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<連載>DEZERT・SORA【V系って知ってる?】インタビュー最終回 「V系 Respect Super Session」に込めた敬意、そして自身が考える“V系の未来”

インタビューバナー

Interview & Text:柴那典


 12月27日、東京・日本武道館にてライブイベント【V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP】が開催される。

 “Visual Rockに敬意を込めた大型イベント”として開催される本公演のオーガナイザーをつとめるDEZERTのSORAへの全3回連続インタビュー。最終回となる3回目は、このイベントのユニークな試みであるセッションバンドの「V系 Respect Super Session」について、さらにSORAが考える“V系の未来”についての話を聞いた。

 11月20日に配信された『YOSHIKI CHANNEL』YOSHIKI誕生日スペシャル生配信にも出演したSORA。そこで感じた率直な思いや、今の彼を突き動かす「悔しさ」についても語ってもらった。

「V系 Respect Super Session」に至った経緯

――今回はまず「V系 Respect Super Session」についてのお話を聞かせてください。【V系って知ってる?】というイベントを発案してから、このセッションをやろうと考えるに至るまで、どんな経緯だったのかを語っていただいてよろしいでしょうか?

SORA:イベントの趣旨は、僕が憧れて入ってきたV系というフィールドに対して、敬意を持って何かできないかなというところから始まっていて。V系に特化したイベントにしようということで「どうやったらV系好きな人がいっぱい集まるだろう」と考えている時に、まず、自分が好きなものを誰かに教える時ってどんな感じだったかなと考えたんです。僕はバンドを始めるまでなかなか過激な青春を過ごしていて、たとえばバイクを乗り回したり、シンプルに好きなものを持って集まったりしていたんです。そういうこともあって、オーガナイズする中で事務所のある先輩と電話で話しているうちに、“祭り”というキーワードが生まれて。僕がやってた“祭り”っていうのは、好きな人を集めて、好きなものを使って、何か楽しいことをやるということで。それを音楽でやるなら、普通にガキの頃にやってたコピーバンドだなと思って。そこから、そのバンドを好きな方々にセッションバンドをやっていただくというアイデアを思いついたんです。それを「V系 Respect Super Session」っていう名前にして、敬意を込めてカバーして「この人たちの音楽、かっこいいでしょ」って伝えていきたいと思うようになった。そういう経緯ですね。



Photo:Kent Nakanou

――前回の取材でも、いろんな先輩に相談しながらイベントの構想を広げていったとお話されていましたが、「V系 Respect Super Session」に対しての反応はどんな感じでしたか?

SORA:みんな「いいね」って言ってくれますね。この前、たまたま『YOSHIKI CHANNEL』に出た時に、先輩たちに楽屋裏で「よろしくお願いします」って挨拶に回っていたんです。その時に、lynch.の葉月さんとシドの明希さんが選曲の打ち合わせをしていて。後輩から言うのはおこがましいんですけど、話してる時の顔がふたりともキッズだったんですよ。すごい笑顔で話してるのを見て「これだ」って思って。俺らは、今はステージという高い場所に立ってはいるけれど、ファン目線の気持ちを持ってバンドを始めたし、今もそういう話ができるし。「俺らはそういう人たちだよ」という感じなんですよね。みんなが楽しみにしているのがひしひしと伝わってきてるし、そういう祭りになったら嬉しいなって思います。


――「V系 Respect Super Session」のラインナップはどうやって決めていったんでしょうか?

SORA:まずは出演するバンドの人たちが好きなバンドにフォーカスを当てて決めていった感じですね。たとえば、うちのボーカルの千秋は蜉蝣が大好きだし、明希さんのルーツがLUNA SEAであることも後輩として知っていたし、YUKKEさんはGLAYのことが大好きだというのも後輩として知っていたんで、そういうところから声をかけていただいたりして。いろんな方にお力をいただいてメンツが集まった感じです。


Respect Sessionバンドの成り立ち

――ではまず<hide Respect Session>の成り立ちから教えてください。メンバーは来夢(Vo./キズ)、PATA(Gt./X JAPAN)、ミヤ(Gt./ムック)、明希(Ba./シド)、SORA(Dr./DEZERT)となっています。SORAさん自身もhideさんへの憧れは大きいですよね。



SORA:これは僕と来夢くんですね。僕と来夢くんは、hideさんという人に対しては、憧れどころの騒ぎじゃないというか……人生として影響を受けちゃってるので。若い頃からhideさんの真似をしてると、「しっかりしてるね」って言われることが多かったんですよ。アーティストとしての立ち振る舞いも「hideさんはこうだったから、俺もこうやってみよう」みたいに思うことが多くて。たとえばhideさんって、ファンレターに返事をして「ありがとう」って直接伝えてたよっていう話をいろんな人から聞くんです。それもすごく素敵な話だと思って、僕もファンレターを返すようにしていて。だから、このセッションコーナーをやることになって、まずhideさんは何があってもやらないといけないっていう感じですね。来夢くんもやっぱりhideさんに何度救われたかわからないし、今もそういう気持ちを持っている同期なので、一緒にやろうと思って。で、本気でやってるんだという説得力のあるセッションにするために、「PATAさんに声かけるのはどうだろう」と思って。一緒にこのイベントを作っているスタッフから、丁寧にこのイベントの趣旨と僕の気持ちをメールで送ってもらったら、快諾いただいたんです。おそらくPATAさんなりに気持ちを汲んでくれたんだろうと思っています。


――<蜉蝣 Respect Session>についてはどうでしょうか? 千秋(Vo./DEZERT)、結生(Gt./メリー)、海(Gt./vistlip)、kazu(Ba./the god and death stars / gibkiy gibkiy gibkiy)、きょうのすけ(Dr./キズ)というメンバーですが。



SORA:蜉蝣に関しては、うちのボーカルの千秋が蜉蝣の大佑さんを崇拝してるんですよ。すごい影響を受けていまして。彼曰く「デタラメな歌だけど、最高だ」と思ったみたいです。デタラメな歌に聴こえたけど、それがすごくかっこよくて救われたという。こういう言い方したら大佑さんに失礼になるかもしんないですけど、本当にいい意味で「こんなデタラメでもいいんだ」みたいに思って。それで千秋は蜉蝣が大好きになって、結成当初はパフォーマンスも大佑さんを意識してましたし。彼は大佑さんに向けてYouTubeで曲を出したりもしてるので、千秋にやってもらうなら蜉蝣かなって。そこから、せっかくやるなら弾いていただこうと思って、蜉蝣のメンバーだったkazuさんに直談判しに行ったんです。楽器陣も、蜉蝣にゆかりのある人と、蜉蝣を好きな人に声をかけさせていただいて。蜉蝣はフリーウィルの所属だったので、「若いやつもまだ頑張ってますよ」という意味も込めて、フリーウィルに所属しているキズのきょうのすけをそこにぶち込んだって感じですね。


――<LUNA SEA Respect Session>についてはいかがでしょうか。こちらは葉月(Vo./lynch.)、ミヤ(Gt./ムック)、ヒロト(Gt./アリス九號.)、明希(Ba./シド)、堕門(Dr./アルルカン)というメンバーです。



SORA:まず、明希さんにこのイベントに携わってほしくて。あの人のルーツはLUNA SEAなんですよ。だから<LUNA SEA Respect Session>は明希さんのためと言っても過言ではないです。でも、LUNA SEAが好きな人は他にもいっぱいいるし、スタッフに相談して葉月さんにお声かけさせていただいたら、快諾していただきました。で、アリス九號.のヒロトさんは唯一、自ら「このイベントに出たい」と言ってきてくれたアーティストの先輩なんです。実はこのイベント、来るもの拒まずだったんですよ。ミヤさんは「INORANパートならいい」という一言でしたね。ミヤさんは、そういうこだわりがすごく強いんです。永遠のキッズみたいな方ですね。堕門ちゃんは、前に話をした時にLUNA SEAの真矢さんのドラムに影響を受けたということを言っていた記憶があったので、話をしたら「やりたい」と言ってくれました。特に、明希さんはJさんが大好きというのを公言してるので、明希さんしか“マイクぶん投げ”をしてくれる人はいないんじゃないかなと思ってます。


――明希さんはどんなリアクションでしたか?

SORA:イベントに対しては、「やるよ」と。「ただひとつ、SORAと合わせたい」って言ってくれました。前から明希さん、「SORAのドラムで弾いてみたい」って言ってくれてたんすよ。酔っ払って言ってたんで、覚えてるかわかんないですけど。だから「じゃあ、hideさんのところでも弾いてもらえますか?」って言って、hideさんのセッションもお願いしたんです。


――<GLAY Respect Session>についてはいかがでしょうか。maya(Vo./LM.C)、酒井参輝(Gt./己龍)、悠介(Gt./lynch.)、YUKKE(Ba./ムック)、アレン(Dr.)というメンバーです。



SORA:GLAYと言えばYUKKEさんなので、まずYUKKEさんに「どうします?」って相談しました。「ちなみに僕の意見としては、GLAYはサポートドラムなので、やっぱりそこはアレンっていうMUCC のサポートドラムをやってる人しかいないと思うんですけど」って言ったら、YUKKEさんのツボに入ったらしくて、「それはめちゃくちゃ面白い」と。「じゃあ、ちゃんと考えようかな」って言ってくれて、ふたりで話していきました。YUKKEさんはHAPPY FARMというセッションバンドをたまにやってるんですけど、そこで仲良しのmayaさんと悠介さんに声をかけてもらって。「でも、普通じゃ観れない組み合わせのほうがお祭り感あっていいですよね」って言って、「己龍の酒井参輝さんにお声がけしてみるのはどうですか?」とYUKKEさんに相談したら「それは面白いね」って言ってくれたんで、スタッフづてにオファーさせていただいた感じです。参輝さんとはまだちゃんと話したことないんですけれど、そういう方でも「楽しみです」って言ってくれるのは本当に嬉しいですね。


――<DIR EN GREY Respect Session>はどうでしょう? ガラ(Vo./メリー)、reiki(Gt./キズ)、來堵(Gt./アルルカン)、ユエ(Ba./キズ)、SORA(Dr./DEZERT)というメンツですが。



SORA:DIR EN GREYは、まず僕が大好きなんですよ。キズのreikiくんも大好きって言っていて。あとは、ガラさんがバンド結成前にDIR EN GREYのローディーをやられていたんです。「ガラ」という名前も京さんにつけていただいたらしく、今回も京さんからガラさんに「死ぬ気でやってこい」というお言葉をいただいたと伺って、素晴らしい関係性だな……と感動しました。楽器隊はそれに賛同している我々世代のアーティストが集まったという感じです。


――<BUCK-TICK Respect Session>はどうでしょうか。逹瑯(Vo/ムック)、Shinji(Gt./シド)、柩(Gt./NIGHTMARE)、祥平(Ba./アルルカン)、ゆうや(Dr./シド)という面々です。



SORA:これは逹瑯さんに相談しました。逹瑯さんのルーツにBUCK-TICKがあるというのは後輩として知っていたので、「逹瑯さん、セッションをやるならBUCK-TICKとかどうですかね」って言ったら話に乗ってくれて。「じゃあメンツ考えるから時間ちょうだい」って言われて。そこからこのメンツになった感じです。MUCC には本当に頭が上がらないですね。結局、力を借りないといけないことなので。


――<シド Respect Session>についてはどうでしょう? 暁(Vo./アルルカン)、Miyako(Gt./DEZERT)、ユエ(Ba./キズ)、影丸(Dr./-真天地開闢集団-ジグザグ)というメンバーですが。



SORA:シドはアルルカンの暁(がきっかけ)ですね。『#V系って知ってる?』というラジオ番組でシドの特集をやったときにも暁に出てもらって。シドに影響を受けた歌い方をしているし、マオさんとも関係が深くて、マオさんからいろんなアドバイスもいただいたりとかしてるみたいで。「じゃあ、うちの事務所の先輩だし、来年に結成20周年だし、マオさんにもちゃんと話をして、やってみるのどう?」って言ったら「歌いたい」って言ってくれて。で、影丸くんに「こういうイベントやるんだけど、出てくれるかな」ってLINEしたら、「僕、シドめっちゃ好きです」って言ってくれて。楽器隊もみんなそういう風に賛同してくれた感じですね。


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――<ZI:KILL Respect Session feat.deadman>についてはどうでしょうか? 眞呼(Vo./deadman / LOA-ROAR)、ミヤ(Gt./ムック)、aie(Gt./deadman / the god and death stars / gibkiy gibkiy gibkiy)、kazu(Ba./the god and death stars / gibkiy gibkiy gibkiy)、晁直(Dr./lynch.)というメンバーで、ここだけ「feat.deadman」となっていますが。



SORA:ZI:KILLについては、僕自身は正直そんな通ってきてないんですけど、僕が好きなアーティストの方々が「ZI:KILLは最高だ」と、みんな口を揃えて言うんですよね。僕ら世代のバンドマンだと通ってない人が多くて、ということは僕らのファンも知らない人が多い。でも、やっぱりかっこいいものに影響を受けて、その憧れが受け継がれているのがV系だと思うんで。そういう影響があったからこういう人たちがいるんだというのがわかるセッションも欲しいなと思っていたんです。で、スタッフと話してお声がけをしていったら、眞呼さんとaieさんが賛同してくれて、気づいたらdeadmanの皆さんがメンバーのほとんどで、そこにミヤさんが加わった状態になっていて。だから、deadmanの曲もやってほしいなと僕は思ってますね。


――<ムック Respect Session>についてはどうでしょう? 来夢(Vo./キズ)、暁(Vo./アルルカン)、奈緒(Gt./アルルカン)、reiki(Gt./キズ)、Sacchan(Ba./DEZERT)、Яyo(Dr./girugamesh)という面々で、ムック自体もイベントに出演しているわけなので、他のリスペクトセッションとは若干位置づけも違うのかなとは思いますが。



SORA:ムックは、シンプルにやっぱ直系の先輩に当たるバンドだし、結成25周年なんですよ。我々世代にとってのムックというバンドは、やっぱり「苦しい感情すら歌に乗っけて伝えていいんだ」「こんなに美しい歌詞、救いの手が伸びてくるような曲もやっていいんだ」「V系って固定概念にこだわらなくていいんだ」って感じて、すごく響いていたんですよね。僕らにとっては、マジでムックがいたからこそ、V系というジャンルに音楽を落とし込めるようになっているんです。そういうことを、僕は言葉じゃなく行動で示したいと思って。それに賛同した僕ら世代のアーティストが集まった感じです。キズもアルルカンも影響受けてますから。特に来夢くんなんて「学生の頃、逹瑯さんは本当に救いだった」って言ってたので。Яyoさんも「こういうのやるんすけど、やるっすよね?」って言ったら、「全然、俺もやりてえ」って言ってくれた感じですね。このセクションは、結成25周年をお祝いしたいということへフォーカスしている部分が強いです。


――<D'ERLANGER Respect Session>についてはどうでしょうか? やはりイベント自体にも出演しますし、メンバーもHYDE(Vo.)、Die(Gt./DIR EN GREY)、Tetsu(Ba./メリー)、ネロ(Dr./メリー)という面々が集まりました。



SORA:D'ERLANGERに対しては本当に、言葉にできない尊敬がありますね。ビジュアルロック界だけでなく、ジャパニーズロックのいろんなところに影響が派生していったと思うんですよ。たとえば、The BONEZのT$UYO$HIさんはD'ERLANGERとかCRAZEが大好きだったり、ELLEGARDENのベースの高田雄一さんも、CRAZEを大好きだった時期があったりして。僕個人としてもいろんなものを教えていただいてますし。あと、何歳になっても“ロックが好きなキッズ”であることを忘れていない人たちなんです。それが音に乗って出ているバンドなので、どんな対バンでも大人げなく潰しにかかってきますし。僕らにもそうだったから、僕は初めて対バンした時、すごい嬉しくて。あの人たちは「やるかやらないか」「ロックかそうじゃないか」みたいなポリシーが、音に全部乗っている。僕はそういう人間力みたいなものにすごい影響を受けてるし、この人たちに影響を受けているアーティストがどれだけたくさんいるのかを、いろんな人に提示したいんですよ。それを伝えたいと思って、「じゃあD'ERLANGERに敬意があるアーティストって誰だろう?」と考えて、「もうこの人たちしかいないでしょ」という4人の方に声をかけさせていただきました。


――最後の「SADISTICAL PUNKERS」というのは、どういう成り立ちなんでしょうか? HYDE(Vo.)、kyo(Vo./D'ERLANGER)、逹瑯(Vo./MUCC)、千秋(Vo./DEZERT)、CIPHER(Gt./D'ERLANGER)、Die(Gt./DIR EN GREY)、Miyako(Gt./DEZERT)、SEELA(Ba./D'ERLANGER)、Sacchan(Ba./DEZERT)、Tetsu(Dr./D'ERLANGER)、SORA(Dr./DEZERT)という面々で、「LA VIE EN ROSE」 を演奏するということですが。



SORA:最後に、なんの曲をやろう?って考えたんです。このイベントはMAVERICK DC GROUPが仕切ってるイベントですし、やっぱり「ビジュアルロックに携わってくれた人たちの人生が薔薇色になればいいな」と心底思ったので……。それで「誰でやろう?」となった時に「D'ERLANGERと深く関わりのある人たちに出ていただくしかないでしょう」って思って、このメンツにお声がけさせていただいた感じです。


――それぞれのセッションについてたっぷり語っていただきましたが、SORAさん個人としては、どんな思いがありますか?

SORA:やっぱり、hideさんに関しては個人的に、本当に思い入れが強いんですね。でも、僕らの世代で知らない人もたくさんいるだろうと思うんです。物理的にしょうがないと思うんですよ。でも、これだけhideさんのことが語り継がれてきて、僕もそれに憧れて、今こうやって音楽をやっている。だから、これを観にくる人がたくさんいるようにするのが、hideさんへの恩返しだと思います。ちゃんと意思を継いでるアーティストがいますよということは、ステージ上からhideさんに届けたい。そういう気持ちを持ってるアーティストは僕だけじゃなくて、来夢くんもそうだし、本当にいっぱいいますよって。だからまだ捨てたもんじゃないですよということを、空の上にいるhideさんと、hideさんを好きな人たちと、hideさんのことをまだ知らない人たちにステージから伝えたいと思ってます。僕にとってはやっぱりhideさんは特別なヒーローだし、hideさんが全ての始まりなので、憧れを集めて解き放てればいいなと思います。



オーガナイザーの経験で得たもの

――この【V系って知ってる?】のオーガナイザーとしての経験についても聞かせてください。いろんなバンドマンやスタッフと話をしたり、ラジオ番組に出たり、メディアの取材を受けたり、関係者とのコミュニケーションの機会はとても多かったと思うんですが、それを経てどんな実感がありましたか?

SORA:成長させていただいてますね。社会人としても、アーティストとしても、未熟な点が本当にいっぱいあると思って。反省の日々でもあります。人に何かを伝える時って、切羽詰まってくるとどうしても雑にやってしまうことがあると思うんですけれど、このイベントに関しては敬意を込めてやらないといけないから、どこまでも丁寧にやらないといけない。とはいえ、イベントはビジネスでもあるわけだから、「丁寧にしすぎだから、早くしたほうがいい」という声も上層部から聞こえてきたりもして。板挟みにされてしんどいなと思う時期もあったんですけど、スタッフと相談しながら、時には怒鳴り合いながら進めてきて。だから、12月27日の本番と打ち上げが終わるまで気が抜けないですね。「敬意を込めて」って言ってるんだから、その気持ちがないと思われちゃダメだし、ファンの方にも失望させちゃいけないし。こういうインタビューでの発言とかSNSの発信にも、責任を感じるようになってきています。かっこいいもののかっこよさを伝えないといけない、という使命感もあるし。そういう中で、人生の成長のチャンスを与えてもらってるんだなと思うことは多いです。


――なるほど。非常に濃い時間を過ごしている。

SORA:おかげさまでそうですね。勉強になることもとても多いです。「じゃあ、SORAくんにとってV系って何?」って、いろんなとこで訊かれるようになって。今まではうまく言葉にできなくて「なんでもありってことだと思います」とか「別に定義なんてないです」とか、当たり障りのない言葉で答えたり逃げたりしていたんです。だけど、「生き様」って言っている先輩たちがいて、俺らはそれに憧れて始めているわけだから、俺らのやるべきことは「憧れられる存在になること」だと思って。「それがV系だ」という答えが僕の中で出たのは、このイベントをオーガナイズしてないと気づけなかったと思います。あとは、やっぱり悔しさを感じることが本当に多いですね。


――どういう悔しさでしょうか?

SORA:やっぱり努力が足りないんだなと思います。たとえば、THE LAST ROCKSTARSの始動が告知された時も、「あれだけ大御所の人たちが集まってメディアを動かさないと注目されないんだ」とか、「いつまであの人たちのおんぶに抱っこじゃないといけないんだろう」とか、逆に思ってしまって。YOSHIKIさんが取材に英語で答えているのを見ても悔しくなったし。海外にもどんどん発信したいと思って僕も英語を勉強してますけれど、まだあんなに喋れないし、当たり前に話してるけど、みんな努力してるんだよなと思って。アーティストとして憧れること、「私にはできない、かっこいい」と思うことの集結がV系だと思うんですよ。少なくとも僕の憧れはそうだったんで。だから、いろんな人と関わるようになってから、悔しさを感じることはめちゃくちゃ多いですね。先輩方と話していても、思いつかないようなアイデアをどんどん出してくれる。「1日24時間ずっとエンターテインメントについて考えてるような人たちなんだ」と思って。そういうのを見ると、自分はまだまだ努力が足りないなって思います。口だけじゃなくて、行動で示していかないといけないと思ってます。悔しさは大きいですね。



――『YOSHIKI CHANNEL』の話もありましたが、11月20日に『YOSHIKI誕生日スぺシャル ヴィジュアル系座談会vol.5 2022』という番組があり、そこにSORAさんも参加されていました。振り返っていかがでしたか?

SORA:これも、結局は悔しかったですね。YOSHIKIさんみたいになりたいという過去はありましたけど、今はSORAとしてどういうアーティストになるかというところにしかフォーカスを当ててなくて。心の底からロックスターになりたいと思ってるのに、「THE LAST ROCKSTARS」なんて言われちゃって。めちゃくちゃ嬉しかったし、すげえって思いましたけど、やっぱり悔しいんですよね。そもそも僕は、「多くの人が見てるからプロモーションしなきゃ」って思って行ってないんですよ。本当にビジュアルロックというものに敬意を持って、こういう気持ちでやっているということを言おうと思って。いろんなやり方があって、チャラついてる人もいっぱいいるし、音楽が本質じゃない活動をしている人も正直いるし、どれも否定しないけど、「生き様に憧れてやってる俺らもいるんですよ」というのは絶対に言おうという気持ちで。だからこそ、振り返ると結局悔しかったです。やっぱり緊張しちゃうんですよ。YOSHIKIさんとか、HISASHIさんとか、HYDEさんとかに交じると。でも、僕のファンは同じ目線で見てくれてると思うし、憧れられる人にならなきゃいけないわけだから。地元の友達とか親父とかにも言われるんです。「YOSHIKIとツーショット撮って、すごいじゃん」って。でも、本当は俺がYOSHIKIさんみたいにならなきゃいけないわけだよなって。そうなるためには努力が足りないってことだし。


――ポジティブな意味で、非常に発奮させられたということですね。

SORA:そうですね。めっちゃポジティブです。「いろいろ考えてるけど、まだこんなに届かねえんだ。やっぱ実力不足だな」って思いますね。「見ててください。頑張ります」としか言えないんですけど。だから悔しいです。


――それも踏まえて、最後に聞かせてください。SORAさんとしては、“V系の未来”についてどんな風に考えてらっしゃいますか?

SORA:焦ってますね。やっぱり憧れられる人になるには、自分も含めて弱すぎる。YOSHIKIさんとかには到底敵わないです。「時代が違う」と言ってくれるスタッフもたくさんいますけど、相当努力していたはずだし。海外に向けてやりたい、世界に進出したいって、Xの時からずっと言って、それを実際にやったわけだし。hideさんだって「日本語の美しさを世界に伝えたい」って言って、zilchを組んだりする行動力があったわけで。けれど今の僕らは、当たり前ですけどまず自分たちのバンドを大きくすることに必死だから、まだそこまで手が届いてないし。「じゃあSORAの夢はなんですか?」って訊かれたら「東京ドームでやりたい」とか「海外進出したい」とか、ぶっちゃけ個人的にはそういうのはないんです。僕の夢は「憧れられる人になって、バンドを続けること」なので。もちろん武道館に立ちたいし、東京ドームでやりたいし、そのためには続けないと、憧れられる人になれないし。「努力不足で悔しい」みたいなことばっかり言ってるとファンに失礼かもしれませんけど、でも、その気持ちは今回オーガナイズして、V系について深く考えるようになって、いちばん思っていることです。「V系の未来はどうなりますか?」って訊かれて「半年後ぐらいに、東京ドームか幕張メッセで、DEZERTとキズでフェスやります」とか言えるようにならないといけないし。僕らがもっと“憧れられる人”にならないと後継者が出てこないと思うので、マジで焦ってますね。だから、未来のために僕らがやるべきことは「かっこいいバンドになること」一択なんじゃないかなと思います。どういうことがかっこいいのかは、お客さんが決めることだけれど。だから焦ってます。死ぬ気でやらないといけない。それはマジで思いますね。


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