Special
<インタビュー>安田レイ×熊木幸丸(Lucky Kilimanjaro)が語る“パーティー”にして“セラピー”な楽曲の制作過程
Interview:岡本貴之
Photo:Shintaro Oki(fort)
安田レイが2月8日に約3年ぶりとなるニューアルバム『Circle』をリリース。曲ごとに音楽シーンの最先端をリードするアーティストが参加した豪華な作品となっている。
アルバムから1月20日に先行配信リリースされたのが、Lucky Kilimanjaroの熊木幸丸とコラボした「HOME THERAPY feat. 熊木幸丸 from Lucky Kilimanjaro」だ。明るくポップなダンスチューンかと思いきや、ひとクセある楽曲で、アルバムの中にあっても異彩を放っている。楽曲の制作過程やそれぞれの印象についてなど、二人に話を訊いた。
ラッキリは安田レイの楽曲にはない世界観
――まずは安田さんから、約3年ぶりのニューアルバム『Circle』についてお聞かせください。豪華なアーティストが参加した作品になっていますが、どんな背景で制作されたアルバムでしょうか?
安田:前回のアルバムから今日までのいろんな楽曲も入ってますし、新たにこのアルバムのために作った楽曲も入っていて、一言で言うなら“超スペシャルな1枚”ができあがったと思っています。私は自分自身、歌ったりステージに立ったりしているんですけど、普段からいちリスナーとして色んな音楽を聴いていて、音楽に背中を押してもらったり生きる力をもらっているので、そういう方たちと一緒に楽曲を作ってみたいという夢がずっとあって、昔から「コラボレーションがしたい」とスタッフさんに伝えていたんです。今回のアルバムを作るにあたって、「え!? どこのイケてるフェスなの?」ってくらい素晴らしいメンバーが力を貸してくださいました。
――その中の一人が熊木さんですが、安田さんはもともとLucky Kilimanjaro(以下・ラッキリ)の音楽が好きだったんですか?
安田:そうなんです。よく聴いていたので、ずっとお会いしたいなと思っていたんですよ。それで以前、私がやっていたラジオ番組にゲストで来てもらったときに直接お話をさせてもらって、「ラッキリ聴いてます! もう最高です!」と自分のラブをすべて伝えました(笑)。
熊木:「すごく聴いてます!」とおっしゃってくれて。ありがとうございます。
安田:超大ファンなので、コラボできるって本当にありがたいなと思いながら。たぶんラッキリは安田レイの楽曲にはない世界観なので、聴く人もびっくりするというか、意外性があるんじゃないかなって。私にとってはチャレンジングでもあったんですけど、すごく面白いことができるんじゃないかと思って声をかけさせていただきました。
――熊木さんはいろんなアーティストに楽曲の提供をされていますが、安田さんにはどんな印象お持ちでしたか?
熊木:透明感があって、すごく存在感がある声が持ち味だなと思いつつ、あまり僕らがやっているようなポップなダンス・ミュージックというラインはそんなにやっていないという印象があって。そこをどういうふうに活かせるのかを最初に考えました。でも、ボーカリストとしては本当に魅力的だというのが最初の印象ですし、これをいかに僕が殺さずにできるかなという緊張みたいなものは最初にありました。
――安田さんから見たラッキリの魅力というのは、どういうところに感じているんですか?
安田:私は、自分で自分の力を生み出すのがすごく下手くそなんです。だから、何かあると本当に沈んでしまうところがあって。こういう話をすると本当に根暗がバレちゃうんですけど(笑)。なので、自分の気持ちを持ち上げるために普段から音楽をたくさん聴いていて。ラッキリの楽曲って、超アップ・リフティングで気持ちをブワッと持ち上げてくれて、自分が今悩んでることとかを消してくれる能力があるというか、踊ったりビールを飲みたくなったりして、なかったことにできるようなエネルギーがあるんです。「350ml Galaxy」とかが大好きなんですけど、しんどい日の帰り道とかにあの曲を聴きながらコンビニで缶ビールを買って、「ヨッシャ、明日もやるぞ!」って力を楽曲からもらいながら自分のエンジンをかけるみたいな。これをできる人ってそんなにたくさんいないと思うんですよ。自分ではそういうサウンド、エナジーをこういう形で届けることができないので、熊木さんと一緒にそういう楽曲が作れてめちゃくちゃ嬉しいです。
Lucky Kilimanjaro「350ml Galaxy」
――大絶賛ですね。
熊木:いやあ、対談っていいですね!(笑)。
安田:あはははは(笑)。でも、ラッキリのファンのみなさんって全員そう思ってますよね。ライブに行ってそう思えました。いろんな方がジャンルレスにというか、本当に仕事帰りのサラリーマンがスーツを着ていたり、若いティーンエイジャーの子もいたり、カップルもファミリーもみんな関係なく「イェーイ!」って踊って、日々のことを忘れるみたいな。そのエナジーってなかなか生み出せないと思うんですよ。本当に改めてライブを見て「ラッキリすごい!」と思いました。
熊木:ありがとうございます。
ホームパーティーと心のデトックス
――お二人で作ったのが「HOME THERAPY feat. 熊木幸丸 from Lucky Kilimanjaro」(以下「HOME THERAPY」)。リリースに際しての熊木さんのコメントで「モチーフはホームパーティー」という言葉がありましたが、セラピーというパーティーとは対照的に思える言葉がタイトルになっている印象です。曲を作るにあたってどんなところから着手したのか教えてもらえますか?
熊木:僕は基本的に楽曲提供や誰かと一緒に音楽を作るとき、その人の人生が楽曲に反映されているのが絶対的に大事だと思っていて。まず一度お話をさせていただいて、歌いたいことや好きなこと、自分の人生にとって大事なこと、みたいなことをたくさん聞かせていただいて、その中にホームパーティーをやるという話があったんです。レイさんにとってホームパーティーははしゃぐだけのものじゃなくて、自分のいろんな負の側面も消化できて、人生の大事な場所として機能しているという話をいただいたときにすごくいいんじゃないかと思って。やっぱり自分もそういう負の感情があるからこそ、そこをどう乗りこなして人生を踊り続けるかをバンドのテーマにしているので、そこが楽曲になれば面白くなるし、安田レイさんの楽曲としてちゃんと成立するなと思ったんです。それで、まずはそのモチーフとなるホームパーティーで自分のエネルギーが外に向かう瞬間をテーマにしようと思って作り始めました。
安田:お話をして、全部晒しました。もうインタビューを受けてる感じで。
熊木:ああ、そうですね。インタビューですね。
安田:私は普段、ラジオでインタビューする側だったりするので、色々聞かれて新鮮な気持ちで楽しかったです。自分にとってホームパーティーがいかに、ただのチャラいパーティーじゃないのかということを楽曲に詰めたいなと思いました。というのも普段、誰かと話していて「ホームパーティーがめちゃくちゃ好きで、月4~5回やったりするときもあります」と言うと、「え!? チャラ!」みたいに言われるのがすごく嫌で(笑)。
熊木:ははははは(笑)。
安田:そういう、なんか怪しいことやチャラいことをしているんじゃなくて、「心のデトックスの時間なんだよ」という話をすると、まあちょっと理解してくれるんですけど。なかなか一人ひとりにそんな説明するのが大変なので(笑)。今回それをこの曲に全部詰めました。あと、“オラクル”というワードが出てくるんですけど、オラクルカードというタロットカードみたいなものがあって。それでみんなの気持ちをどんどん深掘りしていって、開放的になって心が丸裸になるみたいな瞬間がホームパーティーにはあるんですよ。なので、みんなも人生の大事な瞬間として、家に家族とか友達とかを呼んで、話し合って涙を流し合って抱き合って理解し合って、みたいなことをしていったらもっと人生が豊かになるよっていう、そんなメッセージも込めて歌っています。
――熊木さんに話をしていること自体がもうセラピーみたいなものでしたか?
安田:はい、本当にそうなんです。
熊木:やっぱり話すのって大事ですよね。実際二人で話したのも、ある種このホームパーティーの疑似体験に近いと思っていて。そのときの空気感を含めて入れられたらいいなと思い、全体の歌詞を作っていったりサウンドメイクに活かしたという感覚はあります。
――作詞作曲ともにお二人の名前がクレジットされてますが、実際にどのように制作していったのか具体的に伺っていいですか?
熊木:基本的には僕が大枠を書かせていただいたんですけど、どういう言葉を使いたいかとかは話しました。途中の歌詞<About Damn Time>というのはリゾの曲名なんですけど、去年特によく聴いていて、めっちゃ好きみたいな話をしていて。「あ、そういうのでいいじゃん」と思って。そういう曲をかけて友達と話したりする時間がホームパーティーだと思いますし、例えば<オラクル>も僕はこの話でオラクルカードを知ったんですけど、「オラクルカードってあるんだ?」と思って。そういう部分に関しては、レイさんにいろんな話を聞いて書いてます。あと<Deep down down down>からの部分は、やっぱりレイさんが持つダークな部分を表現するうえで、やっぱり僕が書かずにレイさんに書いてもらったほうがもっとリアルになるという感覚があったので、ここはお願いしたりとか。全体は僕が歌詞を担当してはいるけど、トーンをレイさんのものにしたいというのと、意味性も含めてここは書いてくださいというふうに作っていった感じですね。1番のバースとかも基本的には僕が書いています。ちゃんとインタビューを元にして、レイさんの範疇から離れないようにしようとは思いながら書きました。
――<持ち寄る350ml>も熊木さんが自ら書いているわけですね。
熊木:そうです。これはラッキリに「350ml Galaxy」という曲があって、コンビニで仕事終わりに一缶だけ買って、帰り道に飲みながら踊るみたいな曲なんですけど、それがすごく好きだと言っていただいたので、せっかくコラボするならわかる人にはわかる要素をちょっと入れたいなとか、そういう面白さを大事に楽しみながら作りました。
安田:最高でした。特に印象的だったのは<何飲む?ビール!>というところですね。ここのパートは何回も録りました。どういうテンションでやるかとか、言い方をめちゃくちゃ日本語っぽく「ビール!」みたいに言うのか、めっちゃかっこつけて「Beer!」と言うのか、アニメっぽくいくのかとか色々トライして、多分一番時間がかかったのがここです(笑)。
熊木:レイさんはけっこう丁寧に進めていくタイプだと思うんですけど、僕はRECも基本的にサササってやっちゃうタイプなので、本当に録りっぱなしで終わらせちゃうことがあるんですよ。でも、このビールの部分はちょっとこだわってやりました(笑)。
安田:いやもう、途中でツボりすぎちゃって、聴くだけで肩が揺れるくらい笑っちゃうみたいな(笑)。「一旦ブレイクしていいですか? ちょっと歌えません、面白すぎて」となっていたのはすごく覚えてますね。おかげで気合いの入った一番良い「ビール!」が録れました。
一つのBPMで踊り方が変わる
――<家 家 家呑み>という歌詞も、字面だけ見るとちょっと面白いんですけど、ちゃんとはまってますよね。
熊木:実はこれ、僕のデモ段階では入ってなくて。途中<in my room in our groove>というフックの部分はありつつも、<家 家 家呑み>の部分はインスト状態だったんです。でも、あともうひとつパーティー感が欲しいなと思ったときに……これはスタジオでプリプロをしていたときに思いついたんでしたっけ?
安田:英語でカッコよく聞こえるけど実は<家呑み>と言ってる、みたいなのが面白いかもねと話してたんですよ。
熊木:それでこういうアイディアが出てきたんですよね。それもいいなと思って。作ってる最中にそういうくだらなさで入っていく感じとか、それで最後までいっちゃう感じとかもすごく良くて。
――歌詞を見ないで聴くと<家呑み>が”You know me”にも聴こえますよね。
安田:そう、まさに。表記もどうしようかと話していて。そのまま<家呑み>と書くのか”You know me”と書くのか色々あるよねみたいな。でも、これはやっぱりホームパーティーだから<家呑み>もそのまま入れたいねって。ちょっと遊びがあっていいなと思いました。
――作曲についてはお二人でどのように作っていったのでしょうか?
安田:作曲は熊木さんがメインで作ってくださいました。
熊木:今回はレイさんの今までにない譜割り感覚というか、僕がやっているような、いわゆるラップと歌のあいだぐらいの譜割り感、あまり音節を綺麗に作らないメロディーを自分の中で作っていって、レイさんに歌ってもらいました。こういう速いパッセージの曲ってレイさんも経験がなくて、なんか最初すごく不安がってたんですよ。
安田:違うんですよ、なんか照れちゃって(笑)。「これ合ってるかな? 違うかな?」みたいな感じで、最初はちょっとモジモジしながらやったのを覚えてますね。
熊木:僕は「絶対やれる、絶対ものになる」と思っていたので、わりと僕のメロディーをそのまま歌ってもらったんですけど、すごく上手だなと思いました。
安田:いやいやいや、ありがとうございます。
熊木:譜割りの速さだったり、流れるようなリズムで歌っていくところはかなり挑戦してもらった部分かなと思います。歌詞も含めて、たぶんここまでポップなものってやってこなかったんじゃないかなって。
安田:はい、やったことないですね。
熊木:その恥ずかしさを解放してくれ、そのポップ具合に慣れてくれって感じが、一番挑戦してもらった部分かもしれないですね。
安田:あはははは(笑)。もう照れがすごかったです。でも、一度その照れのガードみたいなものが取れた瞬間に、この楽曲の本当の楽しさを知ることができて「めっちゃ気持ちいい」ってなりました。
熊木:レコーディングするときも「踊りながら歌ってくれ!」って(笑)。
安田:すごいんですよ!(熊木は)ガチ踊りするんですよ。もう「イェー!」みたいな。私はやっぱり自分の歌のブレが気になっちゃって、なるべく動かないようにいつも意識していたので、踊りながら歌えるってすごいなって。リスペクトしてます。
熊木:逆に踊らないと歌えないんですよ。ブースの向こうで聴いてるときも動いてました。RECで聴いているときに「気持ちいいな」と思えるかどうかはすごく大事なので、判断基準として僕は体を使ってるだけです。
――<125じゃやや速い>という歌詞も出てきますね。
熊木:<125じゃやや速い>というのは、ラッキリの「HOUSE」という楽曲に“BPM125”という単語が入ってるんですけど、今回の楽曲は123になったんですよね。
安田:ずっと微調整してましたよね?
熊木:そうそう。「一つのBPMで踊り方がけっこう変わるよ」という話を実演しながら聴いてもらって。ホームパーティーはチャラいものじゃないという認識を持ってもらうために、BPM125でハウスみたいな楽曲だとちょっと軽すぎるかもしれないなって、それがそのまま歌詞になっています。実際のBPMは123になったんですけど、プリプロの段階でも125、124、123、122で歌ってもらって。それで123が一番バランスも良くて、レイさんの声乗りもすごく良い感じがしたので選びました。そこはすごくやってもらった部分ですね。
安田:そうですね、BPMを一つずつ下げて歌うというのは、なかなかやったことなかったです。
色鮮やかなアルバムになった
――アレンジについてはいかがでしょうか? 冒頭の歌い出しからすぐに展開が変わりますよね。
熊木:ディスコをリミックスしたハウスっぽい感覚で作っていたんですけど、ちゃんと緩急をつけて鮮やかな部分とそうじゃない部分を、綺麗にコードの感覚だったり音のレイヤー数で作っていきたいなと思いました。冒頭はキャッチーになりつつ、夢を見てるような感じで、その後Aメロで現実的な今の自分に戻ってくるという感じで作っていて、そこがレイさんのバースの感覚とうまくハマって綺麗にできたなと思いました。
安田:今までの自分の楽曲にはない世界観なので、まず最初は苦戦しながらこの音を染み込ませる作業から始まって、シャイな自分が着てるものを全部脱ぎ捨てて、この音の楽しさをキャッチできるようになってから、けっこう気持ちが乗って歌えるようになったという記憶がありますね。
――「HOME THERAPY」というタイトルはどの時点で決まったんですか?
熊木:わりと最初から「ホームパーティーじゃなくてホームセラピーなんじゃワシはー!」みたいな感じでしたよね?
安田:あはははは(笑)。
熊木:そういう主張があって「ああ、ホームセラピーっていいな」と思いつつ、別のタイトルもいくつか出したんですけど、最終的にやっぱり「ホームセラピーなんじゃワシはー!」ってところに落ち着きました(笑)。
安田:これしかないってタイトルですよね。私はみんなのホームパーティーのイメージを壊していきたいという気持ちがあったので。この曲を聴いて「やってみようかな」と思って欲しいです。
熊木:途中、みんな泣くって言ってましたよね。
安田:そうなんですよ! みんなオラクルをやって大号泣してみたいな。
――そのオラクルって、タロットみたいに未来をみんなで占うみたいなことなんですか?
安田:タロットと違うのが、占うというより自己分析をするんですよ。自分でカードを1~2枚選んで「このカードを見て、今あなたは頭の中に何が浮かびましたか?」っていうようなことなんです。大体そのカードを見て、みんな自分の悩んでることが出てくるんです。そこでいろんな仕事の悩みとか、恋人の悩みとか、家族の悩みとかがたった1枚のカードから、みんなどんどん出てくるんですよね。だから、すごくいい時間だなって。最後はみんなでハグし合って「大丈夫だよ、私たちがいるからね」みたいな感じで。ホームパーティーはいつもそんな締めですね。
熊木:そういうのが“安田レイの人生”だと思うんです。安田レイから出る歌詞だし、安田レイから出る歌だと思うので、そういうものも濁さず書いていきたいという、僕の意思をそのまま歌詞に反映しています。
――この曲ができたことでお互いに得られたものがすごくあったのでは?
熊木:たくさんあります。人の人生をちゃんと書くというのはすごい勉強になるというか。根底にある自分の暗さとどう向き合っていくかとか、そういう部分の共感も含めて、「あ、こういう乗り切り方があるんだ、こういうふうに自分の暗さと戦っていたり、自分の暗さを乗りこなしてる人がいるんだ」とすごい勉強にもなります。あとは、レイさんは僕にはない声を持っていて、本当にプリプロのときに「めっちゃ羨ましいな~、声」と思っていたんですけど、「こういうふうに表現することもできるんだな」とすごく勉強になりましたね。
安田:私も刺激を受けまくりで。自分の中にはなかったフローというか、 本当にチャレンジングでもう何回も練習してって感じだったんですけど、もっとまた違った歌を歌ってみたいという気持ちになりました。
熊木:いやもう本当、絶対にやったほうがいい。僕が作る曲はけっこう歌うのが難しいんですよ。うちのバンドメンバーとカラオケに行ったら「マジで難しすぎて全然歌えない」と言うので(笑)。それがちゃんと綺麗な形でできていて、どういう表現をしようかというところで落とし込めているから。今後もやってほしいなと思っています。
安田:ありがとうございます。またチャレンジしてみたいと思います。
――アルバムでは5曲目に収録されていますけど、流れの中でちょっと異質な感じすらしました。
安田:そうですね。キャラが一番強いというか。本当に曲順を決めるのにものすごく悩みました(笑)。アルバムはそれぞれ楽曲のキャラがめちゃくちゃ強いんですけど、特にこの「HOME THERAPY」は飛び抜けて強いので。もう何回も曲順を組み立てては崩して組み立てては崩して、何時間もかけてスタッフやみんなと一緒に考えて、この順番が一番しっくりきたかなという感じです。
熊木:僕はまだアルバム全体は聴けてないんですけど、“クセ強楽曲”なのでどういうふうに落とし込まれるのか楽しみにしているというか。「どんな使われ方したんだろう?」って。
安田:おかげで幅広アルバムに仕上がったなと思ってます。すごくカラフルなアルバムというか。ジャケもカラフルなんですけど、 色鮮やかなアルバムになったかなと思います。
――ジャケットは後ろに虹がかかってますね。
安田:この虹、本物なんですよ。
熊木:すごいですよね。
安田:朝から大雨で、撮影が始まっても雨が降っていてどうしようと思っていたら雨が止んで、「あ、あれって!」「虹だよー!」みたいな。「安田レインボー!」とかわけわかんないこと言っていて(笑)。虹がいつ消えるかわからないから急いで撮ったら、本当に綺麗に入って。いや、ちょっとミラクルが起きちゃったな、今年は良いこと起こるなと思いました。それと普段、私はジャケットで笑ったりしないんですけど、今回は大爆笑しているので。色々ミラクルが起きたジャケット写真になりました。
――「HOME THERAPY」は1月20日に先行配信リリースされて、同時にMVが公開されるということですが、どんな映像になっていますか?
安田:スタジオ・セッションという形で、お互い向き合って撮りました。
熊木:MVというか本当にスタジオ・セッションという感じで、その場の二人の空気でちゃんと曲をまた歌い直していて、すごく面白かったと思いますし、踊りました。見ている方も一緒の場所で踊っているような気分になれる楽曲だと思いますし、そんな映像になっていると思っています。
安田レイ「HOME THERAPY feat. 熊木幸丸 from Lucky Kilimanjaro」-Studio Sessions- (フジテレビ系「めざまし8」2月度エンディングソング)
――このアルバムを携えて、3月には東名阪ツアーが行われますね。どんなライブになりそうでしょうか?
安田:ツアーって何年もやっていなくて、東京以外でライブするのも本当に久しぶりなんですよ。何年も安田レイのライブに行けてないなと思っている方もたぶん全国にいると思うんですけど、久しぶりに行けるのが楽しみです。めちゃくちゃ良いアルバムができましたし、アルバム収録曲はまだ全然人前で届けられていないので、新曲をたくさん直接届けられるのがすごい楽しみです。その前にみんなにたくさん聴き込んでもらって、ライブをさらに楽しんでもらえたら嬉しいです。
――今後、ライブでのお二人のコラボに期待してよさそうですか?
安田:やりたいです! 熊木さんがOKなら。
熊木:やりたいですね。スケジュールが合えば客演しにいきますよ。
安田:本当ですか!? もし出てくれるのであればぜひ!
関連商品