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<インタビュー>水曜日のカンパネラ 距離の縮んだ2人の相性を見せつける2nd EP『RABBIT STAR ★』

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Interview:土屋恵介
Photo:Yuma Totsuka

 水曜日のカンパネラが2nd EP『RABBIT STAR ★』をリリースする。詩羽が二代目主演・歌唱担当として加入後、2枚目のEPとなる今作は、ABEMAオリジナル恋愛番組「隣の恋は青く見える4」の主題歌『赤ずきん』や、昨年デジタルリリースした「ティンカーベル」「鍋奉行」、そして最新曲「赤ずきん」に加え、新曲3曲を収録した全6曲入りの作品となった。

 今回、詩羽とケンモチヒデフミへインタビューを実施。水曜日のカンパネラとしてのフェーズ2がスタートして約1年半。お互いの距離がグッと縮んだ2人に、今作について、目指している方向性や現在の状況など、話を訊いた。

詩羽をより理解したことで増えた楽曲

――2022年は新体制の水曜日のカンパネラが世の中にグッと広がった1年だったと思いますが、1st EP『ネオン』発売以降を振り返りって、どんな感想があったのかを聞かせてください。

ケンモチ:その頃は、1期のボーカルのコムアイから2期の詩羽に変わっての移行期間がようやく終えられたかなという印象があります。どういう設定で曲を作っていけばいいのか、今までのファンと新しいファンをどうやってスムーズに掛け渡していけばいいのかという感覚が、ちょっとずつ自分の中でできていったんです。そこから、詩羽のカンパネラの新しいイメージもさらに固まっていきました。それをどのようにもっと新しくいい形にしていけるかという次のフェーズに入ったのがこの1年でした。

詩羽:2022年の5月くらいから「エジソン」がバズり始めて環境が変わっていったんです。水曜日のカンパネラが有名になっていくのと同時に、私の知名度も上がって街で人に見つかることも増えました。そういう中で6月から7月にかけて対バンツアーがあって、8月にリキッドルームで初ワンマンライブがあったんです。その頃は、今考えると必死だったなって思いますね。正直、ツアーの最後の方は体調があまりいい状態ではなかったんです。でも、全力で「必死で結果出す!」って気持ちでやっていたので、結果的にワンマンも楽しく終えられました。当時は気づかなかったけど、振り返ると自分がんばってたのかなって思いますね。



――TikTokでバズりまくった「エジソン」は、ビルボードジャパンの『TikTok Weekly Top 20』で年間チャートの3位になりましたし、10月に出演した『THE FIRST TAKE』ではさらに水曜日のカンパネラの認知度が高まりました。グループがどんどん前進していく中で、お2人もお互いをより深く知っていったと思いますが、それが曲作りにもいい変化を与えたということもありましたか?

ケンモチ:そうですね。より詩羽の人間性や普段の姿が見えるようになったことで、こういう曲も書けるなって試せたのが、今回のEP『RABBIT STAR ★』の1曲目「赤ずきん」に表れているんです。今まで無味無臭な言葉遊びとかラップを心がけてたんですけど、「赤ずきん」では普段詩羽が言いそうな口調とか、ラップよりもセリフのような歌詞を書いたんです。それは、お互いがより見えたことでできるようになったものかなと思います。



――ケンモチさんから見て、より深く知れた詩羽さんの面白い部分をお聞きしたいです。

ケンモチ:詩羽は最初から、よくわからない“異次元から突然現れたキャラクター”みたいに思ったんです(笑)。普段遭遇しないけど、会えたら「この人、実在するんだ」って思うラッキー・キャラクターみたいな。それは、水曜日のカンパネラをやる前からすでにそういう印象でした。その印象は地続きでありつつ、そこに曲とかライブの演出が乗っかって、詩羽を中心に半径10メートルだけ遊園地みたいになってるという見え方が面白いなって思っています。

――逆に詩羽さんから見て、ケンモチさんのすごいなと思うところは?

詩羽:純粋に、曲を作ってるのがすごいなって思います(笑)。昨日も外で曲が流れてたら「これ僕が作ったんですよ」って言ってて、「うわ、そのセリフ言いたい!」って思いました(笑)。周りからも「ケンモチさんの曲すごいよね」って言われて「いや〜、ケンモチさんすごいんですよ」って私が言うこともすごく多いんです。なので、シンプルにいいお仕事をされてる方として尊敬します。人としては、優しいです。何かに執着してない人ですし、絶対に怒らないし、人に嫌われない人だなと思います。それが、ずる賢い感じではまったくないんです。私は結構感情的だし意思が強いタイプだから、人としてそういうところがすごいなって思います。

――タッグを組んで一緒にやっていく上で相性がすごくいいと。

詩羽:はい、それは思います。

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『RABBIT STAR ★』に込めた想い

――では新作の話題に移りましょう。約1年ぶりとなる2nd EP『RABBIT STAR ★』ですが、全体的にどんな作品になりましたか。

ケンモチ:配信で発表していた3曲と、新曲3曲をまとめた作品です。1st EP『ネオン』は、新しくなった水曜日のカンパネラの自己紹介的な作品だったんですけど、逆に2nd EPでは、今までやってなかったもの、チャレンジ的な楽曲たちが集まったって感じがしますね。

――タイトルの『RABBIT STAR ★』には、どんな意味合いが込められてるんですか。

詩羽:タイトルは私が考えたんです。去年「エジソン」がバズったからこそ、みなさんのカンパネラへの注目度や見方が変わってきたと思うんです。みんなで「今年こそ勝負の年だよね」って話もよくしていたし、その中で出す作品になるので、すごく大事だと思ったんです。私自身「今、がんばらなきゃ」「もっと早く早く進まなきゃ」って思うタイプなので、スピード感と、“今”ということに着眼点を当てた名前にしたかったんです。そういう中で今年はどんな年かを調べてたら、中国の陰陽五行説で今年は癸卯(みずのとう)という、“水”って要素が含まれた年だったんです。これは、水曜日のカンパネラと今年に縁があるのかな?と思って、今年をイメージするウサギをタイトルに入れたんです。 あとは私が星が好きで、ネイルにもよく入れるんです。星ってスピード感があるしキラキラ輝いてるイメージがあったので、スピード感のある世の中で、今、結果を出さなきゃなという思いを込めて、2つを組み合わせた『RABBIT STAR ★』にしました。



――今の水曜日のカンパネラの意気込みが詰まったタイトルだったんですね。ではここからは、楽曲に触れながら話を進めさせてください。まず「赤ずきん」について聞かせてください。

ケンモチ:さっきも話したように、今までのカンパネラのラップとは違う、セリフっぽい言い回しをテーマにしたんです。あとABEMAの恋愛バラエティ番組『隣の恋は青く見える4』の主題歌で、その番組のテーマが恋人同士の駆け引きだったんです。人を騙すことや心理戦みたいなものが、赤ずきんちゃんのお話の、オオカミがおばあちゃんに変装する設定とちょっと被るなと思って題材にしたんです。子供のときに赤ずきんちゃんの本を読んで「そんな変装で騙されないよな」ってみんな思ったと思うんです(笑)。その感じも歌詞の設定に盛り込んで曲にしていきました。

――全然似てない変装を目の当たりにした赤ずきんちゃんの心模様が、そのまま歌詞になっていますね(笑)。

ケンモチ:はい(笑)。この曲は変装を見破るのがテーマじゃなくて「もうバレバレだよ」というところから始まるんです。この曲の赤ずきんちゃんは、おばあさんを食べたことに対しては一切怒ってないんですよ。それよりも、簡単な変装で騙そうとしてるオオカミの気持ちの甘さが許せない。そっちの方が今っぽいんじゃないのかなって思ったんです。あと、頭で思い浮かべる言葉って“バレてんぞバレてんぞ”みたいに、ずっと同じことを言っちゃうじゃないですか。それって文章やラップにすると1文で終わるんですけど、それよりも口語にして会話劇っぽくなった方が面白いなと思ってやってみたんです。

詩羽:そのセリフの部分が、すごく私っぽいんですよ。友だちからも「これ、まんま詩羽じゃん」って言われるくらいでした(笑)。ちょっと適当な感じだったり「バレてるバレてる、やめとけやめとけ」みたいな言い方が、普段私が友だちと話してるときのテンションなんです。それもあって、初めから純粋に楽しんで歌える曲でした。




水曜日のカンパネラ『赤ずきん』MV


――では、疾走感のある「七福神」はどんなイメージでできたんですか?

ケンモチ:この曲は、今回のEPの中で一番最後にできた曲なんです。曲を並べたときに、もうちょっとパンチの効いた曲が欲しくて作り始めたんです。タイトルは“恵比寿さん”がいいかなと思ったんですけど、設定が少なすぎて曲にならず、次に“弁天様がやっている弁当屋さん”のストーリーを思い付いたんですが、飲食店ネタは僕が擦りすぎちゃっていたんです。で、七福神の名前をずっと見てたら、毘沙門天、弁財天、大黒天って“天”が3人いて韻踏めるなと思って、七福神をまとめてタイトルにしようと思ったんです。そこから七福神のイラストとか画像をいっぱい見たら、どれも船が小さいという法則性を見つけたんです。それで、毎年お正月のカレンダーを撮りに来るんだけど、絶対7人乗りじゃない船にギチギチに詰められて、「船ちっちゃいよねー」って七福神がグチっているストーリーにしました(笑)。

詩羽:この曲は、平成初期っぽい、いい意味での古さとダサさが印象的でしたね。これはかっこいい人は歌えないな、って思いました(笑)。水曜日のカンパネラだから、私だから、歌ったときに成り立つ曲だって思いますね。



――次の「金剛力士像」はグルーヴィーなミッドチューンです。

ケンモチ:最初は運慶と快慶の曲にしたかったんですけど、知名度的に金剛力士像の方がパンチがあるなと思ったんです。これは、同じ目的を持って集まった仲間同士が一緒に作業していく中で仲良くなっていく、友情的なストーリーですね。運慶と快慶の阿吽の呼吸も息を合わせるって意味ですし、仲良くなることと繋がるなと思いました。途中どうしても、快慶がお会計するというダジャレ的なくだりを入れたくて、急に運慶の行きつけのお店に2人で行く流れを組み込みました(笑)。

――後半、急にグッとくるモードになるのが面白いですね。

ケンモチ:たまにはこういう日も悪くないよねって、急にしんみりするっていう。例えば、文化祭に向けてみんなで放課後遅くまで残って作業してると、手を休めたときに「オレ、隣のクラスの誰々が好きでさ」「急にどうしたんだよ」みたいな話になったりするじゃないですか(笑)。一緒に物作ってるときに仲良くなるよくわからない時間ってエモいよねってことを書きました。青春ですね。

詩羽:この曲は、私的には感情移入がしやすくて歌いやすかったです。だからレコーディングもちゃっちゃか進みました。私、じんわり好きになっていく曲と、すぐに「この曲好き!」って思う曲があるんですけど、これは直感で「この曲好き!」ってなったんです。だからこそ歌いやすかったなと思います。あと私はこの曲の“好き”は“like”の方だと受け取ったんですけど、MVの監督さんは“love”で受け取っていたんです。いろんな人たちと関わって曲を共有していくと、みなさんそれぞれの感覚で受け取っているんだなというのを知れて面白いですね。

――自分も、後半のエモいゾーンはカップルの回想シーンみたいに思えました。

ケンモチ:そういう受け取り方もできるんですよね。後半は切なくしたかったので、歌い方も声を重ねず1本のストレートなボーカルで行こうと最初から思ってました。ただメロディが難しいから、録るのに時間がかかるかなと思っていたんですけど、詩羽は本当にすんなり歌ってくれて、しかもどのテイクも良くてどれを採用するか迷うくらいでした。

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『お母さんといっしょ』風サークルモッシュ?

――そして「シャドウ」は、忍者が高速道路で移動している曲ですね。

ケンモチ:車でラジオを聴いてると道路交通情報が流れてきて、高速道路の名前の響きがかっこいいなとずっと思ってたんですよ。そういうネタの曲をいつか作りたくて、人名を何にしようかなと思ったときに…「シャドウ」かって(笑)。

――車道のダジャレだったと(笑)。

ケンモチ:はい(笑)。あと子供のときって東名自動車道が“透明”だと思ってたのに、大人になったら「東京と名古屋か、なーんだ」って、みんなそういう気持ちになったと思うんです(笑)。そういう、東名阪とか自動車道のネタがようやく実を結んだ曲なんです。

――夜の高速の外灯の光と影がババババってなる感じのシャドウもあるのかなと思いました。

ケンモチ:それもありますね。あのライトがシュパシュパする夜の道路はダンスミュージックと合いますよね。



詩羽:自分の中では「バッキンガム」に近い感じがあって、かっこいいけど抜け感とポップなところがあるなと思ったんです。ただ、シンプルに自動車道を覚えるのが大変で。今もライブのために必死で覚えてるんですけど、すごい苦戦してます(笑)。「バッキンガム」もよく覚えられたなと思いましたけど、これも難しいです。

――確かに、これは自動車道の暗記に近いですもんね。

詩羽:そうなんですよ! ストーリーがあるものだと意味を考えながら歌うから覚えやすいけど、こういう単語がポンポン並んでるものは覚えるのに必死です。

ケンモチ:自動車道に感情移入しようがないもんね(笑)。

詩羽:関越自動車道とか芦ノ湖スカイラインに感情移入できない(笑)。でも、かっこよく口が回るようにひたすら練習してます。

――あえて曲に込められたメッセージをピックアップするとしたら、安全運転で行こうってことですね。

ケンモチ:そうですね(笑)。

詩羽:なので、みんな高速乗りながら安全運転で聴いて欲しいです。



――あと「鍋奉行」は、NHK Eテレアニメ『魔入りました!入間くん』の第3シリーズのエンディング・テーマになった曲です。

ケンモチ:アニメのお話をいただいたときに、設定が悪魔の入間くんのストーリーなので、「悪魔が鍋をしてたらどんな食材でどんな作り方をしてるのかな」という着想から作り始めたんです。サビで、声のピッチをいじって「ドルルル」ってやると違和感があって悪魔っぽさが出るのかなと思ったんです。楽しくてポップなんだけどちょっと怖いところが出せたらいいなと思いました。<食べれないとか言ってる奴は 今すぐにGo Home! ってのは冗談>とか、怖さとかわいらしさを同時に出した曲にもなっていますね。

――これは健康を促進している曲にも受け取れますね(笑)。

ケンモチ:そうですね。悪魔も病院が怖いでしょうし(笑)。

詩羽:この曲はライブでどうやるか話し合った曲ですね。ライブで何度かやったんですけど、サビの“闇鍋”のテンポが早くて、なかなかお客さんがテンションについていけないところが課題だったんです。それで、私がフロアの中心に立って、サビでお客さんを回すっていう『お母さんといっしょ』方式を始めたらすごくよかったんです(笑)。普段だったらサラリーマンの人に急に「回れ!」って言われてもなかなか回らないけど、ライブ会場だと回ってくれるんですよ。いつもはやらなそうな人もやってくれる感じがめっちゃイイなと思いました。この演出がもっと浸透したら、さらにいい曲になっていくんじゃないかなと思ってます。

――サークルモッシュっぽいけど、すごくゆっくりですよね(笑)。

ケンモチ:当初はサークルモッシュみたいになる予定だったんです。でも、みんなが「これで合ってるのかな?」って手探り感になり、それで『お母さんといっしょ』みたいになったっていう(笑)。

詩羽:めちゃめちゃゆっくりな感じがすごくよくて、安全でした(笑)。

――ちょうどゆっくりかき混ぜる感じになったと。ラストナンバーの「ティンカーベル」はディープハウスチューンですね。

ケンモチ:ライブのときに「ナポレオン」が1曲目になることが多かったんですけど、その新曲バージョンを作りたくて、ゆったりアゲてくディープハウスみたいな感じにしたんです。いろいろ調べていたら、ティンカーベルは飛んだあとに粉が舞って、それを浴びた人は信じると自分も空を飛べるようになるという設定だったんです。「そんなのめちゃくちゃビジネスになるやん」と思って、ティンカーベルがその粉を使ってLAの海岸線にビーチハウスを買い、余生を過ごしている話にしようと思ったんです。あと“a.k.a.妖精”“過ごしてる余生”“業務提携”で韻が踏めるなって思いました(笑)。

――ティンカーベルの方が「鍋奉行」の悪魔よりも悪どいですね(笑)。

ケンモチ:そうですね(笑)。



詩羽:ライブが始まるとき、私はステージじゃなくフロアの後ろから登場するんです。ライブで何度もこの曲を1曲目でやってるんですけど、最初はお客さんと同じ場所で「イェーイ!」って軽い感じで歌ってステージまで歩いていくんです。後半の“ネバーランド”ぐらいからは、ステージでみんなが見入るような演出に持っていけるように調整してるんです。結構いろんなことができる曲で、やっていて楽しいです。

――バラエティに富んだ2nd EP『RABBIT STAR ★』となりましたが、完成してどんな手応えがありますか。

ケンモチ:『ネオン』のときは名刺代わりになるような、ちゃんとしたものを作らなきゃと思っていたんですけど、『RABBIT STAR ★』は、それ以外の飛び道具的なものを1個1個試していった曲ばかりなんです。結構とっ散らかってるとは思うんですが、これがパッケージ化されてEPになったときに、どうやってみなさんに聴いてもらえるかを楽しみにしています。

詩羽:前回の『ネオン』はポップに振り切っていて、私の若さだったり明るさだったりを強くイメージとして出していたと思うんです。『RABBIT STAR ★』は結果的にケンモチさんがいろんなことやってるなって思うEPだし(笑)、いい意味でカオスで、すごく情報量が多いんじゃないかなと思いますね。

――今回、詩羽さんは情報量の多さを歌で表現したわけですが、どんなところに面白さを感じましたか。

詩羽:今回、歌い方の引き出しがどんどん増えていってたんです。私は音楽に詳しくないところから歌をやり始めたので、発声の種類とか名前を全然知らないけど、自然にやってたりするんです。知らないからこそ、いろんな引き出しをたまたま見つけられることが多いんです。それが今回は多かったですし、面白かったですね。今回クールな歌い方とかポップな歌い方とか、いろんな歌い方が増えました。聴いてる人には、私の声の表情がコロコロ変わっていくのを楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。

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ファンとは“マインドマブ”でありたい

――新作を発表したあとには、全国ツアー『水曜日のカンパネラ ワンマンライブツアー2023~RABBIT STAR ★ TOUR~』が開催されますが、どんなツアーになりそうですか。

詩羽:去年の夏は8箇所くらい回ったんですけど、今回は12箇所と前回よりも多く回るので、初めましての人と会うこともすごく多いと思うんです。それに、「エジソン」をきっかけで知ってくれた人がライブに来てくれるというのも増えると思うんです。私としては、「水曜日のカンパネラを覚えて帰ってね」ではなく「ヤッホー!初めましてじゃん!」「久しぶり!元気?」くらいの気持ちでツアーを回りたいと思ってます。まあ、いつもライブはそういう気持ちでやってるんですけどね。私はファンの人と、心のマブとして関わっていきたいんです。

――お客さんは心のマブだと。

詩羽:そうです、マインドマブですね。

ケンモチ:でも、「今日からマブじゃーん!」って、オタクからすると一番怖いギャルじゃない?(笑)

詩羽:そんなことないですよー(笑)。私は、年齢とか関係なくみんなとマインドマブでいたいんです。ファンとの関係をフラットでいたいし、崇拝されたくないんですよ。みんなと同じ目線で会話していたいので、みんなマインドマブです。なのでツアーは、いろんな場所を回ってどこに行ってもユルくみんなと関われるようになりたいなと思っています。

ケンモチ:僕のライブの関わり方は、自分の作った曲がどんな演出になってるのかな、どんな風にお客さんが聴いてくれてるのかなみたいな、半分観客みたいな気持ちなんです。なので、今回もどんなツアーになるのかなって1ファンとしても楽しみですね。



――では話題を変えて、最近好きな音楽や興味あることを聞かせてください。

ケンモチ:去年くらいからめちゃいいなと思うのはNewJeansです。センスの塊だなと思いますね。興味あることは、ChatGPTでいろんな言葉や設定とかをぶち込んで面白いものができないかなっていうのを試してます。ちゃんとした歌詞は作れるんですけど、逆に面白いこととかダジャレとかには弱いんです。

――この先、ChatGPTが音楽の歌詞に影響を与えるってこともあると思いますか?

ケンモチ:あると思います。そもそも作詞って、クオリティーは別にして言葉が理解できる人なら今日からできるわけじゃないですか。それでChatGPTまで現れて、言葉を使う人はまたひとつハードルが上がったんじゃないかなっていうのは思います。この先ツールが当たり前になって行く中で、「そんなの使ってるんだ、ズルい」ではなく、さらにどういう風な面白い歌詞を作れるか、音楽を作れるかがどんどん試されていくのかなとは思ったりしますね。

――AIなどのテクノロジーの進化によって、どんどん人間力が試されてる感じはすごくありますね。

ケンモチ:そうですね。なのでクリエイティブの興味はありつつも半分恐怖心もあったりします。でもそれを知った上で、逆に自分の強みが見えてくるのかなとは思いますね。

詩羽:強制的なマイブームは、花粉症が本当にひどすぎて、薬とか加湿器を買ったりとかめちゃくちゃ試してます。音楽は、去年くらいから日本のヒップホップをよく聴くようになったんです。Awich姉さんはずっと好きなんですけど、OZworldさんやCHICO CARLITOさんだったり、『ラップスタア誕生』から出てきた人とかいろいろ聴いてます。私、もともとはいろんなものに偏見がある人だったんです。ヒップホップも怖いとかうるさいだけとか、あまりいい印象がなかったんです。だけど聴いたら、めちゃめちゃパンチラインあるし音楽としてもすごくいいし、興味を持ってよく聴くようになったんです。

ケンモチ:Awichさんとは、お互い会いたいって言ってたけどフェスでずっとニアミスしてたんだよね。結局会えたの?

詩羽:まだ会えてないんです。だけど今度ワンマンを観に行くので、挨拶できたらいいなって強く思ってます!

――では最後に、今後お2人が水曜日のカンパネラや個人でやってみたいことを聞かせてください。

ケンモチ:最近、音楽を作る上で心掛けてるのが、面白いとかっこいいと新しいの3つが並び立った曲が作りたいってことなんです。どれかひとつに偏ったものではなく、いいバランスで誰もが納得できるものを作りたいんですよ。それができる音楽プロデューサーはあまりいないから、そういうことができる人になりたいですね。

詩羽:私はやりたいことがたくさんあるので、今年はそれを有言実行で叶えつつ、来年に向けてドーンといきたいと思ってます。水曜日のカンパネラの詩羽としては、とにかくシンプルに歌が上手くなりたいです。今年はその努力を惜しまない1年にしたいなと思ってます!

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