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TikTokが音楽業界に与える影響ー ビルボードジャパン・チャートのケーススタディー

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 2022年もTikTokをきっかけに、多くの楽曲がチャートをにぎわせた。TikTokの動画には、音楽が不可欠な要素として数多く使用されており、外部プラットフォームへの影響力は非常に大きい。また、TikTokで人気の楽曲は、敏感に変動するというのも特徴だ。

 上記の特性を踏まえて、ビルボードジャパンの2022年 年間チャートにチャートインした楽曲3曲を分析。TikTokがチャートに与える影響を検証した。

<TikTokの特徴>

音楽を使用したTikTokの投稿は全体の7割以上

 音楽はTikTokの最も重要な要素の一つ。日本では音楽を使った投稿数は全体の投稿の約7割以上を占めており、毎週の投稿で使用されている楽曲は数万曲にのぼる。多くのユーザーは音楽を付けて投稿することに慣れており、TikTokでは多様な音楽のチョイスが用意されている。

影響力のあるTikTok上位楽曲

 TikTokで上位にランクしている楽曲は、週間で億単位の再生をされることが多い。 上位にランクしている楽曲は大きな影響力を持つため、チャートの順位が上がれば上がるほど、TikTokでの影響が、外部プラットフォームにまで広がる可能性が高くなる。

敏感に変動しているTikTokランキング

 TikTokのもう一つの特徴は「トレンドに敏感」で、トレンドの反映が速い点だ。動画の内容はもちろん、楽曲のランキングも比較的に短期間に、激しく変動している。TikTokでは、同一の楽曲が数週間連続でチャートの上位を占めることは稀だ。2022年1月~11月のデータで統計した結果、1位を獲得したことがある楽曲は19曲あるものの、1位を複数週獲得した期間は2.7週間という比較的短い結果となった。対照的に、ビルボードのチャートでは、複数週にわたって上位にチャートインする楽曲は、多々見られている。

参考:2022/1-2022/11 TikTok Weekly Top1の曲及びTop1にランクした回数

楽曲名 アーティスト名 TikTok 1位の週間数
タイトル メーガン・トレイナー 1
2.23AM しゃろう 1
しゅわしゅわハニーレモン350ml しゃろう 2
WA DA DA Kep1er 3
かわいい winD 1
ロマンスの神様 広瀬 香美 2
タイミング ~Timing~ Klang Ruler 4
ブラザービート Snow Man 1
だいしきゅーだいしゅき femme fatale 4
Habit SEKAI NO OWARI 2
おとせサンダー ぼっちぼろまる 2
エジソン 水曜日のカンパネラ 3
POP! NAYEON 6
チグハグ THE SUPER FRUIT 7
KISS FT SUPERNATURAL VER 1 - REMIX TVT 1
Way Back Home (feat. Conor Maynard) [Sam Feldt Festival Mix] SHAUN 2
可愛くてごめん (feat. かぴ) HoneyWorks 5

参考:ビルボードジャパン2022年 年間チャート 首位獲得回数

楽曲名 アーティスト名 2022年の首位獲得回数
残響散歌 Aimer 9回
新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED) Ado 6回
Subtitle Offiicial髭男dism 4回
ミックスナッツ Offiicial髭男dism 3回
一途 King Gnu 2回
KICK BACK 米津玄師 2回

※2021年12月8日~2022年12月7日に発表したチャートでの首位獲得数

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