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<インタビュー>8LOOMでブレイクしたNOAの“全て”と“強み”が詰まった1stアルバム『NO.A』



NOAインタビュー

 2022年10月~12月に放送されたTBS系ドラマ『君の花になる』で7人組ボーイズグループ“8LOOM”のメンバー・久留島巧を演じ、グループとして、そしてシンガーとしてブレイクを果たしたNOAが、1stアルバム『NO.A』をリリースした。

 2020年にデビューするも、コロナ禍によって思うような活動ができなかったNOAにとって、22歳の誕生日を迎えた昨年3月13日に開催したファンミーティング【NOA SPECIAL FAN MEETING 2022】で見た、紫色のリストバンドが輝く景色は忘れられないものとなった。本アルバムには、その日のことをもとにした「Purple Sky」やAyumu Imazuを迎えたダンスナンバー「Just Feel It」など、サウンドバリエーションが幅広い14曲が収録。どれもNOAが参加した、ポテンシャルの高い作品に仕上がっている。

 「ここからが幕開け」と、NOAもファンも期待する最新アルバムについて、じっくり話を聞いた。(Interview & Text: Mariko Ikitake)

――2022年後半は、8LOOMとしての活動が盛んでしたね。2021年のインタビューで、「演技のお仕事にも挑戦したい」とおっしゃっていて、やりたいことが一つ一つ叶っているように思います。

NOA:目標が一つ叶いました。韓国にいたときはグループでデビューを目指して活動をしていたので、ソロになってからは、他のグループを見ると「いいな」と思っちゃう自分もいたんです。なので、お芝居にも初挑戦できて、ドラマの中でグループも演じられて、こんな形で叶えることができて、すごく贅沢な時間でした。

――特にどういうときに「グループっていいな」って思ったんですか?

NOA:僕はK-POPがいまだに好きでよく聞いたり見たりしているんですけど、グループだからこそできること、例えば、曲調とか、パフォーマンスとか、そういう部分が、グループだといいなと思うことがあります。もちろん、ソロはまた別の魅力があって、それも8LOOMとして活動しているときに感じました。グループで見る景色も違うし、ソロでは自分のジャンボうちわを見る機会もなかったですし(笑)。そういった部分も全て、不思議というか、印象的で楽しかったです!

――8LOOMではどんな存在だったんですか?

NOA:僕はずっと俯瞰してました。(高橋)文哉君とか(綱)啓永君にお芝居のことを聞いて、逆に音楽初挑戦の子たちは僕たちに聞いてくれたり。(八村)倫太郎が率先して動いていて、僕は誰かが困っていたら「こうだよ」って教えるタイプというか。啓永君はすごく真面目で努力家で、前日の動画を見て、「NOAのこの動き、めっちゃカッコいいね。どうやってやるの?」って聞いてくれたことがあって、それは嬉しかったです。「自分ももっと頑張ろう!」と気合いが入りました。こういうお互いを高め合う感じことも、やっぱりグループだからこそですね。

――誰かから思わぬ言葉をかけられたり、新しい発見もあったりしたと思います。ソロの時はどういったところから新しい気付きを得ていますか?

NOA:周りからの言葉は次に繋がりますし、吸収しようと心がけています。ただ、ソロは8LOOMの活動と違って、ダンサーが8人に増えたので、少し前に出演した【GMO SONIC】のときのように、自分が率先して、どんどん引っ張っていかなきゃいけないと思っています。それはそれで自分が作れるという楽しみがありますし、みんなも一緒に頑張ってくれるのでありがたいです。同い年の振り付け師でダンサーのReiNaちゃんは、いろんなアドバイスをくれるので、そこから得るものもたくさんありますね。


(C) 2023 GMO Internet, Inc. All Rights Reserved.

――【GMO SONIC】はEDMやK-POPのアーティストが多く出演していたので、NOAさんの楽曲とオーディエンスの好みがマッチしたイベントだったと思います。

NOA:皆さんの反応が良過ぎて(笑)。僕を知らない方もたくさんいたと思うんですけど、音楽を楽しんでいる雰囲気がステージに立っていても伝わってきたので、それがエンジンになって、とにかく楽しかったです。【GMO SONIC】の開催日から歓声がOKになったので、オーディエンスも乗り気というか、お客さんの中には、男性の方も多くて、その方たちがめっちゃ叫んでくれたので、すごくよかったですし、何より楽しんでいるのが伝わってきて、こっちも届けたい意欲が湧きました。【GMO SONIC】がソロでステージに立つ久しぶりの機会だったので、ダンサーがいるとはいえ、一人になった瞬間、すごく緊張して。だから、1曲目は結構緊張で顔もガチガチでした(笑)。

――(笑)。ドラマ出演をきっかけに、NOAさんを知った人が増えたことはSNSのフォロー数の上昇からもよくわかります。

NOA:ドラマの放送期間後も、僕の音楽を深くサーチしてファンになってくださった方が多くて。ドラマで終わりじゃなくて、僕の音楽を好きになってくださる方たちがいたので、歌を届けられる範囲が広がったという意味で、(数字が増えたことへの)プレッシャーはなく、逆にワクワクしながらアルバム制作を進めていました。


――Ayumu Imazuさんをフィーチャーした「Just Feel It」が、ドラマ出演後に最初に出した曲で、この曲に心を奪われた方も多かったのではと思います。

NOA:ありがとうございます。「ギャップがすごい」って言われました。ドラマで演じた久留島巧がフワっとしたキャラクターで、カッコいいとか男っぽさ、オス感みたいなイメージがなかったので、そのギャップを狙ったんです。

 この曲は韓国のプロデューサーのキム・テソンさんに作っていただいたもので、歌詞を僕たち二人で考えました。Ayumu君のパートはメロもAyumu君が考えてます。レコーディングの日に初めてAyumu君に会ったんですけど、絶対にカッコいいものができるとわかっていたので、僕はただ「ここのパートは、Ayumu君なりにお願いします!」って、事前に細かいオーダーもしなかったんです。ダンスの振りも一緒に作りましたし、あれから仲良くなって、実は数日前も二人で曲を作ったんですよ。ソロ・アーティストの友達がいなかったので、Ayumu君に出会えてよかったです。

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「Purple Sky」が今の自分を表現している

――アルバムを通して聞くと、女性をリードしていく、積極的な男性の姿が思い浮かびました。

NOA:僕は曲を書くとき、必ず実体験を入れています。そうじゃないと伝わりにくいというか、自分の気持ちが込もってない感じがして。なので、土台としてインスピレーションを受けたものがあって、想像も含んでいることがありますが、自分の実体験を交えて書くのが僕のやり方です。

――「LIGHTS UP」の“sunrise(日の出)”から、「Purple Sky」(夕暮れ時の紫色味の空)、そしてラストナンバー「Fireworks」で花火が上がる夜と、一日の流れをアルバムで描いたのかなと思いました。

NOA:まさにそうです! トラックリストを作るのが初めてのことで、正直そんなに難しいことじゃないと思っていたんですけど、いざやってみると本当に難しくて。それこそカテゴリーで分けてみたり、普段聞くアルバムをマネしたりしてみたんですけど、どれもしっくりこなくて……。いろいろ考えて、「朝から聞けるアルバムにしよう!」と思ったんです。「ここまでは昼っぽいな~」とか、皆さんに自由に区切りをつけていただいて、その時間帯に繰り返し聞いてもらえたら嬉しいなって。

 2番目の「Bad At Love」の終わりと3番目の「To Be Honest」の始まりが、意図してなかったんですけど、ストーリーが繋がっている感じが出ていまして……

――「Bad At Love」の最後に「hello?」で電話を取り、「To Be Honest」ではまるで会話をしているようなシチュエーションですよね。

NOA:偶然といえば偶然なんですけど、トラックリストを選ぶときに、「これは絶対に繋げたい!」と思って。その2曲だけでもストーリーができたというか。自分の中では昼っぽい曲だとずっと思っていた曲も、夜にも向いてるように思えることもあって、トラックリストを作るのは本当に大変でしたけど、楽しかったです。

――新曲の「Runaway Love」はニュー・ジャック・スウィングを取り入れていて、特徴的なサウンドであるからこそ、取り入れるのも難しそうな気もしましたが、とてもカッコよく仕上がっていますよね。

NOA:ありがとうございます。「自分は果たして何に特化してるんだろう?」と考えたときに、R&Bとダンスに強いので、ダンスでもいろんなジャンルを出せたらと思って、今までやったことのないニュー・ジャックを取り入れました。現代のニュー・ジャックも好きですし、当時作られたニュー・ジャックも大好きなので、そこをうまく混合させたものを作れたらと面白そうだなと。

――様々なジャンルが詰まったアルバムで、しかも、それを一日の流れにするというのは頭を使う作業だったと思います。アルバムの代表曲を挙げるとすれば、どの曲になるんですか?

NOA:リード曲は「Purple Sky」です。この曲が今の自分を一番表現していますし、曲を作ったきっかけをくれたのがファンの皆さんなんです。去年の3月にファンミを2年ぶりに開催しまして、それまでの2年間、僕が何もできていなかった時間があったのにもかかわらず、ずっと応援してくれるファンの方々がたくさんいて、いざ実際に会ったときの感動、感謝の気持ちをどうにか伝えられないかと思って書き始めた曲なので、とても思い入れがあります。僕はファンのために書いたんですけど、仲間だったり、恋人だったり、家族だったり、いろんな人がいろんなシチュエーションで聞けるのも魅力的だなと思ったので、リード曲にしました。


――アルバム後半の「Ticket」から「Purple Sky」、そしてラストの「Fireworks」では、それまで見せていた積極的な姿から一転、弱さや正直な部分を見せている印象を受けました。

NOA:確かに、後半は少し落ち着いていますね。「Purple Sky」で締めようかと思ったんですけど、最後は花火を打ち上げて終わりたいなと思って、「Fireworks」を選びました。

――「Purple Sky」は去年の3月以降に作ったそうですが、「Ticket」はいつ頃作られた曲なんですか?

NOA:去年か……一昨年かもしれないです。しっとりしすぎたバラードは嫌だったので、ポップというか明るさを加えました。別れに耐えてるとか、嫌いになってるというより、まだチャンスがあるんじゃないかと模索している感じを出したいと思って書きました。

――最後に作った曲はどの曲になるんでしょう?

NOA:完成の意味でいうと「Lonely Hearts」です。完成したのは数週間前なんですけど、この曲も作り始めたのは一昨年だったと思います。もともとシングルで出そうか迷ってたんですけど、タイミングを逃してしまって……やっとアルバムでリリースという感じです。

――タイミングを逃したというのは、NOAさんの当時のモードを考えて?

NOA:それもありましたし、そのときの音楽シーンを考えたときに、「この曲よりもこっちのほうがいいんじゃないか?」と思って。今回のアルバムには相応しい曲なので、すぐに入れました。

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今年はソロ・アーティストとして
いろんな場所で会いたい

――どの曲もかなり気合いを入れて作られた楽曲だと思いますが、特に聞いてほしい曲、聞き逃さないでほしいポイントはありますか?

NOA:もちろん全曲聞いてもらいたいんですけど、「Bad At Love」と「Fireworks」は僕が初めて一から全部作った曲で、特に「Bad At Love」は、アドリブとかちょっとしたナレーションとか、こだわって作ったので、サウンドや細かいところを聞いてほしいですね。曲のストーリーに繋がってきたりもするので。

 「Step Back」も今までにないテイストに挑戦しています。(ご一緒した)SUNNYさんは本当にユーモアのある方で、一緒にいてお腹を抱えてなかったことないです。アイデアもどんどん出てきますし、曲作りも歌詞作りも全部、ご一緒するといいものができるというか、SUNNYさんを信じ切っている部分もあるので、一緒にやっていて楽しいです。SUNNYさんのデモを聞いて、自分にはない魅力的な歌い方だったので、それを丸コピして歌わせていただきました。そうしたら新しい自分を見つけられたというか、コンサートが楽しみな曲でもあります。

――ラテン系で、今までとは違うサウンドに驚きました。イヤホンで聞くと左右から「Back, back」って聞こえてきて、おもしろかったです。

NOA:そうなんです! SUNNYさんと「これは左右、振っちゃったほうがいいんじゃないですか?」「やってみよう!」ってやって、「これだ!」って二人で大盛り上がりして(笑)。実はアルバム制作中にワンマンライブをすることが決まっていたので、パフォーマンスも重要視していました。ライブの演出も考えながら曲を作ったのは新鮮でしたし、それがいい方向に向かったんじゃないかと思ってます。

――ライブでは全曲披露されるんですか?

NOA:はい、一応、そのつもりです。フルでお見せできたらと思ってます。

――となると、やっぱりダンスが肝になってきそうですね。

NOA:そうですね。昼と夜の1日2回公演で、本当に楽しみです。今までライブをやったことはあったんですけど、初めてのワンマンで。ファンミでも結構な曲数を歌ったので、実質、ライブと言えるんですが、今回は演出とか、こだわれるところはこだわりたいと思っているので、また違った印象を与えられたらと思ってます。


▲【NOA SPECIAL FAN MEETING 2022】より
Photo by 鳥居洋介

――初めてといえば、CDとしてパッケージを出すのも今回が初めてですよね?

NOA:はい、初めてです。今の時代、オンラインでなんでも聞けて、僕もそれには慣れてるんですけど、CDはCDで手に取れるという絶対的に違う良さがあって。ずっとCDを作りたかったので、それが1stアルバムで叶うなんて、自分にとってはすごく大きなことです。この『NO.A』というアルバムを自分の自己紹介にしたかったので、いろんな自分を見せる意味で、3形態全部で違う写真が使われています。衣装やヘアメイクで自分を表現していて、B盤に入っているブックレットにも、いろんな僕が詰まってるので、楽しんでもらえると思ってます。

 サイン会もありますし、まだ発表してないんですけど、今年はいろいろと控えていて。去年は8LOOMのNOAとしていっぱい会ったんですけど、今年はソロ・アーティストのNOAとして、いろんな場所で会いたいと思ってます。


▲2月21日、『NO.A』リリースイベントより
Photo by Yuma Totsuka

――YG練習生時代を経て、本来やりたかったことが今実現できていると実感していますか?

NOA:そうですね。8LOOMの活動はまさしくグループでやりたいと思ってたことを叶えることができましたし、ソロデビューする気持ちでこのアルバムを準備したので、それくらい僕にとっては、これからが幕開けというか、不安とかはなく、ただただ楽しみです。

――今はどんなことに一番興味があるんですか? ドラマが終わってアルバム制作も一段落ついたので、一息つきたいなとか?

NOA:休みは欲しいかもしれないです(笑)。1週間くらい旅行に行きたいですね。でも、やっぱり今はライブのことばかり考えています。2年と会えなかった時間が長過ぎましたし、まだまだ経験も少ないので、楽しい場をどんどん作っていきたいんです。今後は日本以外の国でもそういった場を作っていく予定なので、今年はいろんな国の方たちとも会えたらと思ってます。

――今年は本格的に国外活動も視野に入れているんですね。

NOA:そうです、動いていきます。状況も少しずついい方向に向かっていて、本当に嬉しいです。

――先ほど、自分の強みをR&Bやダンスとおっしゃっていましたが、語学力もありますもんね。

NOA:日本語・韓国語・英語の3か国語を話せるからこそ表現できるものもあると思いますし、トラックも自分で作るので、自分が表現したい世界観を自分で全て作って届けられるのも一つの強さだと思います。強さでもありますし、もっともっと強めたいポイントです。

――そういった思いを胸に作られたこのアルバムから、どんなことを感じ取ってもらいたいですか?

NOA:まずは“今の自分が詰まってる”というところを感じていただきたいです。あと、ジャンルも一つだけではないので、必ず好きというか、誰にでもハマる曲があると思うので、その1曲を愛していただけたら嬉しいです。アルバムを聞いた後に、「これは生で、体で音を感じたいな」と思ったら、今年はライブをいっぱいやるので、足を運んでいただきたいですね。今までは曲をリリースしても、「リアルで聞けるのかな?」みたいな状況だったと思うんですけど、今年はリアルで届ける機会がいっぱいあると思うので、ぜひ遊びに来てほしいです。僕も皆さんに会えたら嬉しいので、みんなで楽しみたいです。

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