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<連載>DEZERT・SORA【V系って知ってる?】インタビュー第1回 イベントを立ち上げた理由「自分にとってV系は“憧れ”」

インタビューバナー

Interview & Text:柴那典


 12月27日、東京・日本武道館で、ライブイベント【V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP】が開催される。

「Visual Rockに敬意を込めた大型イベント」として開催される本公演のオーガナイザーをつとめるのが、DEZERTのSORA。イベントのタイトルとなっている「V系って知ってる?」というキャッチコピーの発案者も彼だ。今年6月には渋谷に掲出されたDEZERTの巨大広告看板に書かれたこの言葉が話題となり「#V系って知ってる」というハッシュタグがツイッターのトレンドに浮上するなど大きな話題を呼んだ。

 出演アーティストは、DEZERT、キズ、アルルカン、ムック(※)、D’ERLANGER、girugamesh、そしてV系Respect Super Session。V系シーンの次世代を担う3組に加え、結成25周年を迎えたMUCC、再結成15周年を迎えたD’ERLANGER、このイベントで復活を果たすgirugameshが出演し、さらにはこの日限りのスペシャルな企画としてV系Respect Super Sessionが行われる。

 V系シーンの活性化を目論むコンセプチュアルな公演の意図と裏側を探るSORAへの連続インタビューが実現。第1回はイベントの狙いについて語ってもらった。

※【V系って知ってる? powered by MAVERICK DC GROUP】では、MUCCは「ムック」表記での出演となります。

初めての“オーガナイザー”

――【V系って知ってる?】というイベントを立ち上げた経緯はどういうものなんでしょうか?

SORA:DEZERTは今年11年目になるんですけど、MAVERICK D.C. GROUPという今の事務所に所属して5年目で。今まで3回、12月27日の日本武道館のイベントに出させてもらったんです。最初は先輩のMUCCに連れていってもらって【20TH ANNIVERSARY MUCC祭「えん7 FINAL」in 武道館】というイベントに出演して。でも、武道館は幼い頃からの夢だったし、当たり前に立てるステージではないと思うんです。実際、DEZERTはまだ日本武道館を目指してるバンドなので、いけしゃあしゃあと出れる場所ではないのに、先輩たちや事務所の人たちに連れていってもらっていると僕は感じていて。DEZERTは先輩からいろんな恩をもらっているバンドだと思うんですね。で、MUCCが今年25周年、D’ERLANGERが再結成15周年と、今年はお世話になっている先輩たちの周年が重なっていて。それをきっかけに、先輩たちと、僕が憧れて入ってきたV系というフィールドに対して、敬意を持って何かできないかなと思って。それに、今はV系が盛り上がっていないと世間では言われていて、僕は勝手に業界の人が言ってると思うんですけど、現実的に盛り上がってないとは思うので。それで、うちのボス(MAVERICK D.C. GROUP CEO・大石征裕氏)に「今年の年末はどうするんですか?」って聞いたら、「何もない」って言っていて。「今まで先輩にもらってきた恩を返したいので、何かやれることないですか?」って聞いたら、「お前仕切れ」って言われたので、「わかりました」ということになりました。



Photo:西槇太一

――SORAさんは、これまでイベントのオーガナイザーの経験はありましたか?

SORA:やったことないですよ。今回も、いつの間にかオーガナイザーと言われていて。僕が「楽しいことをやりたいと思ってるんです」ってボスに話して「やりなよ」って言われた時は、「オーガナイザーになりたい」と言ってるとは自分では気付いていなかったんです。そこから先輩に「こういうことを考えてるんですけど、出演していただけませんか?」ってお願いしにいって、同期のバンドにもお願いしにいって。Super Sessionバンドの人達にも敬意を持って「こういうことやろうと思うんですけど」って言って回ってるだけなので。「これがオーガナイズって言うんだ」「仕切るってそういうことなんだ」っていうのが、まず勉強になった。だから、最初は何もわかんなかったです。「こういうことをやりたいと思うんですけど、お願いします」って言い回ってるただのバンドマンっていうイメージで。でも、自然とプロモーションのこととか「どういう風にしたらいろんな人に伝わるかな」「伝染していくかな」って考えていくうちに、「これをオーガナイズって言うんだ」って思うようになった。途中からオーガナイザーっていう言葉が自分の中に入り込んできて、責任感も出てきたし、アーティストSORAとしての立ち振る舞いと、オーガナイザーとしての自分の立ち振る舞いの分別もつくようになってきました。アーティストとしてやりたいこと、オーガナイザーとしてやりたいこと、わがままを通していいところとダメなところとか、言い方も考えなきゃいけないとか、押し付けちゃダメだとか、日々考えながらやってるので。アーティストとしても人としても、すごく成長できるきっかけになったと思ってます。


――いろんな人にお願いをして動いてもらうのって、大変なことだと思うんです。でも、みんなが手をあげないなら自分が手をあげようと思う瞬間があったというわけですよね。

SORA:みんなが手を上げてないから僕が手をあげたというよりは、僕がやらないといけないという使命感に駆られてました。さっきも言いましたけど、何よりお世話になっている先輩たちに恩返しをしたい。じゃあ何ができるんだろうって時に「僕らが風穴を開けて盛り上げようぜ」って思ったんです。いろんなメディアとか、うちのボスとかは「再興」という言葉を使ってるんですけど、「再興」って「死んでる」って言ってるようなものだから、僕は嫌で。最近は、とにかくV系というフィールドをもっと楽しむために、ただ楽しいことをしたいからやっているという感じですね。僕らは当たり前に活動しているようで、当たり前なことなんて何もないので。


――当たり前なことなんて何もない、というと?

SORA:僕はThe BONEZというバンドが大好きなんですけど、彼らは「自分たちが生意気にステージの上から歌えてるのは、ファンがいないと無理だから」という当たり前のことを言っていて。僕の周りの人はその“当たり前”に気づいてないアーティストが多いと思っていて。「だから廃れてんじゃん」と思ったりもしたんです。感謝が足りないなと思って。だから僕は口だけだと思われないようにしたい。ファンのみんなありきだと本当に思っているし、今回、ブッキングしてる方々も、こうやって取材してくださる方や関わっていただいてる方も、事務所もそうですし、やってよかったねって言えるようなことを作らないといけないと思った。それをシンプルに言うと「楽しいことをしたいです」って感じです。だからオーガナイザーっていうよりは、中学生とか高校生とかが「暇だからなんかやんねえ?」とか「面白いことしようよ」みたいな感じのテンションを、筋を通してしっかりやりたいなという感じですかね。


――なるほど。祭りを作るということですね。

SORA:そうです。祭りをしないといけないなと思って。そう思うきっかけの言葉をくれた先輩もいっぱいいるので。いろんな人に背中を押してもらったという感じではあります。



Photo:西槇太一


「V系って知ってる?」

――「V系って知ってる?」というタイトルやハッシュタグはSORAさんが考えたんですよね。最初はDEZERTが今年の6月18日に日比谷野外大音楽堂で開催したワンマンライブの宣伝広告に書かれたキャッチコピーだったわけですが、これはどういうところから生まれた言葉だったんですか?

SORA:うちのボスが「大きな看板を出すから、お前らいいアイデアを考えろ」って急に言い出したんで、「はい、わかりました」って言って。最初は「お前ら」って言ってたのが、途中から何故か「SORA考えろ」になって。で、「V系というフィールドがまだあるんだけど、世間はみんな知らないだろうな」とふと思って。「V系を好きだって言っていいんだよ」という気持ちもあったし、知らない人に「こいつら今さら何言ってんの?」って思ってくれても全然構わないと思ったので、「『#V系って知ってる』っていうハッシュタグをつけて、好きなバンドをつぶやいてね」というのを思いついたんです。広告を出す時は「○○です」っていうより、絶対に疑問形にした方がいいと思って。そうしたら「何?」って考えてくれるし、考えるっていうことは、人生の時間を数秒だけでも僕らにくれたっていうことだと思うので。



――思った以上の反響があった感じでしたか?

SORA:狙っていたわけではなかったので反響は予想してなかったし、バズったらバズったで、すごいとは思いましたけど、何がすごいかって、これによっていろんなお客さん、ファンもそうだし、V系バンドをやっていないバンドマンの方――MOROHAのUKさんとかもつぶやいてくれたりしていて。みんなやっぱり、V系というフィールドを日本のロックの原点だと思ってるんだなと実感できました。すごいのはこの言葉とか、この企画を考えた僕じゃなくて、リスナーのみなさんだと思うので。


――そういう仕掛けみたいなものが待たれていた感じがあったのかもしれないですね。

SORA:V系ってメディアにあまり出てないじゃないですか。昔はテレビに出ていたけど、今は出てないし、出たとしてもV系専門誌、フリーペーパー、時々深夜のテレビ番組とかで。『MUSIC STATION』にも出てないし、そういうのもあって、どんどん衰退していってるイメージが世間にはあると思うんですよね。だからV系を好きな人しか「V系好き」って言えない、謎の劣等感みたいなものがファンの中にあるような気がしていて。でも最近はそれもV系の良さだなと思い始めてます。好きな人だけ好きでいい。ロックとか音楽って、基本的には娯楽なので、それでいいと思うんです。たとえば、俺の父親は音楽好きなんですけど、V系については「男のくせに化粧しやがって」って思うようなタイプなんですよ。そういうふうに嫌いな人が嫌いなのはしょうがないし、でも好きな人は胸張って好きでいてほしいという思いもある。だから「V系って知ってる?」「知ってる知ってる! このバンド好きなんだよね!」ってなってほしい。好きなものを好きって言って何が悪いんだって思いもあるので、そういう気持ちでやったというのもありますね。



DEZERT

――イベントの中身やコンセプトを考えていくにあたって、最初に決めたことや、最初に声をかけた人は?

SORA:まずMUCCは絶対に必要不可欠でした。MUCCはDEZERTがいちばんお世話になっている先輩なんです。最初に僕がミヤさんに出会って、そこからMUCCと仲良くなって、ミヤさんに【COMMUNE Vol.1】というイベントに誘ってもらったんですよね。そこで初めてなんばHatchという大きなステージに連れてってもらって、その場でD’ERLANGERに会って。この事務所に入るきっかけもMUCCに会っていなかったら無かったし、MUCCからすべての縁が始まっていった。だからMUCCは絶対に必要不可欠。D’ERLANGERもそうですね。僕はD’ERLANGERのTetsuさんに何もかもお世話になっていて。D’ERLANGERがかっこいいのは、歳も重ねてベテランだし、「ガキどもなんか余裕だよ」みたいな感じのライブをすると思ったら、いちばん大人げないんです。二人で飯食いに行ったら、「刺激が足んねえ」って本気で机叩く勢いで相談してくるし、そんなかっこいい人達を呼ばない理由がない。この方々のお陰で僕は今音楽を続けられてるし、もしかしたら、DEZERTはMUCCとD’ERLANGERがいなかったら途中で止まっていたかもしれないくらいで。僕らのファンにもこの2バンドのかっこよさを見せたいと思って、敬意を込めてお声かけしました。



D’ERLANGER

――キズとアルルカンに関してはどうでしょうか。DEZERTとの関係は?

SORA:同世代ですね。歳も全員ほぼ同じなので、僕は同期のバンドと思ってます。2バンドとも僕が個人的に声をかけて、今のV系フィールドがかっこいいということを証明するのにいなきゃいけない存在だし、この2バンドがイベントに確実に必要だと思ったから選びました。それを伝えたら、お互い「SORAが誘ったから出る」っていう一言があって、出てくれるっていう感じですね。


――girugameshに関してはどうでしょうか。今回が6年ぶりの復活ライブになるわけですが。

SORA:これはシンプルで、girugameshは今年2月に「engrave」という新曲を出したんですよ。MAVERICK DC GROUPの40周年と、コロナ禍で疲弊した音楽シーンに向けての力になりたいと作られた〈壊れた世界で 君を救えるなら 突き刺せ光よ もう一度だけ〉という歌詞の新曲で。でも「いつ光を突き刺すんだよ」って後輩としてずっと思ってたんですよ。「言うだけ言って、ライブしないじゃん」って、普通にファンとしても後輩としても思っていて。で、ドラムのЯyoさんと深く付き合いがあるんですけれど、いろいろ話していて絶対きっかけが必要だなと思って、生意気な後輩の行動として「MUCC結成25周年を祝いたいし、D’ERLANGER再結成15周年を祝いたいし、立ち上がる時って今だと思うんですけど、力を貸してもらえませんか?」って一人ひとりに話をしにいったんです。「V系フィールドが今元気ないと言われちゃってムカつくんで、そろそろ風穴を開けたいんですけど、一緒に楽しいことしませんか?」って言ったら「SORAがきっかけを作ったならやるわ」ってみんな言ってくれました。いろんなことがあって一回解散してるバンドなので、俺の知らないところでしがらみもあったと思うんですけど、シンプルに思いを伝えたら、シンプルに「やる価値ある」という気持ちになってくれたんだと思います。



girugamesh

――なるほど。真っ直ぐに「やってください」と伝えたという。

SORA:全員そうでしたね。今回のオーガナイズのテーマが、真っ直ぐに伝えてみる。それでダメって言われたら、失礼のないように潔く撤退するっていうのがテーマなんです。V系というフィールドに対して敬意を込めて何かをするんだったら、嘘をついちゃダメだし。たくさんの人が関わっているから、場合によってはそういうやり方が効果を持つこともあると思うんですけど、今回はそういうことは一切やめようというルールを決めてやりました。


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尊敬する先輩たちからのアドバイス

――「V系 Respect Super Session」については、どういうコンセプトを考えてますか?

SORA:事務所のある先輩と電話をする習慣があって、雑談をよくしてるんですけど。このイベントをオーガナイズすると決まって、「面白いことをしたいと思ってるんですけど、難しく考えすぎなんですかね」って言ったら、「SORAがオーガナイズするんだから、SORA祭りでいいんじゃない?」って言われたんです。僕ちょっと昔やんちゃしてて、バイクを乗り回したり、その辺にたむろって花火をやったり、皆で集まって楽しいことをするのが好きだったんですけど、「そういうのでいいんじゃん」って。「呼びたい人を全員呼んでさ、ダメって言われたら、ごめんなさいで良くない?」「祭りだよ、祭り」って背中を押してくれて。「祭りってなんだろう。ちょっと考えます」って言って電話を切ったんです。俺がやってた祭りって、好きな人を集めて、好きなものを使って、何か楽しいことをやってただけだなと思って。で、初心に帰るなら、俺、コピーバンドから始まったなと。好きな人達を集めて好きな人たちに尊敬を込めてやれることってなんだろうと考えたら、やっぱりカバーバンドなんですよね。「Super Session」って言ってますけど、ただのカバーバンドなので。“Visual Rockに敬意を込めて”というアイデアがふっと落ちてきたからやることにした。その先輩がいなかったら、このアイデアは出てこなかったですね。


――いろんな先輩の方からアドバイスがあったんですね。他にも相談した方はいましたか?

SORA:MUCCの逹瑯さんですね。2019年の【MUCC Presents Trigger In The Box supported by MAVERICK DC GROUP】のオーガナイズをしていたのが逹瑯さんだったから、このイベントをやるとなった時にも最初に話したんです。そしたらめちゃくちゃ親身に話を聞いてくれて、アドバイスもくれて。逹瑯さんには、プライベートのこともバンドのことも、日頃なんでも相談してるんです。いつもちょけてる先輩なんですけど、時々真面目にまっすぐなことを言ってくれるんですよ。で、その時に逹瑯さんに言われたのは「ひとりの脳みそで考えろ」ということ。いろんな人の意見を聞きすぎたら進まないし、ボスがいいって言ったってことは、お前がやれるってみんな思ってくれてるんだから、自信を持ってひとりの脳みそで考えて動いてみたらいいって。僕はいろんな人の意見を聞いて悩んじゃうタイプの人なので、それに最初から気付いてくれていたんですよね。そういうアドバイスが最初にあって、それでエンジンがかかったんです。で、D’ERLANGERのTetsuさんにも相談して。「こんなことを考えていて、こういうことをやろうと思ってるんですけど、どう思います?」って聞いたら、「やった方がいいよ」って言ってくれて、「俺でよかったら何でもやるよ」って最強の言葉を添えてくれて。で、セッションの内容を考えて、いろんなアイデアが出てきて、毎日いろいろ考えたりやり取りしていたりするところです。



MUCC

同世代バンドと共通する価値観

――アルルカンとキズに対しては、世代だけじゃなくDEZERTと共通する価値観や美学というものを感じたりしているんじゃないかと思います。そのあたりについてはどうでしょうか?

SORA:僕から言うと上から目線みたいな言い方になっちゃうんですけど、やっぱり、信念を持って活動をしているということですね。特にアルルカンは友達で、常に悩んでいるんです。悩むのを隠すんですけど、悩んでる姿を見るのがいいんですよ。普通にお客さん目線で見ていても、悩んで成長していくさまを見たい。でも当の本人は悩んでるわけだし、どうにかしたいと思って歌っている。そういうところに信念を持っていると僕は感じていて。キズの来夢くんとはまだ知り合って短いんですけど、彼のいいところは、憧れというものに対しての気持ちが1ミリも汚れてないところだなと思っていて。僕、V系って、憧れの塊だと思うんです。先駆者のX、LUNA SEA、GLAYから始まって、それに憧れて出てきたいろんな人がいて、さらにそこに憧れた僕たちがいて。憧れが継承されている。「こういう風になりたい」「こういうことやりたい」から始まってるから、似ているバンドも多い。でも、憧れが継承されるのってなかなかないことだと思っていて。V系のバンドって、ある程度人気になってくると憧れの対象を隠す傾向があるんですよ。V系の人達って取り繕うのが好きなので、照れ隠しもみんなするし。だけど、来夢くんは、憧れを隠さないし、それに対して「俺らにできることはなんだろう?」ってずっと考えていて。だからこのイベントをやるにあたって、同期で最初に電話したのは彼で。で、彼は「ありがとうSORAくん、MUCCと対バンできるのはSORAくんのおかげ」って言ってくれたんです。「俺が憧れた人たちと一緒のステージに立てるんだ、そういう夢は叶うんだよって、もっと伝えていかないといけないよね」って、真面目なトーンで言われて。ああ、この人は包み隠さず少年のままなんだなと思って。キズは【VISUAL】というタイトルでLINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブをやってたりするんですが、全部つながってるのがさすがだなと思います。だからこそ、この3バンドは必要だなと思う。信念がある。うちのボーカル(千秋)もそうだと思います。彼は自分をいろんな人に理解してほしいんだけれど、不器用な人なので、ステージ上でしか本音が言えないんですよ。日頃は傍若無人で「何言ってんだこいつ」って感じなんですけど、歌でしか本性を出せないし、歌でしか本音を言えない人ってカリスマだと思うので。苦しいこともあるんですけど、歌に信念を込めて、気持ちを込めて、全てを込めてやってるんだなって、ステージ上での彼を見ていて思うので。もちろんうちのボーカルがステージ上でいちばん格好いいと思って、後ろで叩いてますし。彼にはそういう信念を感じる。V系の憧れの強さっていうのは本当に強いと思うんですよね。アイドルに憧れてアイドル始めましたっていう人もたくさんいると思うんですけど、そういうものよりも、めちゃくちゃ分かりやすく伝えられるフィールドだと思っていて。僕の憧れで言うなら、僕はhideさんが大好きなんですけど、ピンクってロックスターの色だと思っていて。そうなりたいから、僕は全身ピンクでいるんです。hideさんになりたいっていうよりは、ロックスターの意志を継いでいきたい、憧れたものを表現したい、またそれに憧れる人がどんどん出てくればいいと思ってやってるので、そういう意味があるルックスをしてるのが、究極のV系だなと思ってるんです。そういう信念を持ってる3バンドという感じですかね。



アルルカン


キズ


――なるほど。これは単なるいくつかのバンドが集まったイベントというのではなく、ひと繋がりの長い時間をかけて味わうコンセプチュアルなお祭りなんですね。

SORA:そうですね。僕ら世代の【VISUAL JAPAN SUMMIT】です。


――そして、先輩バンドだけでなく、V系という言葉が価値観のルーツにもなっている同世代の3組が集まっていることにも意味がある。

SORA:そうですね。前に『YOSHIKI CHANNEL』に出てYOSHIKIさんと話した時に、V系という言葉は世間が勝手に作ったものだということをYOSHIKIさんが話していて。「V系って何だ?」って言われたら、「生き様だと思う」って言ってたんです。「俺らは明日なんて来ないと思ってやってたから、生き様としか言いようがない」って言ってて。めちゃめちゃかっこいいなと思ったんです。「最強だな。勝てねえ」と思って。で、僕ら世代はそうやって「生き様」と言っていた人たちに憧れて始めてるから、俺らはそれでしかないんです。だから自分が「V系って何ですか?」って聞かれたら「憧れです」と答えると思います。「化粧してバンドをやることです」とか、一般のわかりやすい物理的な言葉じゃなくて、憧れでしかない。だったら、自分がもっと憧れられる人になって、そういう人たちをもっと作り出していかないといけないなと思って。だから使命感がめちゃめちゃあるんですよね。僕もYOSHIKIさんに頼りたいわけではないし、僕らは僕ら世代でやるべきことが絶対にあると思うから、本人のYOSHIKIさんが「生き様」って言うなら、俺らはそれに憧れて始めたんだから「憧れ」を続けないといけない。だから、敬意を込めてこのイベントをやるというピースができた。じゃあ「誰を呼ぶ?」って言ったら、まずは憧れてる人たちを呼ぶ。出演できなかった人に対しても、憧れてる人たちと好きな人で好きなことをやるセッションがある。それらを本気で憧れて語り継いでいく3バンドが出る。そうやってパズルのピースが自然と揃っていった。だから12月27日にそれがどうハマるのかが楽しみです。


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