップしたI Don't Like Mondays.を見せられたらと思っていますね。ただセットリストが違うだけではつまらない。だったら今回しか体感できないものを見せたいです。


――I Don't Like Mondays.として、通常のライブと「Billboard Live」でのライブ、どんな違いがありますか?

YU:やっぱり背筋が伸びますよね(笑)。僕も昔からデートなどで遊びに行かせてもらったこともあるし、海外アーティストで観たいものがあればふらっと一人で行くこともあって。ハコとしてのブランド力というか、格式がとにかく高い。初めてここで演奏させてもらったのは20代の頃で、まだ背伸びしているところがあったのですが(笑)、メンバー全員が30代になり、キャリアや経験を積んできた中で、それでも自分たち「まだまだだな」と思いつつ、ちょっとずつこのハコに見合う自分たちになりたいと思って日々精進しています。そういう、ミュージシャンと「場所」のいいパートナーシップなのかなと思いますね。


――2023年もすでに半分終わりますが、今後のI Don't Like Mondays.の予定を最後にお聞かせください。

YU:今年中にニューアルバムをリリースし、それを携えての秋の全国ツアーが予定しています。それもどうかお楽しみください!