Special
サンボマスター 『音楽の子供はみな歌う』 インタビュー
今や語り草となっている両国国技館での全曲披露ライブ。サンボマスターが全身全霊で6時間を超えるライブをしている中、豪華ゲスト陣をみんな帰しちゃった犯人は!?メガマサヒデって一体どんな人!?ニューアルバム『音楽の子供はみな歌う』に込めた、一言じゃ語り尽くせない想いは!?彼らが愛を叫びまくっている理由は!?人って満たされることはないの!?ロックファンとロックなんて知らなくても刺激に餓えている全人類に捧ぐ、16093文字インタビュー!ご堪能ください。
大御所とメガくんの話
--インタビュー自体は『I Love You』リリースタイミング以来ですが、その間に佐野元春さんとの対バンや両国国技館での全曲披露ライブを観させて頂いてまして。
山口隆:ありがとうございます。両国ね、YO-KING氏が歌わなかったやつ。
木内泰史:YO-KING氏が歌わなかったの!?
山口隆:なんだ?おまえ。YO-KING氏が歌わなかったの?ってなんで聞いてんだ?
木内泰史:YO-KINGさんは歌わなかったっていうか、観に来てくれたんだろ?
山口隆:歌ってなかったんだよ!
木内泰史:・・・あぁ!!
--(笑)。
山口隆:困っちゃったぁ、今の録音されちゃって~。
木内泰史:あ、今のは、絶対使わないでくださいよ。
山口隆:絶対使わないでくださいよ~!
木内泰史:絶対にダメですよ!
山口隆:絶対にダメですよ。あとアレも載せちゃダメですよ、楽屋で待ってくれていた他のゲストの方々に「もう帰っていいみたいよ」って誰かが言って、みんな帰っちゃったっていう話も!
木内泰史:絶対にダメですよ!って、上島竜平が熱湯入る前に言ってるやつと同じですよ。
--(笑)。
山口隆:あれは、YO-KING氏が「帰ってもいい」って言ったのかな?民生さんが言ったのかな?まぁ絶対あそこらへんのね、大御所が言ったんだよな。普通、待ってんのが礼儀だよなぁ。先輩に言うのも何ですけど!待ってたっていいじゃないですか。
木内泰史:後日、YO-KINGさんに「何で帰ったんですか?」って聞いたらさ、「いや、俺は最後まで電柱に掴まって「ヤダヤダ!」って言ってた」って。
(一同爆笑)
木内泰史:でも桜井さんに話聞いたら、本当はあの人が一番最初に「帰ろう」って言ったって(笑)。
山口隆:ヒドイよ、本当に。さぁ、やりましょうか、ごめんなさい(笑)。
--はい(笑)。では、唐突ですが、サンボマスターにとって2007年、まだ少し残ってはいますが、どんな1年になりましたか?
山口隆:今みたくやれる準備をしていたというか、それはやんなくちゃいけないこと、自分たちが決着をつけなきゃいけないことがいっぱいあって。それは2006年に『僕と君の全てをロックンロールと呼べ』みたいなアルバムを出すことであったりとか、ライブで怒られながらも無茶苦茶なことばっかりやったりとか、他人が見たら「な~んだ」って思うかもしれないことをとにかくやって。結構僕はバンド活動の中で非常に重要な一年間だったんではないかなと。
木内泰史:今までにない一年でしたよ。ソニーと契約させてもらってデビューアルバムを出して、それ以降やってきた三年間とまた違う活動をこの一年ではしてきたかなと。
山口隆:楽しかったッスよ。とにかく僕らは何をやったかと言うと、「僕らはロックバンドで無茶苦茶やるよ」「一切テレビにも出ないし」みたいなことをやったわけですよね。全部ぶっ壊して。「消費されんの嫌だ」って言って。でもロックンロールはやりたいわけで、待ってくれている皆さんがいたわけで、そっから「じゃあ、何が出来んのかな?」「やれることがあるとすれば、何だろうな」って思って、それでイチから始めた一年だったというかね。
木内泰史:イチから始めたって感じはするね、確かにね。
山口隆:でもそれがね、すっげぇ楽しかったんスよ。大体イチから始めるのって楽しんですよね。「対バンやっていただけませんか?」とかね。昔、原爆オナニーズと対バンをやらせてもらおうと思って、自分たちのテイクとか持っていたのと同じ気持ちで、また原爆オナニーズに「やらせてください」って頼んだり。そういうドキドキすることをもう一回2007年はやれて、すげぇ最高な一年だったなぁ。
木内泰史:なんか、凄い刺激的だったんですよね。意識していたわけじゃないんですけど、気が付いたら俺たち、ワンマンが結構多くて。対バンツアーをしばらくやってなかったんですよね。振り返ってみると。いつの間にかそうなってて。でも2007年にまた対バンツアーをやってみたら、対バン相手のライブを観て「うわぁ!すげぇ!」と思ったり、本当に刺激的な毎日になって。それがすごい楽しくて、精神的に良いサイクルだった。
山口隆:大変なことが毎日起こっているっていうことを、もう一回よく分からなきゃいけない、心から。そう思ったんですよ。例えば、1000人規模のライブハウスでライブをやろうと思ったら、一日でチケットが売り切れてしまうと。とんでもないことなわけですよ!こんなことは。あってはいけないぐらいの凄いことで。それが麻痺してはいけないっていうか。頭で「麻痺してはいけない」って分かってても、それは体の芯からバッチリ分からなきゃいけないことなんで。
それはね、昔、メガマサヒデくんていう友達に「今日は300ぐらいの小さいハコでやるんだ」って言ったら、怒られたことがあって。「300のどこが小さいんだ!?」って。それは気付かせてくれて本当有り難いなと思ってるんですけど、そういうことをね、イチイチ身に染みて分かろうと思った一年でもありますけどね。良かったですよ、だから。
--今、メガマサヒデ氏の名前が出ましたが、先日、初めてメガさんにインタビューさせて頂いて。「サンボマスターは僕が育てたようなもんだ」と言ってました(笑)。
(一同爆笑)
山口隆:そっくりそのままお返ししますよ(笑)。
木内泰史:メガくんの話はしたら止まらなくから、彼の話はやめておこう。
山口隆:いや、奈良の話だけはしようよ!奈良の話だけさせて頂きますと、メガちゃんは移動手段を持っていないと。その時点でどうかと思うんだけど。
木内泰史:だから俺たちが車で。「みんなで移動してるんだから、そこに一人ぐらい増えたって大丈夫だ」って言って。
山口隆:「メガちゃん、乗っていきなよ!」と。もうその時点でちょっとビハインドなわけですよ(笑)。で、サービスエリアで「みんなで飯食おうぜ!」って言って、とんかつ食ってな。そこでみんなで喋ってて、マンガの話になって。どんな話だっけ?
近藤洋一:僕が手塚(治虫)先生の話をしたんです。手塚治虫と石森章太郎と水木しげると・・・。
山口隆:そうそうそう!手塚が凄いと。で、石森章太郎もとにかく天才だと。伝説があって、手塚治虫が雑誌を出すときにね、とにかく凄い奴の連載をいっぱい載せるんだと。で、石森章太郎を呼んだと。ただ石森章太郎のマンガがあまりにも面白すぎるために、手塚がちょっと嫉妬して辞めさせたみたいな話もあるぐらい、石森が凄いんだと。だから俺らは石森のような・・・なんたらかんたら言って、盛り上がったんだよ。
その後、奈良にライブをやりに行ったんだよな。そこには若手とかもいて。で、その子たちが自分たちのライブがどうだったか感想を聞きに来たりしてて、俺らは上も下もねぇから何にも言わなかったんだけど、メガちゃんはなんか話してたんですよ。で、何喋ってんのかな?と思ったら、「手塚がね!」って。
(一同爆笑)
木内泰史:俺たちがした話をその日の夜に自分の考えであるかの如く(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
まだメガくんと両国3days!?の話
山口隆:あと、もっと凄かったのが、あ、これで終わりますけど、メガちゃんの話は(笑)。俺にメガちゃんが「山さん、ダメだ、このままでは。50年代、60年代、アメリカでは、プレスリーとかビートルズとかストーンズに憧れて、みんなギターを持った。みんなロックをやった。日本の50年代、60年代は、何やったかって言うと、ギターじゃない。もう手塚、石森、あそこらへんの天才たちがどんどん出てきて、みんなペンを持った。山さん、今こそギター持たせなきゃダメだ!」って言って。「すげぇ!メガちゃん、最高だぜ!ありがとう!」って感動したんですよ。で、これはみんなに喋んなきゃダメだと思って、近ちゃんに「ダメだ!ギター持たせないと!」ってその話をしたら、近ちゃんが「それ、この前、俺がメガちゃんに言ったんですよ」って。
--(笑)
近藤洋一:メガちゃん、忘れてて、俺にもその話をしてきて・・・。
(一同爆笑)
山口隆:すみません、話が膨らんじゃって。
--いえいえ(笑)。で、【新しき日本語ロックキャンペーン2007「世界ロック選抜」】と銘打って日本中でいろんな方々と対バンを行ってきて、両国国技館でファイナルを迎えたわけですが、実際にやり終えてみて、どんなことを感じたりしました?
山口隆:その対バンツアーの影響がね、レコーディングに如実に出ましたよ。とりあえず無茶なスケジュールでやってるわけじゃないですか。両国で全曲やるとか言っちゃいましたし。ていうことは、ライブの途中とか、ライブ終わった次の日とかに平気でレコーディングしなきゃいけないんですよ。いかれた作業ですよね。出来るはずないんだけど、やるしかないっていう。だけど、これが凄いのは、原爆オナニーズとやらせてもらって、佐野元春さんとやらせてもらって、その次の日にレコーディングとかするから、もう気持ちの高ぶりが尋常じゃないわけですよね。これはね、レコーディングにものすごく良い作用したね。
木内泰史:今までと決定的に違ったのが、ライブだったり、レコーディングだったり、曲作りだったり、いろんな活動が全部ごっちゃになってて。今までは結構分かれてたんですけど、それがもう全部同じところにあるから、すべてが作用し合うというか、そういうのが実感できましたね。
山口隆:銀杏BOYZとか、スパルタローカルズとか、目つき悪いでしょ?ああいういかれた奴とやった後にレコーディングするわけですから、やっぱり燃えてきますよね。それは良いですよ、やっぱり。すごく自分たちにとってプラスになったと思うんですよ。だからまたやりたいですよ。モンパチとか、一緒にやってくんねぇかなって思うし。
新宿コマ劇場での佐野元春さんとの対バンもね、2000人入るんですよね、コマって。で、コマもまたチケット即完してくれて。その前から僕らは佐野さんとやること自体に意味あることだと思っていたんですよね。もっと若い人がもっともっと佐野さんの音楽聴いたら素敵なことがいっぱいあるのにって思ってたから。そういうことをひとつひとつやっていきたかった感じはありますよね。
--そして、両国国技館での全曲披露ライブ。あれはもう結構早い段階からツアーの最後はああいう形式にしようと決めていたんですか?
山口隆:あれは木内が言ったんですよ~、レコーディングしているときに。俺ら、その日食った担々麺がすげぇ旨くて、「うめぇな!この担々麺!」みたいな感じになっちゃって・・・それで、OKしちゃったんですよね。「やるか!」みたいな。
木内泰史:バンドやってて、音源いっぱい出していって、いつか岡林信康さんの【狂い咲きライブ】みたいなことをやりたいなって思っていて。で、それをやるタイミングは、実は2006年だったんです。
山口隆:そうなんだよ!18曲(『僕と君の全てをロックンロールと呼べ』の収録曲数)出す前だったんだよ!しかも岡林さんは、前半ギター弾き語りだけど、あれも大変だと思うけれども、俺ら、絶叫だからなぁ。
木内泰史:でもいつもと同じテンションでやりきりましたね。本当に久々にやる昔の曲とかって忘れてるから聴きながら練習するじゃないですか。そうすると、その曲を作った当時のこととかを思い出したりして、そのときの感覚が甦ってきて、「こういう気持ちでやんなきゃダメだ」って思い返したり。いろんな発見があって面白かったです。しかもそれがアルバム制作の時期だったからね。
--55曲、一度たりとも誰もバテたりテンションが落ちたりすることなく、最後までやりきっていましたが、何だったんですかね?あの日、あそこにあった無限のエネルギーみたいなものは。
山口隆:あれはお客さんじゃないですか!まずお客さんが凄い。あそこはなんかね、途中からランナーズハイのようになってきまして、「俺は全然行けるぞ」みたいな感じになってて。木内は死にそうになってましたけどね(笑)。
木内泰史:「なんでもうそんな飛ばしてんだ!?今」みたいな(笑)。
山口隆:俺はもう全然大丈夫でした。ただ終わった後、アンコールが起こったときは、それは「君らね!」ってなりました(笑)。全曲やったんですから(笑)。まぁでもよくやったね。よくあんな6時間以上もやんのに何千人も集まったなと思って。
--全曲披露みたいなライブって、アーティスト人生の中で1回あればいい方だと思うんですけど、サンボの場合、またやることになるんだろうなぁって普通に思いました。また来年やってもおかしくないなって(笑)。
山口隆:とんでもございません。
木内泰史:でもね、両国終わった後に山ちゃんが「これ、ヤバイね!次は何やろうか!?」って。だから「プロレスじゃないんだから、最終的に有刺鉄線電流爆破デスマッチとかね、そういうことやるんじゃないから」って言いましたけど(笑)。
山口隆:次のアルバムは13曲だから、やるとしたら68曲になるんだよなぁ。68曲はどうやったらいいんだろう?
近藤洋一:三部構成じゃ収まんない。
山口隆:四部構成?「うっちゃりステージ」「もの言いステージ」「寄り切りステージ」、あと何にするんだ?「もろて上げステージ」?
--(笑)。
山口隆:でも本当に機会があったらまたやってみたいですよ、もう一回。それは言っておきましょうよ!またやるかもって。
近藤洋一:やるんですか?
山口隆:僕はやりません!
(一同爆笑)
木内泰史:でも今度は3daysとかにしようよ、やるとしても。
山口隆:いや、やるとしたら1日でやろうよ!
木内泰史:うん。じゃあ、俺は3daysで。
山口隆:じゃあ、その中の1日、俺やるよ。
近藤洋一:俺たちは1日で終わる。
山口隆:木内だけ3days。
木内泰史:コード楽器なしでやるの?
山口隆:コード楽器なしで。上手いことやってくれよ。
--じゃあ、期待してますんで(笑)。
山口隆:よかったなぁ、期待してくれる人がいて。
Interviewer:平賀哲雄
今のサンボマスターへのお願い
--あと、個人的には、最近のサンボマスターってすげぇあったかくて優しいもんを届けている印象があってですね。発信してる側からしてもそういう手応えみたいなモノはありますか。
山口隆:自分たちとしては、『I Love You』と『very special!!』は、正月に作りまして。で、これ、アルバムには入るだろうなと思ってたんだけど、結局シングルで出て。そしたら「疾走感あるやつをなんでやんないですか?」ってよく言われて。で、僕はそれはもうやったからやんなくていいと思っていたんですよ。だけどライブをやる毎につれて、どんどん見えてきて。それで作ったんですよね、『光のロック』っていう曲を。だから自分の中では結構ね、アルバムに行き着くための長い道のりがあって、その中で閃きの連鎖みたいなモノが多かった印象ですね。だから自分の中では、あったかいって言うよりは、夜の寂しいところとか、そういったところでやったかなって。
--なんで今の質問をしたかと言うと、『I Love You』がリリースされたときに、松屋で牛丼かなんか食ってたんですけど、そこに有線で『I Love You』がふと流れてきたときに、たまんねぇ気持ちになったからなんですよ。夜な夜な一人で松屋にいるときの『I Love You』はグッと来るわけですよ。
山口隆:確かにね~。来るなぁ、あれは。悲しい曲なんだよ、あれは。「君はいたほうがいいよ 死んではダメなのさ」ってね。でもそれはね、アルバムを作る布石ではありましたね。で、そのうち、疾走感あるやつが見えてきて。ただそれは新しくないと意味ないですからね。昔の焼き直しじゃ僕はやる意味はないと思っていたので。で、だんだん僕の心ももっともっと「聴いてもらえたらいいな」って思うようになってきた。今思うと、前なんかは、むしろ聴いてもらう人を選んでいたんじゃないか?と思うところさえあるんですよ。「誤解しないでくれよ」と言っていたというか。でも今なんかはね、「もう誤解なんかいくらでもしろ」「何とでも言え」みたいなところがあって。それは昔に近いかもしれません。ただ昔は聴く人のキャパがすごい少なかったから。いくらでも誤解しろと言えた。今はもうそれの何十万倍にもなってるわけでしょ。で、そこで「いくらでも誤解してくれ」と言えるようになったのは、自分にとっていいことであるなって。
その中で『光のロック』っていう曲も出来たんですよ。「この曲はいいな!」と思ってたんですね。「みんなに聴いてほしいな」と思ってたら「映画の主題歌やってみませんか?」って話があって。僕は何のアレもなく、「今回はありがとうございます」っていう感じ。だから逆に言うと、あまりに自分たちが思ったようになることの怖さもあるんだけど。まぁ決して自分たちのロックが選ばれているとか、そんなことは思わないが、「なろうかな」と思うと、すーっとそうなっていく。その力っていうのは、何なんだろうって思いましたね、2007年は。
--『光のロック』もそうだし、今回のアルバム『音楽の子供はみな歌う』を聴いても思ったんですけど、今のサンボマスターの音楽って街中やお茶の間にもすげぇ似合う音楽だと思うんですよ。ライブだけじゃなくて、何気なく流れてきても効果を持つ楽曲ばかりというか。
山口隆:あ~、なるほどね!
--なので、音楽番組でも「笑っていいとも!」でも良いんですけど、僕は今のサンボマスターにはすげぇメディアに露出してほしいんです。そしたら、2004年や2005年の異常な現象の中でのメディア露出とは違った、有意義な反響や影響が生まれると思うんですよね。
山口隆:なるほどね。だからね、俺思うんですけど、よくメディアに出るのを僕が嫌になった話をしますけど、嫌になった僕と嫌にならせたメディアと、何が悪いんだって言ったらね、それはね、疲れちゃった俺らが悪いんだと、思ってんの。そんなの、嫌になったってね、今から思うと、嫌になんなきゃいいんだよね(笑)。「もっとやってやる!」って言ってさ。相当キツイんだけど。「それでもやってやるんだ!」みたいな。そういうことを思えるようになった。
近藤くん、面白いなと思ったことがあって。「近ちゃん、これ、ああやって思われないかな?」「これ、いやらしいと思われないかな?」って言ったら、近藤くんは「「どうぞ思ってくれ」って言った方がいいんですよ」って。そうだなぁと思って。やった方がいいなと思ってね。どんどん音出した方がいいなって。で、そう思えたのは、やっぱりね、不思議なもんで、対バンツアーであったり、フジロックのグリーンステージであったり、150人を前にやらせてもらった新宿のライブであったり、やっぱライブなんですよね~。僕は今まで、僕の部屋で僕が閃いたものが世界で一番新しいと思ってたんだよね。それは違うんですよね。僕らがライブでやって、お客さんと一緒にワァ~!ってなったのが世界で一番新しいんですよ。それをね、知った。結構今はそういう感じで上手くやれてるかなっていうか。だからお茶の間っていうのは決して悪いことではないし、お茶の間っていうのは一人の部屋だったりするわけで、とにかく夜に忍び込めるっていうのは、すごく良いと思いますね。松屋でも何でも。
--今のサンボマスターの音楽はカテゴリーで言うところのロックに全く執着してないし、もう好きな奴にも嫌いな奴にもただ「聴いてくれ」「歌ってくれ」って言いたくなる音楽をやってるじゃないですか。だったら、俺はサンボにどこでもかしこでも出ていっちゃってほしいんですよね。
山口隆:なるほどね。でも出ていくと怒られちゃうんだよな、またなぁ。まぁでもそれはね、「なんでだろう?」っていうところと、安心するところとふたつあって。それは例えば、もう書いちゃっていいですけど、「NEWS23」とかでも相当怒られたし、この前は「僕らの音楽」の民生さんのところでもね、「生意気だ」って相当怒られたんですけど。でもそれには「なんで怒られちゃうのかなぁ?」っていうのと(笑)、あと、こうやって無意識に怒られているってことは、なんか、俺たちがいわゆるロック的と言ったらおかしいが、問題を起こす何かを持っているっていうことは、そこにはロックたる何かがあるのではないかと思わせるところではありますけどね。二面性があるかな。そういう意味でも「出ていきたいな」っていう感じはしますよね。でも「出ていきたいな」って言っておいて、出るとストレス溜まるんですよぉ。すげぇ失礼な質問とかガンガンあったりするし。
--(笑)。
山口隆:俺、なんかもう・・・。
木内泰史:驚いたよ(笑)。
山口隆:とりあえずもう・・・参考書か何か開いて勉強始めようかなと(笑)。まぁでもそういうのってあるんですよ。それでも出なきゃいけないんですよねぇ。でもロックンロールってそういうことですもんねぇ。結局ライブだって人の前に出ていくわけで。だからいいんだよ、アウェーでも何でもいいんだ。意外とアウェーの中で出ていくと大丈夫だったりね。フジロックのグリーンステージとかもそうですよ。もうこっちは出禁になるぐらいの勢いで出てるわけですからね。だけど意外に皆さん、歓迎してくれたりとか。そういうのはありますね。でも今回のアルバムを聴いて、そういう風に言って頂けるのは有り難いと思いますよ。
--僕は今回のアルバムをすごく聴いてほしいんですよね。それは、サンボマスターのまんまで、例えば、倖田來未のファンとか、SMAPのファンとかのフィールドでも歌い叫んでほしいんですよ。響く人はもっといるはずだと思うので。
山口隆:そう思ってもらえるのは本当嬉しいですよ。僕なんかも最近思うんですけど、もちろん僕らの音楽をいろんな人に聴いてもらえるのは嬉しいんだけど、それが僕らでなくてもいいから、こういう音楽を好きでいてくれたらいいなって。そしたらそのうち出逢えるかもしれないじゃないですか。僕らじゃなかったら、例えば、POLYSICSでもいいし、スパルタローカルズでもいい。みんな素敵な音楽やってるわけですから。そういった音楽を好きだったらいいかなって。ロックを好きでいてくれたらいずれ会うかもしんないし、会えなくてもずっとロックを好きでその人がいてくれたらいいかっていうか。なんか、そんな気持ちが最近はありますね。民生さんも言ってたんですけど、「ロックが売れてくれたらいいよ~」って。すげぇ良いこと言うなと思って!自分のことだけじゃない考えを持っていて、偉い人だなと思って。そのわりにはライブで「俺のアルバムを買って。それで余裕があったらサンボのも買って」って(笑)。更には、僕らと自分のアルバムの発売日が近くて「飼い犬に手を噛まれた気分だ」って(笑)。
--(笑)。
山口隆:でもそうやって言って頂けるのは、有り難いと思いますよ。みんなに聴いてほしいです。
Interviewer:平賀哲雄
『音楽の子供はみな歌う』の話
--ちなみに今回のアルバムのタイトルを『音楽の子供はみな歌う』にした理由があったら聞かせてもらってもいいですか?
山口隆:これはですね、ひとつはさっき言ったように、誤解でも何でもされてもいいから、とにかくみんな聴いてくれたら嬉しいっていう気分になったというのがデカイですね。で、僕は最初、『音楽の子供はみな踊る』っていうタイトルにしようと思ってたんです。それをみんなに言ったら、近藤くんが『音楽の子供はみな歌う』が良いって。そしたら「そっちの方が良い」みたいな空気になりまして。「それはどうか?」と。私的には、今までの3枚のアルバムは全部僕がタイトルを決めてきたと。曲目から歌詞から、ぶっちゃけ音のプロダクションから、もう随分やってますよ、私。
近藤洋一:そうですね、はい。
山口隆:それで「負けてたまるか!」と。「俺の案を聞いてくれ」と。で、私が考えたのが『光のロックは、I Love Youの朝から』というタイトルでしてね。
--はい。
山口隆:まぁこういう空気になりまして(笑)。
(一同爆笑)
近藤洋一:百発百中ですね~。
山口隆:この空気になるのは(笑)。
木内泰史:すべり知らず。
山口隆:すべり知らずのこの空気(笑)。この空気になりまして、「もう皆さん、よくわかりました」と(笑)。それで『音楽の子供はみな歌う』というタイトルに。“歌う”の方が能動的だから良いって言う人がいましたね。
近藤洋一:やっぱりみんな自分の歌だと思って聴いてほしいですよね。
木内泰史:曲にどんどん一人歩きしてほしい。自分の歌にしてほしい。
--だから内容も全体通してめちゃくちゃオープンマインドですよね。何でも出すし、何でも受け入れちゃうよ!っていう姿勢や想いに溢れてると思うんですが。どうでしょう?
山口隆:僕が心掛けたのは、とりあえずリズムは新しくしなきゃいけないと思ったんですよ。歌うようにスネアを叩いてもらわなきゃいけないと思って。あともうひとつは、歌詞が「I Love You」とか「君はいたほうがいいよ」とか「君のことが好きなんだ」っていうのと、「君を惨めにした奴から仇取ってやる」とか「世の中なんか大嫌いだ」とか「あいつらのズルさはね」っていうのを同じ数にしなきゃイカンと思ったんですよね。偽善も嫌だし偽悪も嫌だから。本当のことを言うためにそこを同じ数にしようとは思いました。リズムと歌詞、そのどちらとも新しいことをしたかったんですよね。オープンマインドというよりかは、そういう感じですね。なるべく正直に歌うっていう。
--ただ個人的には、このアルバムって、熱量は過去最大だと思うんですけど、怒りとかじゃねぇなって。でもめちゃくちゃ怒ってるときと同じぐらいのエネルギーで「大好きだぁ!」「愛してるんだ!コノヤロー!」って叫ばれてるような印象だったんですよ。
山口隆:あぁ~!それはそうかもしれませんね。『光のロック』でも何でもそうですけど、サァ~っと光って、ヒュッと行くようなね。僕、14才のときとか、イギー・ポップ聴きながら、夜中にりんご畑とか、自転車で走りまくってるわけですよね。すると、あれだけなんか闇の世界で、りんご畑は真っ暗で、面白くねぇと思ってて、頭の中に「サーチ・アンド・デストロイ」って流れてて。でも日の出と共に陽の光がフワァ~っと上がって来てね、朝日が白んできて、「サーチ・アンド・デストロイ」は相変わらず残ってるんだけれども、光の射しているかのような。そういうのを歌いたかったっていうのは、ありますね。だから怒りだけではないっていうのは、そこなのかもしれませんね。
--ちなみに今作2曲目の『揺れるラブマンのテーマ』の中でサンボマスターは「さよなら怒り」って歌っています。
山口隆:そうですねぇ!あ、歌ってるわ。うわ!すげぇ!じゃあ、そうだなぁ、やっぱりなぁ。怒りにさよなら告げたいんだね、やっぱね。だからとにかく新しいところに行きたかったんだよね。
--で、実際、今作で新しいところに行ったわけですけど、行った今はどんな状態なんですか?
山口隆:あのね、音楽のアイデアは格段に浮かぶようになりましたね。それはやっぱりマインドが変わるから。つまり疾走感があるやつをやりたくなった、あるいは、やれる部分がいっぱい見えてきたっていうのは、そういうことだと思うんだよね。僕が昔なんであれだけ疾走感があるのを作り得たかと言うと、聴いている人もそんなにいなかったからだと思うんですよ。CDを買ったとしても何千人の世界だったと思うんですね。その中でやっていたからどんな感情でも出せた。でも何万、何十万っていう人が聴いてくれる環境になってくると、どうしてもどす黒いものが先に出てきちゃったりする。そのバランスが取れなかった。だけどやっぱりオープンマインドになる覚悟が出来たことで、その中でも疾走感があるのが出来るようになった。それがデカいかもしれませんね。そういう意味では、そこが一番変わったかもしれない。やっぱりオープンマインドとか「さよなら怒り」ってことなんでしょうね、変わったというのは。
--同じ疾走感がある曲、例えば『美しき人間の日々』という曲がありますが、今作に収録されている疾走感がある曲は“『美しき人間の日々』のように”じゃないですよね。
山口隆:そこがね、みんな、多分一番やってほしくてやってほしくないことだったんじゃないかなって思うんですよね。だから「これ、焼き直しだよ」「これだったら俺は『美しき人間の日々』の方がいいよ」って思わせてしまうことだけは避けたくて。『美しき人間の日々』のときのショックは、もう一回『美しき人間の日々』をやっても出てこないんですよね。新しいものを作らなきゃいけない。それがね、みんなで出来てよかったなと思います。それは僕だけじゃなくて、近ちゃんと木内に会ったから出来たんだと思う。だからみんなが同じ気持ちだったっていうのが重要なのかもしれないね。
木内泰史:焼き直しはやってもやっぱり意味ない。もちろん王道というか、マンネリみたいなモノってあるじゃないですか。俺はそれを否定しないし、それを求めてる人もすごくいるから良いんですけど。
山口隆:ラモーンズとかな。
木内泰史:そうそうそう。ラモーンズだったり、ストーンズだったり、ああいうのはもう全然良いと思う。それをみんな求めてる。でも俺らはそれを自分たちでやろうとしても出来ねぇなっていう感じはしましたね。焼き直しすることに罪悪感とか後ろめたさは感じても、満足感は得られないんじゃないかなって。
山口隆:ラモーンズはすげぇから10年前と同じ気持ちでやれてるんですよ。あるいは違った気持ちでも、あの「1!2!3!4!」が出せるんですよね。僕はね、数年前と同じ気持ちでは多分ないと思うんですよ。それは何でかって言うと、自分も変わってみんなも変わってるから「そこをやりたい」って思っちゃう。だからどんどん新しいことやりたい。逆に言えば、今回『光のロック』っていう曲が作れて、それが自分の中では新しい感じがしたと。で、人の話を聞くと、どうやら皆さんも新しいものとして認めてくださったようだと。ホッとしてますけどね。皆さんにそう思って頂けたことに。もちろん思わない人もいるかもしれない。でもそう思ってくれている人がいることが非常に嬉しい。
あと僕が「良いなぁ」って思ってんのが、俺ら、ドラマ「電車男」の主題歌をやらせてもらったでしょ。あれって秋葉原の話だったでしょ。で、今回『光のロック』が劇場版の「BLEACH」の主題歌になった。僕は秋葉原のカルチャーは「すげぇパワーあるな」と思っていて。だからオタクって言いたくないんですよね。雑誌とかが「オタク」って言うとき、ちょっと差別的な空気もあったりするから。だけど俺はすげぇあの人たちのパワー、すげぇリスペクトしているんですよ。だからそういうところとコラボレーション、ディランとアレン・ギンズバーグじゃないけど、非常に世界が注目しているパワーのようなモノとリンクできるっていう嬉しさもあるんですね。そこで、例えば、10才の子供とかが聴いてくれて、ライブに来てくれたりするっていう、この神秘的な作業に凄い感動するんですよ、僕は。
いわゆる文化のすげぇパワー持ってる人たちっているじゃないですか。大抵そういう人たちって誤解されたりしますよね。そういう人たちのところへワァ~!ってやれるこの幸せってないなって。それがあるんですよ、今回のシングルとアルバムに関しては。今までサンボマスター聴いてなくて、「電車男」だったり「BLEACH」だったり「NARUTO」だったり、パワーあるカルチャーが好きだ。その人が子供であっても30代、40代であっても俺らの音楽を聴いてくれたらもう最高ですよね。
木内泰史:俺が初めて「すげぇロック!ロックかっけぇわ!」って思った感覚をそこで感じてもらえるならば、そんな幸せなことはない。
--可能性としては全然ありますもんね。
山口隆:ありますよ~。この前、四国でライブやって、フランス人の親子が観に来てくれていて。10才の子供に「好きな歌、何?」って聞いたら「NARUTO」って言うんですよ。「あ、『青春狂騒曲な』」と思って(笑)。それでもいいと思って。そういうのがやりたいなぁって思いましたね。
それにしてもアニメとか秋葉原のカルチャーは凄いものがあるよね。「三次元に興味がない」っていう発言を聞いたんですよ、秋葉原に通っている人たちから。「なんてロックンローラーな発言なんだ!?」と思ったよ。言えないですよ!三次元に興味はないなんて!カッコイイなぁと思って。そういうところとリンクできるのは、自分にとって光栄なことだなと凄い思います。
Interviewer:平賀哲雄
満たされてしまったら・・・、ちょい深い話
--アルバム『音楽の子供はみな歌う』について、もう少しだけお話を聞かせて頂きたいんですが、このアルバム、どの曲も「愛」を歌ってますよね。「愛」っていう言葉が入っていない曲がほとんどない。
山口隆:おぉ!そうなんだ!なんて短絡的なバンドなんだろう(笑)。
--これだけ「愛」って言葉が自然に出てくる状態にあるっていうのは。
山口隆:如何に愛情に餓えてるかってことだと思うんですよね(笑)。それは本当でしょうね。如何に僕らが愛情に飢えてるバンドかと言うか。でもだから聴きに来てくれるんじゃないかな。同じところの真空ポケットに。「愛することのすべて」とか言ってんもんね。やっぱりパーツが足りないんでしょうね。人が満足するためのパーツが。ジグゾーパズルの1ピース、2ピースが多分足りないんだと思いますよ。だからこそ「愛」だの「好き」だの「奴らはズルイ」だの。やっぱり満たされてないんだと思うんですよね。だから「I Love You」と歌うし、だから僕らは今回のアルバムを『光のロック』で始めて、最後の曲を『I Love You』にしてるんですけど。「準備しよう!」って言ってるんですよね。「Get Ready!」って言って終わる。やっぱり満たされていないってことは、学校とか会社とか普通の暮らしの中で、ツラい思いがどうやったって待ってる。楽しい思いと同じぐらい。そこに対して「準備しよう」って言っちゃうんですよね。それはやっぱり満たされていない奴の言うことですよね。満たされている奴は準備なんかいらないわけですから。
--でもその満たされていない人が誰かを満たそうとしていると。
山口隆:そうです、そうです、満たそうとしているわけですよ。満たされない僕らが。それはもう不完全なモノなんだろうけど、作業としては。でも俺、その不完全のところにロックンロールがあると思うね。僕ら3人が飛騨高山で、大変な徳の高い修行をしてたら、それはロックンロールじゃないと思うんですよ。何がロックでロックじゃないかも分かんないけど、やっぱり満たされてない僕らが、愛情に飢えてる僕らがね、「準備しろよ!」って言ってるところの、不完全さ、可笑しさ、情けなさ、切なさ。そういうところにロックロールがあるんじゃないですかね。そういう感じがしますけどね。
--ただその自分が欠落していると思っている部分が埋まっちゃったらどうなるんですかね?
山口隆:いやぁ~、もう、もうね、う、埋めてみたい!
木内泰史:あり得るんですか!?
山口隆:いやぁ~、おまえ、夢を諦めるなよ、そんなところで。いや、埋まっちゃいたいですよ!それは。
--例えば、前回のインタビューで、「I Love You」と伝えたい特定のお相手を聞いたところ、木内さんは「武内絵美(テレビ朝日)ちゃん」と言っていました。で、木内さんがその武内絵美ちゃんと付き合えてしまったとしたら、絶対に何かは変わってますよね、そこで。
山口隆:でも、おそらくそのときも木内の夢は叶ってないんですよ。つまり武内絵美ちゃんと付き合えてる自分に絶望してるわけですよ。付き合えてる自分がこんなことか・・・と。
木内泰史:(笑)。
山口隆:なぜなら欠落したまま付き合ってるから。まぁそんな話をしたところで、付き合えないけどなぁ(笑)。まぁでも埋まった感じは味わってみたいですね、一回ね。みんなもそうなんだろうけど。
近藤洋一:死ぬんじゃないですか?多分。生きていけなくなるんじゃないですか。
山口隆:え~?幸せすぎて?
木内泰史:幸せすぎるとは感じないでしょ?多分。
近藤洋一:生きてるも何も関係なくなるんじゃないですか?死ななくていいってことじゃないですか、埋まるってことは。
山口隆:死ななくていい?
近藤洋一:だって死すら超えていかないと、埋まることはないでしょ。
山口隆:死ねない悲しみっていうのもあるでしょ!だって。
木内泰史:それは死ねない体になんなきゃ分かんないわけでしょ。
山口隆:だって、おまえ、「ジョジョの奇妙な冒険」の第2部のカーズは、おまえ・・・。
--(笑)。
木内泰史:カーズは違うじゃん。あれは宇宙空間に飛ばれちゃったんだよ(笑)。
山口隆:考えることを止めたんだよ、カーズは。
近藤洋一:死のうと思っても死ねなかったんですよ。
山口隆:そういう悲しみもあるんだよ、スイフトの「ガリバー旅行記」じゃないけどね。まぁだからその、やっぱりね、人間、そんな簡単に埋まんねぇってことだな!こういう話になるということは(笑)。で、埋まるということがこれだけ難しいっていうのであれば、やはり不完全なところに存在するロックンロールっていうのは、無くなんないんだろうね!ちょっと安心しました(笑)。深い質問だったよね、今のは。面白かったです。
--これからも欠落だらけで。
山口隆:欠落だらけでやらせていただきます!
--最後に一つだけ。アルバム『音楽の子供はみな歌う』を引っ提げたツアーが今後あると思うんですけど、どんな世界が広がっていきそうな予感とかしてますか?
山口隆:あの、また会いたい人がいるんですね。それは、新潟で笛吹きながらダンプにバックオーライやってて歯を折った奴だったり(笑)、2時間ずーっと俺にでっかい声で最後まで話し掛けっ放しだった九州の奴だったり(笑)、もう一回会いたい奴がいっぱいいるんですよ。そういう奴らに会いに行きたいです。
近藤洋一:やっぱり大きい音出してですね、バァ~っとやりたいですよ。一番好きなんですよね、そういうときが。自分がやっぱりずっと音楽でドキドキしていたいんですよ。そのために一番満足できるのって、やっぱりそういう瞬間なんですよね。
木内泰史:ライブでお客さんと一緒に大笑いして、号泣して、もう何でもやりたいですね!本当に刺激的な毎日を過ごしたいし、そこで僕らが感じている楽しさを観てくれる人にも感じてほしい。それを感じてもらえたら、僕は嬉しい。
山口隆:あと思うんですけど、今年ばっかりは、打ち上げに一ヶ所ぐらい女の子居たっていいんじゃないかっていう。
--(笑)。
木内泰史:これは、スタッフの皆さんに強く言っておきますけど・・・、仕込んだっていいんです!!俺たちは仕込みも全然受け容れる覚悟はある。
山口隆:これは勧告。嘘でもいいから居たっていいんじゃないの?
木内泰史:嘘でいい。
山口隆:嘘でいいです、もう。喋らなくてもいい。居たという事実があれば。
木内泰史:その娘の時給とかの話を横でしても大丈夫です。
山口隆:僕らよりも銀杏BOYZのファンだと言っても全然構わないです。
--とにかく居ればいいと(笑)。
山口隆:居ればいいです!一ヶ所でいいです!一回ぐらいはなきゃダメです、そういうのは。
木内泰史:お願いです!仕込んでください!!
山口隆:そう!仕込んで!・・・?
(一同爆笑)
山口隆:悲しすぎるじゃねぇかぁ、おい(笑)。
Interviewer:平賀哲雄
音楽の子供はみな歌う
2008/01/23 RELEASE
SRCL-6697 ¥ 3,204(税込)
Disc01
- 01.光のロック
- 02.揺れるラブマンのテーマ
- 03.愛することのすべて
- 04.少年エレクトリック
- 05.very special!!(アルバムバージョン)
- 06.オルフェvsグッバイハイスクール
- 07.グッドモーニング センチメンタルウーマン
- 08.ひかりひとしずく
- 09.21世紀少年少女
- 10.春なんです
- 11.青春のベル鳴りっぱなし
- 12.新しい朝
- 13.I Love You(アルバムバージョン)
関連商品