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<コラム>チャート急上昇中の8LOOM ドラマ発、“今しか推せない”ボーイズグループの魅力とは



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ドラマ発、“今しか推せない”ボーイズグループ

 TBS系ドラマ『君の花になる』(毎週火曜22時放送)から誕生した期間限定7人組ボーイズグループ、8LOOM(ブルーム)の楽曲が好調なチャートアクションを続けている。9月21日に配信リリースされた1stシングル「Come Again」は、11月30日公開の“Heatseekers Songs”(JAPAN Hot 100を構成するデータのうち、ラジオ、ダウンロード、ストリーミング、週間動画再生数を集計し、その中から急上昇中のネクストブレイク楽曲を抽出したチャート)で5週連続3位を獲得(総合ソング・チャート“HOT 100”では49位)。また、11月9日にリリースされた3rdシングル「Melody」が“Heatseekers Songs”で2週連続1位、“HOT 100”では最高32位を記録するなど、好成績を記録し続けている。ここではドラマの設定やストーリーと完全にリンクした8LOOMの楽曲の魅力、そして、チャートの推移について紹介したい。

 本田翼が主演を務めるドラマ『君の花になる』は、ドラマ『恋せぬふたり』(2022年/NHK)で第40回向田邦子賞を受賞した吉田恵里香氏の脚本によるオリジナル・ストーリー。ある出来事をきっかけに高校教師の職を辞した仲町あす花が、ひょんなことからボーイズグループ「8LOOM」が共同生活する寮の寮母になる。なかなかチャンスを掴めず、崖っぷちの状況にある7人と生活を共にする中で、あす花は少しずつ彼らと向き合い、8LOOMの成功をサポートするようになる……というストーリーだ。

 劇中に登場する8LOOMのメンバーを演じるのは、高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝。俳優、ミュージシャン、ダンサーとして活動するタレントが揃った8LOOMは、実際に楽曲をリリースし、アーティストとしてデビュー。Kカルチャーフェス【KCON 2022 JAPAN】への出演、単独ライブツアーの開催など、ドラマの枠を飛び出した活動を展開し、注目度とセールス力を上げ続けている。YouTubeにアップされているMVは、英語、韓国語、中国語の字幕に対応。グローバルボーイズグループを視野に入れた施策も、このグループの特徴だ。では、これまでに発表された楽曲をひとつずつチェックしてみたい。

1stシングル「Come Again」

「Come Again」 / 8LOOM

 爽やかさと切なさを併せ持ったメロディライン、心地よく飛び跳ねるようなトラックが響き合う1stシングル。〈僕らはここで花咲いて/明日の僕らが呼んでいる〉というラインは、ドラマ『君の花になる』のストーリー、そして、8LOOMのコンセプトを端的に示している。ポップな軽やかさ、音楽的な奥深さを共存したアレンジメントを含め、理想的な“デビュー曲”と言えるだろう。

 MVでは、メンバー個々のボーカル/ダンスの魅力、夢に向かって必死で駆け上がろうとする姿をストレートにアピール。楽曲のクオリティの高さとともに、ボーイズグループとしての可能性をしっかりと見せつけた。劇中では、どん底の状態にあった8人が、完全にアウェイのライブ会場でこの楽曲を披露。“ここからリベンジがはじまる”という印象的なシーンを作り上げ、SNSでも大きな話題を集めた。

 “Heatseekers Songs”では、初登場から5週にわたって3位をキープ。“HOT 100”では、11月23日付チャートでダウンロード(46位→26位)、ストリーミング(69位→46位)の両指標の伸びとともに大きく総合順位を伸ばしており、91位から50位へジャンプアップ。11月30日付ではさらに伸びて最高位49位を記録。なかでも好調なストリーミング指標は最高位36位を獲得し、「8LOOM」というグループの知名度が右肩上がりに上昇していることがうかがえる。


「Come Again」“HOT 100”各指標推移

2ndシングル「君の花になる」

[KCON 2022 JAPAN] 8LOOM - 君の花になる(Kimi no Hana ni Naru)

 10月8日に【Rakuten GirlsAward 2022 AUTUMN/WINTER 】(千葉・幕張メッセ)、10月15日には【KCON 2022 JAPAN】(東京・有明アリーナ)に出演。生のパフォーマンスで観客を魅了し、さらに認知度を高めた直後にリリースされた2ndシングルは、三浦大知、BTS、松下洸平らの楽曲を手がけるUTAのプロデュース楽曲だ。

 冒頭はメンバー全員による透明感に溢れたコーラス。タイトな4つ打ちビートと美しいギターのフレーズを軸にしたトラック、サビに入った瞬間に心地よく開放されるメロディが印象的な楽曲に仕上がっている。リリックで描かれるのは、“何があっても力を合わせて進んでいこう”というメッセージ。劇中の8LOOMのストーリーに寄り沿うと同時に、〈君の花になる〉とリスナーに語りかけることで、リアルなボーイズグループとしての存在感へと結びつけることに成功している。ドラマのタイトルを冠した曲名を含め、8LOOMの最初のアンセムと言えるだろう。

 “Heatseekers Songs”では11月2日付で最高位2位。“HOT 100”では10月26日付チャートで総合49位を記録、そこからいったんは落ち込んだものの、ドラマの盛り上がりとあわせてストリーミング指標と、堅調だったダウンロード指標がさらに伸び、順位がV字回復。特に、11月30日付ではダウンロード指標が35位、ストリーミング指標が52位と過去最高を記録しており、ロングヒットの兆しも。


「君の花になる」“HOT 100”各指標推移

3rdシングル「Melody」

「Melody」OFFICIAL MV / 8LOOM

 ドラマ『君の花になる』第5話、“配信ランキングで1位を取れないとグループの契約が終了してしまう”という場面で登場した楽曲。11月9日に3rdシングルとしてリリースされたこの曲は、実際にドラマ放送後の11月23日付“Heatseekers Songs”で1位を獲得し、ファンの間でも「ドラマが現実になった!」という反応が多く見受けられた。また、同曲のMVは自身最速の3日間で100万回再生を突破しているほか、TikTok上における楽曲人気を測るチャート“TikTok Weekly Top 20”では11月30日付で5位に登場、トップ10入りを果たしている。この背景にあるのはおそらく、ドラマを通して8LOOMに興味を持ったリスナーに「このグループを現実の音楽シーンでもブレイクさせたい」という心理が働いたこと、そして、楽曲自体のクオリティの高さだ。先の2つのグラフからも読み取れるが、この曲の好成績に引っ張られるように、先にリリースされた「Come Again」「君の花になる」もドラマ第5話放送後の11月23日付チャート以降、軒並み大きく順位を伸ばしている。

 〈My heart sings a beat/君の側が僕のMy Best Place〉というスイートなラインではじまる「Melody」。なめらかでやさしい旋律、ネオソウル~シティポップ的なテイストを取り入れたサウンドを軸にしたこの曲は、(これまでの楽曲以上に)幅広いリスナーに訴求できるポップネスを備えている。

4thシングル「HIKARI」

「HIKARI」Special Video for 8LOOMY / 8LOOM

 11月2日から15日にかけて、東京、大阪、福岡で最初にして最後のツアー【君の花になる“Let’s 8LOOM”TOUR~FIRST and LAST”~】を開催。ドラマ内でもブレイクを果たし、いよいよクライマックスに向かい始めたタイミングでリリースされた4thシングル。心地いい疾走感を描き出すキック、浮遊感のあるシンセが共鳴するトラック、バウンシーに跳びはねるサビの旋律、“君はそのままで輝ける”というメッセージを響かせるリリックなど、8LOOMの魅力がバランスよく込められたポップチューンだ。

 TBS公式YouTubeチャンネルにアップされた『8LOOM 「HIKARI」 Special Video for 8LOOMY【TBS】』には、「期間限定のグループじゃなく、これからも、活動してほしいです。 ドラマ見てすごくファンになりました」「歌詞が良すぎて涙が出てきます。 8LOOM終わって欲しくない」といったコメントが数多く寄せられ、8LOOMの勢いがさらに増していることが伝わってくる。その結果を示すように、11月30日発表チャートの“HOT 100”では、初登場にして自身最高位となる31位、ダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”では初登場8位を記録した。

 12月2日、3日、4日には、東京・東京ガーデンシアターで単独ライブ【君の花になる“Let’s 8LOOM”TOUR”~THE FINAL~】を開催、12月7日には5thシングル「Forever or Never」をリリースし、精力的な活動を続けている8LOOM。ドラマのストーリーと結びついた“期間限定ボーイズグループ”はファイナルに向け、ここからさらに注目度を上げることになりそうだ。(Text:森朋之)

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