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<インタビュー>INI、“覚醒”した姿を詰め込んだアルバム『Awakening』とその先に見据える未来
Interview & Text:高橋梓
Photo:Shintaro Oki(fort)
日本最大級のオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』を勝ち抜いた池﨑理人、尾崎匠海、木村柾哉、後藤威尊、佐野雄大、許豊凡、髙塚大夢、田島将吾、西洸人、藤牧京介、松田迅の11人で結成されたグローバルボーイズグループ・INI。2021年11月3日にデビューして以降3枚のシングルをリリースし、いずれもBillboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で首位を獲得してきた。そして、12月14日には満を持して1stアルバム『Awakening』をリリース。さらなる飛躍に期待がつのる。そこでBillboard JAPANでは、メンバー全員にインタビューを実施。アルバム『Awakening』についてはもちろん、“今のINI”についても語ってもらった。
自分たちが思う「INIとは」
――日本ではすでに多くのファンを獲得している皆さんですが、改めてINIとはどんなグループなのかを教えてください。
田島将吾:僕らはオーディションを経て結成されたグループで、生まれた場所もやってきたことも違う11人が集まっています。
池﨑理人:でも、仲良しでおもしろいグループです。和気あいあいとした雰囲気が伝わっていると思います。
田島:この先何があるかはわからないけどね(笑)。
松田迅:たしかに!(笑)
田島:そういうメンバー同士の関係性の変化は、ファンの方から見てもひとつの見どころになると思います。
髙塚大夢:音楽的には、K-POPをベースにしたヒップホップサウンドの音楽をメインにやっています。
藤牧京介:韓国と日本で作られた事務所に所属しているので、MVや楽曲は韓国で作成してもらっていて。そこに日本人らしさが混ざって新しい形になっていると思います。
許豊凡:メンバーの歌い方や個性にJ-POPの要素があるので、完成した楽曲はK-POPの良さもJ-POPの良さも感じられるかも。
木村柾哉:それに、日本では珍しい形で活動しているグループかもしれないですね。一人ひとり得意なものや特化しているものがあったり、個性が豊かだったり。中でもフェンファン(許)は英語、たじ(田島)は韓国語を話せるので、海外に向けて発信もしやすいですよね。
尾崎匠海:その通り!
佐野雄大:今までにはない新しい道を切り拓いて、いろんなチャレンジもしてきました。
西洸人:ここ最近で言うと、日本ではいちばん激しいダンスを踊ってるグループなんじゃないかな。ガツガツした激しいパフォーマンスは僕たちの強みでもあり、特徴でもあります。
後藤威尊:あとはラップとボーカルに強みがあるメンバーもいます。それはヒップホップベースの音楽をやっているグループとしては誇れる点だと思います。
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「集大成」のアルバム
――ありがとうございます! そんな皆さんが、待望の1stアルバム『Awakening』をリリースされます。どんな仕上がりになっていますか?
尾崎:これまでリリースしてきた1stシングル『A』、2ndシングル『I』、3rdシングル『M』の集大成となるアルバムです。
後藤:そうそう。アルバムのテーマが“覚醒”なんですが、メンバーそれぞれが今まで向き合ってきたことが活かされていると思います。
木村:視覚的なダンスや聴覚的なボーカルという面でも、1stシングルの頃から成長していて、メンバーみんなが覚醒した様子がわかると思います。僕たちは練習生として何年も地道に練習を積んできたわけではなくて、オーディションをきっかけにこの世界に入っているので、活動をしながら隙間時間を見つけて日々練習をしているんですね。常に「1stシングルの頃とは違う自分をいかに見せられるか」という意識を持って練習していますし、その結果の“覚醒したINI”がこのアルバムに詰まっています。
佐野:俺もまさにその通りだと思っていて。自分なりに、これまでのシングルごとに「今回はこれを頑張ってみよう」って決めていたんですよ。シルエットを意識しようとか、表情を頑張ってみようとか。それをこのアルバムで全部出しきりました。
髙塚:僕は、このアルバムでINIがどんなグループなのかが確立したと思っています。これまでの3枚のシングルを通して「INIはこういう曲調をやるグループですよ」と少しずつ示してきたうえでのアルバムなので、自分たちのアイデンティティを確立できたのかなって。
尾崎:パフォーマンス面だけでなく、人間としても覚醒しましたね。ありがたいことにいろんなお仕事をさせていただいてきたので、人としても成長して魅力的になったと思うんです。そういった部分がパフォーマンスに繋がって、アルバムの中で発揮されているんじゃないかな、と。
藤牧:培ってきたものを全部ここに込めて、次に進めたらいいなっていう気持ちです。
後藤:INIが“第二章”に行くためのターニングポイントのようなアルバムだよね。
西:逆に、“第一章”が終わったらどうなるのか楽しみです。次にどんなコンセプトが来るんだろう。「覚醒したらどうなっちゃうの!?」って(笑)。
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作詞に苦戦した「SPECTRA」
――楽曲についても伺わせてください。1曲目の「SPECTRA」はタイトル曲かつ、西さんが作詞に参加されていますね。
「SPECTRA」 / INI
西:はい。僕だけじゃなくて、いろんな方が作詞に携わっているので一概には言えないんですけど、僕は結構難しさを感じました。韓国の方も制作に携わっているのですが、韓国の方が聞こえている日本語と日本人が聞こえている日本語、日本人が聞こえている韓国語と韓国の方が聞こえている韓国語って、全然違うじゃないですか。特に韓国語は英語寄りで子音がはっきりしていて、日本語は母音がはっきりしていますよね。今までの僕らの楽曲を考えると、意味よりも音や響きを重視した方がいいのかなとも思って。どういうテイストが好まれるのか悩みましたし、でも言葉の響きばかり気にして作るのも嫌だなと思ったりして……。
――これぞというワードはありますか?
西:〈俺ら最強〉ですね(笑)。「“俺ら最強”って言ってたらおもしろいな」くらいの気持ちではあったんですけど、意外にもキリングポイントになっているというか。韓国の方にとっては音が気持ち良くハマったのかな。しかも、そこをたじが歌っているっていうのもおもしろいですよね。
後藤:この歌詞、西くんが考えたところがすごくわかりやすいんですよ。一回全部の歌詞に目を通してみたんですけど、西くんが書いたところになった瞬間「ここは日本の人が考えたところだ」って思ったし、西くんのワードセンスが出ていました。それが採用されたのは、仲間としてすごく誇りに思います。僕も西くんが書いたところを歌わせてもらっているので、自分のパートがいちばんお気に入りです!
西:えー、嬉しい。ありがとう! 匠海も練習中俺が書いたバースを口ずさんでくれてるんですけど、嬉しいですね。
佐野:それに、曲調もはっきりしてるから聴きやすいよな。イントロは不思議な感じで始まって、民族っぽい感じになるかと思ったら落ち着いて、サビに向かって徐々に上がっていって爆発する、みたいな。INIっぽい曲だと思います。
藤牧:アルバムのテーマにもしっかりハマってるよね。輝きや弾ける感じが表現されているので、それに沿って自分たちもパフォーマンスできたらいいなと思います。
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