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<インタビュー>スティングの遺伝子を引き継ぐ実力派シンガー・ソングライター、ジョー・サムナー。来日公演の開催が迫る彼の素性に迫る

インタビューバナー

 フィクション・プレインのベーシストとして音楽活動をスタートし、父親であるスティングのサポートメンバーとしても活躍するUK発のシンガーソングライター、ジョー・サムナー・サムナーがビルボードライブ東京で3月13日(月)に自身初となる日本でのソロ公演を開催する。父親がスティングであるということが取りざたされることが多い彼だが、実はティーンの頃からギターやドラムと学び、フィクション・プレインとしては現在までに5枚のアルバムをリリースするなどUKの音楽シーンを引き継ぐ実力派として注目されてきた存在でもある。今回は、日本ではまだその素性があまり明かされていない彼に独占インタビューを敢行し、その生い立ちや数々のミュージシャンに囲まれて過ごした幼少期の思い出、日本への想い、今年リリースされる最新作についてまで様々な質問に答えてもらった。

――まずは生い立ちについて教えてください。また、どのような経緯で音楽に興味を持ったのでしょうか?

ジョー・サムナー:子供の頃はビデオゲームのことしか考えてなかったんだけど、ある日ラジオで「Smells Like Teen Spirit」を聞いたんだ。それで次の日にはバンドを始めていたよ。ニルヴァーナの音楽は、それまでどの音楽にもできなかったほど僕の魂の奥底に響いてきた。


――お父さんがスティングということもあり、幼少期から音楽やミュージシャンに囲まれた生活を送られていたと思います。自分が育ってきた環境でなにか思い出深いエピソードはありますか?

ジョー・サムナー:自分の親が何か楽しいことを仕事にしている姿を見ると、好きなことを実際の職にするのは可能なんだって気づかせてくれるよね。僕が初めてバンドを始めたとき、これが僕のやりたいことなんだってすぐにわかったし、それが僕にはできるって信じることができた。

 小さいときは、日中にまだ人が入っていないコンサートホールを走り回るのが大好きだったな。その後にその場所が叫んだり歌ったりしている人でいっぱいになることをわかりながら、誰もいないシートの間を行ったり来たりするのはすごく楽しかった。


――人生で一番影響を受けたアーティストを教えてください。

ジョー・サムナー:誰に一番影響を受けたかを決めるのはすごく難しいんだけど、カート・コバーンかジェフ・バックリー、トム・モレロのうちの誰かかな。彼らは、怒りに支配されるのではなく、怒りを音楽に昇華する手助けをしてくれたように感じる。


――スティングのサポートアクトとして世界を回っていますが、サポートをするときと自分のソロショーをするときの一番の違いはなんでしょうか?

ジョー・サムナー:サポートアクトとしてステージに立つときは、毎晩観客からの注目を集めるのが大変だよね。その場にいるお客さんは、サポートアクトを見に来たわけではないし、サポートアクトって見るのをスキップするか、時間が過ぎるのを耐え忍ぶ存在って思っている人も多いでしょ。だから、彼らの注目を集めて、それをキープしつつ、僕はリアルな音楽を届けるシリアスなアーティストだってことをわかってもらうのが僕の仕事かな。

 逆にソロで演奏するときは、お客さんは僕の音楽を聞きにきてくれているわけで、僕とお客さんの間でより長い会話ができる感じだよね。一曲盛り上がる曲があればいいってわけではなくて、次々に曲を繰り出していかないと!


――父親とツアーをまわるなかで一番の困難はなんでしょうか?

ジョー・サムナー:もし僕がなにか問題を起こしたら、すぐに困ったことになる(笑) 実際ツアーに出ることで一番大変なのは、自分の子供と妻に会えないこと。世界で一番好きな人たちだからね。


――これまでのツアーで印象深いエピソードはありますか?

ジョー・サムナー:今年は南アフリカで四公演を行ったから、妻と観光をしたんだけど、素晴らしい国だった。バイクのサイドカーに乗って、山を走り回ったんだ。ご飯もすごく美味しかったしね。(日本食には勝てなかったけど。)


――今年リリースされるという新作について、教えてください!

ジョー・サムナー:『Sunshine in the Night』というアルバムで、10曲が収録されるんだけど、アルバム全曲で一つの音楽になっているんだ。僕の子供について歌った曲が多いよ。彼らには、創作面だけではなく、人生を楽しむという点でもたくさんインスピレーションをもらっている。ギター、ドラム、バイオリン、フルートを使っているんだけど、全部気に入っているよ。カラフルなプレイグラウンドみたいなんだ。


――最近注目しているアーティストとオールタイムフェイバリットアーティストを一組ずつ教えてください。

ジョー・サムナー:一人に絞るのは難しいな…だけどデヴィッド・ボウイかもしれない。彼は音楽を使って夢やアイデアを表現していたよね。今は素晴らしいニュー・アーティストがたくさんいると思う。ザ・レイジー・アイズっていうオーストラリアのバンドと、ベルギー出身のシャーロット・アディジェリーっていうアーティストが好き。


――日本の音楽シーンは注目されていますか?もし日本のアーティストで好きな人がいたら教えてください。

ジョー・サムナー:MIYAVIの大ファン。すごくいい奴なんだ。あとドーピング・パンダも好きだし、少年ナイフやボアダムスなんかも昔はよく聞いたよ。


――日本でお気に入りの場所、ものなどはありますか?日本での印象的なエピソードがあれば教えてください。

ジョー・サムナー:ご飯を食べること!日本食がこの宇宙の中で一番好きな食べ物なんだ。何を食べてもおいしいよね。朝食に納豆を食べることもあるよ。日本食よりおいしいものがあるとすれば、日本で食べる日本食。あとひらがなとカタカナを読むのを練習するのが好き。いつか漢字をマスターしたいと思っているけど、あと50年はかかるだろうね。

 初めて日本に行ったのは14歳のときだったんだけど、すごく大きな台風が迫ってきていて、泊まっていたビーチの近くの場所から東京に戻ることになったんだ。友達と自転車に乗っていたら突然台風が襲ってきたのを覚えているよ。雨がすごく強くて、泊まっていた場所まで戻るのに時間がかかったんだけど、幸い雨が熱いくらい温かかったんだよね。ウォーターパークにいるような気分になった。すごく楽しかったから、雨が止んだときは悲しかったよ。


――日本では初のソロショーとなります。どのようなステージになりますか?また、日本のオーディエンスに注目してほしい部分があったら教えてください。

ジョー・サムナー:去年はずっとひとりでステージに立っていたんだけど、今回のショーには音楽家の友達を連れて行こうかなと思ってる。静かに始まって、終わりに差し掛かるにつれてどんどん音が大きくなるようなショーになるよ。観客のみんなを楽しい冒険に連れていけるといいんだけど。


――ファンの皆さんにメッセージをお願いします!

ジョー・サムナー:東京で演奏をするのが待ちきれないし、ショーまでには新しい曲も用意できると思うよ。初めて披露する楽曲たちだから楽しみにしていてね。


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